置き場所があれば絶対にほしい! 開閉自在な「執筆小屋」
文筆業のカップルが、アメリカ西海岸の小島に土地を手に入れて建てた「執筆用の小屋」。仕事がはかどりそうな効率的な空間構成になっています。
Karen Egly-Thompson
2017年9月12日
英語には「良いものは小さな包みに入っている」という言い回しがある。執筆場所としてつくられたこちらの小屋(ライターズ・キャビン)も、それを証明しているようだ。
コンパクトな構造のなかに、落ち着けるワークスペース、薪ストーブのあるソファエリア、簡易キッチン、バスルーム、壁面収納ベッドがあり、壁は展開するとデッキに変身する仕組みになっている。目にも心にも安らぎを与え、執筆のはかどりそうな効率的なレイアウトだ。
コンパクトな構造のなかに、落ち着けるワークスペース、薪ストーブのあるソファエリア、簡易キッチン、バスルーム、壁面収納ベッドがあり、壁は展開するとデッキに変身する仕組みになっている。目にも心にも安らぎを与え、執筆のはかどりそうな効率的なレイアウトだ。
Photos by Tim Bies Photography
どんなHouzz?
所在地:ワシントン州サンフアン島フォルス・ベイ
規模:延床面積46平方メートル
設計チーム:アポロ・デザイン・ステュディオのポール・シュラクター(プロジェクト統括)、オルソン・クンディグ・アーキテクツ(設計)
オーナーはアトランタ出身のカップル。何度もサンフアン島を訪れ、いつかここに家を持ちたいと夢見ていたふたりは、ついにフォルス・ベイの海岸沿いにある物件を手に入れた。
こちらの執筆用キャビンは、海を望む家から90メートルほど離れ、レモンリーフ、ソードファーン(シダ)、タイヘイヨウイチイなど常緑植物の茂みに囲まれた場所に建っている。キャビンはアポロ・デザイン・ステュディオとオルソン・クンディグ・アーキテクツの共同設計。おもに仕事場として使われているが、壁面収納ベッドも用意されており、来客時にはゲストルームとしても機能する。
どんなHouzz?
所在地:ワシントン州サンフアン島フォルス・ベイ
規模:延床面積46平方メートル
設計チーム:アポロ・デザイン・ステュディオのポール・シュラクター(プロジェクト統括)、オルソン・クンディグ・アーキテクツ(設計)
オーナーはアトランタ出身のカップル。何度もサンフアン島を訪れ、いつかここに家を持ちたいと夢見ていたふたりは、ついにフォルス・ベイの海岸沿いにある物件を手に入れた。
こちらの執筆用キャビンは、海を望む家から90メートルほど離れ、レモンリーフ、ソードファーン(シダ)、タイヘイヨウイチイなど常緑植物の茂みに囲まれた場所に建っている。キャビンはアポロ・デザイン・ステュディオとオルソン・クンディグ・アーキテクツの共同設計。おもに仕事場として使われているが、壁面収納ベッドも用意されており、来客時にはゲストルームとしても機能する。
構造の大部分には、黒曜石のようなブラックに塗装した軟鋼を用いている。窓や引き戸、大きく張り出した屋根は、1960年にピエール・コーニッグがカリフォルニア州ハリウッドヒルズに建てた名作「スタール邸」(英語サイト)を思わせる。PVCの屋根に落ちた雨はひとつの排水口に集められ、敷地内の灌漑に使われる。
この地域の地盤は岩混じりで、コンクリートを流し込む一般的な基礎では費用がかかりすぎてしまうため、コンクリート脚柱の上にスチールの骨格を載せる手法を選んだ。キッチンとバスルームがある奥の部分は、配水管や電気系統を保護するために通常の基礎を用いている。
使わないときには、3面のデッキを折り上げてキャビンを閉め切ることができる。
この地域の地盤は岩混じりで、コンクリートを流し込む一般的な基礎では費用がかかりすぎてしまうため、コンクリート脚柱の上にスチールの骨格を載せる手法を選んだ。キッチンとバスルームがある奥の部分は、配水管や電気系統を保護するために通常の基礎を用いている。
使わないときには、3面のデッキを折り上げてキャビンを閉め切ることができる。
「一連の滑車装置を使って、それぞれのデッキ兼シャッターの両端を同時に持ち上げるシステムになっています」と、プロジェクト統括を担当したアポロ・デザイン・ステュディオのポール・シュラクターさんはいう。「キャビンの下にいくつも電動ウィンチが設置されていて、室内にある壁のスイッチで操作することができます」
デッキ表面は、木目が非常に細かく詰まっているイペ材で、滑りにくく腐敗しにくいという優れた性質がある。シダー材と同様、表面加工なしのイペ材は時間がたつとグレーに色が変わることも狙いだと、シュラクターさんは言う。
室内に入ると、同じくイペ材が天井一面に張り巡らされている。オーク合板フローリングとの取り合わせも美しい。
肌寒い日には、デンマーク製の薪ストーブが部屋を暖めてくれる。ストーブは回転するので、室内だけでなくデッキでも使用可能だ。床に使われている帯状の黒いスチール材は、建築基準を満たすため不燃素材としてストーブの下に敷いたものだが、ストーブ周りからそのまま奥へと続き、壁沿いに上に伸びて、黒い窓枠と一体化するデザインになっている。
流木のオブジェは、敷地内で見つけたもの。「冬の嵐があると、波に洗われ風化した流木が、家の下のほうにある岩場によく打ち上げられるんです」とシュラクターさんは言う。
薪ストーブ:ライス、デスク:ロウ・コンストラクションによるカスタムメイド
肌寒い日には、デンマーク製の薪ストーブが部屋を暖めてくれる。ストーブは回転するので、室内だけでなくデッキでも使用可能だ。床に使われている帯状の黒いスチール材は、建築基準を満たすため不燃素材としてストーブの下に敷いたものだが、ストーブ周りからそのまま奥へと続き、壁沿いに上に伸びて、黒い窓枠と一体化するデザインになっている。
流木のオブジェは、敷地内で見つけたもの。「冬の嵐があると、波に洗われ風化した流木が、家の下のほうにある岩場によく打ち上げられるんです」とシュラクターさんは言う。
薪ストーブ:ライス、デスク:ロウ・コンストラクションによるカスタムメイド
柾目のホワイトオーク材でつくられた造作キャビネットのなかに、壁面収納ベッドが隠れている。絵が飾られている部分がベッドだ。
ベッドが収納されている壁の向こう側には、小さな簡易キッチンとバスルームがあり、トイレ・洗面台・シャワーなど、ホームオーナーの希望した設備がすべて揃っている。簡易キッチンには小型冷蔵庫とシンク、コーヒーを入れるためのホットプレートがある。
誰もが注目するのはシャッターシステムだが、シュラクターさんにとっていちばん自慢のポイントは、フロアプランの高い効率性だと言う。小さな面積の中に、必要とされる細かな仕組みをすべて詰め込むことが、このプロジェクトでいちばん難しいところだった。
ベッドが収納されている壁の向こう側には、小さな簡易キッチンとバスルームがあり、トイレ・洗面台・シャワーなど、ホームオーナーの希望した設備がすべて揃っている。簡易キッチンには小型冷蔵庫とシンク、コーヒーを入れるためのホットプレートがある。
誰もが注目するのはシャッターシステムだが、シュラクターさんにとっていちばん自慢のポイントは、フロアプランの高い効率性だと言う。小さな面積の中に、必要とされる細かな仕組みをすべて詰め込むことが、このプロジェクトでいちばん難しいところだった。
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