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スタイル事典:アール・デコ、アール・ヌーヴォー、アーツ・アンド・クラフツの違いは?
ジグザグのライン、有機的なライン、直線的デザイン…… 19世紀以降の3つの代表的スタイルの見分け方を、わかりやすく解説します。
Laura Gaskill
2016年11月8日
アール・デコ、アール・ヌーヴォー、アーツ・アンド・クラフツは、どれも 「アール」とか「アート」という言葉(横文字ではいずれも art )がついていますが、それぞれに異なったスタイルです。新しい順に、アールデコから古い順に解説しながら、それぞれの様式の歴史と違いをあらためて振り返ってみたいと思います。
アール・デコ
1920年代に人気を博したスタイルです。ジャズや電気、ラジオ、摩天楼、キュビズムの芸術など、モダンな社会に訪れた変化をわくわくしながら取り入れたスタイルです。
1920年代に人気を博したスタイルです。ジャズや電気、ラジオ、摩天楼、キュビズムの芸術など、モダンな社会に訪れた変化をわくわくしながら取り入れたスタイルです。
1920年代のスタイルの特徴は、ジグザグのラインとシャープなアングル。ミラーや黒いラッカー仕上げのほか、ガラスやピカピカのメタルも人気でした。そう、『グレート・ギャツビー』のスタイルです。
1930年代になると、アール・デコがもっと柔らかい雰囲気に変化していきます。写真のソファーのように、シャープなアングルではなく、カーブをたくさん使うようになりました。1930年にニューヨークに建設された《クライスラー・ビルディング》を思わせるフォルムが人気を集めたのです。
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アール・ヌーヴォー
アール・ヌーヴォーはアール・デコよりも古い、19世紀のスタイルです。当時からアール・ヌーヴォーと呼ばれていたわけではありません。アール・デコとの違いは、有機的なカーブで、虫の羽根や花、鳥の羽根、植物のつるをモチーフとして多用しました。
アール・ヌーヴォーはアール・デコよりも古い、19世紀のスタイルです。当時からアール・ヌーヴォーと呼ばれていたわけではありません。アール・デコとの違いは、有機的なカーブで、虫の羽根や花、鳥の羽根、植物のつるをモチーフとして多用しました。
『ロード・オブ・ザ・リング』に出てくる様式は、アール・ヌーヴォーを思わせます(本が出版されたのはずっと後の時代ですが)。裂け谷のエルフたちの美しい住まいには、アール・ヌーヴォーの有機的なデザインがたくさん見られます。
アーツ・アンド・クラフツ
今回とりあげる3つのスタイルのなかで最も古いアーツ・アンド・クラフツは、19世紀半ばのイギリスで、産業革命への反動として生まれました。アーツ・アンド・クラフツは、木製家具やタペストリー、壁紙、陶器やステンドグラスなど、ハンドクラフト(手工芸品)や職人が手がけた作品のすばらしさを訴える運動でした。
今回とりあげる3つのスタイルのなかで最も古いアーツ・アンド・クラフツは、19世紀半ばのイギリスで、産業革命への反動として生まれました。アーツ・アンド・クラフツは、木製家具やタペストリー、壁紙、陶器やステンドグラスなど、ハンドクラフト(手工芸品)や職人が手がけた作品のすばらしさを訴える運動でした。
アール・ヌーヴォーと同じく、アーツ・アンド・クラフツも自然に深く影響を受けていますが、モチーフの形はもっと直線的で、アール・ヌーヴォーのような曲線はまず見られません。木を多用し、ほとんどの場合、仕上げもナチュラルでした。タイルにせよ、ステンドグラスにせよ、装飾的なディテールは手で施されました。
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まとめで早わかり!
アール・デコ
1920〜30年代に流行。ジグザグ、鋭角、階段のようなデザイン。ジャズや摩天楼に影響を受けている。『グレート・ギャツビー』のスタイル。
アール・ヌーヴォー
19世紀後半に流行。自然をモチーフとした流れるような曲線が特徴。金属や木を使った繊細な細工。『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフの裂け谷や、パリのメトロの看板のスタイル。
アーツ・アンド・クラフツ
19世紀半ばに流行。手工芸や職人技による木製家具、陶器、タイル、ステンドグラスなど。自然モチーフをシンプルにした、直線的なフォルム。ウィリアム・モリスのスタイル。
スタイルの解説記事はこちら
フレンチカントリー/インダストリアル/ミッドセンチュリーモダン/ジャパニーズ/コテージ/トラディショナル/ラスティック/アールデコ/コースタル/レトロ/ミニマリスト/コンテンポラリー/エクレクティック
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アール・デコ
1920〜30年代に流行。ジグザグ、鋭角、階段のようなデザイン。ジャズや摩天楼に影響を受けている。『グレート・ギャツビー』のスタイル。
アール・ヌーヴォー
19世紀後半に流行。自然をモチーフとした流れるような曲線が特徴。金属や木を使った繊細な細工。『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフの裂け谷や、パリのメトロの看板のスタイル。
アーツ・アンド・クラフツ
19世紀半ばに流行。手工芸や職人技による木製家具、陶器、タイル、ステンドグラスなど。自然モチーフをシンプルにした、直線的なフォルム。ウィリアム・モリスのスタイル。
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