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Houzzツアー:13平米の手作りのタイニーハウスで送る、光熱費ほぼゼロで快適なスモールライフ!
スモールライフに関するセミナーを聴いたのがきっかけで、スモールハウス生活を開始! ソーラーパネルを活用し、環境にやさしい「小さな生活」を実現しました。
Vanessa Brunner
2015年7月17日
以前は74平方メートルほどの賃貸集合住宅に暮らしていたクリス・タックさん、マリッサ・タックさん夫妻。特に贅沢すぎる暮らしをしているつもりはなかった。住まいには満足していたし、必要なものはひと通り揃った生活を送っていた。しかし、そんなある日、「小さな家で暮らす」というテーマのセミナーに出席し、考えが一変。もっと無駄をそぎ落とした生活をしたいという思いが湧いてきたのだ。
夫妻は新しい家を数週間かけて設計し、800時間以上かけて建設を進めた。居住スペースは約12.4平方メートル、キッチンの上には、寝室スペースとして使う約5.85平方メートルのロフトがある。6×2.6メートルのトレーラーを基礎代わりにして建てた家は、居心地よく快適で、狭苦しさはまったくない。「小さな空間で暮らすということは、身の丈に合った暮らしをすること。こうした暮らし方は、多くの人にとって新たな選択肢になり得ると思います」とクリスさんは話す。
どんなHouzz?
居住者:クリス・タックさん、マリッサ・タックさん夫妻
所在地:ワシントン州スノホーミッシュ郡
規模:居住スペース約12.4平方メートル、ロフト(寝室スペース)約5.85平方メートル
夫妻は新しい家を数週間かけて設計し、800時間以上かけて建設を進めた。居住スペースは約12.4平方メートル、キッチンの上には、寝室スペースとして使う約5.85平方メートルのロフトがある。6×2.6メートルのトレーラーを基礎代わりにして建てた家は、居心地よく快適で、狭苦しさはまったくない。「小さな空間で暮らすということは、身の丈に合った暮らしをすること。こうした暮らし方は、多くの人にとって新たな選択肢になり得ると思います」とクリスさんは話す。
どんなHouzz?
居住者:クリス・タックさん、マリッサ・タックさん夫妻
所在地:ワシントン州スノホーミッシュ郡
規模:居住スペース約12.4平方メートル、ロフト(寝室スペース)約5.85平方メートル
生活用電力用にソーラーパネルを取り付けたが、必要に応じて公共の電気を使うことも可能。ソーラーパネルのおかげで、100パーセントとまではいかないものの、夏の間は電力の大半を太陽光発電でまかなっている。冬の電気代は1日1ドルほど。
家は2万平方メートル超の敷地内にあり、他にも家とアパートが一軒ずつ立っている。二人は使用している土地の賃貸料と、洗濯・乾燥機およびトイレの使用料を土地のオーナーに支払っている。
家は2万平方メートル超の敷地内にあり、他にも家とアパートが一軒ずつ立っている。二人は使用している土地の賃貸料と、洗濯・乾燥機およびトイレの使用料を土地のオーナーに支払っている。
土地のオーナーが所有する別棟のトイレを使っているため、家から生じる排水は、シャワーとキッチンシンクの排水だけ。「シャワーやキッチン、掃除などに使う製品は気をつけて選んでいます。微生物によって分解される、生分解性のものだけを使うようにしています」
正面の入口を開けたところが、仕事場兼リビングスペースだ。3Dデザインの仕事をするマリッサさんが家全体の設計を手がけた。「これだけ小さな家を、広さの融通がきかないトレーラーの上に建てるとなると、それなりにクリエイティビティを発揮する必要があります」とクリスさん。
省電力と省スペースのために、あらゆる工夫を取り入れた。明かりはすべてLED電球。マリッサさんのPCモニタをテレビと兼用にして周辺機器を減らし、電力とスペースを節約した。机も使わないときは折りたためる。
省電力と省スペースのために、あらゆる工夫を取り入れた。明かりはすべてLED電球。マリッサさんのPCモニタをテレビと兼用にして周辺機器を減らし、電力とスペースを節約した。机も使わないときは折りたためる。
入口から反対側の端、キッチンとバスルームの上には、寝室スペースとして使う2.7×2.1メートルほどのロフトを設けた。クイーンサイズのベッドがぴったり収まる広さで、床から天井の一番高いところまで1メートル4センチある。サイドに屋根窓を複数設けて、頭上スペースに少しゆとりを持たせている。
家のあちこちに工夫された収納スペースがある。リビングエリアのベンチもその1つ。必要に応じて完全に取り外せるよう、クリスさんが設計した。「二人ともここまで小さな家に住んだことはなかったので、初めのうちは、どこのスペースを節約すべきかがわからなくて大変でした」とクリスさんは振り返る。
自然由来の素材を使うことで、安全で環境に配慮した家を実現した。壁と下張り床にはウールの断熱材を入れ、室内の温度を維持。パイン材の壁は、桐油でコーティング。桐油なら、有毒物質が出ることもない。
74平方メートルのアパートから20平方メートル足らずの家へ移ったため、「断捨離」が必要になった。「でも思っていたほど大変ではありませんでした。以前、ミシガン州からニューヨークへ移るときにも捨てずに運んだ僕の本や雑誌は、今回も、はるばる西海岸のワシントン州まで運びました」とクリスさんは話す。
つまり、好きなものや大切なものと、必要なものはちゃんと手元に残しているのだ。一方で、それ以外はほとんどをリサイクルショップに寄付した。大きなものだけ、いくつかはインターネットの中古品売買サイトで買手を探して処分した。
つまり、好きなものや大切なものと、必要なものはちゃんと手元に残しているのだ。一方で、それ以外はほとんどをリサイクルショップに寄付した。大きなものだけ、いくつかはインターネットの中古品売買サイトで買手を探して処分した。
設計がいちばん難しかったのはキッチンだ。当初はオーブンを入れたいと考えていたが、最終的にはクルーザーによくついている、シンプルなプロパンガス式の2口ガスレンジにした。
キッチンとバスルームが隣接していることから、シンクは家全体でキッチンに1つだけにした。
配管工と電気技師の資格を持っている敷地のオーナーが、キッチンとバスルームの設計に関するアドバイスをくれた。写真のコンポストトイレの左には、飼い猫用トイレを置くスペースを用意。
シャワーブースはオーク材の古いワイン樽を半分に切ったもの。使用後は内側をきれいな水で流し、スポンジで水気を拭き取れば、コーティングしていない木材でも長く使い続けられる。
水は、オーダーメードのスチール製貯水タンク(容量約144リットル)から引いている。電気温水器も備えていて、湯を使うときだけ電源を入れる。
水は、オーダーメードのスチール製貯水タンク(容量約144リットル)から引いている。電気温水器も備えていて、湯を使うときだけ電源を入れる。
造りつけのキャビネット。ハンガーにかける服はここに入っているものがすべて。クリスさんのカメラ機材もここにしまっている。
ふたりは木製のパレットでシンプルで簡単なアウトドアテーブル&チェアを制作した。
ここまで極端に小さな暮らしは、誰にでもすすめられるわけではないとは思う、とクリスさんとマリッサさんは話す。でも、今のところ、二人は誇りをもってこの暮らしを実践している。少なくともあと3年から5年はこの家で暮らし、その後はもう少し大きな、30平方メートルほどの家を建てようと考えているそうだ。
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