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家族で自然を満喫。極上の浴室と広々としたデッキを備えた軽井沢の別荘
3人の子供たちの成長期に家族で軽井沢ライフを楽しむため、オーナーは時間のかかる土地探し&新築計画を見直し、中古物件を購入。Houzzで見つけた長野県の建築家に改修を依頼して、飛躍的に自然とのつながりが感じられる住まいに変身させました。
Miki Anzai
2023年10月12日
東京在住の会社経営者・佐野隆之さんが、ご家族と愛犬と共に、自然を満喫している軽井沢の別荘をご紹介します。
土地や物件探しに約3年を費やした後、「このままでは子どもたちに別荘生活を経験させてあげられない。既に建っている家を買って手を加えよう」と決意した佐野さん。ある日「今日、内覧する物件の中から決める!」と宣言し、旧軽井沢エリアに建つ築10数年の別荘を購入しました。
土地や物件探しに約3年を費やした後、「このままでは子どもたちに別荘生活を経験させてあげられない。既に建っている家を買って手を加えよう」と決意した佐野さん。ある日「今日、内覧する物件の中から決める!」と宣言し、旧軽井沢エリアに建つ築10数年の別荘を購入しました。
理想の家を建てるという「ベストの選択」から「ベターな選択」に切り替えて購入したのが、こちらの建物。東側が全面ガラス張りで、調理のできる暖炉もあるポテンシャルの高い物件でしたが、居住空間と庭が完全に分断されていました。そこで一日も速く、「もっと家と自然とをつなげたい」との思いで、佐野さんがリノベーションを依頼したのが、アトリエハトリ一級建築士事務所の羽鳥栄子さんです。
Houzzのサイトで、地元の気候風土に精通している長野県のプロに限定して検索して、4名の候補者の中から羽鳥さんに決めたという佐野さん。決め手は、「対応が速く、こちらの要望以上の提案をすぐに出してくれたこと」だったと語ります。
それでは、見違えるように生まれ変わった別荘を、早速拝見してみましょう。
Houzzのサイトで、地元の気候風土に精通している長野県のプロに限定して検索して、4名の候補者の中から羽鳥さんに決めたという佐野さん。決め手は、「対応が速く、こちらの要望以上の提案をすぐに出してくれたこと」だったと語ります。
それでは、見違えるように生まれ変わった別荘を、早速拝見してみましょう。
どんなHouzz?
住まい手:夫婦+3人の子供+愛犬1匹
所在地:長野県北佐久郡軽井沢町
設計:アトリエハトリ一級建築士事務所(羽鳥栄子さん)
竣工年月:2020年10月
施工:竹花工業株式会社
写真:林光さん(羽鳥さん撮影のビフォー写真を除く)
リノベーションのポイント:1.デッキの拡充(16㎡→約60㎡)、2.ユニットバスとトイレを1つにして浴室(4.9㎡)を造作、3.バスコート(7.5㎡)を新設、4.洗面脱衣所(4.1㎡)をリフォーム、5.トイレ(2.5㎡)を移設
1. バルコニーを広々としたウッドデッキに拡張し、多目的スペースに
以前は、家の外で遊んでいる子どもたちに呼ばれても、バルコニーから直接、庭に降りることができませんでした。そこで羽鳥さんは、佐野さんのリクエストで、地上まで緩やかに8段のステップをつけながら、2つのフロアーがあるデッキを造作しました。大人も子供もゲストも犬も、みんなが緩やかに繋がりながら、屋内外を回遊できるスペースの誕生です!
住まい手:夫婦+3人の子供+愛犬1匹
所在地:長野県北佐久郡軽井沢町
設計:アトリエハトリ一級建築士事務所(羽鳥栄子さん)
竣工年月:2020年10月
施工:竹花工業株式会社
写真:林光さん(羽鳥さん撮影のビフォー写真を除く)
リノベーションのポイント:1.デッキの拡充(16㎡→約60㎡)、2.ユニットバスとトイレを1つにして浴室(4.9㎡)を造作、3.バスコート(7.5㎡)を新設、4.洗面脱衣所(4.1㎡)をリフォーム、5.トイレ(2.5㎡)を移設
1. バルコニーを広々としたウッドデッキに拡張し、多目的スペースに
以前は、家の外で遊んでいる子どもたちに呼ばれても、バルコニーから直接、庭に降りることができませんでした。そこで羽鳥さんは、佐野さんのリクエストで、地上まで緩やかに8段のステップをつけながら、2つのフロアーがあるデッキを造作しました。大人も子供もゲストも犬も、みんなが緩やかに繋がりながら、屋内外を回遊できるスペースの誕生です!
建物沿いの既存の植栽を一部残し、ウッドデッキは、その木を囲むようにリビング側から玄関ポーチまで繋がっています。
デッキの手すりは、トップの笠木(かさぎ)の幅をあえて太めにして、バーカウンターとして利用できるようにしました。階段部分も、ベンチとしても利用できるように高さを調節してあります。
「具体的に佐野さんがデッキを『どのように使いたいか』というお話をしてくださったので、とても設計がしやすかったです」という羽鳥さん。一方、佐野さんは、羽鳥さんのレスポンスの速さとデザイン力、さらに地元の設計士さんならではの提案がありがたかったと語ります。
たとえばパーゴラには、取り外し可能なテント生地製のシェードを付けていますが、羽鳥さんのアイデアで、シェードを畳んだところに、上から葉が落ちて詰まらないように小屋根を設置しています。佐野さんは、建物と同化したデザインだけでなく、きちんと役割を果たす小屋根に「細やかな心配り」を感じたと言います。
「パーゴラ」のある庭のつくりかた。ウッドデッキ、テラスにもオススメ
「具体的に佐野さんがデッキを『どのように使いたいか』というお話をしてくださったので、とても設計がしやすかったです」という羽鳥さん。一方、佐野さんは、羽鳥さんのレスポンスの速さとデザイン力、さらに地元の設計士さんならではの提案がありがたかったと語ります。
たとえばパーゴラには、取り外し可能なテント生地製のシェードを付けていますが、羽鳥さんのアイデアで、シェードを畳んだところに、上から葉が落ちて詰まらないように小屋根を設置しています。佐野さんは、建物と同化したデザインだけでなく、きちんと役割を果たす小屋根に「細やかな心配り」を感じたと言います。
「パーゴラ」のある庭のつくりかた。ウッドデッキ、テラスにもオススメ
セランガンバツ製のウッドデッキのステップの一部を「ベンチとして利用したい」という佐野さんの要望に応えて、画像のようにステップを一段抜かして、座りやすい場所を設けています。蹴込板に施された細い板を挟んだリズミカルなデザインが「とても美しく、ワクワク感があります」(佐野さん)
2. ユニットバスとトイレの2室を、ヒノキの香りが漂う造作風呂に
以前のユニットバスは窓も小さく、外の景色を楽しめませんでした。「緑に開放されたお風呂にはいりたい」という佐野さんの発言を受け、羽鳥さんは既存の浴室とトイレを1つにし、広くしたスペースに、素材にこだわって「癒やされるお風呂」をイメージしながら、このバスルームをデザインしました。
壁はヒノキの縁甲板(えんこういた)で仕上げているので、「よい香りに包まれてのバスタイムは極上の時間」だそうです。奥様は1日に3回も入浴を楽しまれることもあるそうです。
以前のユニットバスは窓も小さく、外の景色を楽しめませんでした。「緑に開放されたお風呂にはいりたい」という佐野さんの発言を受け、羽鳥さんは既存の浴室とトイレを1つにし、広くしたスペースに、素材にこだわって「癒やされるお風呂」をイメージしながら、このバスルームをデザインしました。
壁はヒノキの縁甲板(えんこういた)で仕上げているので、「よい香りに包まれてのバスタイムは極上の時間」だそうです。奥様は1日に3回も入浴を楽しまれることもあるそうです。
浴室の床に薄塗りした左官材のモールテックスは、「モルタルのようでいて、感触が柔らかで手触りがよく、とてもよいです」という佐野さん。質感豊かで、時間の移ろいと共に、自然光が織りなす陰影の表情も見応えがあります。
ユニットバスと在来工法の違いとは?
ユニットバスと在来工法の違いとは?
3. 浴室の外に、眺望とプライバシーを両立させたバスコートを新設
「浴室の外にはバスコートが欲しい」という佐野さんのリクエストを受け、浴室と一体化した屋外空間を設けました。
「バスコートの床レベルを浴槽の上端(うわば)に揃え、洗い場の“囲まれ感”を確保しながら、レッドシダーの板壁のトンネルの向こうに自然を切り取るようにデザインしました。また浴室の足元まわりを、光沢を抑えたモールテックスにすることで、眺望を引き立てる効果も狙いました」(羽鳥さん)
「浴室の外にはバスコートが欲しい」という佐野さんのリクエストを受け、浴室と一体化した屋外空間を設けました。
「バスコートの床レベルを浴槽の上端(うわば)に揃え、洗い場の“囲まれ感”を確保しながら、レッドシダーの板壁のトンネルの向こうに自然を切り取るようにデザインしました。また浴室の足元まわりを、光沢を抑えたモールテックスにすることで、眺望を引き立てる効果も狙いました」(羽鳥さん)
バスコートに既存の外壁と同系色の木で格子を斜めに配したことで、外からの視線を気にせずに、デッキで涼むこともできます。
開口部は、ペアガラスの三枚引き戸と蛇腹構造の横引き網戸を設置。そして、プライバシーを気にするかもしれないゲストのために、ブラインドも付けています。
開口部は、ペアガラスの三枚引き戸と蛇腹構造の横引き網戸を設置。そして、プライバシーを気にするかもしれないゲストのために、ブラインドも付けています。
5. 薄暗い廊下の突き当りを、明るく爽やかなトイレに
以前トイレがあった場所(画面左奥の扉の先)を、浴室の洗い場に改修し、こちらの廊下の奥にトイレを移設しました。
左手前は洗面脱衣所の扉です。
以前トイレがあった場所(画面左奥の扉の先)を、浴室の洗い場に改修し、こちらの廊下の奥にトイレを移設しました。
左手前は洗面脱衣所の扉です。
「空間全てをホワイトにせず、色や素材を選ぶことで、別世界がつくり出せることに感動しました」という佐野さん。
廊下の床や壁はそのまま残し、既存の腰壁の木の板に、羽鳥さんが「爽やかさを出すために選んだ」アイスブルーでEP塗装しました。
天井は換気扇ダクトを通すため、既存天井の下に下地を新設し、すっきりと見せるために、ボードを貼ってホワイトのEP塗装で仕上げています。「全体的に優しさがあり、羽鳥さんにお任せにして大正解でした」(佐野さん)
廊下の床や壁はそのまま残し、既存の腰壁の木の板に、羽鳥さんが「爽やかさを出すために選んだ」アイスブルーでEP塗装しました。
天井は換気扇ダクトを通すため、既存天井の下に下地を新設し、すっきりと見せるために、ボードを貼ってホワイトのEP塗装で仕上げています。「全体的に優しさがあり、羽鳥さんにお任せにして大正解でした」(佐野さん)
モールディングを施した額縁のように見える部分は、「以前のトイレを潰した後のドア枠を隠すため」に羽鳥さんがデザインしたものです。「こうした細かいところまで行き届いた設計をしていただいたお陰で、『ベター』な建物を限りなく『ベスト』に近づけることができました」(佐野さん)
造作した木製収納棚(前開き)の上に、奥様が飾られたディフューザーも、心地よい香りを広げながら、インテリアにひときわ馴染んでいます。
造作した木製収納棚(前開き)の上に、奥様が飾られたディフューザーも、心地よい香りを広げながら、インテリアにひときわ馴染んでいます。
コロナ禍のリノベーションということもあり、佐野さんと羽鳥さんが対面で打ち合わせをしたのは、この軽井沢の別荘で、3回だけでした。その他のやり取りはメールか電話でした。羽鳥さんが手描きのスケッチを佐野さんにメールで送ると、瞬時に赤が入って戻ってくるか、電話が来るかして、トントン拍子に話が進んだそうです。
振り返ってみると、羽鳥さんがHouzz Proに登録した数週間後に、佐野さんがHouzzの検索サイトで羽鳥さんを見つけ、佐野さんから設計を任されてから、羽鳥さんは約2週間で図面を完成させたことになります。
その後の見積もりも、Houzz Proを通じて提示してをもらえたのは便利だったという佐野さん。「大切な書類が他のメールに紛れることもなく、Houzzのプラットフォーム内で取引きが完結できたのが、わかりやすくて良かったです」
Houzz Pro 見積書作成ツールの概要ビデオはこちら
Houzz Proでの見積書作成ツールが新しく、より簡単になりました!
振り返ってみると、羽鳥さんがHouzz Proに登録した数週間後に、佐野さんがHouzzの検索サイトで羽鳥さんを見つけ、佐野さんから設計を任されてから、羽鳥さんは約2週間で図面を完成させたことになります。
その後の見積もりも、Houzz Proを通じて提示してをもらえたのは便利だったという佐野さん。「大切な書類が他のメールに紛れることもなく、Houzzのプラットフォーム内で取引きが完結できたのが、わかりやすくて良かったです」
Houzz Pro 見積書作成ツールの概要ビデオはこちら
Houzz Proでの見積書作成ツールが新しく、より簡単になりました!
リノベーションをした結果、見違えるほど快適になった軽井沢の別荘。自然あふれる奈良県に育った佐野さんが、小学生、中学生、高校生になる3人のお子さんにも、「緑豊かで、空気の澄み渡る環境の中での暮らしを体験させてあげたい」との想いが叶いました。
この夏も、ご一家で灼熱の東京を離れて、広々としたデッキや眺めのよいバスルームで、「最高に幸せな時間」を過ごされたそうです。
Houzzで条件にあった建築家を探す
長野県を拠点とする建築家のリストを見る
この夏も、ご一家で灼熱の東京を離れて、広々としたデッキや眺めのよいバスルームで、「最高に幸せな時間」を過ごされたそうです。
Houzzで条件にあった建築家を探す
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