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まるで四次元ポケット。収納力抜群なスキップフロアの部屋
隠し収納を組み込んだ多機能ユニットは、このアパートでスキップフロアをつくる階段の役目も果たします。
Rafael F. Bermejo
2018年8月23日
「四次元ポケット」。このリノベーションを手がけた建築事務所〈エリー〉では、このプロジェクトをそう呼んでいる。もちろん、アニメ「ドラえもん」に敬意を表したネーミングだ。猫型ロボットのドラえもんは、のんびり屋でちょっと困ったところのある小学生、のび太の世話を何かと焼く。そんなとき助けになるのが、ドラえもんが四次元ポケットから取り出すさまざまな未来の道具だ。確かにこの部屋はその名にふさわしい。スキップフロア構成の小さなアパートメントの室内には、引き出しやコンパートメントがいたるところに隠されているからだ。そこではドラえもんのポケットと同じく、何が出てくるかわからない。
Photos by Miguel de Guzmán + Rocío Romero of ImagenSubliminal
どんなHouzz?
住まい手:若いカップル。ディアナ・ディアスさん、ルイス・アレナスさん
所在地:スペイン、マドリード
規模:33.6㎡
コーディネーター:〈エリー〉のアナ・ロペスさん
プロジェクトチーム:〈エリー〉のルシア・フェルナンデスさん、エドゥアルド・カスティーリャさん
メモ:写真はいずれも完成後、引っ越し前に撮影
〈エリー〉では、どの案件も3人の建築家が共同で手がける。想像力あふれるこのプロジェクトも、それが成功の鍵になったのかもしれない。3人がアイデアを持ち寄り、複雑な空間の可能性を実現するべく、ベストな方法を編み出した。この取材に3人が一緒に答えてくれたのも自然な流れなのだろう。3人のうち個々に誰がどうしたという点は強調しないでもらえれば、と彼らは言い添えた。
プロジェクト全体の核になるのが収納モジュールだ。このユニットがエントランス、水まわり、収納、ソーシャルスペースを一体化している。そのため、メインスペースを広くとることができた。
どんなHouzz?
住まい手:若いカップル。ディアナ・ディアスさん、ルイス・アレナスさん
所在地:スペイン、マドリード
規模:33.6㎡
コーディネーター:〈エリー〉のアナ・ロペスさん
プロジェクトチーム:〈エリー〉のルシア・フェルナンデスさん、エドゥアルド・カスティーリャさん
メモ:写真はいずれも完成後、引っ越し前に撮影
〈エリー〉では、どの案件も3人の建築家が共同で手がける。想像力あふれるこのプロジェクトも、それが成功の鍵になったのかもしれない。3人がアイデアを持ち寄り、複雑な空間の可能性を実現するべく、ベストな方法を編み出した。この取材に3人が一緒に答えてくれたのも自然な流れなのだろう。3人のうち個々に誰がどうしたという点は強調しないでもらえれば、と彼らは言い添えた。
プロジェクト全体の核になるのが収納モジュールだ。このユニットがエントランス、水まわり、収納、ソーシャルスペースを一体化している。そのため、メインスペースを広くとることができた。
写真に写っているのは〈エリー〉のカルロス・カニェーテさん
大きな窓とバルコニーがあるため、室内はとても明るい。ユニットはエントランスからプライベートな空間が見えないよう配置した。
大きな窓とバルコニーがあるため、室内はとても明るい。ユニットはエントランスからプライベートな空間が見えないよう配置した。
アパートメントはスキップフロアの構成で、メインスペースとキッチンは下のフロア、寝室とバスルームはそれより90センチ高い上のフロアに位置する。下のフロアには、壁に沿って階段脇までキッチンのカウンターがしつらえてある。
写真に写っているのは〈エリー〉のカルロス・カニェーテさんとアナ・ロペスさん
高低差があることで空間の線引きができ、アパートメントは2つのエリアに分かれている。面積の狭い空間には大きなメリットだ。さらには、バスルームに埋め込みタイプのバスタブを設置したり、ベッド下に収納を設けるといった可能性も広げてくれる。
高低差があることで空間の線引きができ、アパートメントは2つのエリアに分かれている。面積の狭い空間には大きなメリットだ。さらには、バスルームに埋め込みタイプのバスタブを設置したり、ベッド下に収納を設けるといった可能性も広げてくれる。
ユニットには、隠された収納が組み込まれている。上下のフロアをつなぐ階段は移動可能で、引き出しがあるほか、スタンドの観客席スタイルのベンチとしてリビングの椅子としても使える。
左から、〈エリー〉のカルロス・カニェーテさん、ルシア・フェルナンデスさん、アナ・ロペスさん
キッチンのカウンターは天板の一部が取り外せ、コーヒーテーブルとして使える。外すと現れるくぼみスペースは、居心地がいい読書用ベンチになる。
キッチンのカウンターは天板の一部が取り外せ、コーヒーテーブルとして使える。外すと現れるくぼみスペースは、居心地がいい読書用ベンチになる。
2つのフロアは、壁と床の仕上げでも明確にゾーニングされている。ソーシャルエリアであるメインスペースは明るさを最大限に引き出すため壁に淡い色を選び、床をリノリウムにした一方、上のベッドルームは壁、床ともに木で仕上げた。プロジェクターを取り付けたので、ベッドで映画を見ることができる。
お風呂につかる〈エリー〉のカルロス・カニェーテさん。
バスルームは壁、床、バスタブともすべて同じタイルを使用。その効果で、壁に囲まれた自然光の入らないスペースながら、明るさと奥行きの感じられるボックス空間になった。壁と天井の光沢ある仕上げが空間をさらに明るく見せている。
バスルームは壁、床、バスタブともすべて同じタイルを使用。その効果で、壁に囲まれた自然光の入らないスペースながら、明るさと奥行きの感じられるボックス空間になった。壁と天井の光沢ある仕上げが空間をさらに明るく見せている。
写真に写っているのは〈エリー〉のカルロス・カニェーテさん
リノベーションにあたっては角部屋の利点を最大限に活かし、自然光をめいっぱい採り込み、部屋のどこからでも外の景色が見えるようにした。
オーナーの二人は完成した部屋をとても気に入り、この部屋での生活を楽しんでいるそう。
施工:アニチェート・ヒメネス
大工:アルフレッド・メリノ・カルダス
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リノベーションにあたっては角部屋の利点を最大限に活かし、自然光をめいっぱい採り込み、部屋のどこからでも外の景色が見えるようにした。
オーナーの二人は完成した部屋をとても気に入り、この部屋での生活を楽しんでいるそう。
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