自然なスタイルが魅力。どの季節に訪れても美しい北欧の庭
美しい植物がすくすく育つデンマークの庭へようこそ。
Helle Sindal
2020年5月31日
デンマーク第2の都市オーフス近郊に住むマヤ・エーイェルンドさんのオーガニックガーデンは、お気に入りの花や野菜があふれている。マヤさんは娘のカーラさんと一緒にあらゆる自然の恵みを庭に迎え入れ、自然のままの土を損なうことなく、1年を通して美しい植物をていねいに育てている。
どんな庭?
庭の作り手:マヤ・エーイェルンドさん、夫、娘のカーラさん、飼い犬テディ
所在地:デンマーク中部オーフス近郊ホイビュルク
規模:600平方メートル
「この庭づくりを始めて6年になります」とマヤさん。「ここへ移ってきたとき、ガレージまでの私道を移設する必要があったので、庭もそっくり造り変えることになりました。最初はどうなるかまったく読めなかったのですが、徐々に季節ごとの様子をつかめてきました。今では気候が変わって花壇がいきなり寂しくなるようなこともありません」
庭の作り手:マヤ・エーイェルンドさん、夫、娘のカーラさん、飼い犬テディ
所在地:デンマーク中部オーフス近郊ホイビュルク
規模:600平方メートル
「この庭づくりを始めて6年になります」とマヤさん。「ここへ移ってきたとき、ガレージまでの私道を移設する必要があったので、庭もそっくり造り変えることになりました。最初はどうなるかまったく読めなかったのですが、徐々に季節ごとの様子をつかめてきました。今では気候が変わって花壇がいきなり寂しくなるようなこともありません」
庭にはとりどりの花、ベリー類、果樹、野菜が美しく寄せ植えされている。マヤさんはたくさんの多年生植物を色と高さごとに分けて植えている。「イメージは、人工的に造ったのではない、自然な美しさがある英国のコテージガーデンのスタイルです」
マヤさんは毎日欠かさず庭に出て、この先の作業プランを立てる。庭は常に進化している。庭は時とともにいくつかのゾーンに分かれてきたので、計画が立てやすく、季節ごとの振り返りもしやすい。
写真の一帯は、シュウメイギクの間にシキンカラマツが混じる。サルビア、ゼラニウム、セイヨウツゲをはじめ、他にも多数植えられている。中でも長く花をつけるのは、ゼラニウム、イヌハッカ、アストランティア、シャクヤク、ルドベキア、レディースマントル、ギボウシ(ホスタ)など。
「多年草が途切れる時期があれば、夏に花を咲かせる一年草を入れます」とマヤさん。
マヤさんは毎日欠かさず庭に出て、この先の作業プランを立てる。庭は常に進化している。庭は時とともにいくつかのゾーンに分かれてきたので、計画が立てやすく、季節ごとの振り返りもしやすい。
写真の一帯は、シュウメイギクの間にシキンカラマツが混じる。サルビア、ゼラニウム、セイヨウツゲをはじめ、他にも多数植えられている。中でも長く花をつけるのは、ゼラニウム、イヌハッカ、アストランティア、シャクヤク、ルドベキア、レディースマントル、ギボウシ(ホスタ)など。
「多年草が途切れる時期があれば、夏に花を咲かせる一年草を入れます」とマヤさん。
ニンジンは夏の終わりにかけて黄色い花を咲かせる。ワイルドキャロットの場合、食べられる根の部分はそれほど大きくならないが、たくさんの花をつける。よく発芽するので、繰り返し収穫できる。
敷石の間を埋めるのはレプティネラ。「グリーンのきれいなラインが入りますし、おかげで石と石の間に生える雑草を抜く手間もありません」
庭に植える植物には、近所の人から分けてもらったものもある。「ご近所はいい感じのコミュニティです。いろんな年代の人がいて、お互いに訪ねてはガーデニング体験を共有しています。誰も特別にエキスパートなわけではなくて、ただみんないろいろ試してみていますね」
マヤさんが大事だと思うのは、庭づくりについては正解も間違いもないと心にとめておくことだという。「他の人から刺激を受けるのは楽しいことですが、優劣を競う必要はありません。自分の好きなものを、自分のペースで育てればいいんです」
庭に植える植物には、近所の人から分けてもらったものもある。「ご近所はいい感じのコミュニティです。いろんな年代の人がいて、お互いに訪ねてはガーデニング体験を共有しています。誰も特別にエキスパートなわけではなくて、ただみんないろいろ試してみていますね」
マヤさんが大事だと思うのは、庭づくりについては正解も間違いもないと心にとめておくことだという。「他の人から刺激を受けるのは楽しいことですが、優劣を競う必要はありません。自分の好きなものを、自分のペースで育てればいいんです」
小さな温室ではトマトと花のほか、コリアンダーやタイバジル、ディルなど好きなハーブを育てている。「たくさんの種類の種を買ってきて、庭と温室で育てます。ディルもそうですが、デンマークに昔からある植物を取り入れようと決めています。特別感がありますから」
すべてをオーガニックで育てている。「さまざまな有害な成分や除草剤で土を汚染する必要はどこにもありません。ナメクジや雑草が出てきたら、取り除くか受け入れるかのどちらかです。ナメクジはつまんでよけて、生えてくる草はイワミツバだけ少し残しておきます。自分がどのレベルのガーデニングを楽しみたいかをつかむのがポイントですね。庭があることがストレスになってはいけません」
すべてをオーガニックで育てている。「さまざまな有害な成分や除草剤で土を汚染する必要はどこにもありません。ナメクジや雑草が出てきたら、取り除くか受け入れるかのどちらかです。ナメクジはつまんでよけて、生えてくる草はイワミツバだけ少し残しておきます。自分がどのレベルのガーデニングを楽しみたいかをつかむのがポイントですね。庭があることがストレスになってはいけません」
「いつも多く育てすぎてしまうので、温室でできた野菜は近所の人や知り合いに分けています」。トマトはデンマークの伝統品種の種を、料理研究家カミラ・プラムのオンラインショップで購入した。
パティオの大型鉢には季節の植物を植えている。今はダリア、サルビア、イネ科の植物。ここの花やグリーンを束ねてブーケをたくさん作る。
「傘のように広がるクラウンディル(花をつけるディル)はブーケに使うと映えます」とマヤさん。
芝生の真ん中にある円形花壇には、コスモス、セイヨウノコギリソウ、ルドベキア、シャクヤク、アストランティア、ライムライト(アジサイの仲間ノリウツギの一種)。どれも昨年植えつけたもの。他の球根植物とともに、春に花開く。「花が大好きです。庭でもそれ以外のところでも、とにかく花を見るのをこよなく愛しています」
ライム色のピンクッションフラワーはお気に入りの花のひとつ。庭でよく育ち、ブーケにしても合う。
「庭の花はだいたいが自然発生的に咲きます。雑草とそうでないのとはだいたい見分けられるので、草花を間違って抜いてしまったりはしないですね」。庭の土は粘土質で養分に富んでいるため、新しい植物を試してもたいていうまく育つという。
「庭の花はだいたいが自然発生的に咲きます。雑草とそうでないのとはだいたい見分けられるので、草花を間違って抜いてしまったりはしないですね」。庭の土は粘土質で養分に富んでいるため、新しい植物を試してもたいていうまく育つという。
娘のカーラさんも自分の花壇を持っていて、たくさんのコスモスとデイジーを育てている。
コスモスは育てやすく、多彩な色が楽しめる。
コスモスは育てやすく、多彩な色が楽しめる。
2ヵ所のレイズドベッドで栽培しているニンジンは、家族で2~3週間食べるぶんほどとれる。庭の土と堆肥で造った7つのレイズドベッドで、花、野菜、ルバーブ、その他の植物がよく育つ。ニンジンの収穫が終わったら、土に養分を与えてくれるアカツメクサを植える。
庭のある場所はかつて、近くのマーセリスボー城が所有するリンゴ果樹園の一部だった。このリンゴの木は当時からあったもの。もうたくさんの実はつけないが、すてきな贈りものだ。
ブドウの木は丈夫な品種で、覆いのない屋外でも育つ。「味のいいブドウで、その証拠にうちの犬や辺りのクロウタドリが食べていくんです。別にそれで構わなくて、みんなで分ければいいと思っています」
ブドウの葉は適度に剪定し、実が日をたっぷり浴びてしっかり熟すように気をつけている。つるは排水管をつたってガレージまで続く。気ままに伸びていくが、広がりすぎたときは手を入れれば簡単に思いどおりになる。
ブドウの葉は適度に剪定し、実が日をたっぷり浴びてしっかり熟すように気をつけている。つるは排水管をつたってガレージまで続く。気ままに伸びていくが、広がりすぎたときは手を入れれば簡単に思いどおりになる。
庭で摘んだ花をドライフラワーにして、飾ったりブーケにしたりもする。庭に花のない時季でも、背の高い花びんにひと枝挿すだけで絵になる。
マーケットで見つけた古いフランス製のプレートに、ニンジンの花(左上)、マリーゴールド(右上)、ケシ(左下)、ピンクッションフラワー(右下)
を配した。マヤさんのドライフラワーづくりは簡単で、屋内の日陰に植物を逆さにつるしておくだけだ。
マーケットで見つけた古いフランス製のプレートに、ニンジンの花(左上)、マリーゴールド(右上)、ケシ(左下)、ピンクッションフラワー(右下)
を配した。マヤさんのドライフラワーづくりは簡単で、屋内の日陰に植物を逆さにつるしておくだけだ。
庭のインテリアにも関心がある。庭は植物とフリーマーケットで見つけたアイテムを合わせればすばらしい雰囲気づくりができる、というのがマヤさんの信条だ。
庭で摘んだコスモス、ピンクッションフラワー、クラウンディルを合わせたのがこちら。花びんと籐編みの台はフリーマーケットで見つけた。「フリーマーケットへ行くと、植物と庭で使えるアイテムの両方を探します」
北向きの壁には果物用の古い木箱と、底が網になった乾燥用の箱を取り付け、中に置くものをときどき入れ替える。冬はニンニク、夏はもう少し色のあるものを入れることが多い。
庭で取れた種子の多くは乾燥させ、次のシーズンにとっておく。丸箱の中は土にまく時を待っているソラマメ、小さな皿の上はケールの種。ボトルの中はニンニクの一種が入っている。
庭づくりを取りしきるのはマヤさんで、夫は普段は芝刈りを担当している。次の大きなプロジェクトである屋根を緑化したガーデニング道具用の小屋づくりでは、さらなる腕を発揮する予定だ。
北欧スタイルの「スマートガーデン」に注目
夏の庭・ガーデン100選!
子供が遊べる庭
庭づくりを取りしきるのはマヤさんで、夫は普段は芝刈りを担当している。次の大きなプロジェクトである屋根を緑化したガーデニング道具用の小屋づくりでは、さらなる腕を発揮する予定だ。
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Moltes felicitats per un jardí i hort tan bonic.