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欧州デザイナー8名が語ったデザイントレンド【ミラノサローネ2022】
イタリア・ミラノで開催された家具デザインの見本市で、欧州のデザイナーに最新トレンドについてお話を伺いました。
Roberta del Vaglio
2022年6月20日
第60回ミラノサローネ国際家具見本市(以下、ミラノサローネ)は、2022年6月7日〜12日にミラノで開催され、予想をはるかに上回る262,000人以上の来場者を記録しました。Houzzのイタリア編集チームも会場入りし、最新のインテリアデザイン、そして今後の見通しについて、8名のデザイナーにインタビューしました。そこから見えてきたのは、「ホームダイナミクス」。つまり、インテリアや家具を、スタイルやトレンドだけを念頭に置いて設計するのではなく、家族、友人、職場の同僚とスペースを共有する機能や機会を考慮して設計されていくということです。
柔軟かつ使いやすい家具、よりサステナブルで耐久性のある家具やインテリアをつくりだすことが、消費者の求めている方向性だということが確認されました。 いわゆる「ファスト」デザインの時代は終焉を迎え、人々が個性のある作品への評価を取り戻していくだろうと、どのデザイナーも話してくれました。
展示作品の中には日本の伝統工芸から着想を得たものもあり、見どころ満載です!
柔軟かつ使いやすい家具、よりサステナブルで耐久性のある家具やインテリアをつくりだすことが、消費者の求めている方向性だということが確認されました。 いわゆる「ファスト」デザインの時代は終焉を迎え、人々が個性のある作品への評価を取り戻していくだろうと、どのデザイナーも話してくれました。
展示作品の中には日本の伝統工芸から着想を得たものもあり、見どころ満載です!
(写真:Andrea Agrati)
セレナ・コンファロニエーリ(イタリア)
20世紀のグラフィックアートに着想を得たセレナ・コンファニエーリは、Gebrüder Thonet Vienna社からクッションスツール、Arcadiaプフを出展しました。この作品は、同社の特徴である曲線的な木材で作られた幾何学的な支持構造を採用しています。また、1960年代の美学からインスパイアされたライクラ素材を使用したServomuto社のVenusランプコレクションも展示しています。
ハイブリッドな装飾品とサステナブルな生産工程
「私たちの社会生活や仕事における直近の変化が、多くのハイブリッドな空間を生み出した結果、新しいライフスタイル、新しい働き方や暮らし方に対応できる作品が求められるようになりました。自宅の一部がオフィスになり、他方でオフィスにアットホームな雰囲気が求められる中で、順応性と柔軟性のある家具がデザインに浸透しています」
素材だけではない、新しい生産モデルから始まるサステナビリティへの取り組み
「オーダーメイドがこれからの消費行動の新しいあり方として定着するためには、素材よりも在庫を持たない生産に注目する必要があります。職人技を活かした製品ばかりを選べるとは限りませんが、本物の『メイド・イン・イタリー』の価値を認めることが重要です。高品質の象徴としてだけではなく、エシカルな素材選びと労働基準への姿勢を支持するものづくりとして捉えてください」
セレナ・コンファロニエーリ(イタリア)
20世紀のグラフィックアートに着想を得たセレナ・コンファニエーリは、Gebrüder Thonet Vienna社からクッションスツール、Arcadiaプフを出展しました。この作品は、同社の特徴である曲線的な木材で作られた幾何学的な支持構造を採用しています。また、1960年代の美学からインスパイアされたライクラ素材を使用したServomuto社のVenusランプコレクションも展示しています。
ハイブリッドな装飾品とサステナブルな生産工程
「私たちの社会生活や仕事における直近の変化が、多くのハイブリッドな空間を生み出した結果、新しいライフスタイル、新しい働き方や暮らし方に対応できる作品が求められるようになりました。自宅の一部がオフィスになり、他方でオフィスにアットホームな雰囲気が求められる中で、順応性と柔軟性のある家具がデザインに浸透しています」
素材だけではない、新しい生産モデルから始まるサステナビリティへの取り組み
「オーダーメイドがこれからの消費行動の新しいあり方として定着するためには、素材よりも在庫を持たない生産に注目する必要があります。職人技を活かした製品ばかりを選べるとは限りませんが、本物の『メイド・イン・イタリー』の価値を認めることが重要です。高品質の象徴としてだけではなく、エシカルな素材選びと労働基準への姿勢を支持するものづくりとして捉えてください」
セレナ・コンファニエーリがGebrüder Thonet Vienna社向けにデザインしたArcadiaプフ(写真: Carlo Mossetti, Buccia Studio 03)
個人を軸に
「個人を中心に据えた自分らしい商品へのニーズが高まっています。また、一人ひとりの個性が多様化する中で、新しいテイストや嗜好を取り入れ、進化・成長するパーソナルスタイルが求められています。ですから、デザインはこうした多様なスタイルに対応することが重要だと考えています」
プロジェクトの一貫性:柔軟性、クラフトマンシップ、サステナビリティ
「私が新しく手がけるプロジェクトはすべて、これまで説明してきたような柔軟性、クラフトマンシップ、サステナビリティという価値観に基づくものばかりです。今回一緒に仕事をすることになったGebrüder Thonet Vienna社、Servomuto社、Victoria Arduino社のアプローチは、いずれも私の理念と一致しています」
個人を軸に
「個人を中心に据えた自分らしい商品へのニーズが高まっています。また、一人ひとりの個性が多様化する中で、新しいテイストや嗜好を取り入れ、進化・成長するパーソナルスタイルが求められています。ですから、デザインはこうした多様なスタイルに対応することが重要だと考えています」
プロジェクトの一貫性:柔軟性、クラフトマンシップ、サステナビリティ
「私が新しく手がけるプロジェクトはすべて、これまで説明してきたような柔軟性、クラフトマンシップ、サステナビリティという価値観に基づくものばかりです。今回一緒に仕事をすることになったGebrüder Thonet Vienna社、Servomuto社、Victoria Arduino社のアプローチは、いずれも私の理念と一致しています」
(写真:Piero Gemelli)
ドレッジ・オブラードビチ & オーレル・ K ・バセドウ(セルビア、イタリア)
ドレッジ・オブラッドビチとオーレル・K・バセドウは、工業生産と優れたクラフトマンシップを組み合わせました。ミラノサローネでは、Baxter社、Gallotti&Radice社、Visionnaire社、Wall&Decò社、Essential Home社の新コレクションを発表するほか、フォーリサローネでのロッサーナ・オルランディとニルファー・デポ のそれぞれによるプロジェクト、スーパースタジオ・ピューのアーバン・マターズ(Urban Matters)展にも出展する予定です。
ドレッジ・オブラードビチ & オーレル・ K ・バセドウ(セルビア、イタリア)
ドレッジ・オブラッドビチとオーレル・K・バセドウは、工業生産と優れたクラフトマンシップを組み合わせました。ミラノサローネでは、Baxter社、Gallotti&Radice社、Visionnaire社、Wall&Decò社、Essential Home社の新コレクションを発表するほか、フォーリサローネでのロッサーナ・オルランディとニルファー・デポ のそれぞれによるプロジェクト、スーパースタジオ・ピューのアーバン・マターズ(Urban Matters)展にも出展する予定です。
ドレッジ& オーレルのヘリテッジコレクションからNoraチェスト (写真: Federica Lissoni)
サステナビリティへの取り組みは複雑
「サステナビリティというのは非常に複雑な概念であり、企業は全社レベルでしっかりと評価しなければ、単なるマーケティングキャンペーンに終わってしまう危険があります。私たちは、この問題を真剣に考えているからこそ、サステナブルデザインや再生家具についてもっと語っていきたいと思います。
「これこそが、アンティークマーケットで出会ったヴィンテージ家具からなるHeritage(ヘリテージ)コレクションのコンセプトなのです。こういった家具に、職人の技術(なかにはすたれたも同然の技術もあり、その技術自体が再生されたといえる)を使って木や金属などの素材をよみがえらせ、樹液を流し込むことで、新たな命を吹き込みます」と語るオブラードビチ。
サステナビリティへの取り組みは複雑
「サステナビリティというのは非常に複雑な概念であり、企業は全社レベルでしっかりと評価しなければ、単なるマーケティングキャンペーンに終わってしまう危険があります。私たちは、この問題を真剣に考えているからこそ、サステナブルデザインや再生家具についてもっと語っていきたいと思います。
「これこそが、アンティークマーケットで出会ったヴィンテージ家具からなるHeritage(ヘリテージ)コレクションのコンセプトなのです。こういった家具に、職人の技術(なかにはすたれたも同然の技術もあり、その技術自体が再生されたといえる)を使って木や金属などの素材をよみがえらせ、樹液を流し込むことで、新たな命を吹き込みます」と語るオブラードビチ。
ニコラ・ガリッツィア(イタリア)
ニコラ・アガリッツィアが提案する最新のデザインは、美しさ、機能性、親しみやすさが特徴です。ミラノサローネでは、Molteni&C| Dada社、Francesco Molon社、Riviere社、Henry Glass社、TM Italian社とPapadatos社、そしてミラノサローネと同時期に開催されるフォーリサローネではBattiloss社との作品が展示されています。
住まいの本質への意識を高める
「家にいる時間が否応なしに長くなったことで、おのずと『住まい』が重要なテーマとして注目されるようになりました。今後は、この人生と切り離せない住まいに対する意識がさらに高まり、多彩な機能を発揮する万能なものが求められるでしょう」
機能と美
「機能は、美しさやスタイルを犠牲に成り立ってはいけません。今、私に寄せられる要望の多くは、美しく、かつ新しいニーズにも同時に対応できる住まいです」
汎用性が高く、より快適な住まいへ
「たとえば、ダイニングテーブルは、日中はホームオフィスとしてプライベートな空間である必要がありますが、それが食事をしたり子どもが勉強したりする空間となり、最後は家族団らんの空間へと戻ります。このように、これからの住まいは、多目的かつ団らんに満ちた空間であることが求められます。こうしたニーズに応えられるのが、家具だけでなく、開閉システムによって、プライバシーを確保したり、容易に他の空間とつなげたりすることができる多機能な住まいなのです」
ニコラ・アガリッツィアが提案する最新のデザインは、美しさ、機能性、親しみやすさが特徴です。ミラノサローネでは、Molteni&C| Dada社、Francesco Molon社、Riviere社、Henry Glass社、TM Italian社とPapadatos社、そしてミラノサローネと同時期に開催されるフォーリサローネではBattiloss社との作品が展示されています。
住まいの本質への意識を高める
「家にいる時間が否応なしに長くなったことで、おのずと『住まい』が重要なテーマとして注目されるようになりました。今後は、この人生と切り離せない住まいに対する意識がさらに高まり、多彩な機能を発揮する万能なものが求められるでしょう」
機能と美
「機能は、美しさやスタイルを犠牲に成り立ってはいけません。今、私に寄せられる要望の多くは、美しく、かつ新しいニーズにも同時に対応できる住まいです」
汎用性が高く、より快適な住まいへ
「たとえば、ダイニングテーブルは、日中はホームオフィスとしてプライベートな空間である必要がありますが、それが食事をしたり子どもが勉強したりする空間となり、最後は家族団らんの空間へと戻ります。このように、これからの住まいは、多目的かつ団らんに満ちた空間であることが求められます。こうしたニーズに応えられるのが、家具だけでなく、開閉システムによって、プライバシーを確保したり、容易に他の空間とつなげたりすることができる多機能な住まいなのです」
(写真:Felipe Ribon)
コンスタンス・ギセ(フランス)
コンスタンス・ギセは、照明から家具、さらにはファッションやアクセサリーに至るまで、あらゆる分野のデザインを探求し、上品かつ堅実なスタイルでデザインに取り組んでいます。今回のミラノサローネとフォーリサローネでは、Billiani社、La Manufacture社、新ショールームのデザインを担当したTectona Paris社とのコラボレーションを展示しています。
期待されるデザインの未来
「未来のデザインは、きっと驚きに満ちていることでしょう。新しい機能、新しい生活様式、新しい技術や素材。私たちは、環境問題も含めた未来に起こりうる事象に対して意欲を失わず、想像力を働かせていかなければなりません。そのために、私たちは今、行動を起こさなくてはなりません。今が未来を創るのですから」
サステナビリティは共同作業の連続
「デザインにおけるサステナビリティの追求には、さまざまな方法があります。素材、パッケージ、輸送など、さまざまな要素が絡み合っているため、相互協力が欠かせません。例えば、長寿命な製品をデザインすることで、買い替える必要がなくなり、それを子どもたちに受け継ぐことができるのです」
「もうひとつの方法は、優れたコンセプトや、時の試練に耐えられるような堅実なプロジェクトに取り組むことです。しかし、モノをデザインする際には、美しさも意識しなければなりません。流行に関係なく、魅力的であり続けること、つまり、視覚的に持続可能であることが必要です。長く愛用できるものをつくることは、デザイナーの仕事のひとつなのです」
コンスタンス・ギセ(フランス)
コンスタンス・ギセは、照明から家具、さらにはファッションやアクセサリーに至るまで、あらゆる分野のデザインを探求し、上品かつ堅実なスタイルでデザインに取り組んでいます。今回のミラノサローネとフォーリサローネでは、Billiani社、La Manufacture社、新ショールームのデザインを担当したTectona Paris社とのコラボレーションを展示しています。
期待されるデザインの未来
「未来のデザインは、きっと驚きに満ちていることでしょう。新しい機能、新しい生活様式、新しい技術や素材。私たちは、環境問題も含めた未来に起こりうる事象に対して意欲を失わず、想像力を働かせていかなければなりません。そのために、私たちは今、行動を起こさなくてはなりません。今が未来を創るのですから」
サステナビリティは共同作業の連続
「デザインにおけるサステナビリティの追求には、さまざまな方法があります。素材、パッケージ、輸送など、さまざまな要素が絡み合っているため、相互協力が欠かせません。例えば、長寿命な製品をデザインすることで、買い替える必要がなくなり、それを子どもたちに受け継ぐことができるのです」
「もうひとつの方法は、優れたコンセプトや、時の試練に耐えられるような堅実なプロジェクトに取り組むことです。しかし、モノをデザインする際には、美しさも意識しなければなりません。流行に関係なく、魅力的であり続けること、つまり、視覚的に持続可能であることが必要です。長く愛用できるものをつくることは、デザイナーの仕事のひとつなのです」
(写真:Gabi Gerster)
セバスチャン・ヘルクナー(ドイツ)
ミラノサローネでは、初のバスルームコレクションであるDuravit社のZenchaをはじめ、Emu社、CoEditio社、Ondarreta社、Punt社、Freifrau Manufaktur社など、さまざまなコラボレーションを発表。また、ミラノのチルコロ・フィロロジコ・ミラネーゼに設置されたThonet社のインスタレーションも手掛けています。
企業に求められる新世代への投資
「サローネ・サテリテがサローネ・デル・モービレの尽力によって復活したことを嬉しく思っています。チャレンジ精神旺盛な若いデザイナーは、サステナビリティに意欲的ですが、残念ながらここ数年は展示会がなく、あまり目にする機会がありませんでした。一方、この分野の企業は、人々がインテリアに投資をしたおかげで堅調なため、新しい世代に対して充分に投資できる状態です」
生涯にわたって責任を持つデザイン
「私たちデザイナーは、新製品の開発における責任をきちんと理解しなければなりません。同時に、一般の消費者も、数年でモノを廃棄するのではなく、一生使える製品を購入することがいかに重要かを理解しなければなりません。新型コロナウイルス感染症の流行以前は、ファストファッション、ファストフード、ファストファニチャーなど、すべてがファストでした。しかし今や、スロー、ローカル、そして責任といったことをベースに考えるべき時です。これが業界全体を席巻する強力なムーブメントになることを願っています」
セバスチャン・ヘルクナー(ドイツ)
ミラノサローネでは、初のバスルームコレクションであるDuravit社のZenchaをはじめ、Emu社、CoEditio社、Ondarreta社、Punt社、Freifrau Manufaktur社など、さまざまなコラボレーションを発表。また、ミラノのチルコロ・フィロロジコ・ミラネーゼに設置されたThonet社のインスタレーションも手掛けています。
企業に求められる新世代への投資
「サローネ・サテリテがサローネ・デル・モービレの尽力によって復活したことを嬉しく思っています。チャレンジ精神旺盛な若いデザイナーは、サステナビリティに意欲的ですが、残念ながらここ数年は展示会がなく、あまり目にする機会がありませんでした。一方、この分野の企業は、人々がインテリアに投資をしたおかげで堅調なため、新しい世代に対して充分に投資できる状態です」
生涯にわたって責任を持つデザイン
「私たちデザイナーは、新製品の開発における責任をきちんと理解しなければなりません。同時に、一般の消費者も、数年でモノを廃棄するのではなく、一生使える製品を購入することがいかに重要かを理解しなければなりません。新型コロナウイルス感染症の流行以前は、ファストファッション、ファストフード、ファストファニチャーなど、すべてがファストでした。しかし今や、スロー、ローカル、そして責任といったことをベースに考えるべき時です。これが業界全体を席巻する強力なムーブメントになることを願っています」
日本の伝統工芸から着想を得てセバスチャン・ヘルクナーがDuravit社のためにデザインしたZenchaバスルーム
進化するバスルーム
「バスルームが重要視されるようになった理由は、本当の意味で一人になれる唯一のプライベート空間であり、リラックスして充電できる場所ということにあります。だからこそ、より広々とした空間であるべきなのです。最近では、以前キッチンとリビングルームに見られたのと同じように、バスルームとベッドルームの一体化が進んでいます。バスルームのデザインは、環境に配慮したものであることが大切で、それは素材を慎重に選ぶことや、修理や再利用が可能であることにも通じます。もちろん、こういった考え方は、バスルームのデザイン以外でも重要です」
進化するバスルーム
「バスルームが重要視されるようになった理由は、本当の意味で一人になれる唯一のプライベート空間であり、リラックスして充電できる場所ということにあります。だからこそ、より広々とした空間であるべきなのです。最近では、以前キッチンとリビングルームに見られたのと同じように、バスルームとベッドルームの一体化が進んでいます。バスルームのデザインは、環境に配慮したものであることが大切で、それは素材を慎重に選ぶことや、修理や再利用が可能であることにも通じます。もちろん、こういった考え方は、バスルームのデザイン以外でも重要です」
(写真:Stefan Giftthaler)
フェデリコ・ペリ(イタリア)
フェデリコ・ペリは、インテリア、家具、照明のデザインを手がけています。彼の作品は、ディテールへの徹底的なこだわり、エレガントさ、合成素材ではない本物の素材の組み合わせが特徴です。今回のミラノサローネとフォーリサローネでは、MartaSala Éditions社とGervasoni社とのコラボレーションを展示しています。
屋内・屋外の空間を最適化する
「新型コロナウイルス感染症の拡大以降、空間の流動性や機能性がますます重要視されています。それは、都市部の狭小住宅にワークスペースを作るために、スペースの最適化が求められていることからも分かります。また、統計によると、屋外のデザインや家具に対する需要が高まっていることも明らかになっています。パンデミック以前は、バルコニーの手入れをする人は10人のうち2人だけで、ほとんどの人は鉢植えを2、3個置くだけだったのに対し、今では床材から収納、食事スペースまで、さまざまなところに気を配る人が増えました」
フェデリコ・ペリ(イタリア)
フェデリコ・ペリは、インテリア、家具、照明のデザインを手がけています。彼の作品は、ディテールへの徹底的なこだわり、エレガントさ、合成素材ではない本物の素材の組み合わせが特徴です。今回のミラノサローネとフォーリサローネでは、MartaSala Éditions社とGervasoni社とのコラボレーションを展示しています。
屋内・屋外の空間を最適化する
「新型コロナウイルス感染症の拡大以降、空間の流動性や機能性がますます重要視されています。それは、都市部の狭小住宅にワークスペースを作るために、スペースの最適化が求められていることからも分かります。また、統計によると、屋外のデザインや家具に対する需要が高まっていることも明らかになっています。パンデミック以前は、バルコニーの手入れをする人は10人のうち2人だけで、ほとんどの人は鉢植えを2、3個置くだけだったのに対し、今では床材から収納、食事スペースまで、さまざまなところに気を配る人が増えました」
Contardi社のためフェデリコ・ペリがデザインしたAsiaテーブルランプ
タイムレスな家具ほどサステナブルである
「最初は人気が出ても、数年過ぎると人々に受け入れられなくなるようなトレンディーな家具は、実はサステナブルではないと思っています。デザイナーは製作プロセスのすべてに関われないものの、"タイムレス”な家具づくりをめざしています」
タイムレスな家具ほどサステナブルである
「最初は人気が出ても、数年過ぎると人々に受け入れられなくなるようなトレンディーな家具は、実はサステナブルではないと思っています。デザイナーは製作プロセスのすべてに関われないものの、"タイムレス”な家具づくりをめざしています」
(写真:Zeb Daemen)
ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン(ベルギー)
2016年からMolteni&C社のクリエイティブディレクターを務める彼のデザインへのアプローチは、常に時代のトレンドを超えた本質的でタイムレスなスタイルを見出すことを軸としています。
タイムレスなデザインで暮らしを豊かにする
「家具での商品でもデザインをする時に心がけているのは、人々の暮らしをより良いものにできるようにすることです。つまり、有機的でタイムレスであることが重要だと考えています。
30年以上のキャリアの初期から、建築やデザインは人間のために捧げるものという姿勢で取り組んできました。建築であれば、その場所に住む人が安心して、リラックスに暮らせることを考え、その次に、住み手が心地よく過ごせて、幸せになれるような家具やインテリアのことを考えるようにしています」
「スロー」デザイン、自然素材、工芸的アプローチ
「有機的で自然な素材を使うようにしています。近年になって、デザイン業界全体が、サステナビリティや伝統工芸、良質の素材といったものへ関心を深めている傾向を望ましく思っています。今後はタイムレスな家具といった「スロー」デザインにどんどんシフトしていくことでしょう」
地場の材料を使い、サステナビリティに貢献
「私はものづくりにおいて、時空を超えて存続できるようなものをデザインしていきたいと思っています。そうすることで、長い年月が経った後も、ゴミ扱いされないようにしたいです。素材なども、遠くから運んでくるのではなく、その場所の近くで生産されたものを使うことでサステナビリティにも貢献していきたいと思っています」
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「サステナブルな素材」の本質とは?
空間やデザインが私たちを魅了する理由とは?
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タイムレスなデザインで暮らしを豊かにする
「家具での商品でもデザインをする時に心がけているのは、人々の暮らしをより良いものにできるようにすることです。つまり、有機的でタイムレスであることが重要だと考えています。
30年以上のキャリアの初期から、建築やデザインは人間のために捧げるものという姿勢で取り組んできました。建築であれば、その場所に住む人が安心して、リラックスに暮らせることを考え、その次に、住み手が心地よく過ごせて、幸せになれるような家具やインテリアのことを考えるようにしています」
「スロー」デザイン、自然素材、工芸的アプローチ
「有機的で自然な素材を使うようにしています。近年になって、デザイン業界全体が、サステナビリティや伝統工芸、良質の素材といったものへ関心を深めている傾向を望ましく思っています。今後はタイムレスな家具といった「スロー」デザインにどんどんシフトしていくことでしょう」
地場の材料を使い、サステナビリティに貢献
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