杉と漆喰に包まれた健康的な家。回遊空間に愛猫も大喜び!
Houzzで見つけた建築家に設計を依頼。アイデアを出し合いながら、想像以上に満足のいく家ができました。
約7年間、空き家になっていた築70年超のお祖母様の家を建て替えることにしたオーナー。奥様と2匹の愛猫たち、そして大好きなグリーンに囲まれて過ごせる家を希望されていました。住宅展示場などを回った末、アレルギー体質のご夫妻が興味を持ったのが、天然素材で防虫効果もある断熱材セルローズファイバー。この木質繊維系の断熱材を標準仕様で使っている工務店の株式会社丸清に施工を依頼することにしました。
次に、信頼できる設計者を探すためにご夫妻が活用したのが、Houzz(ハウズ)のサイトでした。さまざまな施工事例の中から気に入った画像をアイデアブックに保存し、どの作品も素晴らしいと感じた、しまだ設計室に連絡をしてみました。
次に、信頼できる設計者を探すためにご夫妻が活用したのが、Houzz(ハウズ)のサイトでした。さまざまな施工事例の中から気に入った画像をアイデアブックに保存し、どの作品も素晴らしいと感じた、しまだ設計室に連絡をしてみました。
林の小道のようなアプローチを進むと、漆喰の風合いのある「レーブLM」仕上げの壁に、質感のよい杉板が張られたお宅が見えてきます。屋根の軒先の裏(軒天)も杉板なので、自然の息吹を感じることができます。奥様は、外出先から戻ってくるたびに「見とれてしまう」のだそう。
玄関(写真左)前には白壁を建て、そこに開口をつけて「丸見えにならないように工夫しています」(島田さん)。また以前の家の玄関は引き戸ひとつだったので、戸を開けた途端、猫たちが猛ダッシュで外に逃げてしまったそうなので、玄関の内側にもうひとつ扉を設けています。
玄関(写真左)前には白壁を建て、そこに開口をつけて「丸見えにならないように工夫しています」(島田さん)。また以前の家の玄関は引き戸ひとつだったので、戸を開けた途端、猫たちが猛ダッシュで外に逃げてしまったそうなので、玄関の内側にもうひとつ扉を設けています。
家づくりで、ご夫妻と島田さんが意気投合したのが、大き過ぎない開口。「壁と窓のバランスは大切なので、落ち着きのある壁に囲まれた窓から庭を見ることを提案し、即ご賛同いただけました」という島田さん。程よい開口サイズのため、外からの視線が気にならず、断熱性も確保しやすく、壁際に家具を置くこともできます。
また大きな窓がなくとも、吹き抜けを設けたことで、2階からの光が1階のLDKに燦々と注がれています。
吹き抜け空間に関する記事を読む
また大きな窓がなくとも、吹き抜けを設けたことで、2階からの光が1階のLDKに燦々と注がれています。
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島田さんがご夫妻のために描いた完成イメージ図
吹き抜けは、ご主人たっての希望でした。実は島田さんに出会う前、お2人は他社からいくつかのデザイン案を提示してもらっていました。その中には、「吹き抜けの下から上を見上げたイメージを、ウォークスルー機能で見せてくれたところもありましたが、島田さんの手描きのスケッチが一番よく理解できました」とご主人。
吹き抜けは、ご主人たっての希望でした。実は島田さんに出会う前、お2人は他社からいくつかのデザイン案を提示してもらっていました。その中には、「吹き抜けの下から上を見上げたイメージを、ウォークスルー機能で見せてくれたところもありましたが、島田さんの手描きのスケッチが一番よく理解できました」とご主人。
「ぐるん」と回遊できる1・2階
島田さんは、吹き抜けと階段部分を建物の中心に配置して、そこから回遊できるプランを導きました。
島田さんは、吹き抜けと階段部分を建物の中心に配置して、そこから回遊できるプランを導きました。
観葉植物を直接床に置きたいというご主人の要望に応えて1階につくったLDK続きの土間空間
土間部分の天井はあえて少し下げて「メリハリをつけ、空間に面白みを加えました」という島田さん。実際に「以前暮らしていた家よりも約30cm低いのですが、吹き抜け効果もあり、下がった感じがしません」(ご夫妻)
土間には、冬にペレットストーブを置く予定でしたが、高気密・高断熱の住まいのため、寒さをそれほど感じず、2階の空調ひとつで過ごせたそうです。
土間部分の天井はあえて少し下げて「メリハリをつけ、空間に面白みを加えました」という島田さん。実際に「以前暮らしていた家よりも約30cm低いのですが、吹き抜け効果もあり、下がった感じがしません」(ご夫妻)
土間には、冬にペレットストーブを置く予定でしたが、高気密・高断熱の住まいのため、寒さをそれほど感じず、2階の空調ひとつで過ごせたそうです。
土間の角度をあえて斜めにしたのは、同じ角度に窓をつけると似たような景色になってしまうから。「南側の緑の見え方に変化をつけたかった」と島田さんは語ります。
また、樹脂サッシの窓には猫ちゃんたちが脱走しないように、鍵付きの木枠の特注網戸が設置されています。「既製品の網戸では、爪で開けられてしまうので、大変助かっています」という奥様。
ところで、島田さんが猫ちゃんのために張り切って設計したキャットウォークやステップは、ご夫妻いわく「2階が回遊スペースで存分に遊べるので、あまり使われていない」のだとか。その代りに、今は飾り棚として利用しているそうです。
また、樹脂サッシの窓には猫ちゃんたちが脱走しないように、鍵付きの木枠の特注網戸が設置されています。「既製品の網戸では、爪で開けられてしまうので、大変助かっています」という奥様。
ところで、島田さんが猫ちゃんのために張り切って設計したキャットウォークやステップは、ご夫妻いわく「2階が回遊スペースで存分に遊べるので、あまり使われていない」のだとか。その代りに、今は飾り棚として利用しているそうです。
収納がたっぷり計画された造作キッチン
奥様がお気に入りなのが、食器類・鍋・タッパーなどをすっきりと収納できるキッチンです。手前に開く縦長の収納は、ミニパントリーのように使えて便利な上に、猫ちゃんたちも(足がかりがないので)取っ手を開けることができず、「以前は、キャビネットを開けられて盗み食いをされてしまっていましたが、その心配がなくなりました」(奥様)
キッチンの記事を読む
奥様がお気に入りなのが、食器類・鍋・タッパーなどをすっきりと収納できるキッチンです。手前に開く縦長の収納は、ミニパントリーのように使えて便利な上に、猫ちゃんたちも(足がかりがないので)取っ手を開けることができず、「以前は、キャビネットを開けられて盗み食いをされてしまっていましたが、その心配がなくなりました」(奥様)
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1階からの壮観な眺め
構造上は必要の無い天井の梁ですが、ご主人のリクエストで表しにしました。梁と柱の組み合わせがつくりだす十字型が、美しい吹き抜け空間を引き締めています。
またいつもは木材に透明の保護塗料を使う島田さんですが、今回はご夫妻が大切にされている家具の色にあわせて、少し茶色がかった塗料を使いました。「仕上がりにムラが出やすいので最初は躊躇したのですが、ご希望通り手すりや造作家具にも色を付けたところ、漆喰の白とのコントラストがキレイに出て大正解でした」(島田さん)
構造上は必要の無い天井の梁ですが、ご主人のリクエストで表しにしました。梁と柱の組み合わせがつくりだす十字型が、美しい吹き抜け空間を引き締めています。
またいつもは木材に透明の保護塗料を使う島田さんですが、今回はご夫妻が大切にされている家具の色にあわせて、少し茶色がかった塗料を使いました。「仕上がりにムラが出やすいので最初は躊躇したのですが、ご希望通り手すりや造作家具にも色を付けたところ、漆喰の白とのコントラストがキレイに出て大正解でした」(島田さん)
洗面ボールは当初の予定よりも小ぶりにしています。「以前の家では洗面ボールで猫ちゃんを洗っていたのが、この家では脱走防止策が万全に取られているので、猫ちゃんたちが外に出なくなって、洗面所で洗う必要がなくなったから」だと奥様が話してくれました。
脱衣所同様、トイレでもコンパクトなスペースをうまく利用し、壁を掘り込んだニッチの収納スペースを創出。猫トイレの掃除グッズも収納できます。
さらに、1階・2階とも人間用トイレのすぐそばに猫用トイレと換気扇を設置し、臭い対策もばっちり取られています。「以前は帰宅すると、猫の排泄物の臭いにやられていましたが、この家では全く臭いません」というご主人。猫砂代わりに使っているオカラも、人間用トイレにすぐ流せて便利だそうです。
さらに、1階・2階とも人間用トイレのすぐそばに猫用トイレと換気扇を設置し、臭い対策もばっちり取られています。「以前は帰宅すると、猫の排泄物の臭いにやられていましたが、この家では全く臭いません」というご主人。猫砂代わりに使っているオカラも、人間用トイレにすぐ流せて便利だそうです。
2階の寝室は、西に位置するため、朝は柔らかい光に包まれて目覚めることができます。「日中も日当たりがよいので、ふと気がつくと猫たちがここで眠りこけています」(奥様)
床の木材は、キッチンのある1階は、濡れても良いように硬めの広葉樹のナラ。寝室のある2階は、リラックスできるように柔らかめの天竜杉とあえて木の種類を分けています。
床の木材は、キッチンのある1階は、濡れても良いように硬めの広葉樹のナラ。寝室のある2階は、リラックスできるように柔らかめの天竜杉とあえて木の種類を分けています。
寝室脇に設けた約2坪のウォークインクローゼットには、ロフトに上り下りできる梯子が設置されています。
このロフトは、ご主人が設計途中で、屋根裏スペースを有効活用したくなりリクエストしたのだそう。島田さんは、当初の予定より屋根の勾配をきつくすることで、ロフトスペースを捻出しました。
このロフトは、ご主人が設計途中で、屋根裏スペースを有効活用したくなりリクエストしたのだそう。島田さんは、当初の予定より屋根の勾配をきつくすることで、ロフトスペースを捻出しました。
「ぐるん」と名づけた、緑あふれる、回遊空間が心地のよい住まい。植栽や観葉植物に囲まれ、自然素材でつくった健康的な家で暮らすご夫妻は、「島田さんに100%われわれの要望を叶えてもらえて、本当に嬉しいです」と語ります。
そして、次なるプロジェクトは、南側の裏庭づくりなのだとか。奥様は再びHouzzのサイトと睨めっこをして、アイデアブックにお気に入りのお庭の画像を保存中だそう。「家が完成してからは、お庭の画像をいっぱい保存して、少しずつ裏庭づくりに着手しています」と楽しそうに話してくれました。
Houzzの使い方:アイデアブックにお気に入りの写真を保存してみましょう
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そして、次なるプロジェクトは、南側の裏庭づくりなのだとか。奥様は再びHouzzのサイトと睨めっこをして、アイデアブックにお気に入りのお庭の画像を保存中だそう。「家が完成してからは、お庭の画像をいっぱい保存して、少しずつ裏庭づくりに着手しています」と楽しそうに話してくれました。
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どんなHouzz?
住まい手:夫婦+愛猫2匹
所在地:埼玉県所沢市
構造:木造軸組
敷地面積:231.4㎡
延床面積:104.69㎡
設計:しまだ設計室(島田貴史)
施工:株式会社丸清
造園:ワイルドグリーン
竣工年:2021年
撮影:西川公朗(オーナー提供写真を除く)
敷地は大通りに面しているので、ブナやソヨゴなどを植栽し、「緑の間から建物が見え隠れする、佇まいのいい家を目指した」という島田さん。グリーンを愛するご夫妻のため、この家をドイツ語で緑を意味する「grun」(グルン)と名づけました。グルンは掛詞にもなっており、1階・2階とも「ぐるん」と回遊できる、吹き抜けのある気持ちのよい住まいです。