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展覧会:「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」
約50年にわたり建築の最前線を切り開く作品を創り続けているノーマン・フォスター。その原点から現在までをたどる、日本初の大規模展覧会。
Junko Kawakami
2016年1月15日
Freelance since 1999.
建築家ノーマン・フォスターが率いる〈フォスター+(アンド)パートナーズ〉の日本初の大規模な展覧会「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」が2月14日まで東京で開催されている。
〈フォスター+パートナーズ〉は1967年の設立以来、世界45カ国で300のプロジェクトを手がけ、日本の国宝建築に相当する英国保護登録建築物最上級グレード1の指定を受けるなど、輝かしい実績を誇る国際的な建築設計組織だ。フォスターの故国イギリス国内はもちろん、ベルリン、香港など、世界各国の都市でランドマークとなる名作建築を生み出してきた。現在も、今年の竣工に向けて大きな注目を集めているアップルの新社屋《Apple Campus 2》、月面の砂を素材にして3Dプリンターで制作する月面住宅など、イノベーティブな建築プロジェクトに取り組んでいる。
〈フォスター+パートナーズ〉は1967年の設立以来、世界45カ国で300のプロジェクトを手がけ、日本の国宝建築に相当する英国保護登録建築物最上級グレード1の指定を受けるなど、輝かしい実績を誇る国際的な建築設計組織だ。フォスターの故国イギリス国内はもちろん、ベルリン、香港など、世界各国の都市でランドマークとなる名作建築を生み出してきた。現在も、今年の竣工に向けて大きな注目を集めているアップルの新社屋《Apple Campus 2》、月面の砂を素材にして3Dプリンターで制作する月面住宅など、イノベーティブな建築プロジェクトに取り組んでいる。
《ドイツ連邦議会新議事堂、ライヒスターク》のガラス張りドームの内部。1992-1999年、ベルリン、ドイツ 撮影:Rudi Meisel
組織は大きくなるとアイデンティティやクリエイティビティが失われがちだが、〈フォスター+パートナーズ〉は、スタッフ1500人を擁する世界有数の国際的な設計組織に成長した現在でも、50年前の初期のオリジナリティを損なわない作家性を一貫して維持し、世界の主要都市のアイコンとなる建築作品を創り続けている。その成功の原点として重要なのが、1971年から1983年まで続いたノーマン・フォスターとリチャード・バックミンスター・フラーとの共同研究プロジェクトを通して培われたサスティナビリティの設計思想である。この点はこれまでの巡回展や、作品集でも多くは語られてきていないが、今回の展覧会からは、二人のコラボレーションから生まれた数々のメソッドが現在の作品にまで連なっていることがよくわかる。
今回は〈フォスター+パートナーズ〉を代表する約50のプロジェクトに関する模型、映像、CG、家具、プロダクト、図面、スケッチなど膨大な資料を展示。大規模作品だけでなく、日本で手がけた住宅作品の模型やスケッチも展示している。
「建築とは価値観の表現である」と語るフォスター。その価値観が創造された原点から開花までの道のりをたどることのできる貴重な機会だ。
組織は大きくなるとアイデンティティやクリエイティビティが失われがちだが、〈フォスター+パートナーズ〉は、スタッフ1500人を擁する世界有数の国際的な設計組織に成長した現在でも、50年前の初期のオリジナリティを損なわない作家性を一貫して維持し、世界の主要都市のアイコンとなる建築作品を創り続けている。その成功の原点として重要なのが、1971年から1983年まで続いたノーマン・フォスターとリチャード・バックミンスター・フラーとの共同研究プロジェクトを通して培われたサスティナビリティの設計思想である。この点はこれまでの巡回展や、作品集でも多くは語られてきていないが、今回の展覧会からは、二人のコラボレーションから生まれた数々のメソッドが現在の作品にまで連なっていることがよくわかる。
今回は〈フォスター+パートナーズ〉を代表する約50のプロジェクトに関する模型、映像、CG、家具、プロダクト、図面、スケッチなど膨大な資料を展示。大規模作品だけでなく、日本で手がけた住宅作品の模型やスケッチも展示している。
「建築とは価値観の表現である」と語るフォスター。その価値観が創造された原点から開花までの道のりをたどることのできる貴重な機会だ。
東西ドイツ統合の象徴としてベルリン観光の中心となった《ドイツ連邦議会新議事堂、ライヒスターク》。1992-1999年 ベルリン、ドイツ Photo : Reinhard Gornor
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ガーキン(ピクルスにするキュウリ)の愛称でロンドン市民に親しまれている《スイス・リ本社ビル》(30セント・メアリー・アックス)。1997-2004年、ロンドン 撮影:Nigel Young, Foster + Partners
展覧会情報
会場:森美術館 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
会期:2016年1月1日 − 2月14日
開館時間:10:00 − 22:00
入場料:一般1800円、学生(高校・大学生)1200円、子供(4歳〜中学生)600円、シニア(65歳以上)1500円 ●詳しい展覧会情報はウェブサイトでご確認ください。
展覧会情報
会場:森美術館 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
会期:2016年1月1日 − 2月14日
開館時間:10:00 − 22:00
入場料:一般1800円、学生(高校・大学生)1200円、子供(4歳〜中学生)600円、シニア(65歳以上)1500円 ●詳しい展覧会情報はウェブサイトでご確認ください。
ノーマン・フォスター卿。(映画『フォスター卿の建築術』より)
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