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インテリアスタイル別に選ぶウィンドウトリートメント:エクレクティックスタイル
数あるインテリアスタイルに適したウィンドウトリートメントの組み合わせを、窓まわりのプロが解説。今回はシリーズ最終章、好きなものを自由にミックス&マッチさせて楽しむ人気のエクレクティックスタイルのご紹介です。
和と洋、和とエスニック、伝統とモダン、洗練と素朴など、異なる要素を組み合わせたエクレクティックスタイル。特に現代の日本のインテリアにおいては、もともとの日本の伝統様式に西洋スタイルがミックスされたものが原点なので、すべてがエクレクティックスタイルといえるかもしれません。
このスタイルも、これまでご紹介してきた他のスタイル同様、格式の高いフォーマルタイプと、気楽なカジュアルタイプに分類することができます。ここではフォーマルタイプとして「ハイスタイル」と「シノワズリースタイル」、カジュアルタイプとして「アジアンスタイル」と、「民芸スタイル」を取り上げ、それぞれのスタイルを際立たせるウィンドウトリートメントについて解説します。
「インテリアスタイル別に選ぶウィンドウトリートメント」シリーズの記事を読む
トラディショナル
ヨーロッパのカントリースタイル
アメリカのカントリースタイル
コンテンポラリーフォーマル
コンテンポラリーカジュアル
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ヨーロッパのカントリースタイル
アメリカのカントリースタイル
コンテンポラリーフォーマル
コンテンポラリーカジュアル
- エクレクティックフォーマル
ハイスタイル
国や時代を超えてよいものをセレクトし、掛け合わせたハイブリッドスタイルです。コンテンポラリースタイルを基調とし、様式家具や美術品を組み合わせて格式高いスタイルをつくります。様式家具とは、これまでの同シリーズの記事で論じてきた、歴史様式に基づくインテリアスタイルの中で生み出されてきた家具のこと。たとえばロココ、アンピール、ジャコビアン、ジョージアン、リージェンシー、フェデラル、ヴィクトリアンスタイルなどの家具です。フォルムの美しいこれら様式家具を、シンプルなコンテンポラリー家具と組み合わせます。
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カラーはモノトーンやモノクロームを中心に、色数を抑えてまとめます。大理石、タイル、ガラス、金属など、さまざまな素材を用い、質感にバリエーションをもたせるのが特徴です。ファブリックは、豊かな素材感をもつ上質な織物、革、ファーなどを使います。ウィンドウトリートメントは上質な素材で、ボリュームを抑えてシンプルなデザインにまとめます。
洗練されたコンテンポラリーデザインをベースに、天然木や麻、牛革、スチールといったクオリティの高い、あらゆるテクスチャーのエレメントを組み合わせることで、アーティスティックに演出した空間です。フォーカルポイントのカラフルな壁画は、両サイドに反射光の美しいオーバーサイズのミラーを配置し、全体をナチュラルカラーでまとめているので、その魅力がよりいっそう際立っています。
ウィンドウトリートメントは、シンプルなホワイトのツインスタイル(透ける生地と透けない生地が一体となったタイプ)のスクリーンで機能性を確保し、カーテンは新たなテクスチャーをプラスする装飾的エレメントとして取り入れます。シルバーの装飾ロッドに、ダークグレーのシアーファブリックでしつらえたハトメスタイルの袖カーテンが、全体をさらにスタイリッシュで落ち着いたムードに演出しています。
ウィンドウトリートメントは、シンプルなホワイトのツインスタイル(透ける生地と透けない生地が一体となったタイプ)のスクリーンで機能性を確保し、カーテンは新たなテクスチャーをプラスする装飾的エレメントとして取り入れます。シルバーの装飾ロッドに、ダークグレーのシアーファブリックでしつらえたハトメスタイルの袖カーテンが、全体をさらにスタイリッシュで落ち着いたムードに演出しています。
インパクトのある、ミラー仕上げのフォーポスター(支柱つき)ベッド。その上飾りのフォルムに合わせて、ウィンドウトリートメントのバランスを、裾を変形させたフラットタイプですっきりとおさめています。ファブリックは、ベッドヘッド部分に掛かるタペストリーを引き立てるためにトーンは抑えるものの、静かな雰囲気の植物柄を合わせることで、単調にならずに奥行きのある空間を演出しています。ウィンドウトリートメントのサイドやボトムをブラックのフレームで引き締め、ベッドのボールドなラインと協調させている点も、コンテンポラリーに仕上げるポイントのひとつです。
「バランス」についてはこちらも参考に
素敵な窓辺と暮らそう!:「バランス」の活用法
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シノワズリースタイル
トラディショナルスタイルに、中国の伝統家具や伝統工芸品を加えてしつらえたスタイルです。18世紀のヨーロッパで建築や家具、工芸に中国の装飾様式を取り入れることが流行し、20世紀の終わり、1990年代にアジア各国の発展に伴って中国の美術工芸や調度品が再び注目を集めたことにより、新しい時代のコンテンポラリーなシノワズリースタイルが誕生しました。
シノワズリーはもともと、トラディショナルフォーマルスタイルのひとつに分類されていますが、コンテンポラリーデザインをベースにしたハイスタイルととらえてもよいとされています。
「シノワズリー」についてはこちらも参考に
知って楽しむ、壁紙のパターン:ヨーロッパの伝統柄
トラディショナルスタイルに、中国の伝統家具や伝統工芸品を加えてしつらえたスタイルです。18世紀のヨーロッパで建築や家具、工芸に中国の装飾様式を取り入れることが流行し、20世紀の終わり、1990年代にアジア各国の発展に伴って中国の美術工芸や調度品が再び注目を集めたことにより、新しい時代のコンテンポラリーなシノワズリースタイルが誕生しました。
シノワズリーはもともと、トラディショナルフォーマルスタイルのひとつに分類されていますが、コンテンポラリーデザインをベースにしたハイスタイルととらえてもよいとされています。
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瑞雲を思わせる形状のベッドヘッドの両サイドに、シノワズリーの壁紙をひと巾ずつ貼り込み、モールディングを回してシンメトリーにまとめることで、エクレクティックでフォーマルなシノワズリーの雰囲気を楽しむことができます。
ウィンドウトリートメントはシンプルに、カーテンの上下をベッドリネンのブルーと合わせたカラーで切り替えれば、中国伝統家具の重量感のあるストレートなラインを彷彿とさせ、このスタイルの魅力を引き立たせることができます。
ウィンドウトリートメントはシンプルに、カーテンの上下をベッドリネンのブルーと合わせたカラーで切り替えれば、中国伝統家具の重量感のあるストレートなラインを彷彿とさせ、このスタイルの魅力を引き立たせることができます。
シノワズリー柄のファブリックを椅子張りに使い、ウィンドウトリートメントは、リカーワゴンのフォルムとカラーをリンクさせた幾何学柄のファブリックで、プレーンスタイルのシェードを選んでいます。縦長のラインを強調するカーテンはホワイトをベースにしてすっきりと。トップにシェードからピックアップした色を使ったボーダーのラインを入れて、全体をまとめながら軽快に引き締め、オリジナルなシノワズリー・ハイスタイルを演出しています。
- エクレクティックカジュアル
アジアンスタイル
コンテンポラリーカジュアルをベースに、アジア各国のラスティックなエレメントをミックスしたスタイル。家具は、タイ、インドネシア、韓国、インドなどの民芸家具を組み合わせ、アクセサリーは、各国の伝統工芸品や、素朴な民芸品を使います。
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ファブリックは、シルク、麻、コットンなどの自然素材を手紡ぎし、手織りにした素材感のあるものや、バティック染めなどで色や柄を表現したものを使います。
ウィンドウトリートメントは基本的に、シンプルなタブスタイルのカーテンやシアーカーテンが似合います。
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手描きのシノワズリーの壁紙を中心に、オレンジとバーガンディーでまとめられた、アジアンテイストの魅力あふれるリビング。クッションや椅子張り、ラグには、さまざまなテクスチャー感のある素材をセンスよく組み合わせ、やわらかな光が降り注ぐ窓には、透け感のあるシアーに、折り染めの美しいファブリックでバンディングを施したシャープスタイルのローマンシェード。空間にラスティックな透明感と奥行きを加え、全体をいっそう魅力的に引き立てています。
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こんな魅力的なファブリックに出会ったなら、絵画のようにそのまま柄を楽しむことができるローマンシェードで、窓辺をアーティスティックに彩りましょう。ルーズさを抑えながらゆったりと規則的にひだがたたみ上がる、30cmピッチのシャープスタイルのローマンシェードを選ぶことで、ダマスク柄を基調としたパターンの美しさを際立たせます。
民芸スタイル
コンテンポラリーカジュアルをベースに、和の素材を使い、民芸のシンプルな機能美をデザインに取り入れた家具や伝統工芸品を使ってしつらえたスタイルで、古民芸や生活用具の古物をアクセサリーとして使います。
コンテンポラリーカジュアルをベースに、和の素材を使い、民芸のシンプルな機能美をデザインに取り入れた家具や伝統工芸品を使ってしつらえたスタイルで、古民芸や生活用具の古物をアクセサリーとして使います。
ファブリックは日本の伝統的な図柄、現代的で落ち着いた色合いで染めた織物やプリント、藍染などの素朴なものが合います。
ウィンドウトリートメントは、障子、ローマンシェード、プリーツスクリーンなどボリュームの少ないシンプルなものが適しています。
麻など風合いのあるシアーファブリックで仕立てたシャープシェードは、やわらかく外光を取り込む障子と共通する、整然とした静かな佇まい。リラックスしたコンテンポラリー空間を演出します。
昔から日本の夏にはすだれが使われてきたので、竹経木のロールスクリーンはぴったり。古風な外観ですが、スイッチひとつでスクリーンが昇降するハイテクな大型電動タイプもあるので、高窓や操作がしづらい場所への設置も可能なすぐれものです。
お好みのインテリアスタイルを、より自分らしくしつらえるウィンドウトリートメントは見つかりましたか? その選択肢の広さや組み合わせのルールを知ることで、より自在にお楽しみいただけることが伝わりましたら幸いです。
参考文献:『窓装飾プランナーBOOK』(日本インテリアファブリックス協会)、『インテリアスタイリング事典』(塩谷博子著、川島インターナショナル)
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