今週のキッチン:モットーは「体によいものをもっとおいしく」。家族と友だちが集まるキッチン
ニュージーランドにある人気自然食レストランオーナーの自宅のキッチンは、家族が集まる家の中心でもあります。いつかは自給自足したいという一家らしい、気取らない自然な魅力にあふれるキッチンをご紹介します。
Charlotte Christian
2016年7月7日
レストラン経営者のニック・ワッツさんと妻のケリーさん、キアナちゃんとルーカスくんの一家(ここでは犬のエディーや鶏、ミツバチについてはふれないでおこう)はニュージーランド最大の都市、オークランドの東に位置するコヒマラマ地区のタウンハウスに住んでいる。
家の片側は学校のグランドに面しており、窓の外の眺めははるかに広がり、庭は青々と茂っている。人気の日本の炉ばた焼きレストラン、マス・バイ・ニック・ワッツや、6月末にオープンするトゥルー・フード・アンド・ヨガを経営し、仕事に追われる夫妻だが、この家では慌ただしさとは無縁の時間をもつことができる。忙しくも元気な日々を送る4人家族の暮らしのなかで、中心にあるのはキッチンだ。
家の片側は学校のグランドに面しており、窓の外の眺めははるかに広がり、庭は青々と茂っている。人気の日本の炉ばた焼きレストラン、マス・バイ・ニック・ワッツや、6月末にオープンするトゥルー・フード・アンド・ヨガを経営し、仕事に追われる夫妻だが、この家では慌ただしさとは無縁の時間をもつことができる。忙しくも元気な日々を送る4人家族の暮らしのなかで、中心にあるのはキッチンだ。
どんなキッチン?
居住者:レストラン経営者ニック・ワッツさん、妻のケリーさん、キアナちゃん(10歳)、ルーカスくん(7歳)
所在地:ニュージーランド、オークランド市郊外(コヒマラマ)
スタイル:コンテンポラリー/エクレクティック
ニックさんととケリーさんの夫妻は10年間住んでいたロンドンを離れ、3年前にここに引越してきた。ニックさんの両親はこの家を訪れたことがあったが、夫妻は実際に見ることなく購入した。天井が高く、モダンなセンスに溢れた家で、たくさんの窓がある。「昼間は温室のみたいに暖かくなりますが、夜は急激に冷えますね」とケリーさんは話す。
この家のオーナーはワッツ夫妻で3代目。夫妻はたくさんの色とエクレティックな要素を取り入れ、自分たちらしい家に仕上げていった。
居住者:レストラン経営者ニック・ワッツさん、妻のケリーさん、キアナちゃん(10歳)、ルーカスくん(7歳)
所在地:ニュージーランド、オークランド市郊外(コヒマラマ)
スタイル:コンテンポラリー/エクレクティック
ニックさんととケリーさんの夫妻は10年間住んでいたロンドンを離れ、3年前にここに引越してきた。ニックさんの両親はこの家を訪れたことがあったが、夫妻は実際に見ることなく購入した。天井が高く、モダンなセンスに溢れた家で、たくさんの窓がある。「昼間は温室のみたいに暖かくなりますが、夜は急激に冷えますね」とケリーさんは話す。
この家のオーナーはワッツ夫妻で3代目。夫妻はたくさんの色とエクレティックな要素を取り入れ、自分たちらしい家に仕上げていった。
おもてなしスペースはオープンプランにし、自然な動線になるようリビング、ダイニング、アウトドア、プールエリアを相互に連結させて、家族や友人が集う空間を実現している。「わが家の中心はキッチンです。ここに来ればみんなに会えるんです」とニックさん。
キッチンの真ん中にあるアイランドは、子どもたちがアフタヌーンティーやテレビを見ている傍らで、ニックさんとケリーさんが夕食の準備をする家族のコミュニケーションの場だ。キッチンは光にあふれており、家全体を取り囲むようにとりつけた床から天井まであるルーバーにより、屋内を適度に風が流れる。
キッチンの真ん中にあるアイランドは、子どもたちがアフタヌーンティーやテレビを見ている傍らで、ニックさんとケリーさんが夕食の準備をする家族のコミュニケーションの場だ。キッチンは光にあふれており、家全体を取り囲むようにとりつけた床から天井まであるルーバーにより、屋内を適度に風が流れる。
デッキはキッチンからプールへの導線上にある。キッチンから学校のグランドも見えるため、ルーカスくんが友だちと一緒にいる姿をランチタイムに見ることができる点も、ケリーさんのお気に入りだ。
鮮やかな色が家のあちこちに使われているが、中でも黄色はよく使われている色。リビングに飾られた大きな馬のアート作品は、中国系アメリカ人アーティスト、ウォレス・ティンによるもの。ニックさんの兄からのプレゼントだ。
鮮やかな色が家のあちこちに使われているが、中でも黄色はよく使われている色。リビングに飾られた大きな馬のアート作品は、中国系アメリカ人アーティスト、ウォレス・ティンによるもの。ニックさんの兄からのプレゼントだ。
平日も週末も家族は毎晩一緒に夕食をとり、ソファやインドア、アウトドアのテーブルで過ごす。〈リパブリック〉で揃えたカラフルなダイニングチェアと白いライオン足のテーブルが、ダイニングエリアのフォーカルポイントになっている。
引っ越してきたとき、キッチンは比較的新しかったので手を加える必要はほとんどなかった。キッチン家電をしまう収納が不足していることぐらいだ。溢れたキッチン家電がキッチンのカウンタースペース(ときどき〈ボッシュ〉のガスレンジの上まで)を占めてしまっている。「私のウィッシュリストはウォークインパントリーです」とケリー。
使い込まれたキッチン家電の数々は、家族の健康維持の必需品。〈オスカー〉のジューサーや〈ケンウッド〉の《シェフ》シリーズのミキサーは、オーツ麦やスーパーフード食品であるマカの粉末)、ベリー類とハチミツ、ライスミルクを使った日々のスムージー作りに欠かせない。
「ケリーは何でも自分でする人で、ゼロからモノをつくることを楽しむタイプ」とニックさん。ワッツ一家はケリーさんの手作りの昆布茶を毎日飲んでおり、庭でとれる旬のフルーツを使って、香りを変えて楽しんでいる。
「ケリーは何でも自分でする人で、ゼロからモノをつくることを楽しむタイプ」とニックさん。ワッツ一家はケリーさんの手作りの昆布茶を毎日飲んでおり、庭でとれる旬のフルーツを使って、香りを変えて楽しんでいる。
ケリーさんは熱心なお茶の愛好家でもあり、1日に6〜8杯は紅茶や緑茶を飲んでいる。「私の中のイギリスの遺伝子がそうさせるんでしょうね」とケリーさん。さまざまなお茶をコレクションしており、ニュージーランドの丁寧な手仕事で有名な紅茶メーカー〈ストーム・アンド・インディア〉もある。最近の海外旅行で手に入れた5年ものの陀茶(丸く固めたお茶)は、上海で200年続く〈湖心亭〉で買ったもの。
フルーツボールはキッチンにポップな色を足す役割も。
左の写真では明るい黄色いフルーツはブッシュカン。柑橘類の一種で、「仏の手」とも呼ばれ、芳しい香りを放つ。夫妻は経営するレストランや家で、サラダに使っている。
左の写真では明るい黄色いフルーツはブッシュカン。柑橘類の一種で、「仏の手」とも呼ばれ、芳しい香りを放つ。夫妻は経営するレストランや家で、サラダに使っている。
〈ネスプレッソ〉のマシーンは家族のお気に入り。毎朝ルーカスくんがケリーさんとニックさんにコーヒーを淹れてくれる。〈ネスプレッソ〉はニックさんにとって、毎日オフィスで飲む〈オールプレス〉のコーヒーの前の口慣らしのようなもの。「カフェインがちょっとものたりませんが、目覚ましにはピッタリです」とニックさん。ケリーさんが抹茶ドリンクを作るときにもミルクスチーマー機能を使っている。レストランや家で使われている美しい抹茶茶碗や茶筅を見れば、夫妻が日本の伝統美を自分たちらしく取り入れていることがわかる。
家族の最終目標は自給自足だ。夢はワイヘキ島の土地を手に入れて暮らすこと。今のところは、ニワトリ(モナーク、ヨーキー、ニンジャとDJ)を家族として迎え入れ、毎週1〜2ダースの卵を手に入れている。
「ニワトリの心がわかる」ほどのニワトリ好きのニックさんとしては雄鶏を手に入れたいところだが、「鳴き声がすごいから、ご近所さんには歓迎されないでしょうね」と話す。ウィートンテリアのエディーは今のところ、家畜たちを食べ物ではなく友達として歓迎している。
「ニワトリの心がわかる」ほどのニワトリ好きのニックさんとしては雄鶏を手に入れたいところだが、「鳴き声がすごいから、ご近所さんには歓迎されないでしょうね」と話す。ウィートンテリアのエディーは今のところ、家畜たちを食べ物ではなく友達として歓迎している。
敷地内の奥、養蜂箱の横に鶏舎を設置している。鶏舎はそれほど広くないが、ニワトリたちは普段は敷地内で放し飼いになっている。放し飼いの欠点は、糞をされることくらいだ。
ニワトリを飼っているおかげで新鮮な卵が手に入る上、鶏舎の隣の養蜂箱からは食べきれないほどの蜂蜜が採れる。夫妻は食べきれない分をボトルに入れて、ご近所に配っている。
古い茶缶から〈ハニーラップ〉(100%オーガニックコットンと蜂蜜ワックス、天然樹脂とホホバオイルから作られたラップ)まで、キッチンではリサイクルやリユースしたものをたくさん使っている。とくに〈ハニーラップ〉は蜂蜜や昆布茶のポットに封をしたり、学校のお弁当のサンドイッチを包んだりするなど、使い勝手がいい。
古い茶缶から〈ハニーラップ〉(100%オーガニックコットンと蜂蜜ワックス、天然樹脂とホホバオイルから作られたラップ)まで、キッチンではリサイクルやリユースしたものをたくさん使っている。とくに〈ハニーラップ〉は蜂蜜や昆布茶のポットに封をしたり、学校のお弁当のサンドイッチを包んだりするなど、使い勝手がいい。
キッチン横のデッキにある大きなコンクリートコンテナーにはハーブを植えて、家庭料理の香りづけ使っている。手作りのテラリウムは子どもたちの作品だ。「子どもたちは工作が大好きなんです」とニックさん。
キッチンアイランドの下の本棚には、夫妻が取り組むプロジェクトのインスピレーションのもとになる本が並んでいる。
今並んでいるのは、ヨガスペースのある自然食(ホールフード)カフェ、トゥルー・フード・アンド・ヨガについて考えるための日本料理やローフードの本。カフェは、コヒマラマ地区のウォータフロントにある1930年代のビルにオープンする。
夫妻は日本の食材をたくさん使うが、とくにこだわっているわけではない。できるだけ「クリーン(自然に近く体に良い食材を使う)」な料理をめざして、新しい料理法や香りを追求している。「私は一度もレシピ通りに調理したことがないんです」とケリーさん。料理本はアイデアを得るためのものであって、レシピ通りに調理するために読むのではない、という。
今並んでいるのは、ヨガスペースのある自然食(ホールフード)カフェ、トゥルー・フード・アンド・ヨガについて考えるための日本料理やローフードの本。カフェは、コヒマラマ地区のウォータフロントにある1930年代のビルにオープンする。
夫妻は日本の食材をたくさん使うが、とくにこだわっているわけではない。できるだけ「クリーン(自然に近く体に良い食材を使う)」な料理をめざして、新しい料理法や香りを追求している。「私は一度もレシピ通りに調理したことがないんです」とケリーさん。料理本はアイデアを得るためのものであって、レシピ通りに調理するために読むのではない、という。
冷蔵庫の中にはヘルシー食材が詰まったガラスのボトルとコンテナーがところ狭しと並んでいる。色や香りがさまざまなスパイスは、目にも楽しい。
14年前に母親からプレゼントされた木のまな板はニックさんのお気に入りだ。分厚く、よく使い込まれたまな板は2面式になっており、真ん中にはディップを真ん中に置くことができる。「一生涯使えるものですね」とニックさん。
キッチンからリビングエリアを抜けると、バーベキュースペースにつながっている。大勢のゲストが心地よく過ごせる素晴らしいおもてなしの空間だ。「お皿はたくさんあるので、大人数のゲストでも大丈夫です」とケリーさん。ニックさんによれば、ワッツ家のおもてなしスタイルのポイントは「小さなことにこだわらない、リラックスした雰囲気」。旬の素材を使ったシンプルな料理をテーブルに並べ、ゲストに自由に取ってもらう。「パンを切り分けて、ワインを一緒に飲む、それがわが家流のおもてなしなんです」とニックさんは話してくれた。
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