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My Houzz:リサイクル材料&DIYで建てた、光と風があふれる「窓の小屋」
バリ島の高床式の小屋にあこがれて、オレゴン州の女性が自宅の裏庭に建てた小屋。瞑想やダンスセッションや音楽会など、人生を存分に楽しむための場所になっています。
Sarah Greenman
2015年9月29日
ティメラ・ウィットナーさんは、アーティストであり、ダンサー、旅人、そして何より、さまざまな体験を重ねることを楽しみにして生きる人だ。ニューブリッジという小さな町の、イーグル谷が狭くなっていく北端あたりの家に住み、ラマを飼い、工房で陶芸をし、ベリーダンス教室を主宰し、古い田舎の家の手入れをしながら暮らしている。これだけでも充分多彩な活動ぶりだが、彼女の家の敷地を見渡すと、一段と際立つ存在が目に入る。垂直の4面がすべて窓でできた「スピリットハウス」だ。裏庭の丘の上に立つこの小屋は、ウィットナーさんが友人たちの手を借りて、ほぼDIYで、しかもすべてリサイクル材料を使って建てた建物なのだ。
どんなHouzz?
居住者:ティメラ・ウィットナーさん
規模:約9平方メートル
所在地:オレゴン州ニューブリッジ
初めてのバリ旅行で、高床式の建物の魅力のとりこになったウィットナーさん。柱を立てて床を組み、屋根をかけ、床に上がるための階段をつけただけのオープンエアなスペースをつくってみたい、と思い始めた。「バリで見た、スピリチュアルな力を感じさせる建物をつくりたくなって、そのために、とにかく夢をかなえる手助けをしてくれる人を探すことにしました」とウィットナーさんは振り返る。
居住者:ティメラ・ウィットナーさん
規模:約9平方メートル
所在地:オレゴン州ニューブリッジ
初めてのバリ旅行で、高床式の建物の魅力のとりこになったウィットナーさん。柱を立てて床を組み、屋根をかけ、床に上がるための階段をつけただけのオープンエアなスペースをつくってみたい、と思い始めた。「バリで見た、スピリチュアルな力を感じさせる建物をつくりたくなって、そのために、とにかく夢をかなえる手助けをしてくれる人を探すことにしました」とウィットナーさんは振り返る。
2006年に、ウィットナーさんは父親や家族ぐるみの友人の手を借りて、計画に着手し、材料を集め始めた。近くの山に行き、手斧で木を切り倒し、ドローナイフで削って4本の太い柱を作った。続いて、骨組みを作り、床を組み、屋根をかけた。「ほんとに素敵な空間ができました。まさに夢見たとおりの小屋でした」とウィットナーさん。
床板と正面入口に上がる階段の木材は、すぐ近くにある祖父の農場からもらってきた廃材。「大嵐で倒れた納屋があったので、その木材を使いたい、ともらってきたのです。やすりをかけたらきれいになりました」
1つだけ問題があった。オレゴン州東部とバリでは気候がまったく違うということ。冬は強い風が吹き、凍てつく寒さとなるし、時期によっては野生の七面鳥がすきあらば巣を作ろうするため、実際のところ、このオープンエアな空間で過ごせる時期はほとんどない。「そこから第2段階が始まりました。この空間を窓で守ることにしたんです」
1つだけ問題があった。オレゴン州東部とバリでは気候がまったく違うということ。冬は強い風が吹き、凍てつく寒さとなるし、時期によっては野生の七面鳥がすきあらば巣を作ろうするため、実際のところ、このオープンエアな空間で過ごせる時期はほとんどない。「そこから第2段階が始まりました。この空間を窓で守ることにしたんです」
ウィットナーさんは数ヵ月をかけて古い窓を集めていった。「改築現場に出かけていって、『その古い窓、もしかしていらないんですか?』とずうずうしく聞いたりもしました。あとはアンティークショップやごみ捨て場で見つけたり、私が窓を探していることを知った友人からもらったり」
2008年に、ウィットナーさんは地元のドラマーでたまたま大工仕事も得意だという友人に、リサイクル窓の取り付けを手伝ってくれないか、と頼んた。「彼は私のベリーダンス教室でときどき演奏してくれていたのですが、ちょうど仕事を探しているところでした。一方、私は手伝ってくれる人を探していたわけ。それに、こんな突拍子もない私のアイデアに手を貸してくれる風変わりな人は、彼しかいませんでしたね」
2008年に、ウィットナーさんは地元のドラマーでたまたま大工仕事も得意だという友人に、リサイクル窓の取り付けを手伝ってくれないか、と頼んた。「彼は私のベリーダンス教室でときどき演奏してくれていたのですが、ちょうど仕事を探しているところでした。一方、私は手伝ってくれる人を探していたわけ。それに、こんな突拍子もない私のアイデアに手を貸してくれる風変わりな人は、彼しかいませんでしたね」
30枚の窓に1枚ずつ枠をつけてはめ込んでいく作業は、いちばんの難関だった。「天気や風の具合にあわせて窓を開け閉めできるようにしたくて」とウィットナーさん。30ある窓のうち、動かないのは8枚だけ。残りの22枚の窓はすべてラッチや蝶番で開閉できる。まるでガラスでできたルービックキューブようにも見える小屋になった。
「窓をまず、一度すべて芝生の上に並べ、それから、友人が、組み合わせ方や隙間をどう埋めるかを考えるという大仕事をやってのけてくれました」
「窓をまず、一度すべて芝生の上に並べ、それから、友人が、組み合わせ方や隙間をどう埋めるかを考えるという大仕事をやってのけてくれました」
蝶番の取り付け方を工夫して、窓がいろいろな方向に開くようにしている。強い風が山から吹く北側の窓もあれば、低い果樹に守られている窓もある。果樹は木陰をつくるだけでなく、防風林の役目も果たす。
小さめの窓は、リサイクルショップを回って手に入れたもの。雪の降る冬の日も、小さな窓なら優しい風を通すことができるし、冬にはささやかなパッシブソーラー暖房の役目も果たす。こうして今では、一年中いつでも使える小屋になった。
ふだんは瞑想用の部屋として使っている。「朝、ここでコーヒーを飲むこともありますが、気がつくとストレッチをしています。動物もやってきますし、ふと気づくと瞑想していますね」
ウィットナーさん(写真)は、裏庭でゲストをもてなすのが好きで、音楽を楽しむ会のほか、ダンス教室やたき火などの屋外活動を楽しむ会も催す。そういうときには、ここが格好の見物席になる。「窓を開けると、みんなの活動を見晴らすことができる、最高の場所です」
スピリットハウスの中や周りには、果樹やぶどうのつるが伸び始めている。「ときどき植木ばさみでカットしますが、それ以外はここの手入れはとても楽です」とウィットナーさん。
スピリットハウスの中で心静かに過ごすウィットナーさん。向こうの野原から聞こえてくるミツバチの羽音に耳を澄ます。「ここは、静かに座って、自分自身の信念を振り返る場所なんです。ここにいると本当に心が安らぎます」と話してくれた。
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