イタリアの美しい田園を映す《ミラーハウス》
イタリアのチロル地方南部の田園地帯にたたずむ鏡張りの驚くべきファサード。環境にも配慮した、見事なコンテンポラリー住宅です。
Sabrina Sciama
2017年3月20日
イタリア、ボルツァーノ郊外、リンゴ果樹園に囲まれた土地のオーナーであるアンゲラ・サビーネ・シュタッフラーさん。敷地内に観光客がゆっくり滞在できる場所をつくりたいと考え、建築家のペーター・ピヒラーさんに2つの居住ユニットの設計を依頼した。彼女自身やゲストが、自然に囲まれて美しい景観を楽しみながらも、自宅と同じように便利でプライバシーも確保された生活ができるような、休暇用の住まいが理想だった。
アンゲラさんの願いをかなえて完成したのが、こちらの《ミラーハウス》だ。巧みな素材選びとテクノロジー、自然の風景の美しさ、環境への配慮を組み合わせた、素晴らしいコンテンポラリー建築だ。
アンゲラさんの願いをかなえて完成したのが、こちらの《ミラーハウス》だ。巧みな素材選びとテクノロジー、自然の風景の美しさ、環境への配慮を組み合わせた、素晴らしいコンテンポラリー建築だ。
写真:Oskar Da Riz
どんなHouzz?
住まい手:各ユニットに4人まで滞在可能
所在地:北イタリア、南チロル地方のボルツァーノ
竣工年:2014
建築家:〈ペーター・ピヒラー・アーキテクチャー〉
規模:各ユニットにベッドルーム1室、キッチン、バスルームがある
注目ポイント:鏡張りの外壁にまわりの風景が映り、景色が2倍に広がって見える。
どんなHouzz?
住まい手:各ユニットに4人まで滞在可能
所在地:北イタリア、南チロル地方のボルツァーノ
竣工年:2014
建築家:〈ペーター・ピヒラー・アーキテクチャー〉
規模:各ユニットにベッドルーム1室、キッチン、バスルームがある
注目ポイント:鏡張りの外壁にまわりの風景が映り、景色が2倍に広がって見える。
どちらの家も東向きだ。それぞれに、プライベートな庭と、独立エントランス、駐車場、そして入り口が別になった小さな地下室がある。地下室は、スポーツ用品の収納などに使われている。
屋外から見た南の棟
自然環境を生かして取り入れることや、アンゲラさんの重視するプライバシーの確保など、さまざまな側面を考慮した設計になっている。また、木の構造を黒いアルミニウムで覆い、サステナビリティへの配慮として再生可能エネルギー装置も取り入れた。
自然環境を生かして取り入れることや、アンゲラさんの重視するプライバシーの確保など、さまざまな側面を考慮した設計になっている。また、木の構造を黒いアルミニウムで覆い、サステナビリティへの配慮として再生可能エネルギー装置も取り入れた。
南の棟の屋内
それぞれのユニットには、ひとつながりのキッチン兼リビングエリアとベッドルームがある。ベッドルームには、開閉可能な大きなスカイライトがあり、ここから自然光と新鮮な空気が入ってくる。もちろん、バスルームとトイレも各ユニットに装備されている。
それぞれのユニットには、ひとつながりのキッチン兼リビングエリアとベッドルームがある。ベッドルームには、開閉可能な大きなスカイライトがあり、ここから自然光と新鮮な空気が入ってくる。もちろん、バスルームとトイレも各ユニットに装備されている。
北の棟の屋内
ベッドルームからは、リンゴ園の美しい眺めが見える。西側は、大きなミラーウィンドーがオーナー宅の庭に面しており、周囲の風景が見える。
ベッドルームからは、リンゴ園の美しい眺めが見える。西側は、大きなミラーウィンドーがオーナー宅の庭に面しており、周囲の風景が見える。
屋外から見た北の棟
わずかに地面から浮いた基盤の上に建物が建っている。これにより、外観の軽やかさが増すとともに、中から見えるパノラマがさらに引き立つ。
わずかに地面から浮いた基盤の上に建物が建っている。これにより、外観の軽やかさが増すとともに、中から見えるパノラマがさらに引き立つ。
南の棟の室内
南の棟から見る眺望
フロアランプ:ミケーレ・デ・ルッキが〈アルテミデ〉のためにデザインした《トロメオ・メガ・テラ》
フロアランプ:ミケーレ・デ・ルッキが〈アルテミデ〉のためにデザインした《トロメオ・メガ・テラ》
動きをつけてユニークに演出するため、ふたつのユニットをずらして配置した。
「オーナー自身が使えて、さらにラグジュアリーな休暇を過ごしたいというゲストに貸し出すこともできるような、2つの居住空間がある建物をつくってほしいというのが、オーナーの要望でした」とピヒラーさんは説明する。「それぞれのユニットが、独立したアパートメントのようになっているので、自然の中で過ごす体験を満喫しながらも、不便のない、快適で高品質な生活を楽しめるんです」。
今回の設計を担当したピヒラーさんは、ザハ・ハディドやレム・コールハースといった偉大な現代建築家ともコラボレーションしている建築家だ。黒いアルミニウムのラインや曲線にふちどられた大きなガラスのファサードが、東に面している。美しくモダンでありながら、周囲の環境にしっくりと溶け込む建築である。
大きなスカイライトで、ベッドルームに自然光源と換気口を確保。デザインでは、サステナビリティ、効率化、最新テクノロジーの活用を心がけている。
バスルームの隣にあるベッドルームは、木製のポケットドアでリビングルームと仕切られている。
バスルームエリアはすっきりとコンパクト。
インテリアはミニマルにまとめられている。白い壁に、軽さのあるコンテンポラリーなテーブルと椅子を合わせてシンプルに。この家には自然光がふんだんに入ってくるが、そうでないときには《トロメオ・メガ・テラ》のライトが室内を美しく照らしてくれる。
ある角度から見ると、オーナーの家の庭が新しい建物の表面に反射して、その全体の構成が、環境とシームレスに一体化するという建築コンセプトを体現しているように感じられます」とピヒラーさんは言う。
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