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Houzzツアー:猫との出会いが家づくりのきっかけに。一緒に楽しく暮らす工夫満載の住まい
猫も人も楽しく、快適に暮らせるアイデアを随所に取り入れた、おしゃれなナチュラルインテリアの家。のびのびと暮らす猫の写真とともにご紹介します。
chihiro suzuki
2017年1月30日
今回ご紹介する家づくりのストーリーの主役は、猫の「サバ」。猫にサバとは、なんてナイスな名前なんだろうと思ったら、フランス語の「Ça va?(ごきげんいかが?)」という意味も含まれているのだそう。そんなウィットに富んだ名前をつけたのは、兵庫県三木市にある施工会社〈ienowa〉の中尾朱美さん。「2年ほど前に会社の倉庫で生まれた子猫のサバを見つけて飼い始めて以来、私たちのライフスタイルも大きく変わりました。それまでは仕事優先で、自分たちの住まいづくりは後回しになりがちでしたが、サバが来てからは、サバのために家をつくりたい、もっとのびのびと走り回れるようにしてあげたい!と思うように。以前の賃貸住まいではあまり活動的でなかったサバが、この家に越してからはダイニングの土間でゴロゴロしたり、ロフトでひなたぼっこしたり、キャットウォークを散歩したりと、のびのびと楽しそうに暮らすようになりました」。さっそく、そのサバの暮らしぶりをのぞいてみることにしよう。
まずはリビングスペースから。吹き抜けに、ちょうどいい間隔でキャットウォークや梁があるので、猫が自由に家の中を行き来できるようになっている。テーブルの下、オーク材のヘリンボーン張りの床上にいるのがサバ。くつろいでいる様子が、この写真からもわかる。
どんなHouzz?
所在地:兵庫県神戸市
住まい手:中尾武士さん&朱美さん夫妻、猫のサバ&ウリ(写真撮影時はサバのみ)
延床面積:165.87平方メートル
敷地面積:92.77平方メートル
構造:木造2階建て
竣工:2016年6月
設計:岸本貴信(CONTAINER DESIGN)
施工:ienowa produced by中尾建設株式会社
どんなHouzz?
所在地:兵庫県神戸市
住まい手:中尾武士さん&朱美さん夫妻、猫のサバ&ウリ(写真撮影時はサバのみ)
延床面積:165.87平方メートル
敷地面積:92.77平方メートル
構造:木造2階建て
竣工:2016年6月
設計:岸本貴信(CONTAINER DESIGN)
施工:ienowa produced by中尾建設株式会社
写真右側にあるハンギングチェアもサバの定位置。これは結婚10周年のときに夫婦でアメリカのポートランドに旅行に行った際、買い付けてきたもの。ほかにも、家のなかにはポートランドで見つけた家具や雑貨がたくさんある。
キッチンは造作で、ベルギー生まれの「モールテックス」という左官材で仕上げたクールなビジュアルが特徴的。塗ればどんな素材でもコンクリートのような質感になる、注目の素材だ。
冷蔵庫はパントリーに、普段使いの器は収納棚に、食洗器や鍋類、調味料、ごみ箱などはすべてアイランド内に収納することで、見た目にもすっきりとしたキッチンに仕上げた。
冷蔵庫はパントリーに、普段使いの器は収納棚に、食洗器や鍋類、調味料、ごみ箱などはすべてアイランド内に収納することで、見た目にもすっきりとしたキッチンに仕上げた。
キッチンとリビングを上から見たところ。キッチンの土間は、モルタルの上にクリア塗装を施した。水を使う場所だからという理由だけでなく、これは猫のためにもいい素材だという。「土間は暑い夏でもひんやり涼しく、猫たちはゴロゴロ転がって体温調節ができるので、クーラーをつけなくても安心して留守番をさせられます。猫の毛やホコリなどの掃除もとても楽ですよ」と中尾さん。
ダイニングからキッチンを眺めたところ。施工会社を営む中尾さん夫妻は、この家をオープンハウスとしても活用しているので、ダイニングでは打ち合わせをすることが多いそう。そこでLDKをL字形にして、キッチンの先にあるプライベートなリビングがダイニングから見えないように工夫した。
ダイニングの横には、サバのごはんスペースがある。手作りの棚の上には旅先で見つけた雑貨などを飾って、おしゃれに演出している。その横に立ててある爪とぎは、デンマークのお土産でもらったものだそう。愛用の爪とぎが北欧製とは、なんてかっこいいんだ、サバ!
統一感を出すため、ディスプレイ棚と同じラワン材の「ランバーコア合板」で造られたキャットウォーク。家じゅうを見渡せる特等席だ。「実はこの家には、個室が寝室の1部屋しかなく、あとは腰高の壁で空間を仕切るなどして、猫がすべての空間をぐるぐる自由に回遊できるようにしてあります」。
サバが満足げに鎮座しているこのキャットウォークは、猫が通れる幅を計算して、奥行きを45.5cmと25cmに凸凹にカットしている。猫目線に立った楽しいアイデアだ。
サバが満足げに鎮座しているこのキャットウォークは、猫が通れる幅を計算して、奥行きを45.5cmと25cmに凸凹にカットしている。猫目線に立った楽しいアイデアだ。
こちらは、人間のトイレのドアに猫用の扉もつけたもの。ドアになじむ白いフレームに、ヴィンテージ風の扉がしゃれている。「サバは引っ越し前からこれに似た仮の扉を作ってトイレに行く練習をしていたので、すんなりこの扉を通ってトイレに行けるようになりました。海外で購入した既製品なのですが、気に入っています」。
人間と猫、共同のトイレスペース。「猫トイレの砂は水に流せるタイプを使っているので、そのままトイレで処分でき、掃除がとても楽になりました」。木製の板で扉をつけて、猫のトイレスペースが丸見えにならないようにしているのも、ささやかながらグッドアイデア!
階段も、猫への思いやりに満ちている。猫の爪とぎにも使われる自然素材、サイザルを床に使い、足ざわりのよさと素材感のよさが、家族みんなのお気に入りだ。爪とぎをしたら、あっという間にボロボロになってしまうのでは?と思うが、意外と頑丈で、今でもきれいな状態を保つことができているという。
2階の造りにも、猫の快適さを考慮した独特の工夫がある。この家の唯一の独立した部屋である寝室(写真左)へ行き来するには、写真奥にある扉を利用するか、一度中央のデッキ部分に出なくてはならない構造になっているのだ。「サバにも時々は外の空気を吸わせてあげたかったので、飛び出しの心配のない2階にデッキを設け、天気のいい日はここでひなたぼっこができるようにしました」と中尾さん。これならいつでも、猫のペースで日光浴ができるので、飼い主も玄関先での猫の出入りを気にかける必要がなくなり、お互いがストレスから解放される。
家の中心には吹き抜けを設けて、猫たちがぐるぐると、縦にも横にも自由に行き来できるようにした。また、吹き抜けがあることで光が家じゅうに回り、日中はどこにいても明るい家になったという。
寝室とはまた別に、2階にあるフリースペース。ゲストが泊まったり、猫たちがじゃれあったり、自由に使われている。ここの床はオーク材を寄せ木貼りにしたパーケットフローリングで、ほかのフロアとはまた違った床材の提案をしている。
「アメリカ・ポートランド旅行で訪れた、エースホテルをイメージした」というバスルーム。白のタイルを馬目地に貼ったり、黒い木製の見切り縁を入れたりして、白い空間にメリハリを加えている。
奥行きが浅めの洗面ボウルは〈デュラビット〉の《STARCK3》。写真では切れてしまっているが、ペデスタル(台座)をどうしてもつけたかったため、この洗面ボウルを採用したのだとか。
奥行きが浅めの洗面ボウルは〈デュラビット〉の《STARCK3》。写真では切れてしまっているが、ペデスタル(台座)をどうしてもつけたかったため、この洗面ボウルを採用したのだとか。
「照明ひとつでも家の雰囲気が変わるので、種類の異なる照明を多灯使いすることで、お客様にライティングのイメージをふくらませてもらいたいと思っています」というのは、住まいをオープンハウスとして開放している中尾さんらしい考え。ペンダントタイプやブラケットタイプなど、家のなかにはさまざまな照明が設置されている。
特注サイズの大きなガラス窓越しにも、温かな光の照明が居心地のいい空間を映し出しているのがわかるだろう。
特注サイズの大きなガラス窓越しにも、温かな光の照明が居心地のいい空間を映し出しているのがわかるだろう。
軽量モルタル下地の上に、弾性アクリルシリコン樹脂を吹き付けて仕上げた外壁。ゴツゴツした感じにならないよう、吹き付けは細かいタイプを選んだ。「四角形が際立つクールなイメージにするため、塗装の色は、白の中でも青みがかった白を選びました」。外から見ると、デッキ部分のみ風が抜けるように凹形なのがわかる。
もともとは、ペットを飼う予定すらなかったという中尾さん夫妻。それが、引き取り手のなかったサバを家族に迎えてからは、暮らし方が豊かに広がったという。「夫婦で同じ職場で働いているので、家に帰っても仕事の話ばかりしていたのですが、サバが来てから変わりました。サバと遊ぶことで気分が切り替わり、家で過ごす大切な時間になり、夫婦げんかの数も圧倒的に減りました(笑)。サバがいなかったら、きっとまだ自邸を建てる決心さえつかなかったと思います。今ではサバにとても感謝しています」。
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