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憧れのインテリアスタイルのエッセンスを取り入れる方法:シンプル&エレガント編
今の部屋に憧れのインテリアスタイルを少しだけ取り入れて、素敵なコーナーづくりを。そのポイントの絞り方のヒントを、14のスタイルの中からご紹介します。今回は北欧、グスタヴィアン、ロココ、シノワズリーについて。
西谷典子|Noriko Nishiya
2017年11月16日
どんなに気に入った家でも、長く住んでいるとたまにはインテリアを変えてみたくなるものです。家全体の模様替えなど大がかりなものではなく、あるコーナーだけ簡単に変えてみるというのもひとつの手段。このシリーズでは、今の部屋の一部に、写真などで見て知っている憧れのインテリアスタイルのエッセンスをスマートに違和感なく加えるときのヒントを、スタイルごとに4回に分けてご紹介したいと思います。
日本の家になじみやすい北欧スタイル
日本ですっかり定着しているナチュラルインテリア。ニュートラルなカラーや自然素材がベースの部屋は、小物や家具、そして色の工夫でさまざまなスタイルに変身させることが可能です。相性のよさという点でまず思い浮かぶのは、やはり北欧スタイルです。日本の住まいによく見られる、白い壁と明るい木肌のフロアというベーシックな組み合わせに、黒や青といった北欧スタイルの定番とされる色はきわめて相性がよいからです。
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すでに幅広い人気で、すぐに取り入れられる北欧スタイルは、淡いグレー、白、黒、青というカラーパレットでスタイリングするのがポイントです。秋冬ならフェイクファーのラグなども北欧らしさを感じさせる効果的な小道具。フラワーベースやアートのフレームなど、少数精鋭のインテリアアクセサリーに黒を使って引き締めるとまとまります。北欧スタイルの哲学はあくまでも「Less is more(少ないことは豊かなこと)」なので、余白を大切にすることを心がけましょう。
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クラシックな北欧、グスタヴィアンスタイル
シンプルな北欧スタイルもいいけれど、もう少しエレガントなテイストがお好みなら、カラーパレットから黒を除いて、家具を白くペイントしたものにチェンジしてみてください。スウェーデンで18世紀に流行した、優雅な「グスタヴィアンスタイル」に近づきます。ゴールドフレームの鏡やシャンデリアなどの小道具がぴったりです。18世紀の暮らしを想起させる、ランタンや燭台などの風の間接照明アイテムを一緒にスタイリングするのもいいでしょう。
シンプルな北欧スタイルもいいけれど、もう少しエレガントなテイストがお好みなら、カラーパレットから黒を除いて、家具を白くペイントしたものにチェンジしてみてください。スウェーデンで18世紀に流行した、優雅な「グスタヴィアンスタイル」に近づきます。ゴールドフレームの鏡やシャンデリアなどの小道具がぴったりです。18世紀の暮らしを想起させる、ランタンや燭台などの風の間接照明アイテムを一緒にスタイリングするのもいいでしょう。
グスタヴィアンスタイルはスウェーデン発祥の様式なので、国旗にちなんだブルー、特にギンガムチェックの布を使ったスタイリングがおすすめです。フレームを白く塗ったアンティークの椅子には青のギンガムチェックのシート。テーブル周りにも青を差し色として使います。グスタヴィアンスタイルをより現代的に可愛らしく親しみやすいテイストにするポイントです。
優美なエッセンスをほんの少し、ロココスタイル
グスタヴィアンスタイルはそもそも、18世紀フランスのベルサイユ宮殿で流行したロココスタイルがスウェーデンに渡り、自国流にアレンジされたもの。つまり、グスタヴィアンの本家本元ががフランスのロココスタイルです。絢爛豪華なイメージのあるロココスタイルは、似合う家をかなり選ぶようにも思えますが、たとえば写真のような優美な椅子やコンソールなどでコーナーをつくってみるのはいかがでしょうか。
ロココスタイルの家具の脚は「カブリオレ・レッグ」などで知られる流麗でエレガントなデザインが中心。華奢なものが多く、時代を追うと直線的なシンプルなものも出てきます。シンプルな背景にほんのりロココテイストを効かせたインテリアも素敵だと思います。
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ロココは女性専用のサロンを意識したスタイルでもあったので、優しいブルー、イエロー、グリーンやピンクなどのパステル調のカラーが使われます。ロココ時代を象徴する「カブリオレ・レッグ」の曲線を描いた家具や、光沢のあるタフタ系のファブリックを使うと雰囲気が出ます。豪華なフリンジをあしらったテーブルクロスやゴールド使いの小物、ガラスの花瓶などをこういったパステルカラーの空間に合わせると、当時の「ブードワール」(貴族の宮殿にあった女性専用の小さな部屋)を思わせるコーナーになるでしょう。
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ロココ時代、パリからの発信でファブリックを装飾するフリンジやタッセルがインテリアにも取り入れられるようになり、こういった装飾技術「パスモントリー」も発展しました。これを取り入れ、シンプルなカーテンやクッションにフリンジがついたトリミングをつけたり、カーテンのタイバックをタッセルスタイルに変えたりするだけでも、ゴージャス感がアップし、気分が変わると思います。
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東洋趣味の元祖、シノワズリースタイル
ロココ時代と同時期に登場したのが、アジアンスタイルの元祖、シノワズリー(中国)スタイルです。オランダ経由でもたらされた中国や日本の家具は、上品な東洋趣味としてヨーロッパの貴族の間で大流行します。家具はバンブー(竹)をイメージしたフレームで壁紙は花鳥風月を題材にしているため、当然ながら日本人には見慣れていて、なじみ深いデザインです。
ロココ時代と同時期に登場したのが、アジアンスタイルの元祖、シノワズリー(中国)スタイルです。オランダ経由でもたらされた中国や日本の家具は、上品な東洋趣味としてヨーロッパの貴族の間で大流行します。家具はバンブー(竹)をイメージしたフレームで壁紙は花鳥風月を題材にしているため、当然ながら日本人には見慣れていて、なじみ深いデザインです。
シノワズリースタイルのコーナーづくりのポイントは、この時代にも流行した柄物の壁紙。部屋全体ではなくても小さなセクションだけインテリアを劇的に変えることができる壁紙は模様替えに欠かせないアイテムです。ロココ時代特有のパステル調の色と花鳥風月のデザインが、部屋を明るくリフレッシュさせてくれます。
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もうひとつ特徴的なアイテムを挙げるとすれば、青で絵付けをした大きな陶器の壺や花瓶でしょう。清朝時代に中国とヨーロッパの間を行き来したシノワズリースタイルの定番アイテムです。これをある種、逆輸入スタイルのように洋風のスタイリングで玄関やリビングを飾ると、簡単で迫力のあるコーナーができます。
花鳥風月柄の華やかな壁紙にはシンプルでモダンな家具が似合いますし、藍と白の絵付けの陶器も違和感がないと思うので、アクセント的に取り入れるシノワズリーは現代のインテリアに意外となじみやすいスタイルなのではと思います。
次回は、コロニアル、シャビーシック、ラスティックの各スタイルについて解説します。
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今、気になるインテリアスタイルは何ですか?
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