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庭づくりをプロに依頼する前に知っておきたい、コストとメリット
庭づくりをプロに依頼するのには、どのようなメリットあるのでしょう?また、どのくらいの費用が必要になるのでしょう?4人の専門家の方々にインタビューしました。

街路樹に咲く花や公園の花壇を眺めながら、「自分の住まいにも美しい庭があったら……」と思ったことはありませんか?
憧れの庭を頭の中に思い浮かべることはできても、それを自分だけで実現するのは簡単ではありません。では庭づくりのプロに依頼すると、どのくらいのコストが必要となるのでしょうか。
今回は、ガーデンデザインやランドスケープデザインを行う専門家の方々にお話を伺いました。
憧れの庭を頭の中に思い浮かべることはできても、それを自分だけで実現するのは簡単ではありません。では庭づくりのプロに依頼すると、どのくらいのコストが必要となるのでしょうか。
今回は、ガーデンデザインやランドスケープデザインを行う専門家の方々にお話を伺いました。
プロに庭づくりを依頼するメリットとは?
プロに依頼するメリットについて、「時間・デザイン・ノウハウなど、基本的にはメリットしかないと考えます」と話すのは、Garden:Timeの森健一さん。「消費者側の立場からすれば、デメリットは“お金がかかること”だけだと思います」
プロに依頼するメリットについて、「時間・デザイン・ノウハウなど、基本的にはメリットしかないと考えます」と話すのは、Garden:Timeの森健一さん。「消費者側の立場からすれば、デメリットは“お金がかかること”だけだと思います」
「成功例、失敗例を経験している分、より良い判断ができると思います」と話すのは、アトリエ心庭の鈴木邦浩さん。
さまざまな現場を経験しているプロは、それぞれの庭でできること、できないことを判断でき、その後のメンテナンスの難しさも想定できます。自分一人で調べながら庭づくりするよりも、柔軟な提案を期待できるでしょう。
さらに鈴木さんは、「なるべく設計と現場と両方の経験を積んだ方のほうが、バランスの良い提案ができると思います」と続けます。
さまざまな現場を経験しているプロは、それぞれの庭でできること、できないことを判断でき、その後のメンテナンスの難しさも想定できます。自分一人で調べながら庭づくりするよりも、柔軟な提案を期待できるでしょう。
さらに鈴木さんは、「なるべく設計と現場と両方の経験を積んだ方のほうが、バランスの良い提案ができると思います」と続けます。
プロは庭づくりの“助っ人”的存在
「勘違いしてほしくないのは、庭づくりをしていくのはお客様自身。我々はあくまで庭づくりの取っ掛かりのお手伝いをするだけです」と話すのは、deer gardenの島村均さん。
「プロに依頼して作ってもらったら終わりではなく、そこからが庭づくりの本当のスタートです」
「勘違いしてほしくないのは、庭づくりをしていくのはお客様自身。我々はあくまで庭づくりの取っ掛かりのお手伝いをするだけです」と話すのは、deer gardenの島村均さん。
「プロに依頼して作ってもらったら終わりではなく、そこからが庭づくりの本当のスタートです」
庭は一度つくれば何もせずとも美しく保たれているわけではなく、常にメンテナンスし続けることが必要となります。いわば、プロは庭づくりの“助っ人”的存在。住まい手である自分たちが、継続してその庭を育てていけるかを含めて計画しましょう。
とはいえ、専門家の多くは、庭のメンテナンスも引き受けているといいます。彩葉苑の長島浩嗣さんは、「手がけた庭のご相談をいただくことはよくあります。基本的に、1人工あたり23,000円プラス、ゴミ代、諸経費で対応しています」と話します。
とはいえ、専門家の多くは、庭のメンテナンスも引き受けているといいます。彩葉苑の長島浩嗣さんは、「手がけた庭のご相談をいただくことはよくあります。基本的に、1人工あたり23,000円プラス、ゴミ代、諸経費で対応しています」と話します。
島村さんは「最初からあまりいろいろ詰め込んで作り過ぎず、庭の変化を楽しむ事が必要だと思います」と語ります。その理由は、庭が家族の成長とともに変化していくため。
「たとえば、子どもがまだ小さい頃は、安心安全に遊べることが第一です。硬い素材を避けたり、角があるデザインは極力無くします。しかし、子どもが成長し子育てが一段落つくと、庭の主役が変わっていきますよね」と島村さん。
「芝生のお庭を野菜やハーブを収穫できるキッチンガーデンにしてみたり、ペットのワンちゃんが仲間入りしたら、ウッドチップを敷いてドッグガーデンにしてみたり。庭づくりに終わりはないので、お手入れも楽しみながらするのがコツです」
「たとえば、子どもがまだ小さい頃は、安心安全に遊べることが第一です。硬い素材を避けたり、角があるデザインは極力無くします。しかし、子どもが成長し子育てが一段落つくと、庭の主役が変わっていきますよね」と島村さん。
「芝生のお庭を野菜やハーブを収穫できるキッチンガーデンにしてみたり、ペットのワンちゃんが仲間入りしたら、ウッドチップを敷いてドッグガーデンにしてみたり。庭づくりに終わりはないので、お手入れも楽しみながらするのがコツです」
具体的にはどのくらいの費用がかかるの?
では、実際にプロに依頼するにはどのくらいの費用が必要となるのでしょうか?
島村さんは、もっとも低価格な依頼の例として「シンボルツリーだけやウッドフェンスだけなど、部分的な依頼」を挙げます。「ご予算数万〜十数万円というケースもあります」と島村さん。
専門家を探す
では、実際にプロに依頼するにはどのくらいの費用が必要となるのでしょうか?
島村さんは、もっとも低価格な依頼の例として「シンボルツリーだけやウッドフェンスだけなど、部分的な依頼」を挙げます。「ご予算数万〜十数万円というケースもあります」と島村さん。
専門家を探す
反対に、比較的高額な依頼の例として、長島さんは写真のパティオを挙げます。洋風のガーデンと和庭の依頼で、かかった費用は合わせて700万円ほどだったそう。
「視線が気になるところにぐるりとブロック塀をつくり、そこに張り石をしました。庭には石積みの花壇と、張り石の地面を。和庭のほうは、本格的な茶庭につくりかえました」
「視線が気になるところにぐるりとブロック塀をつくり、そこに張り石をしました。庭には石積みの花壇と、張り石の地面を。和庭のほうは、本格的な茶庭につくりかえました」
よく引き受ける内容として、鈴木さんは、150〜300万円ほどの新築外構工事や、50〜150万ほどの外構リフォームを挙げます。
専門家の方の多くは、植栽計画だけの依頼は少なく、外構工事を含めた依頼が多いと話します。たとえば、写真の玄関のアイアンの門柱やコンクリートのアプローチも、鈴木さんが庭づくりの依頼の中で対応されたものです。
専門家の方の多くは、植栽計画だけの依頼は少なく、外構工事を含めた依頼が多いと話します。たとえば、写真の玄関のアイアンの門柱やコンクリートのアプローチも、鈴木さんが庭づくりの依頼の中で対応されたものです。
また、森さんは外構工事の費用について、「往々にして、建物価格の10%〜15%程度をご予算として見ていただければ、それなりにバランスの取れた内容をご提案できるかと考えております」と話します。
「考え方の1つとして、例えば“自宅の駐車場に止めるお車の新車価格”と同額をご予算に見ていただければ、建物とそこに止まっているお車に似つかわしい外観や機能を、外構に持たせることができると考えます」
「考え方の1つとして、例えば“自宅の駐車場に止めるお車の新車価格”と同額をご予算に見ていただければ、建物とそこに止まっているお車に似つかわしい外観や機能を、外構に持たせることができると考えます」
専門家に依頼する際のポイント
希望の予算内で対応してくれる専門家を探すことも大切ですが、鈴木さんは「ご自分の好みをよく把握した上で、専門家の好みをつかむようにしたらいいと思います」とアドバイスします。
「金額は最後の判断にする程度にして、ご自分が付き合いたいと思える人を探すことが一番大ことです」
つくりたい庭を具体的に伝えるためには、自分自身がそのイメージを把握しておくことが大切。あらかじめつくりたいイメージに近い庭の写真をいくつか集めておくと、やりとりの際に役立ちます。
希望の予算内で対応してくれる専門家を探すことも大切ですが、鈴木さんは「ご自分の好みをよく把握した上で、専門家の好みをつかむようにしたらいいと思います」とアドバイスします。
「金額は最後の判断にする程度にして、ご自分が付き合いたいと思える人を探すことが一番大ことです」
つくりたい庭を具体的に伝えるためには、自分自身がそのイメージを把握しておくことが大切。あらかじめつくりたいイメージに近い庭の写真をいくつか集めておくと、やりとりの際に役立ちます。
森さんは、「お会いしたときに、話が通じる・好みを汲んでくれる・価値観を共有できる・新しい価値観を見せてくれるかどうかを見極めて頂ければ、その後の満足にもつながると思います」と話します。
「気になったところにはぜひ一度お問い合わせをして頂き、実際にお会いして話をしてみてからご判断頂けると良いと思います」
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