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個室を作らず余白を楽しむ。住まい手とともに成長する家
京都・岩倉の豊かな景観を満喫しながら、将来のライフスタイルや家族構成の変化にも対応してくれる、可変性のある住まいです。

杉田真理子
2023年7月20日
京都市左京区にある、閑静な住宅街の一角。3階建ての家からは、京都の景観保全地区ならではの開放感のある景色を楽しめます。
どんなHouzz?
所在地:京都市左京区
住まい手:20代の施主
敷地面積:126.17㎡
建築面積:45.54㎡
延床面積:113.04㎡
構造:木造3階建て
設計:ALTS DESIGN OFFICE (アルツ デザイン オフィス)
竣工時期:2021年3月
京都生まれ・京都育ちの施主。賃貸を払い続けるのはもったいないと思ったこと、京都は不動産の価値が下がりにくいことを踏まえ、家づくりを決心しました。景観保全地区の閑静な住宅街で、実家からたった徒歩5分の好立地。元々3階建の古い家が建っていた敷地に、新築することになりました。
水本さんとの出会いは、Houzzの事例写真を通して。部屋ごとに好きな写真をアイデアブックにまとめてゆく過程で、ALTS DESIGN OFFICEのデザインに惹かれたと、施主は当時を振り返ります。
「無骨なデザインも好きなのですが、直感的に気になるものをアイデアブックにまとめていたら、自分は実は、可愛い感じのデザインも好きなんだなと気づいて。関西圏の建築家を複数見つけましたが、水本さんのデザインは、無骨さと可愛さの中間で、バランスが取れているなと思ったんです」
所在地:京都市左京区
住まい手:20代の施主
敷地面積:126.17㎡
建築面積:45.54㎡
延床面積:113.04㎡
構造:木造3階建て
設計:ALTS DESIGN OFFICE (アルツ デザイン オフィス)
竣工時期:2021年3月
京都生まれ・京都育ちの施主。賃貸を払い続けるのはもったいないと思ったこと、京都は不動産の価値が下がりにくいことを踏まえ、家づくりを決心しました。景観保全地区の閑静な住宅街で、実家からたった徒歩5分の好立地。元々3階建の古い家が建っていた敷地に、新築することになりました。
水本さんとの出会いは、Houzzの事例写真を通して。部屋ごとに好きな写真をアイデアブックにまとめてゆく過程で、ALTS DESIGN OFFICEのデザインに惹かれたと、施主は当時を振り返ります。
「無骨なデザインも好きなのですが、直感的に気になるものをアイデアブックにまとめていたら、自分は実は、可愛い感じのデザインも好きなんだなと気づいて。関西圏の建築家を複数見つけましたが、水本さんのデザインは、無骨さと可愛さの中間で、バランスが取れているなと思ったんです」
切り妻屋根がチャーミングな外観。シンプルなグレーも印象的です。「風致地区のため、外観には法規上の制約が多くありました。制約をクリアさせ、周囲にうまく馴染みつつも、洗練された雰囲気をつくることを意識しました」と水本さん。
施主は20代で、今後の家族構成は未定です。そのため、最初から個室をつくることはせずに、将来の暮らしにあわせ可変的に使用できる余白をつくることを意識したそうです。
「希望や予算などで何度もプランを変更するなか、住み続ける上で変化できる現在の計画に行き着きました」(水本さん)
Houzzで建築家を探す
施主は20代で、今後の家族構成は未定です。そのため、最初から個室をつくることはせずに、将来の暮らしにあわせ可変的に使用できる余白をつくることを意識したそうです。
「希望や予算などで何度もプランを変更するなか、住み続ける上で変化できる現在の計画に行き着きました」(水本さん)
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玄関を開けると、1階は広々とした吹き抜けのある土間スペースとなっています。
玄関を開け放てば、外部と繋がる広場のような空間に。友人を招いてパーティをしたり、ペットを飼うのにも便利です。
「土間とはいえ、リビングのような空間にしたいと思いました。将来的には、屋外用の机や椅子を置きたいと思っています」と施主。
また、小さなカウンタースペースが設けられており、ちょっとした仕事をスタンディングで行えるようになっています。「姿勢を変え、雰囲気を変えて仕事できるスペースが必要だと思ったので、よかったです」(施主)
玄関を開け放てば、外部と繋がる広場のような空間に。友人を招いてパーティをしたり、ペットを飼うのにも便利です。
「土間とはいえ、リビングのような空間にしたいと思いました。将来的には、屋外用の机や椅子を置きたいと思っています」と施主。
また、小さなカウンタースペースが設けられており、ちょっとした仕事をスタンディングで行えるようになっています。「姿勢を変え、雰囲気を変えて仕事できるスペースが必要だと思ったので、よかったです」(施主)
室内に地植えされたジャボチカバが、室内と屋外の境界をより曖昧にさせています。奥にある浴室と脱衣所の窓からは、このジャボチカバが見えるように工夫されています。
グレーの落ち着いた色合いが魅力的な階段は、吹き抜け空間を邪魔せず、主張せずに軽い印象です。2階に登ると、寝室とトイレがあります。2階の吹き抜け部分は、将来の暮らしにあわせて可変的に部屋をつくれるように工夫されています。
グレーの落ち着いた色合いが魅力的な階段は、吹き抜け空間を邪魔せず、主張せずに軽い印象です。2階に登ると、寝室とトイレがあります。2階の吹き抜け部分は、将来の暮らしにあわせて可変的に部屋をつくれるように工夫されています。
「2階の半分以上が吹き抜けとなっており、現状はLDKと寝室しか部屋としてはない家ですが、これから家族の構成に合わせて構成を変えられるよう、思い切って余白を残しました」と施主。一部屋一部屋広く使いたかったため、仕切りも出来るだけ作らず、天井も高くすることに。「結果、一つも無駄な部屋がない家になりました」
3階のリビングダイニングは、窓の多いワンルームで広々とした雰囲気。
景観が保護されている風致地区にあるため、3階からは見晴らしの良い景色を楽しめます。「この景色を最大限に生かしたい、というのは、最初から水本さんにお伝えしていました。結果、窓がたくさんあるカフェのような空間になり満足しています」(施主)
景観が保護されている風致地区にあるため、3階からは見晴らしの良い景色を楽しめます。「この景色を最大限に生かしたい、というのは、最初から水本さんにお伝えしていました。結果、窓がたくさんあるカフェのような空間になり満足しています」(施主)
景色を切り取るように窓を設け、窓際にはベンチを設けて開放的に居場所を作りました。「窓際はベンチとし、居場所を増やしつつも空間を最大限に広く使えるように工夫しました」と水本さん。ベンチは収納にもなっています。
料理が大好きな施主が、友人たちを招いて囲める造作キッチン。カウンターはシンクよりも少し高めに設けることで、椅子に座った際、散らかりがちなシンクを見ることなく食事を楽しめる仕掛けとなっています。「収納も充実していて使い勝手は最高です」と施主。
階段側の壁はモールテックスとし、素材感を感じさせる仕上がりとしました。
IT系の仕事で、現在はリモートワークが多いという施主。「設計時にパンデミックは想定していませんでしたが、複数の居場所が家の至る所にあるので、気分を変えてどこでも心地よく仕事ができるのが魅力です」
住まい手の暮らしや変化に寄り添う家となりました。
IT系の仕事で、現在はリモートワークが多いという施主。「設計時にパンデミックは想定していませんでしたが、複数の居場所が家の至る所にあるので、気分を変えてどこでも心地よく仕事ができるのが魅力です」
住まい手の暮らしや変化に寄り添う家となりました。
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