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多機能な建具によって大変身したイタリアの住宅3選
3つの異なるインスピレーションを与えてくれる、オーダーメイドの造作家具を使ったデザインをご紹介します。
Antonia Solari
2023年1月19日
リビングエリアと寝室を仕切る背骨、キャビネットシステム、あるいは電気機器やランドリーエリアを隠す方法にもなる多機能家具。専門家によってあつらえられた多機能家具は、実用的なニーズに応えるだけでなく、空間に性格やスタイルを添えてくれます。以下のイタリアの3つの事例では、異なるオーダーメイドの造作家具のアプローチと、それぞれが空間をどのように変えることができるかをご紹介します。
1. 空間に合わせてあつらえられた背骨
所在地:サン・ボニファーチョ
設計: Padiglione B
面積:100 平方メートル
素材: プリント合板
期間: デザイン1ヶ月、制作8ヶ月
費用:隠し蝶番や埋め込み型の取手、ソフトクローズ式のドア、引き出し、さまざまな付属品(木製のカトラリー収納トレイ、引き出し式のゴミ箱、組み込みLED照明)を含めたユニット全体で25,000ユーロ(約345万円)
所在地:サン・ボニファーチョ
設計: Padiglione B
面積:100 平方メートル
素材: プリント合板
期間: デザイン1ヶ月、制作8ヶ月
費用:隠し蝶番や埋め込み型の取手、ソフトクローズ式のドア、引き出し、さまざまな付属品(木製のカトラリー収納トレイ、引き出し式のゴミ箱、組み込みLED照明)を含めたユニット全体で25,000ユーロ(約345万円)
8住戸の集合住宅にあるこのアパートは、空間を最大限活用できるようにPadiglione Bが改装をおこないました。このプロジェクトの焦点となったのは、収納が組み込まれ、空間を定義する、オーダーメイドの「背骨」です。
デザインに1ヶ月以上かけたというこのMDF製のキャビネットは、ロブスターのような色のニッチと青色の外観という対比的な色を使っています。
床から天井までぴったり納まるように制作されたこのキャビネットには照明が組み込まれ、調整可能な脚部(写真では見えていない)によって鉄筋コンクリート床の不陸に対応できます。キッチンのカウンタートップは、Marsotto Edizioni社の磨き仕上げのカラーラ大理石を用いています。
床から天井までぴったり納まるように制作されたこのキャビネットには照明が組み込まれ、調整可能な脚部(写真では見えていない)によって鉄筋コンクリート床の不陸に対応できます。キッチンのカウンタートップは、Marsotto Edizioni社の磨き仕上げのカラーラ大理石を用いています。
この「背骨」にはさまざまな機能があります。入口部分ではコート用のクローゼットと靴収納用のベンチ、鍵やアクセサリー類のための棚や引き出し、またキッチンエリアでは収納庫や備品類、作り付けの電気器具類がまとめられています。
隠しドアからは小さな廊下を通じて、この「背骨」で用いられているのと同じ素材や色で作られた2つの寝室とクローゼットに続いています。
隠しドアからは小さな廊下を通じて、この「背骨」で用いられているのと同じ素材や色で作られた2つの寝室とクローゼットに続いています。
ダイニングテーブルの後方には、リビングエリアを各寝室と仕切りながら、さまざまな機能を一体化した造作家具のひとつがあります。キッチン側にはオーブンや各種の棚、キャビネットが内包されています。
ダイニングエリアに面している部分には照明を組み込んだ棚があります。
この造作家具の裏側にあたるベッドルーム側には、クローゼットの隣に、上側と下側に2つのキャビネットのあるベンチが組み込まれています。洗濯機と乾燥機も隠されています。
塗りつぶし塗装で滑らかに仕上げたMDF製の多機能造作家具は、この住宅の他の部分を尊重して、ピュアホワイトの色味とシンプルなラインを取り入れています。
3. 木材と金属、青色と灰色
所在地:プラト
インテリア・デザイン: Deferrari+Modesti
面積: 170 m²
素材:アッシュ材
制作期間: 2019年6月〜 2020年2月(部屋全体のリフォーム)
所在地:プラト
インテリア・デザイン: Deferrari+Modesti
面積: 170 m²
素材:アッシュ材
制作期間: 2019年6月〜 2020年2月(部屋全体のリフォーム)
Deferrari+ModestiのLavinia Modesti(ラヴィニア・モデスティ)さんは、自身が手掛けたCasa LGプロジェクトを次のように紹介します。「このプロジェクトを特徴付けている空間の洗練されたつながりは、壁だけの問題ではありません。それは、さまざまな空間のなかで段々と変化していきながら、それぞれのエリアに独自性を与えてくれる一体型の造作家具システムによるものでもあるのです」
ベンチや収納スペース、CDや本をディスプレイするための棚であると同時に、空間の間仕切りでもあるこの多機能造作家具は、リビングにマッチするようにアッシュ材を使ってあつらえたものです。デザインチームはこの木材の自然な木目を生かしたいと考え、一方で木製のオープンシェルフはエレクトリックブルーの塗りつぶし塗装で仕上げました。
チーク材のパネルを用いて制作された本棚は部屋の中心となり、壁面に施した水平な溝に、軽量でありながら丈夫なスチール製の薄板を挿し込んで棚としています。
本棚の下にある引き出しは、オーナーのアナログレコードを収納しつつ、ダイニングエリアを特徴づけます。
リビングエリアへと続くこの造作家具は、縦長の引き戸や開き戸が付いたバーカウンターに変化します。
本棚の下にある引き出しは、オーナーのアナログレコードを収納しつつ、ダイニングエリアを特徴づけます。
リビングエリアへと続くこの造作家具は、縦長の引き戸や開き戸が付いたバーカウンターに変化します。
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