世界に広がる日本の伝統的外装材「焼杉」の魅力
杉の表面を炭化させる日本の伝統的外壁材「焼杉」。耐久性・耐候性の高さとインパクトのある色と質感に、欧米からの人気も高い外装材です。

Michelle Jeresek
2015年6月10日
「焼杉(やきすぎ)」とは、杉板の表面を焼いてつくる、日本の伝統的外装材です。炭化の効果によって、耐候性と耐久性がアップ。メンテナンスの手間もかからず、耐火性が高く、腐食や虫食いにも強いうえ、80年以上も使える素材です。こうした機能性の高さに加えて、深みのある黒い炭色や独特の質感が人気を呼び、今や日本の伝統的な住宅にとどまらず、世界各地のデザイン住宅で使われています。
焼杉はインパクトの強い外装材。だから、シンプルなフォルムに似合いますし、ダーク色と独自の質感がデザインの主役になります。写真の住宅は、焼杉が家の美しいフォルムを一層際立たせています。
上の写真の住宅は、カンザス大学建築大学院の学生たちが運営するNPO〈Studio 804〉 が手がけたもの。このNPOは、イノベーションにあふれる建築を実践するために設立されました。学生たちは、新しい工夫と発想にあふれるサステナビルな住宅を、手頃な価格で、毎年1作品ずつ実作しています。
上の写真の住宅は、カンザス大学建築大学院の学生たちが運営するNPO〈Studio 804〉 が手がけたもの。このNPOは、イノベーションにあふれる建築を実践するために設立されました。学生たちは、新しい工夫と発想にあふれるサステナビルな住宅を、手頃な価格で、毎年1作品ずつ実作しています。
こちらのオフィスは、元は裏庭に立つ平凡な小屋でした。改装を手がけた〈THOUGHTBARN〉は、コンパクトなフォルムのアクセントとして焼杉を効果的に使っています。焼杉のサイディングの上方には、明るいポリカーボネートのシートを張り、屋根はバタフライ型に。小屋のサイディングとフェンスに使った焼杉板の素材はベイスギです。
インパクトのある焼杉は世界的に注目を集めており、焼杉製法は杉以外の木材にも応用されています。どんな木材でも炭化させることはできますが、仕上がりの印象はさまざまです。日本の杉のようなソフトウッド(柔らかい木材)は、木目がはっきり見えますし、凹凸のある質感に仕上がりますが、ハードウッドの場合は、全体が均一に黒い仕上がりになります。
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