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コンクリート✕オレンジが魅力! カラフルな北欧スタイルの家
白いインテリアが主流のスウェーデンで、カラフルなスタイルを提案。オランダ人インテリアデザイナーが手がけた、海を見下ろす明るく元気なインテリア。
Sara Norrman
2017年8月7日
ある日、デザイン事務所〈アムステルダム・リビング〉を営むアンドレ・シェヴィンクさんに、不動産エージェントから連絡が入った。「ストックホルムの高級住宅街ソルシダンにある、広くてちょっと変わった家の内装を手がけてみないか」という依頼だ。すでに2社のインテリアデザイン事務所が断った案件だった。
それでも、シェヴィンクさんは「やってみたい」と思ったそうだ。「難あり物件なんですけど、と言われましたが、僕としてはその家のスタイルに柔軟に合わせていけばいい、と思ったんです。引き受けます、と返事をした後は、イメージを広げてプランを立てていきました」とシェヴィンクさんは振り返る。
それでも、シェヴィンクさんは「やってみたい」と思ったそうだ。「難あり物件なんですけど、と言われましたが、僕としてはその家のスタイルに柔軟に合わせていけばいい、と思ったんです。引き受けます、と返事をした後は、イメージを広げてプランを立てていきました」とシェヴィンクさんは振り返る。
どんなHouzz?
所在地:スウェーデン、ストックホルムから12キロ南にあるソルシダン(「サニーサイド」(太陽が当たる側)という意味がある)
規模:300平方メートル
部屋数:6.5部屋。広い玄関ホール、オープンキッチン、リビングルーム、ベッドルームx3、ウォークインクローゼット含む。バスルームは3ヵ所。
デザイン:〈アムステルダム・リビング〉のアンドレ・シェヴィンクさん
ソルシダンといえば、ストックホルム近郊でも指折りの「みんなが住みたいあこがれの住宅地」だ。スウェーデンの人気TVドラマシリーズの舞台になったこともあるし、歴史ある木造住宅が多く残っている。今回シェヴィンクさんが手がけたのは、海に面した崖の上という絶好のロケーションにあるが、伝統的なスタイルではない。元のオーナーが、下の桟橋に立つ薪のサウナとあわせて設計したものだ。
所在地:スウェーデン、ストックホルムから12キロ南にあるソルシダン(「サニーサイド」(太陽が当たる側)という意味がある)
規模:300平方メートル
部屋数:6.5部屋。広い玄関ホール、オープンキッチン、リビングルーム、ベッドルームx3、ウォークインクローゼット含む。バスルームは3ヵ所。
デザイン:〈アムステルダム・リビング〉のアンドレ・シェヴィンクさん
ソルシダンといえば、ストックホルム近郊でも指折りの「みんなが住みたいあこがれの住宅地」だ。スウェーデンの人気TVドラマシリーズの舞台になったこともあるし、歴史ある木造住宅が多く残っている。今回シェヴィンクさんが手がけたのは、海に面した崖の上という絶好のロケーションにあるが、伝統的なスタイルではない。元のオーナーが、下の桟橋に立つ薪のサウナとあわせて設計したものだ。
間取りは、打ち放しのコンクリート壁に囲まれたワンルーム。デザインしやすいとはいえない空間だが、シェヴィンクさんは、気に留めたりしなかった
シェヴィンクさんが初めて家の内装に挑戦したのは12歳のとき。「両親がいない週末に、バスルームの床を明るくしよう、と思い立ったんです。テラコッタタイルには白が似合うはずだから、と自分でペンキを塗ってしまいまして。ただ、バスルームの床に合った塗料ではなかったので、父がシャワーを浴びると足が白く染まる結果になってしまいました」と笑いながら振り返る。
インテリアデザイナーになってからは、世界各地でさまざまなタイプのプロジェクトを手がけてきた。「個人宅のほか、レストランのインテリア、フォトセッションの会場からホテルやオフィス、ストックホルムのグローブ・アリーナの空間構成も手掛けたことがあります」とシェヴィンクさん。実は、社会人になって最初の仕事はオランダの雑誌のアートディレクターで、その仕事がきっかけで、南アフリカで暮らすことになった。「ケープタウンで、移住者用別荘のインテリアコーディネートの仕事をしたのが、最初のインテリアの仕事です。ここでインテリアデザインのプロとして経験やノウハウを積みました。アフリカ的な色やダークウッドが好きになったのも、この経験のおかげです。」
この家のように、大きな面がいくつもある場合、強い色の使い方が重要になる、とシェヴィンクさんは言う。そこで、明るいオレンジ色を差し色にし、面を適度にカバーする大きなラグやくつろげるカウチを置いている。
シェヴィンクさんが初めて家の内装に挑戦したのは12歳のとき。「両親がいない週末に、バスルームの床を明るくしよう、と思い立ったんです。テラコッタタイルには白が似合うはずだから、と自分でペンキを塗ってしまいまして。ただ、バスルームの床に合った塗料ではなかったので、父がシャワーを浴びると足が白く染まる結果になってしまいました」と笑いながら振り返る。
インテリアデザイナーになってからは、世界各地でさまざまなタイプのプロジェクトを手がけてきた。「個人宅のほか、レストランのインテリア、フォトセッションの会場からホテルやオフィス、ストックホルムのグローブ・アリーナの空間構成も手掛けたことがあります」とシェヴィンクさん。実は、社会人になって最初の仕事はオランダの雑誌のアートディレクターで、その仕事がきっかけで、南アフリカで暮らすことになった。「ケープタウンで、移住者用別荘のインテリアコーディネートの仕事をしたのが、最初のインテリアの仕事です。ここでインテリアデザインのプロとして経験やノウハウを積みました。アフリカ的な色やダークウッドが好きになったのも、この経験のおかげです。」
この家のように、大きな面がいくつもある場合、強い色の使い方が重要になる、とシェヴィンクさんは言う。そこで、明るいオレンジ色を差し色にし、面を適度にカバーする大きなラグやくつろげるカウチを置いている。
ラフな質感のコンクリートに囲まれた広い空間には、赤やオレンジ系のソフトなテキスタイルをとりいれて、にあたたかみをプラス。「コンクリートの床には、ベルベットやシルクのようなラグジュリーな素材がよく合います。冷たい印象の床に対して、コントラストが明快に出るんです。クッションを多めに並べたり、トナカイなどのファーを使うのもおすすめです。」
大きなワンルーム空間のゾーニングには、定番の手法を使った。「カーペットを敷くのがいちばん簡単な方法。敷いたところが『島』のようになり、このあたりはリビングだな、と感覚でわかるようになるんです。仕切りや折りたためるついたてを使うのもおすすめです。間仕切りスクリーンはトレンドでもあるので、ネットでも見つかります。キッチンエリアでは、長いテーブルが主役。調理スペースと平行に配置しています。」
大きなワンルーム空間のゾーニングには、定番の手法を使った。「カーペットを敷くのがいちばん簡単な方法。敷いたところが『島』のようになり、このあたりはリビングだな、と感覚でわかるようになるんです。仕切りや折りたためるついたてを使うのもおすすめです。間仕切りスクリーンはトレンドでもあるので、ネットでも見つかります。キッチンエリアでは、長いテーブルが主役。調理スペースと平行に配置しています。」
プロジェクトのスタート時は売り出す直前で、建物は完成していたが、中はからっぽだった。「まずメインの色を、それから家具とインテリアを決めました。家自体がグレーのコンクリートと木材、ラスティックな仕上げの鉄を使用しているのでオレンジは当然の選択でした。鉄が茶色がかっているのを見て「これでいこう」と選んだのが、オレンジのカーペットとイエローのベッドリネン、キッチンのテーブルに合わせたラフな雰囲気の鉄製チェアです。」
家具を探すときは、まずスウェーデンのショップをあたる。お気に入りは幅広いアイテムがそろう〈ポッシュ・リビング〉だ。個性的なものや、高級感のあるものがほしいときはアムステルダムのブランドもチェックする。「〈エドワード・ファン・フリート〉〈モーイ〉〈ポルスポッテン〉〈アイシュホルツ〉などのショップやデザイナーをチェックします。スウェーデンでは誰も持っていないアイテムがよく見つかりますね。個性的でユニークなスタイルをつくりだせるのは、こうしたアイテムのおかげですね。」
家具を探すときは、まずスウェーデンのショップをあたる。お気に入りは幅広いアイテムがそろう〈ポッシュ・リビング〉だ。個性的なものや、高級感のあるものがほしいときはアムステルダムのブランドもチェックする。「〈エドワード・ファン・フリート〉〈モーイ〉〈ポルスポッテン〉〈アイシュホルツ〉などのショップやデザイナーをチェックします。スウェーデンでは誰も持っていないアイテムがよく見つかりますね。個性的でユニークなスタイルをつくりだせるのは、こうしたアイテムのおかげですね。」
オレンジを選んだのは、シェヴィンクさんがオランダ人であることと関係があるのだろうか? 「そうですね、確かにオレンジはオランダの国の色です。でも、鮮やかな色使いはオランダ人デザイナーの間では、10年以上前から当たり前でした。デザイナーのエドワード・ファン・フリートの作品もそうですが、私の仕事にもオランダらしさはあると思います」とシェヴィンクさん。
ストックホルムでインテリアデザイン事務所を設立したとき、苦労したのは、スウェーデンの人に色を取り入れてもらうことだった。「最初のクライアントはかなり思い切ってくれました。ダイニングルームの全体を黒で統一して、カーテンはオレンジに、それからソファとカーペットもカラフルな色の提案に納得してくれたんです。といっても、すんなり進んだわけではありません。スウェーデン人は強い色やダークな色を使いたがりませんからね。」
カラフルな色使いがスウェーデンで敬遠されるのはよくあること、とシェヴィンクさんは言う。「でも、スウェーデンの家こそ、実はカラフルな色に向いているんです。冬は暗く、夏はとても明るい土地ですから、色を使った方がいいんです。冬に真っ白な家では寒々しくて寂しいですし、太陽がふりそそぐ夏には色がいっそう美しく映えますから」。ちなみに、ソルシダンのこの家を購入したオーナーは、はっきり主張のあるインテリアにもひるむことなく、とても気に入ってくれたそうだ。
カラフルな色使いがスウェーデンで敬遠されるのはよくあること、とシェヴィンクさんは言う。「でも、スウェーデンの家こそ、実はカラフルな色に向いているんです。冬は暗く、夏はとても明るい土地ですから、色を使った方がいいんです。冬に真っ白な家では寒々しくて寂しいですし、太陽がふりそそぐ夏には色がいっそう美しく映えますから」。ちなみに、ソルシダンのこの家を購入したオーナーは、はっきり主張のあるインテリアにもひるむことなく、とても気に入ってくれたそうだ。
ベッドルームからアクセスできるテラス
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