50平米の小さな家で4人家族が送るシンプルでサステナブルな暮らし
床面積わずか52平方メートルの家に暮らす夫妻と2人の子供の4人家族。家庭菜園からの収穫で野菜や果物はほとんど自給自足しているとのこと。シンプルでサステナブルな生活を通して、家族の絆が育まれていきます。
Houzz
2022年6月21日
インテリア・デザイナーのジェシカ・ヘルガーソンさん一家は夏休みの週末を過ごすつもりでこの家にやってきました。ところが、数日のつもりが数週間になり、ついにはこの家から離れられなくなってしまったそうです。「私の誕生日を祝うつもりで来たのですが、そのままここに住むことになってしまったんです」とヘルガーソンさんは話します。
家を見れば、そうなった理由もすぐにわかります。家が立っているのは、ポートランドの北に位置する美しいソーヴィー・アイランド。野生動物がたくさん暮らす田園地帯です。「初めてのハイキングで、この辺りがすっかり気に入ってしまったのですが、この家が見つかるまで少し時間がかかりました。荒れ放題の状態でしたが、手入れすれば素敵になるはずだということはすぐにわかりました。この地域の家にしてはとても小さな家ですが、小さな暮らしをしようと決意し、それ以来、家に必要なものを買うときにも、家族全員が前よりも真剣に考えるようになったんです」とヘルガーソンさん。
居住者:ジェシカ・ヘルガーソンさん、夫のイアンニ・ドゥーリスさんと2人の子どもたち
所在地:米国オレゴン州ソーヴィー・アイランド
規模:50平方メートル。ベッドルームx1、バスルーム(トイレ含む)x1、ロフトx1
エピソード: ある家族の家としてヴァンポート村に新築されたこの家は、造船所の従業員住宅、ガン猟の管理事務所、レンタル別荘として使用された後、ヘルガーソンさんたちのすみかとなりました。
家を見れば、そうなった理由もすぐにわかります。家が立っているのは、ポートランドの北に位置する美しいソーヴィー・アイランド。野生動物がたくさん暮らす田園地帯です。「初めてのハイキングで、この辺りがすっかり気に入ってしまったのですが、この家が見つかるまで少し時間がかかりました。荒れ放題の状態でしたが、手入れすれば素敵になるはずだということはすぐにわかりました。この地域の家にしてはとても小さな家ですが、小さな暮らしをしようと決意し、それ以来、家に必要なものを買うときにも、家族全員が前よりも真剣に考えるようになったんです」とヘルガーソンさん。
居住者:ジェシカ・ヘルガーソンさん、夫のイアンニ・ドゥーリスさんと2人の子どもたち
所在地:米国オレゴン州ソーヴィー・アイランド
規模:50平方メートル。ベッドルームx1、バスルーム(トイレ含む)x1、ロフトx1
エピソード: ある家族の家としてヴァンポート村に新築されたこの家は、造船所の従業員住宅、ガン猟の管理事務所、レンタル別荘として使用された後、ヘルガーソンさんたちのすみかとなりました。
屋根が劣化していたので、葺きかえるかわりに、近くを流れるコロンビア川からとってきた苔とシダを植えて緑化した。熱効率の高い断熱材になっています。
「家のあらゆる空間をすみずみまで活用しています。家全体をスケルトン状態にし、効率的な空間にリノベーションしました」とヘルガーソンさん。
「家のあらゆる空間をすみずみまで活用しています。家全体をスケルトン状態にし、効率的な空間にリノベーションしました」とヘルガーソンさん。
地元のホワイト・オーク材のフローリングと、やはり地元で廃棄されていたウォルナット材のダイニングテーブルが、白いキャビネットと壁板に囲まれた空間にあたたかさをプラスしています。ヴィンテージのキッチンレンジはクレイグスリスト(インターネットの仲介サイト)で見つけたもの。暖房は薪ストーブ。
「薪ストーブを使っていると、部屋が暖かくなりすぎることもあります。冬でも窓を少し開けているんですよ」とヘルガーソンさん。
「薪ストーブを使っていると、部屋が暖かくなりすぎることもあります。冬でも窓を少し開けているんですよ」とヘルガーソンさん。
ゆったりとしたLDKは「何役もこなしてくれて、すごく助かります」とヘルガーソンさん。造り付けの引き出し付きソファは、夫妻がデザインしたもの。おもちゃの収納場所とゲスト用のツインベッドの二役を兼ねています。
ウォルナット材のハシゴが視線を上の方に誘導。ロフトは夫妻のベッドルームになっています。
ウォルナット材のハシゴが視線を上の方に誘導。ロフトは夫妻のベッドルームになっています。
ロフトをベッドルームにするにあたって、余計なものは絶対持ち込まないことにしました。
「美しくないもの、役に立たないものなら、たぶん必要ないもの、というのが二人の原則になりましたね」とヘルガーソンさん。
「美しくないもの、役に立たないものなら、たぶん必要ないもの、というのが二人の原則になりましたね」とヘルガーソンさん。
造り付け収納、引き出し式クローゼット、フルサイズのゲスト用ベッド(写真には写っていない)と二段ベッドがある子供部屋も、ミニマルなスタイル。
バスタブは、友人が家を解体したとき、もらってきた。木製の足の部分はご主人がつくったもの。
4人家族で1つのバスルームとトイレを使っているとときどき困ることもあるけれど、この家に住むメリットはそれ以上に大きい、とヘルガーソンさんは話します。
4人家族で1つのバスルームとトイレを使っているとときどき困ることもあるけれど、この家に住むメリットはそれ以上に大きい、とヘルガーソンさんは話します。
「もちろん、完璧な暮らしではありません。トイレが水漏れすることもありますし、子供部屋の時計のカチカチという音も聞こえたりします。でも、小さな空間の暮らしにすっかりなじんだと思います」とヘルガーソンさん。
こちらの正面玄関から家族や友人を招き入れて、ホームパーティーを開くことも珍しくないのだそう。数週間前にも、息子のマックスくんのバースデーパーティーを開いたとのこと。
収納の問題があるので、マックスくんは友達に、贈り物はもってこないで、と予めメールしておいたそう。「息子に何もあげなかったわけではありません。ずっとほしがっていた、素敵な弓矢をプレゼントしました。あとは一人だけ、メキシコのジャンピング・ビーン(おもちゃ)が入った小さな箱を持ってきたお友達がいましたね」とヘルガーソンさん。
収納の問題があるので、マックスくんは友達に、贈り物はもってこないで、と予めメールしておいたそう。「息子に何もあげなかったわけではありません。ずっとほしがっていた、素敵な弓矢をプレゼントしました。あとは一人だけ、メキシコのジャンピング・ビーン(おもちゃ)が入った小さな箱を持ってきたお友達がいましたね」とヘルガーソンさん。
フランスとアメリカで子供時代を過ごしたヘルガーソンさんは、祖父母がくらしていた小さなヨーロッパの農家を思い浮かべながら菜園と温室をつくりました。
今では、「お酒とカフェインと炭水化物以外」の食べ物は、ほとんど自給自足しています。トマト、キュウリ、カボチャ、玉ねぎ、オクラのほか、「思いつく限りの種類のベリー」を育てています。
今では、「お酒とカフェインと炭水化物以外」の食べ物は、ほとんど自給自足しています。トマト、キュウリ、カボチャ、玉ねぎ、オクラのほか、「思いつく限りの種類のベリー」を育てています。
自分のデザインのセンスにはこのくらいのサイズがちょうどいい、と言うヘルダーソンさんだが、クライアントの要望に合わせて物を買い揃えるプロセスも楽しんでいます。
「人にはそれぞれふさわしい暮らし方があるので、暮らし方についてこうしなさいと押し付けることはありません。でも、クライアントの皆さんは、私や私の同僚がとても真剣に仕事していることを理解してくれています。どのプロジェクトについても、もう二度とリノベーションしなくても大丈夫、という仕上がりを目指しています」
娘と息子が、子供時代を過ごしたここの暮らしを引き継いでいってくれたらうれしいと考えているヘルダーソンさん。とはいっても、二人とも成長したら都会で暮らしたいと言い出すかもしれないことは覚悟しているそうです。
「ある日学校から帰ってくるなり、ニューヨークに住みたい、と言い出すかもしれませんよね」とヘルダーソンさんは話していた。
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「人にはそれぞれふさわしい暮らし方があるので、暮らし方についてこうしなさいと押し付けることはありません。でも、クライアントの皆さんは、私や私の同僚がとても真剣に仕事していることを理解してくれています。どのプロジェクトについても、もう二度とリノベーションしなくても大丈夫、という仕上がりを目指しています」
娘と息子が、子供時代を過ごしたここの暮らしを引き継いでいってくれたらうれしいと考えているヘルダーソンさん。とはいっても、二人とも成長したら都会で暮らしたいと言い出すかもしれないことは覚悟しているそうです。
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