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複合フローリングの選び方、使い方
無垢のフローリングは素敵ですが、場合によって複合フローリングがベストの選択になることもあります。
Paul Anater
2017年9月26日
ひとたび張ってしまうと、複合フローリングと無垢フローリングは見わけがつきにくいものです。本当のところ、その道のプロでも見抜けないケースはめずらしくありません。どちらも天然木の味わいを住まいに取り入れられる木の床ですが、素材としてはかなり違います。無垢材がよいのか、複合がよいのかで戸惑ってしてしまう人は多いでしょう。
でも、それほど複雑な話ではありません。複合フローリングは無垢フローリングとは多少性質が違い、全般的に無垢板よりも施工が簡単でコストが低いといえます。
でも、それほど複雑な話ではありません。複合フローリングは無垢フローリングとは多少性質が違い、全般的に無垢板よりも施工が簡単でコストが低いといえます。
複合フローリングはもともと、建物1階のコンクリートスラブや地下室の床に張るために考案されました。その後、複合フローリングの技術はこの20年で飛躍的に進化し、従来なら無垢材の床を入れたような場所を含め、どこにでも取り入れられるようになっています。
詳細に入る前に、無垢フローリングの記事でも説明した認証制度にひとことふれておきます。無垢フローリングと同様、木材使用製品については、森林管理協議会(FSC)やサステナブル森林イニシアチブ(SFI)のロゴがあるものを選びましょう(訳注:アメリカの場合)。
詳細に入る前に、無垢フローリングの記事でも説明した認証制度にひとことふれておきます。無垢フローリングと同様、木材使用製品については、森林管理協議会(FSC)やサステナブル森林イニシアチブ(SFI)のロゴがあるものを選びましょう(訳注:アメリカの場合)。
複合フローリングはより耐湿性が高く、状態が安定する傾向があります。木製品は水に濡れると弱いですが、コンクリートの上に張った状態で水分が増す程度であれば、たいてい問題はありません。
複合フローリングの安定度の高さ、耐湿性の高さは、その構造に理由があります。
複合フローリングの安定度の高さ、耐湿性の高さは、その構造に理由があります。
上の写真は、高品質の複合フローリング材の断面を示しています。全体の厚さはおよそ1センチから2センチ程度の幅があります。表面には好みの木材を使った化粧材を張り、表面材に厚みがあるほど価格も上がります。
表面材が非常に薄い場合(0.6ミリなど)は、表面の仕上げを張り替える必要が生じてもできませんが、2ミリ~6ミリあれば何度か仕上げをしなおすことも可能です。
表面材の下に何層かを重ねた基材も重要で、これによっても価格は左右されます。最終的な床材の厚さや質によって、基材の層は合板と仕上げ加工をしていないホワイトウッド材などを3層から12層重ねています。
複合フローリングを選ぶときは、表面の外観と同じくらい、下の層がどのような構造になっているかにも注目しましょう。
表面材が非常に薄い場合(0.6ミリなど)は、表面の仕上げを張り替える必要が生じてもできませんが、2ミリ~6ミリあれば何度か仕上げをしなおすことも可能です。
表面材の下に何層かを重ねた基材も重要で、これによっても価格は左右されます。最終的な床材の厚さや質によって、基材の層は合板と仕上げ加工をしていないホワイトウッド材などを3層から12層重ねています。
複合フローリングを選ぶときは、表面の外観と同じくらい、下の層がどのような構造になっているかにも注目しましょう。
厚さもいくつも用意されているため、他のフローリング材との切り替えが不自然になることなく、多彩な場面で使えるようになっています。
フローリング材の切り替えでもっともよくある悩みが、キッチンやバスルームの床からその他のエリアへ続く床への切り替え部分です。リノベーションで複合フローリングを使用することで、段差を埋める大きな見切り材を設置したりドアを削ったりする必要もなくなります。
フローリング材の切り替えでもっともよくある悩みが、キッチンやバスルームの床からその他のエリアへ続く床への切り替え部分です。リノベーションで複合フローリングを使用することで、段差を埋める大きな見切り材を設置したりドアを削ったりする必要もなくなります。
複合フローリングはコンクリートスラブ上に敷くために考案されましたが、2センチの厚みがあるものなら、無垢フローリングを入れるのと同様、下貼りした木の床板の上に釘を使って施工することもできます。
骨組みが木造の住宅を建てるかリノベーションする際、品質の高い複合フローリングを入れることでコストを下げられるのなら、ぜひやってみることをおすすめします。他の人は誰も気づきません。木造フローリングの施工はプロに任せるのがいちばんです。これは本当の話。
骨組みが木造の住宅を建てるかリノベーションする際、品質の高い複合フローリングを入れることでコストを下げられるのなら、ぜひやってみることをおすすめします。他の人は誰も気づきません。木造フローリングの施工はプロに任せるのがいちばんです。これは本当の話。
厚みが2センチ未満の複合フローリングなら、ビニールや弾力性のある素材のフローリングと同じく接着剤で貼り付ける方法が可能です。複合フローリングを貼る方法は、DIYの経験が豊富で時間のある人なら自分でもできるプロジェクト。施工業者に依頼するほうが現実的かもしれませんが、やってみたい人には参考になる情報がたくさん見つかるはずです。
ごく薄い最新の複合フローリングは、進化したさねはぎ加工が施され、さねはぎの部分で固定できるつくりになっています。この薄いタイプは通常フローティングフロアといわれ、コルク下地の上に置くか、もとからある下床の上に直貼りできます。
多少の技術はいりますが、フローティングタイプのフローリングは施工がとても簡単。ただし、自分で取りかかる前にテーブルソーとチョップソーの使い方をマスターし、使える状態にしておきましょう。
多少の技術はいりますが、フローティングタイプのフローリングは施工がとても簡単。ただし、自分で取りかかる前にテーブルソーとチョップソーの使い方をマスターし、使える状態にしておきましょう。
丈夫で長く使えることを重視するなら、複合フローリングの方がサステナブルな選択肢。外国産のエキゾチックな樹種を考えている場合は特にそうです。例えばローズウッド(紫檀)のフローリング材に使用する外国産の木など、6ミリ厚の化粧材を上に張りさえすればぐんと長持ちします。
下の層にも応用できる、持続性を伸ばすイノベーションはたくさんあります。自分で調べて、FSCかSFIのロゴがあるものを買いましょう。
下の層にも応用できる、持続性を伸ばすイノベーションはたくさんあります。自分で調べて、FSCかSFIのロゴがあるものを買いましょう。
複合フローリングは表面材の厚みによって20年から100年もちます。最高級の複合フローリングは無垢フローリングと同じくらい長く使え、機能面でも優れています。そのため、素材をどの程度長く使いたいかは考慮すべき点になります。
質の高い、長く使える複合フローリングを使っても売却時の価格には響きませんが、安い床材を使うと価格を左右します。
質の高い、長く使える複合フローリングを使っても売却時の価格には響きませんが、安い床材を使うと価格を左右します。
最上層にあたる木の特色がつねに複合フローリングの寿命と順応性に関わってきますが、効果はやや弱くなります。それでも、ブラジルチェリーの複合フローリングは北米産のウォールナット製フローリングより長くもつもの。複合フローリングを選ぶと、コストを抑えられるうえ、より安定して応用力の高いフローリングが実現します。
複合フローリング
長所:無垢材が使えない場所でも使用できる。長く使える場合が多い。無垢材より価格が手頃。
短所:価格が安い製品の場合、耐久性が低い。安価なものには注意が必要。
適した場所:無垢フローリングを入れる場所ならどこでも可。地上フロア、地下フロアを問わない。
こちらもあわせて
肌に心地よく、目にも楽しめる、最適なフローリング材を選ぼう
ディテールにこだわる家づくり:フローリングの模様編
教えてHouzz
無垢材と複合フローリング材、どちらを使ってみたいですか?
複合フローリング
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短所:価格が安い製品の場合、耐久性が低い。安価なものには注意が必要。
適した場所:無垢フローリングを入れる場所ならどこでも可。地上フロア、地下フロアを問わない。
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