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北欧で見つけた5つの最新トレンド【3デイズ・オブ・デザイン2022】
デンマークの首都・コペンハーゲンで開催されたデザイン・イベントでは、古典的デザインから最新トレンドまで、さまざまなインテリアのデザインが展示されました。

Catherine Hug
2022年7月19日
ライフスタイルや照明、家具、インテリアデザインについてのさまざまなアイデアが、デンマーク・コペンハーゲンの街中にあふれる展示会『3デイズ・オブ・デザイン』。コロナ禍により、今年は通常の9月ではなく、6月15〜17日に開催されましたが、このイベントに対する関心が失われることはなく、照りつける日差しの下、ショールームやギャラリー、美術館、さらには大使館に至るまで、多くのデザイン愛好家たちが集まりました。200を超えるブランドや団体が、古典的なデザインから現在のトレンドまでを、世界をより良い場所にするためのビジョンとして披露しました。
「Remember to Play(遊ぶことを思い出そう)」というテーマは、今年の展示会にアート作品を提供したLuca Nichetto(ルカ・ニケット)さんとのコラボレーションから生まれたものです。『3デイズ・オブ・デザイン』の創設者で運営ディレクターであるSigne Byrdal Terenziani(シグネ・バーダル・テレンジアーニ)さんは、Styleparkウェブマガジンのインタビューで、次のように話しています。
「パンデミックや戦争の最中にあって、ポジティブな雰囲気を思い出すこと、クリエイティブであること、そして“遊ぶこと”が必要だと思います。今が適切な時なのかどうか、疑いたくなるような困難なことが数多くあったとしても、です。こういった時だからこそ、クリエイティブであることが何よりも重要なのです」
スカンジナビアの家具・装飾業界における最近のトレンドは、どこまで遊び心にあふれているのか、そしてデンマークのデザインはどこに向かっているのか。Houzzは現地でその答えを探りました。
「パンデミックや戦争の最中にあって、ポジティブな雰囲気を思い出すこと、クリエイティブであること、そして“遊ぶこと”が必要だと思います。今が適切な時なのかどうか、疑いたくなるような困難なことが数多くあったとしても、です。こういった時だからこそ、クリエイティブであることが何よりも重要なのです」
スカンジナビアの家具・装飾業界における最近のトレンドは、どこまで遊び心にあふれているのか、そしてデンマークのデザインはどこに向かっているのか。Houzzは現地でその答えを探りました。
Fritz Hansen (フリッツ・ハンセン)のパビリオンに展示されていた、Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)の椅子『PK0A』とコーヒーテーブル『PK60』
1. 優れたデザインは時を超える
このイベントでは、とくに1950年代からの伝統的なデザインや古典的なデザインがあふれていました。例えば、今年創業150周年を迎えたフリッツ・ハンセンは、デザインミュージアム・デンマークの素晴らしい庭に設けられた展示パビリオンにおいて、その名作の数々と、2つ復刻版を展示しました。
フリッツハンセンのプレスリリースによると、ポール・ケアホルムによるチェア『PK0 A』とコーヒーテーブル『PK60』の記念コレクションは、「我々の歴史における最高峰のデザインと、独自の新素材を組み合わせた」ものであるといいます。彫刻のようなこの椅子は、モダンデザインの歴史における草分け的存在であり、これまで未発表だった『PK60』はモダンアートにインスピレーションを得たもので、質の高い職人技術と革新的な技術が組み合わされています。
1. 優れたデザインは時を超える
このイベントでは、とくに1950年代からの伝統的なデザインや古典的なデザインがあふれていました。例えば、今年創業150周年を迎えたフリッツ・ハンセンは、デザインミュージアム・デンマークの素晴らしい庭に設けられた展示パビリオンにおいて、その名作の数々と、2つ復刻版を展示しました。
フリッツハンセンのプレスリリースによると、ポール・ケアホルムによるチェア『PK0 A』とコーヒーテーブル『PK60』の記念コレクションは、「我々の歴史における最高峰のデザインと、独自の新素材を組み合わせた」ものであるといいます。彫刻のようなこの椅子は、モダンデザインの歴史における草分け的存在であり、これまで未発表だった『PK60』はモダンアートにインスピレーションを得たもので、質の高い職人技術と革新的な技術が組み合わされています。
Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&ソン)の『Foyer(ホワイエ)』シリーズ
カール・ハンセン&ソンの『Vega chair(ヴェガ・チェア)』
市街の中心部にあるカール・ハンセン&ソンの旗艦店に展示された、軽やかで積み重ね可能な『VEGAチェア(VLA 26)』と、彫刻的な『ホワイエ』シリーズの改良版にも、同じことが言えます。どちらもVilhelm Lauritzen(ヴィルヘルム・ラウリッツェン)氏によりデザインされたもので、もともとは、『Folkets Hus(人民の家 ※現在はエンターテイメント施設Vega)』と、かつてはデンマークの公共放送局DRの本社ビルだった『Radiohuset(ラジオハウス)』という、コペンハーゲンを代表する2つの建物のために特注されたものでした。
カール・ハンセン&ソンは、VilhelmLauritzen Architects(ヴィルヘルム・ラウリッツェン・アーキテクツ)とのコラボレーションにより、これらの製品を生まれ変わらせました。カール・ハンセン&ソンのCEOであるKnud Erik Hansen(クヌッド・エリック・ハンセン)さんは、「ヴィルヘルム・ラウリッツェンの建築とデザインは、デンマークの文化遺産と機能主義の認識の一部といえます」とコメントしています。「カール・ハンセン&ソンは20世紀のデンマークの名作を幅広く取り揃えており、そこに完璧に当てはまるのが、美観とクラフトマンシップを妥協することなく重視し続ける、ヴィルヘルム・ラウリッツェンなのです」
市街の中心部にあるカール・ハンセン&ソンの旗艦店に展示された、軽やかで積み重ね可能な『VEGAチェア(VLA 26)』と、彫刻的な『ホワイエ』シリーズの改良版にも、同じことが言えます。どちらもVilhelm Lauritzen(ヴィルヘルム・ラウリッツェン)氏によりデザインされたもので、もともとは、『Folkets Hus(人民の家 ※現在はエンターテイメント施設Vega)』と、かつてはデンマークの公共放送局DRの本社ビルだった『Radiohuset(ラジオハウス)』という、コペンハーゲンを代表する2つの建物のために特注されたものでした。
カール・ハンセン&ソンは、VilhelmLauritzen Architects(ヴィルヘルム・ラウリッツェン・アーキテクツ)とのコラボレーションにより、これらの製品を生まれ変わらせました。カール・ハンセン&ソンのCEOであるKnud Erik Hansen(クヌッド・エリック・ハンセン)さんは、「ヴィルヘルム・ラウリッツェンの建築とデザインは、デンマークの文化遺産と機能主義の認識の一部といえます」とコメントしています。「カール・ハンセン&ソンは20世紀のデンマークの名作を幅広く取り揃えており、そこに完璧に当てはまるのが、美観とクラフトマンシップを妥協することなく重視し続ける、ヴィルヘルム・ラウリッツェンなのです」
復刻されたもうひとつの名作は、ノルウェーのFora Forms(フォーラ・フォーム)によるもので、Øivind Iversen(オイヴィンド・イヴァーセン)が1950年代にデザインした、繊細な脚とカーブを描く木製の座面を備えた『Cityチェア』です。女性の姿にインスピレーションを受けたこの椅子は、ノルウェーでは長きにわたってデザインの名作として知られてきました。
2. 循環経済を最前面に押し出す
私たちが目にした2つ目のトレンドは、「循環型デザイン」です。今日よく耳にする用語であり、「持続可能性(サステナブル)」という言葉とともに使われるようです。
フリッツ・ハンセンは、著名な建築設計事務所であるHenning Larsen(ヘニング・ラーセン)とのコラボレーションにより建てられた自社のパビリオンの構造において、このトレンドを強く押し出していました。このパビリオンは循環性を念頭に建設されたものであり、完全に解体し、資材を別のところで再利用できるよう設計されています。
ヘニング・ラーセンのデンマーク担当マーケティングディレクター兼パートナーであるEva Ravnborg(エヴァ・レイヴンボルグ)さんは、次のように話します。「フリッツ・ハンセンの150周年を記念して、私たちは家具を展示するためのサステナブルな場を創造し、そこで空間的な体験を提供したいと考えていました。それはHヘニング・ラーセンのデザインの“ファシリテーター”と呼べるものです。無垢の木材で建てられたこのパビリオンは周囲の庭からインスピレーションを得たもので、建物の内と外が流れるように移り変わる、ハイブリッドな空間をつくり出しています」
私たちが目にした2つ目のトレンドは、「循環型デザイン」です。今日よく耳にする用語であり、「持続可能性(サステナブル)」という言葉とともに使われるようです。
フリッツ・ハンセンは、著名な建築設計事務所であるHenning Larsen(ヘニング・ラーセン)とのコラボレーションにより建てられた自社のパビリオンの構造において、このトレンドを強く押し出していました。このパビリオンは循環性を念頭に建設されたものであり、完全に解体し、資材を別のところで再利用できるよう設計されています。
ヘニング・ラーセンのデンマーク担当マーケティングディレクター兼パートナーであるEva Ravnborg(エヴァ・レイヴンボルグ)さんは、次のように話します。「フリッツ・ハンセンの150周年を記念して、私たちは家具を展示するためのサステナブルな場を創造し、そこで空間的な体験を提供したいと考えていました。それはHヘニング・ラーセンのデザインの“ファシリテーター”と呼べるものです。無垢の木材で建てられたこのパビリオンは周囲の庭からインスピレーションを得たもので、建物の内と外が流れるように移り変わる、ハイブリッドな空間をつくり出しています」
実際のところ、循環型デザインこそが、今年の『3デイズ・オブ・デザイン』のテーマであったといえるかもしれません。モノの「第2の人生」に対する興味が明確に見てとれました。人の役に立つという役目を終えた椅子はどうなるのか? その椅子から何か新しいものをつくり出すことができるか? 企業のリサイクルおよび廃棄物管理はどのくらい効果的か? ほとんどのメーカーがこうした問いに対する回答を準備し、自身が最も伝えたい情報に位置付けていました。
今日においても、名作家具がデンマークのデザインの最高峰であり続けているものの、長持ちするタイムレスなデザインというだけでは、サステナブルな製品と定義するのに十分ではないことは明らかです。今年の展示会では、これまで愛されてきたデザインにいかに新しいアイデアを取り込み、新しい意味を持たせるかが示されていました。
この点については、この『3デイズ・オブ・デザイン』と同時に開催されていた、サステナブルで新感覚なデザインのためのプラットフォームのひとつである『Circular Furniture Days(サーキュラー・ファニチャー・デイズ)』でも、はっきりと見てとれました。ここでは若い世代のデザイナーと、長きにわたってそのプレゼンスを確立してきたメーカー双方によって、技術的な手腕だけではなく、端材からつくり出されるような製品についても議論されました。
今日においても、名作家具がデンマークのデザインの最高峰であり続けているものの、長持ちするタイムレスなデザインというだけでは、サステナブルな製品と定義するのに十分ではないことは明らかです。今年の展示会では、これまで愛されてきたデザインにいかに新しいアイデアを取り込み、新しい意味を持たせるかが示されていました。
この点については、この『3デイズ・オブ・デザイン』と同時に開催されていた、サステナブルで新感覚なデザインのためのプラットフォームのひとつである『Circular Furniture Days(サーキュラー・ファニチャー・デイズ)』でも、はっきりと見てとれました。ここでは若い世代のデザイナーと、長きにわたってそのプレゼンスを確立してきたメーカー双方によって、技術的な手腕だけではなく、端材からつくり出されるような製品についても議論されました。
Meter Design(メーター・デザイン)は期間限定ショップにおいて、非常に革新的な廃棄物管理プログラムを披露しました。産業界から排出されるコーヒー豆やプラスチックの端材といった廃棄物からアップサイクルされた繊維を混ぜ合わせたサステナブル素材を原材料として、Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)氏が1958年にデザインした『Conscious Chair(コンシャス・チェア)』をはじめとする名作の、サステナブルな素材を使用したバージョンがつくられました。
このような形で再生された素材には、海から引き上げられた古い漁業用の網や、トイレの水洗機構の製造で生じたプラスチックの端材、あるいはデンマークの醸造メーカーであるCarlsberg(カールスバーグ)がレストランへ納入する際に使用している、プラスチック製の樽などが挙げられます。こうした効率的な産業廃棄物のアップサイクル活動は、廃棄物を排出している企業のCO2排出削減にもつながります。
このような形で再生された素材には、海から引き上げられた古い漁業用の網や、トイレの水洗機構の製造で生じたプラスチックの端材、あるいはデンマークの醸造メーカーであるCarlsberg(カールスバーグ)がレストランへ納入する際に使用している、プラスチック製の樽などが挙げられます。こうした効率的な産業廃棄物のアップサイクル活動は、廃棄物を排出している企業のCO2排出削減にもつながります。
Muuto(ムート)の『 Linear Steel furniture(リニア・スチール・ファニチャー)』、『Framed mirrors(フレームド・ミラー)』、『Kink vases(キンク・ベース)』
3. 自然や自分自身へのつながりを感じる
多くのメーカーは、美しい花々で念入りに飾られたショールーム、居心地の良いテラス、あるいは屋上テラスを通じて、自然とのつながりを強調していました。
「自分に合っている」と感じる部屋をつくり出すものとは何か? ムートは、デザインのより深い意義や可能性について追求するために、展示会を通じてこの問いを投げかけ続けました。
3. 自然や自分自身へのつながりを感じる
多くのメーカーは、美しい花々で念入りに飾られたショールーム、居心地の良いテラス、あるいは屋上テラスを通じて、自然とのつながりを強調していました。
「自分に合っている」と感じる部屋をつくり出すものとは何か? ムートは、デザインのより深い意義や可能性について追求するために、展示会を通じてこの問いを投げかけ続けました。
Verpan(ヴァーパン)もこれまでを振り返りつつ、自然とのつながりについて追求しました。コペンハーゲン中心部の歴史的な地区にあるリンデンクローン・マンションでおこなわれた、「Inspired by Nature(自然からインスピレーションを得る)」がテーマの展示では、ずらりと並んだ美しい花々に囲まれた遊び心のあるソファが、訪れた人々をくつろぎたくさせます。このようにしてヴァーパンは、暮らしと色彩を称賛するVerner Panton(ヴァーナー・パントン)氏独自の世界観をつくり出しています。
この展示のカラーパレットは、パントン氏の1997年の著書である『Notes on Colour(色彩に関するノート)』をもとにしており、日の出から朝にかけてのあたたかみのある黄色やオレンジ色から始まって、昼間の緑色をしたパントンのソファ『Cloverleaf(クローバーリーフ)』、そしてバラ色やバーガンディ色の『System 1-2-3』へと続き、最後は日没時のさまざまな明るさの青色(写真)で終わる、といったように、訪問者は1日を通して移り変わる色の中を進んでいきます。
この展示のカラーパレットは、パントン氏の1997年の著書である『Notes on Colour(色彩に関するノート)』をもとにしており、日の出から朝にかけてのあたたかみのある黄色やオレンジ色から始まって、昼間の緑色をしたパントンのソファ『Cloverleaf(クローバーリーフ)』、そしてバラ色やバーガンディ色の『System 1-2-3』へと続き、最後は日没時のさまざまな明るさの青色(写真)で終わる、といったように、訪問者は1日を通して移り変わる色の中を進んでいきます。
4. 色:例外とルール
色に喜びを見出したブランドはヴァーパンだけではありませんでしたが、落ち着いた青色のカラーパレットで占められていたこのイベントにおいて、色彩豊かな展示はかなり例外的なものでした。
モジュラー式の多機能家具システムを展示したデンマークの家具メーカー、Montana Furniture(モンタナ・ファニチャー)による展示は、「Remember to Play(遊ぶことを思い出そう)」というスローガンを体現した色彩豊かなもので、色を楽しむだけでなく、遊び心のある子ども部屋の雰囲気も生み出しています。
同社の展示(写真)では、おもちゃを移動させられるキャスター付きの『Miniボックス』や、鮮やかなブルーの子ども用デスク『Monterey(モントレー)』、さらにカラフルな『Miniボックス』をドールハウスに仕立てたものが展示されていました。モンタナはその豊かな想像力によって、カラフルで遊び心あふれた製品がもつ無限の可能性を示してみせることで、人々の関心を集めました。
色に喜びを見出したブランドはヴァーパンだけではありませんでしたが、落ち着いた青色のカラーパレットで占められていたこのイベントにおいて、色彩豊かな展示はかなり例外的なものでした。
モジュラー式の多機能家具システムを展示したデンマークの家具メーカー、Montana Furniture(モンタナ・ファニチャー)による展示は、「Remember to Play(遊ぶことを思い出そう)」というスローガンを体現した色彩豊かなもので、色を楽しむだけでなく、遊び心のある子ども部屋の雰囲気も生み出しています。
同社の展示(写真)では、おもちゃを移動させられるキャスター付きの『Miniボックス』や、鮮やかなブルーの子ども用デスク『Monterey(モントレー)』、さらにカラフルな『Miniボックス』をドールハウスに仕立てたものが展示されていました。モンタナはその豊かな想像力によって、カラフルで遊び心あふれた製品がもつ無限の可能性を示してみせることで、人々の関心を集めました。
&tradition(&トラディション)では、ランプの名作である『Flowerpotコレクション』(写真)のラインナップ拡大に関連して、「バラエティ」が最大の関心事となりました。
ヴァーナー・パントン氏によりデザインされ長く愛されてきたこのランプの、色とサイズを変更した新しいバリエーションが、今年もまた発表されています。
ヴァーナー・パントン氏によりデザインされ長く愛されてきたこのランプの、色とサイズを変更した新しいバリエーションが、今年もまた発表されています。
Louis Poulsen(ルイス・ポールセン)は、Poul Hennigsen(ポール・ヘニングセン)がデザインした照明の名作『PH』コレクションを展示しました。
新しく追加された製品は、手吹きのイタリアンガラスで製作された薄いピンク色が特徴で、ヘアライン仕上げの真鍮のパーツがあしらわれています。
新しく追加された製品は、手吹きのイタリアンガラスで製作された薄いピンク色が特徴で、ヘアライン仕上げの真鍮のパーツがあしらわれています。
とはいえ、こうしたカラフルな展示はこのイベントではかなり少数派でした。&トラディションやHAY(ヘイ)といったように、既に幅広いカラーパレットに新色を追加しているメーカーもありましたが、これらを除けば多くのメーカーは色の使用をかなり抑えていました。
この事実は、コペンハーゲン全体で見られた鮮やかなオレンジ色のポスターや、オレンジ色からインスピレーションを得たnormann COPENHAGEN(ノーマン・コペンハーゲン)が、コペンハーゲン中心部にある本社オフィスを「The Orange Edit(オレンジエディション)」へと作り替え、さまざまな濃さのオレンジ色を用いてこの色を称えていたにも関わらず、はっきりと見て取れました。
この事実は、コペンハーゲン全体で見られた鮮やかなオレンジ色のポスターや、オレンジ色からインスピレーションを得たnormann COPENHAGEN(ノーマン・コペンハーゲン)が、コペンハーゲン中心部にある本社オフィスを「The Orange Edit(オレンジエディション)」へと作り替え、さまざまな濃さのオレンジ色を用いてこの色を称えていたにも関わらず、はっきりと見て取れました。
ferm LIVING(ファーム・リビング)の『Ark Chair(アーク・チェア)』。この椅子は子ども用にも利用できます
代わりに2022年に一番人気のあった色は、ferm LIVING(ファーム・リビング)が本社オフィス内で採用していたような「コーンフラワーブルー」でした。控え目なサンド色やウッドと組み合わせることで、さらに引き立つ色です。
代わりに2022年に一番人気のあった色は、ferm LIVING(ファーム・リビング)が本社オフィス内で採用していたような「コーンフラワーブルー」でした。控え目なサンド色やウッドと組み合わせることで、さらに引き立つ色です。
揺らしてみて! ロッキングチェアバージョンの『KufenKarl(クフェンカール)』は、ムーブメントが前面と中央に配置されています
5. 自然の素材
自然素材の中でもとくに注目されていたのは、木材です。この展示会の多彩な展示の中にあっても、これほど頻繁に目にした素材はそれ以外にありません。
無垢材のテーブルでも、ベニヤ合板のサイドボードでも、Boris Berlin Design(ボリス・ベルリン・デザイン)が提案した、学校向けの古典的なチェア『クフェンカール』をロッキングチェアやラウンチチェア、もしくはスタンダードな椅子に解釈し直したものでも、今年はオーク材がとくに多く見られました。
5. 自然の素材
自然素材の中でもとくに注目されていたのは、木材です。この展示会の多彩な展示の中にあっても、これほど頻繁に目にした素材はそれ以外にありません。
無垢材のテーブルでも、ベニヤ合板のサイドボードでも、Boris Berlin Design(ボリス・ベルリン・デザイン)が提案した、学校向けの古典的なチェア『クフェンカール』をロッキングチェアやラウンチチェア、もしくはスタンダードな椅子に解釈し直したものでも、今年はオーク材がとくに多く見られました。
同様に、デンマークで最も売れた椅子のひとつであるFredericia(フレデリシア)の『J39』は、主要な部品がオーク材でつくられています。誕生から75周年を記念して、フレデリシアは、長く使用されてきたペーパーコードの代わりに、手作業によるウィッカー編みの座面を備えた、オリジナルバージョンの『J39』を再発売しました。この製品は、フレデリシアの本社において、長きにわたってデザインの名作としての地位を確立したその他の製品と共に展示されました。
同じように、ボーエ・モーエンセンが1947年にデザインした『Folkestolen(フォークストールン)』も、成長が速いことが特長である葦を手編みして使用する手法に戻り、非常にサステナブルなバージョンとして入手可能になりました。
『3デイズ・オブ・デザイン2022』からのレポート、いかがでしたか?ここで見られた「タイムレスなデザイン」、「循環型のデザイン」、「自然とのつながりが感じられるデザイン」は、今後より一層、家具の世界でも求められる「サステナビリティの実現」にとっても、重要なポイントになってくるでしょう。
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同じように、ボーエ・モーエンセンが1947年にデザインした『Folkestolen(フォークストールン)』も、成長が速いことが特長である葦を手編みして使用する手法に戻り、非常にサステナブルなバージョンとして入手可能になりました。
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