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土地の魅力を引き出すデザインで快適に。横浜に建つ13の住まい
Houzzでみつけた神奈川県・横浜市内に建つ住まいの事例を、手がけた専門家の解説とともにご紹介します。
幕末から外国貿易で栄えてきた横浜港がある神奈川県・横浜市。港町の印象が強い横浜ですが、住む街としても人気が高く、住宅地の多くは緑豊かで起伏の多い土地にあります。横浜に建つ住まいの特徴について専門家の方々にお話を伺ってみると、以下のような特徴がみえてきました。
それでは13の実例について、設計した専門家たちの解説とともに、みていきましょう。
写真をクリックすると、それぞれの事例の写真をもっとみることができ、手がけた専門家の詳細もチェックできます。
- 傾斜地や高低差に対応するデザインの工夫がある住まい
- 暮らしの中で地域の自然を味わえるよう、眺望を確保した住まい
- プライバシーを守りながら、視線の抜けや開放感を実現した住まい
それでは13の実例について、設計した専門家たちの解説とともに、みていきましょう。
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方形の家
横浜市内の傾斜地に形成された住宅街に建つこちらの住まいは、富士ソーラーハウスが手がけたもの。「南と西の2方向道路に面した角地で、北側は一段あがり、東側は一段下がっており、住宅街の中に位置しながら、隣地に同じ高さの宅盤が存在しないという、実はめずらしい立地でした」と、設計者の大澤正美さんは話します。
「東西南北とも真正面には住宅や擁壁があるため、開口部を45度ずらして建物の四隅に設けることで、視線の抜けを確保しました。同一宅盤がないことからいずれも透明ガラスを採用できたことで、より横浜市内ではめずらしい開放感のある空間を実現することができました」
横浜市内の傾斜地に形成された住宅街に建つこちらの住まいは、富士ソーラーハウスが手がけたもの。「南と西の2方向道路に面した角地で、北側は一段あがり、東側は一段下がっており、住宅街の中に位置しながら、隣地に同じ高さの宅盤が存在しないという、実はめずらしい立地でした」と、設計者の大澤正美さんは話します。
「東西南北とも真正面には住宅や擁壁があるため、開口部を45度ずらして建物の四隅に設けることで、視線の抜けを確保しました。同一宅盤がないことからいずれも透明ガラスを採用できたことで、より横浜市内ではめずらしい開放感のある空間を実現することができました」
大澤さんは横浜の住まいについて「傾斜地が多いため、駐車場やアプローチの方法に制限がかかることが多く、一見すると設計の自由度が低いように思えますが、敷地に通っているうちに2階からは見晴らしが良いコーナーが取れたり、北側の家と家の隙間から遠くの森が見えたりと、その敷地ならではのポテンシャルに気づくことができます」と話します。
ウィークポイントにも取れる部分を逆手に取り設計することで、ほかにはない自由な住まいが生まれる可能性もあるのです。
ウィークポイントにも取れる部分を逆手に取り設計することで、ほかにはない自由な住まいが生まれる可能性もあるのです。
本とともに暮らす家
こちらは、こぢこぢ一級建築士事務所が手がけた住まい。文筆業に携わるご夫婦と娘さんが3人で暮らす住まいです。
「ご家族にとって“本を読むこと”は、日々の暮らしに溶け込んでいる、とても身近でとても大切な行為。そこで思い浮かんだのは、ひとつながりの空間の中に、思わず腰を下ろして本を開きたくなるような場所が点在する家です」と話すのは、この家を設計した小嶋良一さんです。
こちらは、こぢこぢ一級建築士事務所が手がけた住まい。文筆業に携わるご夫婦と娘さんが3人で暮らす住まいです。
「ご家族にとって“本を読むこと”は、日々の暮らしに溶け込んでいる、とても身近でとても大切な行為。そこで思い浮かんだのは、ひとつながりの空間の中に、思わず腰を下ろして本を開きたくなるような場所が点在する家です」と話すのは、この家を設計した小嶋良一さんです。
家の基本骨格には伸びやかで開放的な空間が広がっているものの、そのままシンプルに設えてしまうと“思わず本を開きたくなるような場所”にはならないと感じた小嶋さんは、こもり感を得られる空間にしようと考えたそう。
「大木の根元に腰を下ろして寄りかかる時の感覚。薄暗い洞窟の中から光溢れる外の世界を眺める時の感覚。木の上に居心地のいい寝床をつくる動物の感覚。そのような感覚を思い描きながら空間をつくりあげました」
「大木の根元に腰を下ろして寄りかかる時の感覚。薄暗い洞窟の中から光溢れる外の世界を眺める時の感覚。木の上に居心地のいい寝床をつくる動物の感覚。そのような感覚を思い描きながら空間をつくりあげました」
高窓の家
続いてご紹介するのは、インクアーキテクツが手がけたこちらの住まい。傾斜地に擁壁や駐車場を築造してつくられた、横浜らしい造成地に建っています。
「とにかく明るい家にしたいというのが建主さんのご要望だったものの、敷地の南側にはすぐそばに家が建っており、日当たりの悪い敷地という印象でした。そのため30年ものあいだ手付かずの空き地だったようです」と話すのは、設計を担当した金谷聡史さんです。
続いてご紹介するのは、インクアーキテクツが手がけたこちらの住まい。傾斜地に擁壁や駐車場を築造してつくられた、横浜らしい造成地に建っています。
「とにかく明るい家にしたいというのが建主さんのご要望だったものの、敷地の南側にはすぐそばに家が建っており、日当たりの悪い敷地という印象でした。そのため30年ものあいだ手付かずの空き地だったようです」と話すのは、設計を担当した金谷聡史さんです。
「ご相談いただく前は、明るいリビングダイニングにしたいという考えから、2階に計画したいとお考えだったようです。ところが1階は斜面地に設けた掘り込み式の駐車場だったため、2階といっても道路から見ると3階に相当します。毎日3階までリビングに上がるのがどうなのか、悩んでおられました」と金谷さん。
金谷さんは、1階に計画しても明るいリビングダイニングになると提案。そして明るい住まいを実現することがコンセプトとなり、南側に高窓を大きく設け、陽の光を最大限取り込める住まいとなったそうです。
金谷さんは、1階に計画しても明るいリビングダイニングになると提案。そして明るい住まいを実現することがコンセプトとなり、南側に高窓を大きく設け、陽の光を最大限取り込める住まいとなったそうです。
金井の家
横浜市南部、里山風景の残る地域に建てられたこちらの住まいは、一級建築士事務所秋山立花が手がけたもの。北側に竹が生い茂る山、接道する南側には桜の古木が佇む、自然に恵まれた住まいです。
設計者の秋山怜史さんは「南の桜と北の竹。それを2階に設けたメインスペースからどの様に見せるかということが。設計の主題となりました」と振り返ります。
横浜市南部、里山風景の残る地域に建てられたこちらの住まいは、一級建築士事務所秋山立花が手がけたもの。北側に竹が生い茂る山、接道する南側には桜の古木が佇む、自然に恵まれた住まいです。
設計者の秋山怜史さんは「南の桜と北の竹。それを2階に設けたメインスペースからどの様に見せるかということが。設計の主題となりました」と振り返ります。
「要求された施工面積の中で、この自然豊かな敷地を余すことなく感じられるよう、キッチン、ダイニング、リビングがつながるように配置。ロフトスペースも加え、水平方向にも垂直方向にも広がりを感じることができる空間にしています」と秋山さん。
また秋山さんは、横浜市には港のイメージが定着しているものの、自然が残されている地域が多いことを指摘します。「多様な地域を抱えているエリアですので、それぞれの敷地に応じた設計が求められます」
また秋山さんは、横浜市には港のイメージが定着しているものの、自然が残されている地域が多いことを指摘します。「多様な地域を抱えているエリアですので、それぞれの敷地に応じた設計が求められます」
妙蓮寺の家
交通量の少ない静かな住宅地。丘の上の一番高い場所に建つこちらの住まいを手がけたのは、仲亀清進建築事務所です。住まい手は、仕事の関係上ブラジルやアフリカに住んでいた家族で、そのときの生活スタイルを新しい住まいにも取り入れたいというのが要望だったそう。
設計した仲亀清進さんは、「プランニングの際にリビングから直接キッチンが目に入らないようにし、ダイニングとは適度な距離感で繋がっていること、家事のスペースを集約し、キッチン・パントリー・勝手口・外部テラスの動線がスムーズであることをリクエストされました」と振り返ります。
交通量の少ない静かな住宅地。丘の上の一番高い場所に建つこちらの住まいを手がけたのは、仲亀清進建築事務所です。住まい手は、仕事の関係上ブラジルやアフリカに住んでいた家族で、そのときの生活スタイルを新しい住まいにも取り入れたいというのが要望だったそう。
設計した仲亀清進さんは、「プランニングの際にリビングから直接キッチンが目に入らないようにし、ダイニングとは適度な距離感で繋がっていること、家事のスペースを集約し、キッチン・パントリー・勝手口・外部テラスの動線がスムーズであることをリクエストされました」と振り返ります。
解決方法として仲亀さんは、平面的には“への字型”のプランを採用。一体的に繋がっているリビングとダイニング、そして緩やかにゾーンを分けているキッチンというレイアウトになっています。インテリアは、南米やアフリカの建築やインテリアでもよく見かける、木やコンクリート、金属などの素材感のある使い方がされています。
篠原町の家
ヤマサキアトリエが手がけたのは、港北区・篠原町に建つこちらの住まい。オーナー夫妻と、ペットの犬と猫が暮らしています。
設計者の山﨑裕史さんは「設計は、光と熱の環境にこだわって進めました」と振り返ります。「穏やかな自然光が入ること、移動する空間の先に光があるようなプランの構成と開口部のあり方をまず意識しました。敷地には多少の高低差がありましたが、その高低差をキップフロアで解消しながら、全ての空間が一つながりに流れるようにしました」
ヤマサキアトリエが手がけたのは、港北区・篠原町に建つこちらの住まい。オーナー夫妻と、ペットの犬と猫が暮らしています。
設計者の山﨑裕史さんは「設計は、光と熱の環境にこだわって進めました」と振り返ります。「穏やかな自然光が入ること、移動する空間の先に光があるようなプランの構成と開口部のあり方をまず意識しました。敷地には多少の高低差がありましたが、その高低差をキップフロアで解消しながら、全ての空間が一つながりに流れるようにしました」
人間だけでなく、犬と猫にとってもいい住環境にしたいというのが、オーナー夫妻の希望だったそう、そこで、玄関からリビングへと続くタイル張りの床は、ペットたちが歳を重ねても滑りにくいこと、そしてメンテナンス性が高いことを意識して選択したといいます。
「この床タイルの下全面に基礎蓄熱輻射暖房を入れ、ひとつながりになった家全体を24時間暖める全館空調の高気密高断熱の家としました。また、玄関から段差までを広く取っていますが、その間に収納やペットの飛び出し防止用のガラス框引戸、犬の足洗い場などがデザイン性を損なわずにすっきりと納められています」
「この床タイルの下全面に基礎蓄熱輻射暖房を入れ、ひとつながりになった家全体を24時間暖める全館空調の高気密高断熱の家としました。また、玄関から段差までを広く取っていますが、その間に収納やペットの飛び出し防止用のガラス框引戸、犬の足洗い場などがデザイン性を損なわずにすっきりと納められています」
横浜の家
木名瀬佳世建築研究室が手がけたのは、述べ面積68平方メートルという、コンパクトなこちらの住まい。狭小地ではあるものの、北側の隣地から見える緑豊かな風景が魅力の住まいです。
設計者の木名瀬佳世さんは「コンパクトな家だからこそ、吹抜を設け、家全体が緩やかに繋がることにより拡がりを持たせました」と振り返ります。
木名瀬佳世建築研究室が手がけたのは、述べ面積68平方メートルという、コンパクトなこちらの住まい。狭小地ではあるものの、北側の隣地から見える緑豊かな風景が魅力の住まいです。
設計者の木名瀬佳世さんは「コンパクトな家だからこそ、吹抜を設け、家全体が緩やかに繋がることにより拡がりを持たせました」と振り返ります。
「小さな家なので、玄関をとくに設けない、廊下を書斎スペースとしても使えるようになど、それぞれのスペースが兼用できるよう工夫しました」と木名瀬さん。
また、夫妻と子どもそれぞれに小さな書斎スペースがあり、ほどよいこもり感を得ることができます。とくに、子ども部屋から吹き抜けに突き出している書斎は、隣地の借景がダイナミックに楽しめることも魅力です。
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また、夫妻と子どもそれぞれに小さな書斎スペースがあり、ほどよいこもり感を得ることができます。とくに、子ども部屋から吹き抜けに突き出している書斎は、隣地の借景がダイナミックに楽しめることも魅力です。
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打越の家
BATTIRI DESIGN G.K.が手がけたのは、中区打越の狭小変形地に建つこちらの住まい。コンパクトながらも上手に窓を配置することで、明るく居心地のいい空間がいくつもつくり出されています。
設計者の金刺久順さんは、「1階にはペレットストーブのある土間とオープンスタイルのダイニングキッチン、そして土間とダイニングを繋ぐ“ラウンジ”と名付けられたスペース。わずか3畳程度ですが座り心地の良い椅子を置いて、音楽を聴きながら読書が出来るこの家の特等席の1つです」と解説します。
BATTIRI DESIGN G.K.が手がけたのは、中区打越の狭小変形地に建つこちらの住まい。コンパクトながらも上手に窓を配置することで、明るく居心地のいい空間がいくつもつくり出されています。
設計者の金刺久順さんは、「1階にはペレットストーブのある土間とオープンスタイルのダイニングキッチン、そして土間とダイニングを繋ぐ“ラウンジ”と名付けられたスペース。わずか3畳程度ですが座り心地の良い椅子を置いて、音楽を聴きながら読書が出来るこの家の特等席の1つです」と解説します。
また、LDKが同一空間にないことも、こちらの住まいの大きな特徴です。「リビングは2階ですが、ダイニングと吹き抜けにより繋がっているので程よい距離感で家族の気配を感じることができます」と金刺さん。
仕上げにはオークやアカシアの無垢フローリングの床に、珪藻土の塗り壁、漆喰の外壁と、自然素材がふんだんに採用されています。断熱材にはセルロースファイバーを使うことで、結露知らずの住まいに。素材・性能・デザインに富んだ、居心地のいい住まいとなりました。
仕上げにはオークやアカシアの無垢フローリングの床に、珪藻土の塗り壁、漆喰の外壁と、自然素材がふんだんに採用されています。断熱材にはセルロースファイバーを使うことで、結露知らずの住まいに。素材・性能・デザインに富んだ、居心地のいい住まいとなりました。
ノキニワの家
古民家のような風合いとモダンな印象が合わさるこちらの住まいは、小野育代建築設計事務所が手がけたものです。長い旗竿地にある30坪(99平方メートル)の住まいで、“ノキニワ”と名付けられた深い軒がかかったバルコニーが、庭の代わりに2階に配されています。
設計者の小野育代さんは、「階段は通常よりもゆったりめで幅90センチ以上を確保、大きな窓を設けて南の光をふんだんに取り入れています。周囲の緑に恵まれた立地なので、借景を取り入れられる窓配置としました。天気の良い日には富士山も見られます」と話します。
古民家のような風合いとモダンな印象が合わさるこちらの住まいは、小野育代建築設計事務所が手がけたものです。長い旗竿地にある30坪(99平方メートル)の住まいで、“ノキニワ”と名付けられた深い軒がかかったバルコニーが、庭の代わりに2階に配されています。
設計者の小野育代さんは、「階段は通常よりもゆったりめで幅90センチ以上を確保、大きな窓を設けて南の光をふんだんに取り入れています。周囲の緑に恵まれた立地なので、借景を取り入れられる窓配置としました。天気の良い日には富士山も見られます」と話します。
親しい間柄の人々が大勢集まれる2階のリビングダイニング、そしてビールも飲めるゆったりとした広さのバルコニーというのが、オーナーからの要望だったそう。そこで小野さんは、2階をほぼワンルームのような空間にするため、大きめの登り梁をかけることで、壁を無くしたのだと話します。
「登り梁は現し(梁がそのまま見える手法)にして、床フローリングと同じ色の焦げ茶に塗装しています。畳のスペースは小上がりにし、襖を閉じれば客間になるようにしています。小上がりの良さは気軽に座れる場所ができること。また畳スペースから、平坦に木製デッキを敷いたバルコニーに出られるようになっています」
「登り梁は現し(梁がそのまま見える手法)にして、床フローリングと同じ色の焦げ茶に塗装しています。畳のスペースは小上がりにし、襖を閉じれば客間になるようにしています。小上がりの良さは気軽に座れる場所ができること。また畳スペースから、平坦に木製デッキを敷いたバルコニーに出られるようになっています」
GARAGE HOUSE 004
スキップフロアを利用した地下車庫のあるこちらの住まいは、エムズワークス一級建築士事務所が手がけたもの。敷地高低差140cmを利用した、地下RC1階、地上木造2階建てのガレージハウスです。地下のガレージからは、ホールに通じる内部階段があります。
「地下のガレージからは内部階段でホールに通じる通路があります。1階の低いフロアに水回りを設け、半層上がったワンルームのLDKは、天井の高さと両サイドの個室を配置することにより空間を大きくとっています」と話すのは、この家を設計した松永基さん。
スキップフロアを利用した地下車庫のあるこちらの住まいは、エムズワークス一級建築士事務所が手がけたもの。敷地高低差140cmを利用した、地下RC1階、地上木造2階建てのガレージハウスです。地下のガレージからは、ホールに通じる内部階段があります。
「地下のガレージからは内部階段でホールに通じる通路があります。1階の低いフロアに水回りを設け、半層上がったワンルームのLDKは、天井の高さと両サイドの個室を配置することにより空間を大きくとっています」と話すのは、この家を設計した松永基さん。
オーナーからは、素材にこだわったカフェのような空間にしたいという要望があったそう。素材を大切に空間を構成したと、松永さんは振り返ります。
「素材感のあるエイジングされた木質の材料でテレビの後ろの壁を設けています。また、反対側にはアクセントカラーとして濃いブルーの壁を配置しました。構造体のアラワシの部分はウォールナット色で木の質感を生かしてデザインしました」
「素材感のあるエイジングされた木質の材料でテレビの後ろの壁を設けています。また、反対側にはアクセントカラーとして濃いブルーの壁を配置しました。構造体のアラワシの部分はウォールナット色で木の質感を生かしてデザインしました」
sunset house
富田健太郎建築設計事務所が手がけたこちらの住まいは、20〜30年前にすり鉢状の地形を分譲した、住宅街の一角に建っています。隣地南側が5m程度、西側が3m程度低いため眺望がよく、南側は1階でも見晴らしのいい恵まれた環境です。
「敷地調査をしていると、日によって空の表情がまったく違い、とくに夕方から日の入りまでの時間に自然の芸術的な色の変化を、時間と共に身体全体で感じることができました。この体験をこの場所で毎日感じることができたら豊かな生活ができると確信したのです」と話すのは、設計者である富田健太郎さん。
富田健太郎建築設計事務所が手がけたこちらの住まいは、20〜30年前にすり鉢状の地形を分譲した、住宅街の一角に建っています。隣地南側が5m程度、西側が3m程度低いため眺望がよく、南側は1階でも見晴らしのいい恵まれた環境です。
「敷地調査をしていると、日によって空の表情がまったく違い、とくに夕方から日の入りまでの時間に自然の芸術的な色の変化を、時間と共に身体全体で感じることができました。この体験をこの場所で毎日感じることができたら豊かな生活ができると確信したのです」と話すのは、設計者である富田健太郎さん。
西側に位置する3m低い隣家の2階建の屋根の高さに合わせて2階床レベルを設定し、室内からバルコニー、隣家の屋根までひとつなぎに感じられるよう設えられています。 また、西の開口部をできるだけ確保するため、FIX部分にはステンレスブレースを設置し、構造をできるだけ目立たせないよう考慮したそう。
「内装には木目を活かしたデザインを希望されていたため、切り抜きを見せていただいたりしてイメージを共有しました。その写真からお施主様が気づいていない好みを読み取り、木と白い壁のバランスに着目し木目を活かした、シンプルになりすぎない内装としました」
「内装には木目を活かしたデザインを希望されていたため、切り抜きを見せていただいたりしてイメージを共有しました。その写真からお施主様が気づいていない好みを読み取り、木と白い壁のバランスに着目し木目を活かした、シンプルになりすぎない内装としました」
F house
こちらは、株式会社みさき建築研究所が手がけた住まい。高断熱住宅ですが、高性能の断熱材と開口部を組み合わせるだけでなく「実際の温熱効果を高めることに加え、少ないエネルギーで快適な住空間をつくる設計が重要と考えました」と、設計者である御前好史さんは話します。
「エアコン1台で夏と冬を快適に過ごせるよう吹き抜けを空気が循環するように工夫しました。さらに、熱交換換気扇を採用してより効果を高めています」
こちらは、株式会社みさき建築研究所が手がけた住まい。高断熱住宅ですが、高性能の断熱材と開口部を組み合わせるだけでなく「実際の温熱効果を高めることに加え、少ないエネルギーで快適な住空間をつくる設計が重要と考えました」と、設計者である御前好史さんは話します。
「エアコン1台で夏と冬を快適に過ごせるよう吹き抜けを空気が循環するように工夫しました。さらに、熱交換換気扇を採用してより効果を高めています」
また、オーナーからは事前に「幼い子どもたちに目が届くようにしたい」という要望があったそう。
それに対し御前さんは、玄関から子ども部屋までリビングを通っていく動線と、子ども部屋前のファミリールームがリビングルームへと空間的につながる工夫を提案したといいます。
この工夫は結果として、別の空間にいても家族の気配が感じられるだけでなく、空気の循環にも役立っています。
それに対し御前さんは、玄関から子ども部屋までリビングを通っていく動線と、子ども部屋前のファミリールームがリビングルームへと空間的につながる工夫を提案したといいます。
この工夫は結果として、別の空間にいても家族の気配が感じられるだけでなく、空気の循環にも役立っています。
矢向の家
最後にご紹介するのは、荒川建築設計室が手がけたこちらの住まい。横浜に長年住み続けた高齢のオーナー夫婦の、終の住処としての建て替え計画です。
「この町に溶け込む家の姿、自然素材を多用し体に負荷の無い家づくりを目指しました。2人きりの夫婦と言えども、高齢になると逆に居心地よさは異なります。それぞれがお互いの気配を感じながらも居心地よく過ごせる居場所を作ることを留意しました」と話すのは、設計者の荒川正登さん。
最後にご紹介するのは、荒川建築設計室が手がけたこちらの住まい。横浜に長年住み続けた高齢のオーナー夫婦の、終の住処としての建て替え計画です。
「この町に溶け込む家の姿、自然素材を多用し体に負荷の無い家づくりを目指しました。2人きりの夫婦と言えども、高齢になると逆に居心地よさは異なります。それぞれがお互いの気配を感じながらも居心地よく過ごせる居場所を作ることを留意しました」と話すのは、設計者の荒川正登さん。
それまでの家は築30年の暗く寒い家だったため、明るく暖かで体に負荷のない家を希望されていたそう。荒川さんは、自然素材を多く使った家づくりを目指し、室内の空気を整える無垢の床材、調湿性のある漆喰塗料、ボード等内装材に留意したと振り返ります。
「釣りと読書が趣味のご主人、アウトドア用品を外から使用できる収納スペース、縁側のような玄関土間の作業スペース、そして読書コーナーも設えました。寝る時間、部屋の室温も異なり、寝室での過ごし方の違う高齢の夫婦寝室は襖で区切る事もできるように考えています。それそれが穏やかに過ごせる、木のぬくもりを感じられる住まいになりました」
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「釣りと読書が趣味のご主人、アウトドア用品を外から使用できる収納スペース、縁側のような玄関土間の作業スペース、そして読書コーナーも設えました。寝る時間、部屋の室温も異なり、寝室での過ごし方の違う高齢の夫婦寝室は襖で区切る事もできるように考えています。それそれが穏やかに過ごせる、木のぬくもりを感じられる住まいになりました」
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