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世界のHouzzで見つけた、狭くてもおしゃれな部屋13選
各国の住まいの専門家は、狭小アパートをどのようにして快適に暮らせる空間にすることができたのでしょう?
Houzz Japan
2022年8月9日
Houzz Japan 公式アカウント
狭い空間を居住可能な「住まい」に作り替えるには、それが日本であろうとパリであろうと、優れたアイデアや技術が要求されます。ここでは、睡眠や食事を取るスペースをひとつにまとめながら、収納スペースも確保した延床面積13.5平方メートルから35平方メートルの世界各地のアパートをご紹介します。
1. ミラノ、イタリア
13.5平方メートル+1.5m平方メートルのバルコニー
この狭いアパートは、撤去できない高さ1.2メートルの設備要素によって制約を受けています。そこで、スペース節約を求められる小型船からインスピレーションを得てデザインしました。
「最初は取り除けない障害物として非常に大きな制約となっていたものが、最終的には空間全体のデザイン上の要(かなめ)となり、強みとなりました。それが機能的な『台』や、寸法に合わせて制作する建具の背後にある考え方なのです」と建築家のSilvana Citterio (シルヴァーナ・チッテリオ)さんはいいます。
限られたスペースながら、食洗機やオーブン、ウォークインクローゼットも備わっています。ベッドの前の大きな鏡と白い壁が、空間をより広く感じさせるのに役立っています。
13.5平方メートル+1.5m平方メートルのバルコニー
この狭いアパートは、撤去できない高さ1.2メートルの設備要素によって制約を受けています。そこで、スペース節約を求められる小型船からインスピレーションを得てデザインしました。
「最初は取り除けない障害物として非常に大きな制約となっていたものが、最終的には空間全体のデザイン上の要(かなめ)となり、強みとなりました。それが機能的な『台』や、寸法に合わせて制作する建具の背後にある考え方なのです」と建築家のSilvana Citterio (シルヴァーナ・チッテリオ)さんはいいます。
限られたスペースながら、食洗機やオーブン、ウォークインクローゼットも備わっています。ベッドの前の大きな鏡と白い壁が、空間をより広く感じさせるのに役立っています。
2. 東京都、日本
16-19平方メートル
世田谷区にある築24年(当時)の23戸のワンルームマンションをリノベーションした事例です。一戸あたり約16~19平方メートルの部屋の間取りは変えずに、壁一面をクローゼットにするなど、従来のワンルームにある構成要素の一部を拡大し、 特徴づけることで、狭いながらも暮らしやすい住戸を設えました。
リノベーションを手がけたOSKA&PARTNERS INC.代表の大平貴臣さんは、「日頃の設計の中でも、建物や空間がどれくらいの時間や期間、存在するのかということを意識しています。たとえば今回の集合住宅の場合なら、この先20年、30年たっても心地よく使い続けられるよう、あまり流行に左右されないシンプルなインテリアを心がけました」と語ります。
このワンルームマンションの詳しい記事を読む
16-19平方メートル
世田谷区にある築24年(当時)の23戸のワンルームマンションをリノベーションした事例です。一戸あたり約16~19平方メートルの部屋の間取りは変えずに、壁一面をクローゼットにするなど、従来のワンルームにある構成要素の一部を拡大し、 特徴づけることで、狭いながらも暮らしやすい住戸を設えました。
リノベーションを手がけたOSKA&PARTNERS INC.代表の大平貴臣さんは、「日頃の設計の中でも、建物や空間がどれくらいの時間や期間、存在するのかということを意識しています。たとえば今回の集合住宅の場合なら、この先20年、30年たっても心地よく使い続けられるよう、あまり流行に左右されないシンプルなインテリアを心がけました」と語ります。
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3. グロッセート、イタリア
19平方メートル
トスカーナ地方にある自邸のキッチンについて、建築家のRiccardo Picchianti(リカルド・ピッキアンティ)さんは「まずオーブンと冷蔵庫を設置した上で、建具屋さんにオーダーメイドでキッチンを設計してもらいました」と話します。壁面家具を取り除き、窓から室内に最大限光が入るようにしました。「食器や食品を収納するスペースはほとんどありませんが、私たちにはこれで十分です」とピッキアンティさんは言います。
80cmx 50cmのダイニングテーブルは、80cmx 80cmに拡張できます。「誰かをディナーに招待した際には、テーブルを拡げてソファの前に移動することで座席を増やせます」(ピッキアンティさん)
19平方メートル
トスカーナ地方にある自邸のキッチンについて、建築家のRiccardo Picchianti(リカルド・ピッキアンティ)さんは「まずオーブンと冷蔵庫を設置した上で、建具屋さんにオーダーメイドでキッチンを設計してもらいました」と話します。壁面家具を取り除き、窓から室内に最大限光が入るようにしました。「食器や食品を収納するスペースはほとんどありませんが、私たちにはこれで十分です」とピッキアンティさんは言います。
80cmx 50cmのダイニングテーブルは、80cmx 80cmに拡張できます。「誰かをディナーに招待した際には、テーブルを拡げてソファの前に移動することで座席を増やせます」(ピッキアンティさん)
4. ラモルレイ、フランス
20平方メートル
Atmosphères Designのパトリシア・コワニャールさんは、パリ北部にあるこのアパルトマンについて、「私たちはまず、快適なダブルベッドの下に、スライドして収納できる高さ60cmの木製の台の制作から始めました」と話します。「台の上にあるリビングルーム空間には、1段が高さ20cmの3段の階段を昇ることでアクセスできます。この空間は2つの間仕切りで構成されています。」
薄板を用いたベッドのベースと最高品質のマットレスを、「引き出し」のようにデザインしています。「このシステムはキャスターを取り付けることで、脇に取り付けたボールベアリングレールに沿ってスライドします」とパトリシアさんは言います。「ここでは条件が2つありました。1つはベッドを簡単に引き出せるようにすること。もう1つは取り扱いを容易にするために、シーツや枕など全てを載せたまま再び収納できるようにすることです」
このアパルトマンの詳しい記事を読む
20平方メートル
Atmosphères Designのパトリシア・コワニャールさんは、パリ北部にあるこのアパルトマンについて、「私たちはまず、快適なダブルベッドの下に、スライドして収納できる高さ60cmの木製の台の制作から始めました」と話します。「台の上にあるリビングルーム空間には、1段が高さ20cmの3段の階段を昇ることでアクセスできます。この空間は2つの間仕切りで構成されています。」
薄板を用いたベッドのベースと最高品質のマットレスを、「引き出し」のようにデザインしています。「このシステムはキャスターを取り付けることで、脇に取り付けたボールベアリングレールに沿ってスライドします」とパトリシアさんは言います。「ここでは条件が2つありました。1つはベッドを簡単に引き出せるようにすること。もう1つは取り扱いを容易にするために、シーツや枕など全てを載せたまま再び収納できるようにすることです」
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5. マドリッド、スペイン
21平方メートル
スペインの首都マドリッドにある幅2.1メートルという驚きの家です。天窓だけが外界と唯一つながりを感じられる場所ですが、4.75メートルの天井高をうまく利用して、それほど閉塞感のない住まいにリノベーションした事例です。
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21平方メートル
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6. パリ、フランス
22平方メートル
Erika Designのエリカ・デュボアさんによるパリのアパルトマンにあるこのベッドは、金具で補強されたポプラ合板の台に載せられています。このベッドは140センチ幅のマットレスを置くのに十分な大きさで、その下には収納も組み込まれています。
これらの収納ユニットのいくつかは奥行きが1.2メートルあるので、衣服や靴、アクセサリーを収納できます。ポプラ合板の丸棒で作られたスクリーンがプライバシーを確保しています。
22平方メートル
Erika Designのエリカ・デュボアさんによるパリのアパルトマンにあるこのベッドは、金具で補強されたポプラ合板の台に載せられています。このベッドは140センチ幅のマットレスを置くのに十分な大きさで、その下には収納も組み込まれています。
これらの収納ユニットのいくつかは奥行きが1.2メートルあるので、衣服や靴、アクセサリーを収納できます。ポプラ合板の丸棒で作られたスクリーンがプライバシーを確保しています。
7. パリ、フランス
23平方メートル
このアパートにある高さ1.6メートルの中2階の寝室へは、本棚としても機能する、巧みにデザインされた階段でアクセスできます。
ベッドの頭側にある小さな棚には、テーブルランプとスマートフォンの充電器のためのコンセントが備えられています。中2階からの眺めと光を確保するために、建築家のサミュエル・クロスニエさんは柵を設置する代わりに合板部分を突きだす手法を取りました。
23平方メートル
このアパートにある高さ1.6メートルの中2階の寝室へは、本棚としても機能する、巧みにデザインされた階段でアクセスできます。
ベッドの頭側にある小さな棚には、テーブルランプとスマートフォンの充電器のためのコンセントが備えられています。中2階からの眺めと光を確保するために、建築家のサミュエル・クロスニエさんは柵を設置する代わりに合板部分を突きだす手法を取りました。
8. パリ、フランス
25平方メートル
明るい光が室内に入ってくるこのアパートを購入する機会に恵まれた建築家のMarlice Alfera(マーリス・アルテラ)さんは、「障子に代表される日本の伝統建築にヒントを得て、この寝室をデザインしました」と話します。障子に和紙ではなく、ポリカーボネートを採用。寝室から障子を通して広がる柔らかな光がとても気に入っているそうです。
25平方メートル
明るい光が室内に入ってくるこのアパートを購入する機会に恵まれた建築家のMarlice Alfera(マーリス・アルテラ)さんは、「障子に代表される日本の伝統建築にヒントを得て、この寝室をデザインしました」と話します。障子に和紙ではなく、ポリカーボネートを採用。寝室から障子を通して広がる柔らかな光がとても気に入っているそうです。
9. ミラノ、イタリア
25平方メートル
リビングとベッドルームを仕切りたいというオーナーのリクエストに応え、こちらの寝室エリアも障子に着想を得てデザインしたそうです。
25平方メートル
リビングとベッドルームを仕切りたいというオーナーのリクエストに応え、こちらの寝室エリアも障子に着想を得てデザインしたそうです。
10. ミュンヘン、ドイツ
25平方メートル
FV2 Architekturの建築家のフェリシア・スペクトさんはミュンヘンの街中にあるこのアパートについて、「部屋全体が見えるようになったので、全てのものがより大きく感じられるようになりました」と話します。オーダーメイドの折戸によって、小さなキッチンとダイニングエリアをリビングルーム/寝室ゾーンと浴室部から分離できるようになりました。スペースを開放したい場合にはこの扉を折り畳み、作り付けの食器棚の中にシームレスに収納することができます。
浴室は、酒場にあるような木製のスイングドアによって部屋の他の部分から遮られています。「当然のことながらシャワー中に、周りから丸見えの中庭に立っているような気分になりたい人はいないでしょう」とフェリシアさんは言います。
木製のスイングドアによってプライバシーが確保され、完全な壁を設置する代わりにこの手段を用いることで、より多くの自然光を取り込み、このスペースをより大きく感じることが可能になります。
25平方メートル
FV2 Architekturの建築家のフェリシア・スペクトさんはミュンヘンの街中にあるこのアパートについて、「部屋全体が見えるようになったので、全てのものがより大きく感じられるようになりました」と話します。オーダーメイドの折戸によって、小さなキッチンとダイニングエリアをリビングルーム/寝室ゾーンと浴室部から分離できるようになりました。スペースを開放したい場合にはこの扉を折り畳み、作り付けの食器棚の中にシームレスに収納することができます。
浴室は、酒場にあるような木製のスイングドアによって部屋の他の部分から遮られています。「当然のことながらシャワー中に、周りから丸見えの中庭に立っているような気分になりたい人はいないでしょう」とフェリシアさんは言います。
木製のスイングドアによってプライバシーが確保され、完全な壁を設置する代わりにこの手段を用いることで、より多くの自然光を取り込み、このスペースをより大きく感じることが可能になります。
11. パリ、フランス
30平方メートル
オーナーは過去にも家のセルフリノベーションを経験していましたが、狭く限られた30平方メートルの空間で、改めて日々の生活の便を考えるというのは新たなチャレンジと悟り、Nid’Architecturesのインテリアコーディネーターのオーデ・グロシェニーさんに、2万ユーロ(約240万円)の予算内で、寝室を最優先した空間設計を依頼したそうです。
グロシェニーさんは、キッチンとリビングの間の壁を一部取り除くことにより、寝室を囲む3面に格子パネルを活用。バルコニーの自然光がそのままキッチンまで透かして届くようになりました。
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30平方メートル
オーナーは過去にも家のセルフリノベーションを経験していましたが、狭く限られた30平方メートルの空間で、改めて日々の生活の便を考えるというのは新たなチャレンジと悟り、Nid’Architecturesのインテリアコーディネーターのオーデ・グロシェニーさんに、2万ユーロ(約240万円)の予算内で、寝室を最優先した空間設計を依頼したそうです。
グロシェニーさんは、キッチンとリビングの間の壁を一部取り除くことにより、寝室を囲む3面に格子パネルを活用。バルコニーの自然光がそのままキッチンまで透かして届くようになりました。
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12. パリ、フランス
30平方メートル
リビングの一角に折りたたみ式ベッドを造作。 このアパルトマンを手がけた建築家のBenoit Dufour(ブノワ・デュフォー)さんは、「狭い空間ながら色で遊び心を加えた」と語ります。 「寝る時にベッドを引き出した時には、代わりに繊細な青みがかった白を選びました」と色の効果についても話してくれました。
30平方メートル
リビングの一角に折りたたみ式ベッドを造作。 このアパルトマンを手がけた建築家のBenoit Dufour(ブノワ・デュフォー)さんは、「狭い空間ながら色で遊び心を加えた」と語ります。 「寝る時にベッドを引き出した時には、代わりに繊細な青みがかった白を選びました」と色の効果についても話してくれました。
13. パリ、フランス
30平方メートル
リビングと寝室とをガラスとスチール製のフレームで仕切ることで、狭いワンルームをできるだけ閉塞感のないようにしたのは、Transition Interior Designのデザイナーチーム。ベッドの長さ(2メートル)ギリギリのところにパーティションを設けることで、リビングを広く使えるように工夫しています。
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光がたっぷり入る、明るい狭小住宅をつくるには?
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