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自宅にクライミングウォールを作るには?
人気を集めているボルダリングやクライミング。自宅にクライミングウォールをつくった筆者が、知っておきたい基礎知識を改めて専門家に聞きました。
永井理恵子
2023年1月30日
最近、注目度も人気も急上昇中のクライミング。ジムへ行かなくても楽しめるよう、自宅にクライミングウォールの設置を検討している人も増えているのではないでしょうか。とはいえ、クライミングは小さなホールドに全体重を乗せることも多く、墜落すれば大怪我につながることもあるスポーツ。安全を確保しながら本格的に楽しめるクライミングウォールを作るには、一体どうすればいいのでしょう。
今回は、自宅で楽しむ本格的なクライミングウォールの作り方について解説します。ルートセッティングについては、公益社団法人日本山岳ガイド協会フリークライミングインストラクターの南裏保恵さんとクライミングウォールを施工して30年になるアート・モリ代表の森山議雄さんにアドバイスをいただきました。
今回は、自宅で楽しむ本格的なクライミングウォールの作り方について解説します。ルートセッティングについては、公益社団法人日本山岳ガイド協会フリークライミングインストラクターの南裏保恵さんとクライミングウォールを施工して30年になるアート・モリ代表の森山議雄さんにアドバイスをいただきました。
ホールドの取り付け方法を決める
クライミングウォールに欠かせないホールドは、壁に取り付ける方法が2種類あります。1つは、ボルトとナットで壁を挟み込む方法。もう1つは、壁に直接、ネジで取り付ける方法です。前者はボルトオンホールド、後者はスクリューオンホールドと呼ばれます。
クライミングウォールに欠かせないホールドは、壁に取り付ける方法が2種類あります。1つは、ボルトとナットで壁を挟み込む方法。もう1つは、壁に直接、ネジで取り付ける方法です。前者はボルトオンホールド、後者はスクリューオンホールドと呼ばれます。
ボルトオンホールドのメリットとデメリット
ホールドの形状や大きさのバラエティが豊富で選択肢が広く、取り付け後の位置の変更、角度を容易に変えることができるというメリットがあるため、スクリューオンボルトよりも広く普及しています。ぶら下がるように大きく動けるため、クライミングジムで使われているホールドのほとんどがボルトオンホールド。
ボルトオンホールドは、壁の裏側に埋め込んだ爪付きナットに取り付けます。緩くなったらボルトを締めればOK。ボルトが緩むとホールドが回転してしまうため回り留めのビスが必要な場合がありますが、取り付け後、頻繁にホールドの位置を変えたいなら、ボルトオンホールドを選ぶといいでしょう。
ホールドの形状や大きさのバラエティが豊富で選択肢が広く、取り付け後の位置の変更、角度を容易に変えることができるというメリットがあるため、スクリューオンボルトよりも広く普及しています。ぶら下がるように大きく動けるため、クライミングジムで使われているホールドのほとんどがボルトオンホールド。
ボルトオンホールドは、壁の裏側に埋め込んだ爪付きナットに取り付けます。緩くなったらボルトを締めればOK。ボルトが緩むとホールドが回転してしまうため回り留めのビスが必要な場合がありますが、取り付け後、頻繁にホールドの位置を変えたいなら、ボルトオンホールドを選ぶといいでしょう。
ボルトオンホールドを取り付けるボルトの形状は2種類あります。ひとつは、六角穴付きキャップボルトと呼ばれる8mmの六角穴があるボルト。主に厚みのあるホールドに使われます。もうひとつの六角穴付き皿ボルトと呼ばれる6mmの六角穴があるボルトは、ネジの頭の部分が薄いので、厚みが薄いホールドに使われます。ホールドからネジの頭が飛び出すのを防ぐためです。
ホールドの厚みによっていずれかのボルトを選んで使用し、固定します。ホールドの厚みによって使い分けるので、ボルトの共用はできません。
2種類のボルトを使うホールドを混在させるとホールドの選択肢が広がりますが、ボルトを締める六角レンチが2種類必要になります。取り付け時にボルトのサイズを確認したり、六角レンチを持ち替えたり、作業に手間がかかります。
ホールドの厚みによっていずれかのボルトを選んで使用し、固定します。ホールドの厚みによって使い分けるので、ボルトの共用はできません。
2種類のボルトを使うホールドを混在させるとホールドの選択肢が広がりますが、ボルトを締める六角レンチが2種類必要になります。取り付け時にボルトのサイズを確認したり、六角レンチを持ち替えたり、作業に手間がかかります。
スクリューオンホールドのメリットとデメリット
ネジで直接壁に取り付けるスクリューオンホールド。最近では厚みのあるホールドや巨大なホールドが見られるようになってきましたが、極小からミドルサイズのものが圧倒的に多いです。
ボルトオンホールドに比べ、比較的安価に入手できるのが魅力ですが、大きさに比例して高価になっていきます。スクリューオンホールドはビスで留めるため、自由な位置に取り付けることができます。ただし、ビスがグラつくようになった場合、設置のやり直しが必要です。その際、壁に穴が残ります。
ネジで直接壁に取り付けるスクリューオンホールド。最近では厚みのあるホールドや巨大なホールドが見られるようになってきましたが、極小からミドルサイズのものが圧倒的に多いです。
ボルトオンホールドに比べ、比較的安価に入手できるのが魅力ですが、大きさに比例して高価になっていきます。スクリューオンホールドはビスで留めるため、自由な位置に取り付けることができます。ただし、ビスがグラつくようになった場合、設置のやり直しが必要です。その際、壁に穴が残ります。
2種類のホールドの特徴から、最初にボルトオンホールドを設置し、すき間にスクリューオンホールドをプラスしていくのが一般的です。
壁の種類と名称
ボルダリングやクライミングを楽しむ壁にはさまざまな形状があります。
スラブ
角度90度以下で奥に傾斜をつけた壁をスラブといいます。
ボルダリングやクライミングを楽しむ壁にはさまざまな形状があります。
スラブ
角度90度以下で奥に傾斜をつけた壁をスラブといいます。
オーバーハング
角度100度以上、手前に傾いている壁をオーバーハングといいます。かぶり壁と呼ばれることもあります。
「家の壁は垂直の場合が多く、ホールドも小さめで厚みのないものを選ぶことになるでしょう」と南裏保恵さん。取り付ける壁やホールドは一体どのように選べばいいのでしょうか。
角度100度以上、手前に傾いている壁をオーバーハングといいます。かぶり壁と呼ばれることもあります。
「家の壁は垂直の場合が多く、ホールドも小さめで厚みのないものを選ぶことになるでしょう」と南裏保恵さん。取り付ける壁やホールドは一体どのように選べばいいのでしょうか。
壁について
使用する壁材は、強度を考慮し、厚さ15mm以上の合板を選びましょう。
合板には、製材した無垢の板に比べて反りやねじれが生じにくく割れにくいという特徴があります。
日本農林規格(JAS)では、合板を用途に応じて分類。普通合板、構造用合板、コンクリート型枠用合板(コンパネ)、化粧ばり構造用合板の4つに分類されています。
クライミングウォールには構造用合板を選ぶといいでしょう。JAS規格では、接着強度を保証するため、特殊合板、1類、2類の3段階に分類されています。使用する場所や環境に応じて使い分けることが大切です。アート・モリの森山議雄さんによると、通常100kgまでのクライマーを想定して施工するそう。
新築やリフォーム、リノベーションの場合、間柱や梁を通常より多く入れ、下地の補強や、必要に応じて構造計算をしてもらうことも忘れずに。もちろん、クライミングウォール専用の面材もあります。安全を確保するためにも、 国際スポーツクライミング連盟(IFSC)の基準や、欧州統一規格(EN規格)の知見がある専門家に相談して決めることをおすすめします。
使用する壁材は、強度を考慮し、厚さ15mm以上の合板を選びましょう。
合板には、製材した無垢の板に比べて反りやねじれが生じにくく割れにくいという特徴があります。
日本農林規格(JAS)では、合板を用途に応じて分類。普通合板、構造用合板、コンクリート型枠用合板(コンパネ)、化粧ばり構造用合板の4つに分類されています。
クライミングウォールには構造用合板を選ぶといいでしょう。JAS規格では、接着強度を保証するため、特殊合板、1類、2類の3段階に分類されています。使用する場所や環境に応じて使い分けることが大切です。アート・モリの森山議雄さんによると、通常100kgまでのクライマーを想定して施工するそう。
新築やリフォーム、リノベーションの場合、間柱や梁を通常より多く入れ、下地の補強や、必要に応じて構造計算をしてもらうことも忘れずに。もちろん、クライミングウォール専用の面材もあります。安全を確保するためにも、 国際スポーツクライミング連盟(IFSC)の基準や、欧州統一規格(EN規格)の知見がある専門家に相談して決めることをおすすめします。
ボルトオンホールドを選ぶなら、ホールドの取り付けに必要な爪付きナットのために、20〜30cm間隔で穴を開ける必要があります。この穴の数が、将来、ボルトオンホールドを取り付けられる数。最初は取り付ける予定がなくても、後から取り付けるのが難しいので、全ての穴に爪付きナットを仕込んでおきましょう。
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ボルトオンホールドの設置に使うボルトの大きさは10mmで統一されていますが、穴を開けるドリルの刃は、爪付きナットの大きさに合わせて12mmを選択するのが一般的。といっても、すべてが12mmというわけではないので、購入時に爪付きナットの大きさをしっかり確認しましょう。
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ホールドの選び方
登る人のクライミングの経験が浅ければ、指の掛かりがいいもの、厚みがあるものを選ぶ必要があります。大人の初心者なら、ガバやジャグと呼ばれるホールドのように、手のひらが全部掛かって持ちやすいホールドがたくさん必要になります。
子供が登るなら、子供の手のひらの大きさに合ったサイズで、指の掛かりがいいホールドが必要です。 また、ホールドに付属されている注意書きをよく読み、登る前には破損や回転の有無を必ずチェックしましょう。
登る人のクライミングの経験が浅ければ、指の掛かりがいいもの、厚みがあるものを選ぶ必要があります。大人の初心者なら、ガバやジャグと呼ばれるホールドのように、手のひらが全部掛かって持ちやすいホールドがたくさん必要になります。
子供が登るなら、子供の手のひらの大きさに合ったサイズで、指の掛かりがいいホールドが必要です。 また、ホールドに付属されている注意書きをよく読み、登る前には破損や回転の有無を必ずチェックしましょう。
初心者にとって、指をかけるホールド以上に、足を乗せるフットホールドの選択が重要です。経験が浅ければ浅いほど、出っ張っていて滑りづらい形のホールドを選ぶ必要があります。
フットホールドを選ぶときには、クライミングシューズを履くか否かもポイントになります。クライミングシューズのソールはフラットでグリップ力があるため、滑りにくくなっています。シューズを履くと小さなホールドにも乗りやすくなるからです。
フットホールドを選ぶときには、クライミングシューズを履くか否かもポイントになります。クライミングシューズのソールはフラットでグリップ力があるため、滑りにくくなっています。シューズを履くと小さなホールドにも乗りやすくなるからです。
複数の人がクライミングウォールを共有する場合、まずは経験の少ない人や子どもに合わせて、安全に登れるように設定します。壁の大きさや強度・経験にもよりますが、家庭サイズでは登るときは1人ずつとしたほうがよいでしょう。
そして、経験の多い人、ステップアップしたときのために難しいルートを設定し、どのホールドを使って登っていくのか、ルートごとに同じ色のシールやテープを貼って目印にするといいでしょう。
そして、経験の多い人、ステップアップしたときのために難しいルートを設定し、どのホールドを使って登っていくのか、ルートごとに同じ色のシールやテープを貼って目印にするといいでしょう。
取り付けるときには、ボルトオンホールドと壁をボルトと爪付きナットで挟み込むように固定します。背面にボルトがわずかに飛び出るため、壁の背面に少なくとも2~3cmの空間が必要です。
新築やリフォーム、リノベーション時にクライミングウォールを新たに設置する計画があるならスムーズですが、既存の垂壁に取り付ける場合はスクリューオンホールドのほうが容易で現実的。柱や間柱が入っている位置に取り付ければ、強度の面でも安心できます。
新築やリフォーム、リノベーション時にクライミングウォールを新たに設置する計画があるならスムーズですが、既存の垂壁に取り付ける場合はスクリューオンホールドのほうが容易で現実的。柱や間柱が入っている位置に取り付ければ、強度の面でも安心できます。
クライミングウォールの高さについて
ロープなしで安全を確保できる高さは、壁の前に広がる床の面積の広さにもよりますが、身長の2倍程度。高さ3.5m以上の壁を登るなら、トップロープと呼ばれるてっぺんからロープを吊るし、安全を確保しましょう。
もちろん、クライマー(登る人)はロープを体に繋ぐ安全ベルトであるハーネスを着用し、ビレイヤー(下でロープを確保する人)と2人1組になって登る必要があります。
ロープなしで安全を確保できる高さは、壁の前に広がる床の面積の広さにもよりますが、身長の2倍程度。高さ3.5m以上の壁を登るなら、トップロープと呼ばれるてっぺんからロープを吊るし、安全を確保しましょう。
もちろん、クライマー(登る人)はロープを体に繋ぐ安全ベルトであるハーネスを着用し、ビレイヤー(下でロープを確保する人)と2人1組になって登る必要があります。
トップロープの設置には、強度のある壁にハンガーボルトを取り付けて終了点を作り、2枚以上のカラビナに掛けるか、トップロープ用の金属バーを設置してロープを一周巻いてかけるという方法があります。
カラビナとは、開閉できるゲートがついた登山道具。特にクライミングで使用されています。スチール製とアルミニウム合金製があり、本体に強度が表示されています。ロープも、クライミング用のナイロン製のものを使用しましょう。
カラビナを2枚使用するのは、万が一に備えて。1つが破損してももう1つが大丈夫なら、落下を防ぐことができます。
カラビナとは、開閉できるゲートがついた登山道具。特にクライミングで使用されています。スチール製とアルミニウム合金製があり、本体に強度が表示されています。ロープも、クライミング用のナイロン製のものを使用しましょう。
カラビナを2枚使用するのは、万が一に備えて。1つが破損してももう1つが大丈夫なら、落下を防ぐことができます。
子供の場合は、身長と年齢、個人の運動能力の発達具合によって安全な高さが変わりますが、身長の2倍程度の高さが基準になります。
特に低年齢の子供は、着地のコントロールが難しいもの。壁から飛び降りるよりもトップロープを使って下ろしたほうが、着地時の危険を排除できます。
クライミング用のロープはダイナミックロープといい、荷重がかかったときの伸び率は6〜12%程度と規格で定められています。全長の1割程度ロープが伸びることで、墜落時の衝撃を吸収します。クライミング用ではないロープは、荷重がかかったときの伸び率がヨーロッパ規格で5%と少なく、墜落時の衝撃が強くなります。
クライミング用のロープを使っていても全長が短ければ伸びが少ないため、墜落時の衝撃を和らげることはほぼできません。墜落時、体が回転したり頭が下になって、壁や床に頭を打つ可能性があることは否めません。
特に低年齢の子供は、着地のコントロールが難しいもの。壁から飛び降りるよりもトップロープを使って下ろしたほうが、着地時の危険を排除できます。
クライミング用のロープはダイナミックロープといい、荷重がかかったときの伸び率は6〜12%程度と規格で定められています。全長の1割程度ロープが伸びることで、墜落時の衝撃を吸収します。クライミング用ではないロープは、荷重がかかったときの伸び率がヨーロッパ規格で5%と少なく、墜落時の衝撃が強くなります。
クライミング用のロープを使っていても全長が短ければ伸びが少ないため、墜落時の衝撃を和らげることはほぼできません。墜落時、体が回転したり頭が下になって、壁や床に頭を打つ可能性があることは否めません。
「ビレイする側にとって、低いから安心ということはありません。むしろ高さが低くなるほど難しく、ビレイの高いスキルが必要になってきます」と南裏さん。万が一に備え、ビレイヤーには、落下を緩やかに止める制動ビレイの技術が求められます。
クライミングウォール の高さを検討する際には、自分のクライミングのスキルと照らし合わせ、慎重な判断が必要です。また登る際にはランディングマットを必ず使用しましょう。森山さんは通常厚さ300mmのものを使用しているそう。
クライミングウォール の高さを検討する際には、自分のクライミングのスキルと照らし合わせ、慎重な判断が必要です。また登る際にはランディングマットを必ず使用しましょう。森山さんは通常厚さ300mmのものを使用しているそう。
ルートセッティングの方法
「最も大切なのは、安全性。落ちた場合に深刻な怪我にならない位置にホールドを取り付ける必要があります」と南裏さん。床にマットを敷いていても、壁の両端から飛び出すようにホールドを配置すると、柱や横の壁にぶつかってしまいます。
高い位置には指を掛けやすいホールドを多く配置すること。体が落ちるときには横向きになることなく、足から落ちるようにセッティングしましょう。
「最も大切なのは、安全性。落ちた場合に深刻な怪我にならない位置にホールドを取り付ける必要があります」と南裏さん。床にマットを敷いていても、壁の両端から飛び出すようにホールドを配置すると、柱や横の壁にぶつかってしまいます。
高い位置には指を掛けやすいホールドを多く配置すること。体が落ちるときには横向きになることなく、足から落ちるようにセッティングしましょう。
ルートのグレードの決め方
クライミングでは、ルートの難易度を相対的に表す指標を “グレード” と呼びます。個人が登れるグレードは、一定の経験を積むと、1グレード上がるのにも時間がかかるものです。それでも、今の自分には登れないルートや持てないホールドの存在はとても大切。なぜなら、今あるルートを全部登れてしまったら、もうその壁には興味がなくなってしまうからです。
「今、5.10aのグレードが限界なら、11aくらいまでのルートがあるといいですね。ホールドをどうやったら持てるのか、高い位置にあるホールドに手を届かせるにはどう体を動かせばいいのか、研究するのは大いに楽しいことです」と南裏さん。
クライミングでは、ルートの難易度を相対的に表す指標を “グレード” と呼びます。個人が登れるグレードは、一定の経験を積むと、1グレード上がるのにも時間がかかるものです。それでも、今の自分には登れないルートや持てないホールドの存在はとても大切。なぜなら、今あるルートを全部登れてしまったら、もうその壁には興味がなくなってしまうからです。
「今、5.10aのグレードが限界なら、11aくらいまでのルートがあるといいですね。ホールドをどうやったら持てるのか、高い位置にあるホールドに手を届かせるにはどう体を動かせばいいのか、研究するのは大いに楽しいことです」と南裏さん。
とはいえ、長く続けて入れば、いつか、最初に作った壁に興味を失う日がやってくることでしょう。
そんなときには、ハリボテを取り付けて、壁の傾斜や形状を一部分だけ変えるという手があります。
新たに取り付けたハリボテに今あるホールドを取り付けるだけでも、バリエーションが広がります。ハリボテには大小さまざまなものがありますが、巨大なものを板で作ったり、専門店に特注したりできます。
そんなときには、ハリボテを取り付けて、壁の傾斜や形状を一部分だけ変えるという手があります。
新たに取り付けたハリボテに今あるホールドを取り付けるだけでも、バリエーションが広がります。ハリボテには大小さまざまなものがありますが、巨大なものを板で作ったり、専門店に特注したりできます。
プロに依頼する
過去には、インストラクターである南裏健康さん、保恵さん夫妻も、個人宅や公共施設などさまざまな場所でのルートセッティングをしてきました。最近では、ルートセッターというルートを作る専門家がいるので、依頼するといいでしょう。ルートセッターの主な活躍の場は、クライミングジムやコンペ。プロへの依頼を考えているなら、通っているジムで相談してみるといいでしょう。
世界中の岩場でのクライミングの経験を持つ南裏さんが目指すのは、多様な岩の形状やムーブ(動き)の蓄積を元に、登る人のスキルに合った、無理なく楽しく登れる適度な難易度のルートを作ること。「自宅に設置する場合には、色の配置など、インテリアとして美しく見えることも大切ですね」と話す通り、インテリアに馴染み、クライマーにとってちょうどいい加減の設定ができるのは、プロならではの視点があってこそだと言えるでしょう。
永井理恵子さんのお宅の記事はこちら
線と材、手ざわりを楽しむ暮らしから成る沓間の家
参考資料:
阿部亮樹著(東京新聞)『イラスト・クライミング』
日本合板工業組合連合会『構造用合板の基礎知識』
公益財団法人日本合板検査会『加工木材事典』
ホームジムの写真を見る
建築家を探す
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過去には、インストラクターである南裏健康さん、保恵さん夫妻も、個人宅や公共施設などさまざまな場所でのルートセッティングをしてきました。最近では、ルートセッターというルートを作る専門家がいるので、依頼するといいでしょう。ルートセッターの主な活躍の場は、クライミングジムやコンペ。プロへの依頼を考えているなら、通っているジムで相談してみるといいでしょう。
世界中の岩場でのクライミングの経験を持つ南裏さんが目指すのは、多様な岩の形状やムーブ(動き)の蓄積を元に、登る人のスキルに合った、無理なく楽しく登れる適度な難易度のルートを作ること。「自宅に設置する場合には、色の配置など、インテリアとして美しく見えることも大切ですね」と話す通り、インテリアに馴染み、クライマーにとってちょうどいい加減の設定ができるのは、プロならではの視点があってこそだと言えるでしょう。
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