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早わかり、Houzzのインテリアスタイル17選〈前編〉
Houzzのスタイルカテゴリーから選んだインテリアスタイルのダイジェスト解説を、前後編に分けてお届けします。前編は、フレンチカントリー、コテージ、北欧、インダストリアルなど、人気の10スタイルをご紹介。
田村敦子|Atsuko Tamura
2018年6月20日
Freelance Editor
「○○○スタイル」という呼び方でインテリアテイストを分類するのは、いつから始まったことなのでしょうか。世界のさまざまな地域で、それぞれの気候風土や人々の趣向の影響を受けて生まれた固有の住まいの様式から、時々の流行の影響も受けて発展してきた、いくつものインテリアスタイル。Houzzに集まった何百万というインテリア写真の分類方法のひとつとして「○○○スタイル」という言葉が使われており、それぞれのスタイルに熱心なファンがいます。
Houzzが採用しているスタイルカテゴリーと、人気企画「あなたのインテリアスタイルは?(So Your Style Is)」を参考に、今、おさらいしておきたいインテリアスタイルを17点選んでみました。スタイル解説のダイジェスト版として、お楽しみいただければ幸いです。前編では、住まいの地域の文化や暮らし方によって生まれた「スタイル」10種類をご紹介します。
Houzzが採用しているスタイルカテゴリーと、人気企画「あなたのインテリアスタイルは?(So Your Style Is)」を参考に、今、おさらいしておきたいインテリアスタイルを17点選んでみました。スタイル解説のダイジェスト版として、お楽しみいただければ幸いです。前編では、住まいの地域の文化や暮らし方によって生まれた「スタイル」10種類をご紹介します。
フレンチカントリースタイル
フランスの田園地帯で生まれたフレンチカントリースタイル。繊細な美的センスを備えたフランスの人々が好む飾らないインテリアで、ほっとする温かさがありながら、色づかいやディテールはシック。品のあるエレガントなスタイルです。
フランスの田園地帯で生まれたフレンチカントリースタイル。繊細な美的センスを備えたフランスの人々が好む飾らないインテリアで、ほっとする温かさがありながら、色づかいやディテールはシック。品のあるエレガントなスタイルです。
ファブリックを使うならトワル(人物、風景、神話をモチーフにした2色使いの伝統的な柄)がぴったり。壁材は漆喰、壁土、石材やレリーフの入ったタイル床はスレートや石灰石、天然木など自然な風合いのあるものが好まれます。
優しい白とグレイッシュトーンでまとめた、繊細なディテールをもつ曲線フォルムの家具は、フレンチカントリースタイルの定番アイテムと言えるでしょう。
コテージスタイル
控え目で気取りがなく、ぬくもりにあふれ、心地よく、カジュアルでパーソナルな、自然体のインテリア。少し前まで、コテージスタイルといえばいわゆるシャビーシックとほぼ同義語でした。
控え目で気取りがなく、ぬくもりにあふれ、心地よく、カジュアルでパーソナルな、自然体のインテリア。少し前まで、コテージスタイルといえばいわゆるシャビーシックとほぼ同義語でした。
全体に軽やかな色づかい、花柄やストライプなどのフェミニンでナチュラルな、少し色褪せたファブリック、はがれかけたペイントの家具などが、コテージスタイルの基本であるヴィンテージの味わいを醸し出します。
北欧スタイル
スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどスカンジナビアの国々のインテリアは、シンプルでクリーンで、のびやかな空気感があります。
スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどスカンジナビアの国々のインテリアは、シンプルでクリーンで、のびやかな空気感があります。
白や澄んだ色の使い方がとても上手で、多くの名作デザインを生み出した国々でもあり、アイコニックなデザインチェアを一脚、あるいは照明を一灯、潔い白の空間に配置しただけで、印象深いシーンがつくれるのが北欧スタイル。日本での人気もすっかり定着しました。
自然光の美しさを生かした淡い色の壁や床、すっきりと整理整頓された空間にフレッシュな差し色、自然からのインスピレーションなどなど、北欧スタイルの魅力は挙げ始めると本当に切りがありません。
インダストリアルスタイル
世界で人気を集めたインテリアスタイルとして記憶に新しいのは、インダストリアルスタイルでしょう。むき出しの構造や仕上げなしの壁の広々とした建物に、頑丈で実用的な家具、廃材・廃品を再利用したアイテムを置いたさりげなさやビジュアル的な魅力が評価されています。
業務用アイテムの、無駄をとことんそぎ落として生まれた、純粋なフォルムと機能が織りなす無骨さがかっこいいスタイルです。
世界で人気を集めたインテリアスタイルとして記憶に新しいのは、インダストリアルスタイルでしょう。むき出しの構造や仕上げなしの壁の広々とした建物に、頑丈で実用的な家具、廃材・廃品を再利用したアイテムを置いたさりげなさやビジュアル的な魅力が評価されています。
業務用アイテムの、無駄をとことんそぎ落として生まれた、純粋なフォルムと機能が織りなす無骨さがかっこいいスタイルです。
色づかいは徹底してクールに。素材としては、コンクリートブロックやレンガの壁のラフな質感を背景に、ブリキ、スチール、鉄やアルミニウムなどの機能的なメタル、古い木や石を組み合わせるのが定番です。
床材は、味わいのある木材をはじめ、コンクリート、エポキシ樹脂、シンプルなタイル、ゴムなども、インダストリアルスタイルにぴったりです。
ラスティックスタイル
粗削りな木の質感の魅力を前面に押し出した、素朴で懐かしく、実直で飾らない雰囲気のラスティックインテリア。有機的なフォルム、古びた風合いを感じさせる素材、温かなアースカラーなどが特徴です。古き良き時代の再利用の精神と創意工夫にあふれたスタイルです。
粗削りな木の質感の魅力を前面に押し出した、素朴で懐かしく、実直で飾らない雰囲気のラスティックインテリア。有機的なフォルム、古びた風合いを感じさせる素材、温かなアースカラーなどが特徴です。古き良き時代の再利用の精神と創意工夫にあふれたスタイルです。
ラフな質感の梁や、木の素材感を生かした壁、ドアなど、納屋からインスピレーションを受けた機能的なディテールは、ラスティックスタイルによく似合います。
丸太を生かしたログキャビン風の壁もラスティックスタイルらしい演出。
床材は、味わいのある木材をはじめ、コンクリート、エポキシ樹脂、シンプルなタイル、ゴムなども、インダストリアルスタイルにぴったりです。
コースタルスタイル
「コースタル=海岸風」の意味をもつ、「ビーチハウス」という言葉を聞いて思い浮かぶようなスタイルです。海や空、そして砂や貝殻の色をヒントにした色調のインテリアは、一年中明るく風が吹き抜ける夏のイメージがあり、リラックスした自由な感覚を思い起こさせます。
「コースタル=海岸風」の意味をもつ、「ビーチハウス」という言葉を聞いて思い浮かぶようなスタイルです。海や空、そして砂や貝殻の色をヒントにした色調のインテリアは、一年中明るく風が吹き抜ける夏のイメージがあり、リラックスした自由な感覚を思い起こさせます。
降り注ぐ光は最も大切な要素。光を吸収するのではなく増幅する白こそ、コースタルインテリアを代表する色です。ピュアでシンプルな雰囲気の真っ白な部屋はとても魅力的ですが、他にはクリーム、ベージュ、カーキなどもコースタルスタイルらしい素敵なカラーです。褪せたような薄い青も、海と空を連想させる象徴的なコースタルカラーのひとつ。つやのあるものより、マットでラフな風合いの素材を使うと、とても雰囲気に合ったものになります。
木のサイディングにペイントを施した壁も、コースタルインテリアらしいディテールです。ファブリックはシンプルで飾り気のない、リネンのスリップカバーや、コットンのラグ、モスリンやふわりと透ける素材の風になびくカーテンなどが最適。
色は白や薄いパステル、シャツのようなストライプもよく似合います。海を思わせる小物もお忘れなく。
トロピカルスタイル
海辺のスタイルをご紹介したところで、夏らしいリゾートインテリアスタイルをHouzzのスタイルカテゴリーからさらに3つピックアップして、簡単にご紹介します。こちらは熱帯地方のヴィラなどを思わせる、トロピカルスタイルです。シーリングファンやトロピカル柄のファブリック、椰子やバンブーのインテリア小物や南洋材を使った家具など、スタイルアイコンがいろいろありますね。
海辺のスタイルをご紹介したところで、夏らしいリゾートインテリアスタイルをHouzzのスタイルカテゴリーからさらに3つピックアップして、簡単にご紹介します。こちらは熱帯地方のヴィラなどを思わせる、トロピカルスタイルです。シーリングファンやトロピカル柄のファブリック、椰子やバンブーのインテリア小物や南洋材を使った家具など、スタイルアイコンがいろいろありますね。
キャノピーつきのベッドにふんわりと掛けられたモスキートネット、海やプールの見える開放的な空間。私たちにとってやはり旅気分とは切り離せない、憧れのリゾートスタイルです。
コロニアルスタイル
アジアのリゾート地などで見られる、イギリス統治時代の典型的なインテリア様式で「ブリティッシュコロニアルスタイル」とも呼ばれます。ラタンやバンブーの骨組みにファブリックのクッションを組み合わせたソファやイージーチェア、アーチ型の開口部、異国風の照明などは、このスタイルを象徴するディテールと言えます。
アジアのリゾート地などで見られる、イギリス統治時代の典型的なインテリア様式で「ブリティッシュコロニアルスタイル」とも呼ばれます。ラタンやバンブーの骨組みにファブリックのクッションを組み合わせたソファやイージーチェア、アーチ型の開口部、異国風の照明などは、このスタイルを象徴するディテールと言えます。
トラディショナルな家具をベースにたっぷりの観葉植物や鳥かごを飾った、温室風のインテリア。たったこれだけで、エキゾチックで非日常な雰囲気を演出することができます。
アジアンスタイル
実はHouzzのグローバルのスタイルカテゴリーでは、「ジャパニーズスタイル」は「アジアンスタイル」に含まれているのです。地域的には、確かにその通り。でも、私たちにとって「アジアンスタイル」はもちろん、和風や和室のインテリアとは切り離されたものですね。
実はHouzzのグローバルのスタイルカテゴリーでは、「ジャパニーズスタイル」は「アジアンスタイル」に含まれているのです。地域的には、確かにその通り。でも、私たちにとって「アジアンスタイル」はもちろん、和風や和室のインテリアとは切り離されたものですね。
ジャパニーズスタイル
畳や障子、床の間、軒、縁側、土間、囲炉裏など日本の住まい特有の意匠は、長い歴史の中でこの国の気候風土に合わせて培われてきたもの。私たちの国の伝統スタイルを他人行儀に「ジャパニーズスタイル」と呼ぶのもなんだか不思議な感じですが、海外ではZENスタイルとほぼ同義語としてリスペクトされている一スタイルです。
畳や障子、床の間、軒、縁側、土間、囲炉裏など日本の住まい特有の意匠は、長い歴史の中でこの国の気候風土に合わせて培われてきたもの。私たちの国の伝統スタイルを他人行儀に「ジャパニーズスタイル」と呼ぶのもなんだか不思議な感じですが、海外ではZENスタイルとほぼ同義語としてリスペクトされている一スタイルです。
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