Houzzツアー:外はミニマルに、中は快適に。南インドの人気俳優のモダンな別荘
広々とした敷地に美しく映える、一点のくもりもない白い住宅。1月にサービスを開始したハウズ・インド編集部から、インドの今を伝えるモダンで美しい住宅をご紹介します。
Amanda Peters
2017年2月9日
こちらは、インドのテルグ語映画の人気俳優アッル・アルジュンさんと奥様のスニーハ・レディさんが〈アーミル&ハミーダ・アソシエイツ〉のアーミル・シャルマさんに依頼した夢のプロジェクト。外から見ると内側の想像もつかない、ミニマリストな箱形の住まいだ。「クライアントからは大まかな骨組みとして要望を伝えてもらったのですが、そのほかは制限がなく、設計も家に用いる素材も、私の裁量に任せてもらうことができました。」とシャルマさんは言う。
地面から浮かぶように直線的に延びる、陸屋根の建物。すっきりとしたラインと真っ白な外観が特徴的だ。ミニマルな表のファサードに窓はなく、水平に延びる細長いガラス張りの部分以外は、白一色の壁面を遮る装飾的な要素も見られない。「クライアントは表にも窓がほしいと言ったんですが、ちょっとミステリアスな印象のデザインにしたいというのが私たちの考えだったので、表の窓は作らないことで納得してもらいました。それに建築構造上も、窓を増やせばそれだけ通風が良くなるとは限りませんからね」とシャルマさんは言う。
地面から浮かぶように直線的に延びる、陸屋根の建物。すっきりとしたラインと真っ白な外観が特徴的だ。ミニマルな表のファサードに窓はなく、水平に延びる細長いガラス張りの部分以外は、白一色の壁面を遮る装飾的な要素も見られない。「クライアントは表にも窓がほしいと言ったんですが、ちょっとミステリアスな印象のデザインにしたいというのが私たちの考えだったので、表の窓は作らないことで納得してもらいました。それに建築構造上も、窓を増やせばそれだけ通風が良くなるとは限りませんからね」とシャルマさんは言う。
どんなHouzz?
住まい手:アッル・アルジュンさん、奥様のスニーハ・レディさん
所在地:インド、ハイデラバード
規模:延床面積743.2平方メートル
設計:〈アーミル&ハミーダ・アソシエイツ〉のアーミル・シャルマ
注目ポイント:細長い箱のようなデザインの、休暇用住宅
立地はハイデラバードの郊外で、厳しい建築規制がある地域。「この地域は建ぺい率が20%という制限がかかっています。そこで、一面に緑の田園地帯が広がるなかで目をひくような建物を作りたいと思いました」とシャルマさんは説明する。
ミニマルなデザインや建物の場合、設計にミスがあればすぐに目についてしまうため、失敗は許されない。すっきりとシンプルなデザインだからこそ、今回のプロジェクトはこれまででいちばん難しいものだったとシャルマさんは言う。「あとからごまかしのきかない家ですから、基礎工事も始まる前から、しっかり計画を固めておく必要がありました」
住まい手:アッル・アルジュンさん、奥様のスニーハ・レディさん
所在地:インド、ハイデラバード
規模:延床面積743.2平方メートル
設計:〈アーミル&ハミーダ・アソシエイツ〉のアーミル・シャルマ
注目ポイント:細長い箱のようなデザインの、休暇用住宅
立地はハイデラバードの郊外で、厳しい建築規制がある地域。「この地域は建ぺい率が20%という制限がかかっています。そこで、一面に緑の田園地帯が広がるなかで目をひくような建物を作りたいと思いました」とシャルマさんは説明する。
ミニマルなデザインや建物の場合、設計にミスがあればすぐに目についてしまうため、失敗は許されない。すっきりとシンプルなデザインだからこそ、今回のプロジェクトはこれまででいちばん難しいものだったとシャルマさんは言う。「あとからごまかしのきかない家ですから、基礎工事も始まる前から、しっかり計画を固めておく必要がありました」
表から、まるで箱の隙間のような通路を通っていくと、室内へのエントランスがある。この通路はスイミングプールと屋外リビングにもつながっている。プールサイドには屋根付きのソファエリアがあり、このエリアの壁には人工芝を使い、外の庭と視覚的なつながりを演出している。
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エントランスから室内に入ると、プールに沿ってリビングエリアがある。1つの空間のなかで、ダイニングエリア、バー、キッチン、リビングルームが順々に現れ、ロフトアパートメントを思わせる雰囲気だ。「直線的なレイアウトがシームレスな流れを作り出して、1つの機能を持つエリアから次のエリアへとつながっていくんです」とシャルマさんは言う。「この空間のどこにいても外にプールと芝生が見えます。この眺めを最大限に生かすため、室内と外を仕切る壁はガラスにしました。」
コンテンポラリーな雰囲気に統一するため、また休暇用の別荘ということもあり、建材にはメンテナンスの手間がかからないものを選んだ。たとえば、床はすべてエポキシ樹脂セメントで、座席やバー、キッチンカウンター、棚などにも同じ素材を使って一貫性を出している。
セメントのベースにガラスの天板を載せたダイニングテーブルに、白い合板材のベンチを組み合わせている。一般的なダイニングチェアの代わりに選んだベンチは、移動も可能だ。「ベンチは簡単に外に出すことができるので、必要に応じて、屋外にダイニングやおもてなしのスペースを作ることができます」とシャルマさんは説明する。
セメントのベースにガラスの天板を載せたダイニングテーブルに、白い合板材のベンチを組み合わせている。一般的なダイニングチェアの代わりに選んだベンチは、移動も可能だ。「ベンチは簡単に外に出すことができるので、必要に応じて、屋外にダイニングやおもてなしのスペースを作ることができます」とシャルマさんは説明する。
バーカウンターに合わせたのは、コンテンポラリーな白いバースツール。背面の壁に掛かっている、金属板に釘が刺さった素朴なオブジェは、ボトルホルダーも兼ねたアートだ。
ごく飾り気のない空間だが、ところどころで意外な装飾品が目をひく。イエローが鮮やかな〈ピアッジオ〉のベスパもその1つ。「インテリアをデザインしているときに色彩が足りないことに気づいて、スクーターや抽象絵画で取り入れました」とシャルマさん。もう1つユニークなアイテムが、航空機のプロペラ。こちらはフリーマーケットで有名な、ムンバイのマトンストリートで手に入れた。
ベッドルームとバスルームは1つずつで、細長い建物のいちばん奥に位置する。セメント製の台を用いたベッドに、露出させたままの武骨な肌合いの天井。このラフなスタイルに合わせて、部分的に配管を露出させたり、石で仕上げたファイバータイルやスレート壁を合わせて仕上げている。
コンテンポラリーな要素と同時に、自然も取り入れている。シャワーと床に埋め込まれたバスタブは、上方をスカイライトで囲まれ、壁際には緑の植物が並びトロピカルなムードだ。ここでは壁全体をスレートタイルで覆い、ナチュラルでエッジのきいた空間に仕上がっている。
家の表側は直線的でシンプルな(そしてミステリアスな)デザインだが、裏庭は対照的だ。おもてなしをいちばんの目的に作られた13×4.5メートルのスイミングプールは、家の中心となる存在で、最初に建設された部分でもある。「逆方向に進めていったんです」とシャルマさんは言う。「まず裏庭のプールを作るところから始め、それから表側に移りました。デザインするときには、家の前の庭も、裏庭と同じくらい魅力的になるように意識する必要がありましたね。」
建物全体を地上より1.2メートルほど持ち上げて作られているため、宙に浮かんでいるように見える。夜になると、カンチレバー状のプラットフォームに隠された照明に照らされて、さらに浮遊感が強まる。
建物全体を地上より1.2メートルほど持ち上げて作られているため、宙に浮かんでいるように見える。夜になると、カンチレバー状のプラットフォームに隠された照明に照らされて、さらに浮遊感が強まる。
「このプロジェクトでは、照明が重要な役割を果たしています」とシャルマさんは指摘する。「設計が完成する前から、照明のデザインを勧めていました。外壁や、室内の棚沿いにも、異なる色のLEDをライン状に走らせています。」
「リビングエリアには、長さ10.5メートルの溝を作って白いチューブライトを設置し、間接照明や通常のランプと組み合わせています。スイミングプールも、間接照明とスポットライトを使って演出しています。」
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