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「キッチンの顔」バックスプラッシュの選び方
キッチンにおいて、水はねや油はねをガードする後ろ側の壁「バックスプラッシュ」。デザインや使い勝手の観点から、位置や範囲、素材や色のバリエーションを解説します。

ブラッキン・ヘザー
2015年6月18日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
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「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
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キッチンのプランニングの際、レイアウトはもちろん、設備のことや、キャビネットやカウンターの素材や色も慎重に選びたいですね。そしてもうひとつこだわりたいのが、コンロやシンクの後ろの壁、「バックスプラッシュ」です(スプラッシュバックと呼ばれることも)。
ここは水や油が「スプラッシュ」する、つまり、跳ねて汚れやすい場所。でもそれだけではありません。かなり目立つ場所でもあり、特にオープンキッチンでは「キッチンの顔」とも呼べるほど全体の表情を大きく変える、キッチンデザインにおける重要な部分でもあります。
ここは水や油が「スプラッシュ」する、つまり、跳ねて汚れやすい場所。でもそれだけではありません。かなり目立つ場所でもあり、特にオープンキッチンでは「キッチンの顔」とも呼べるほど全体の表情を大きく変える、キッチンデザインにおける重要な部分でもあります。
バックスプラッシュとは、キッチンのシーンをつくり上げる「背景」ともいえるかもしれません。そして時には背景にとどまらず、強い印象を与えるフォーカルポイントになることも。今回は、そんな素敵なバックスプラッシュをご紹介します。
まずは、どこからどこまでをバックスプラッシュにするか考えてみましょう。
まずは、どこからどこまでをバックスプラッシュにするか考えてみましょう。
カウンターから吊り戸棚の下までのバックスプラッシュ
最も多く見られるバックスプラッシュは、カウンターの上から吊り戸棚や換気扇の下の部分一面に、タイルやパネルを貼るタイプ。機能的でもあり、キッチンのちょっとしたアクセントにもなります。
こちらのバックスプラッシュは一枚のパネル。モダンですっきりしているのがパネルタイプの特徴です。コンテンポラリースタイルに対照的なファームハウスシンク、そしてオレンジ色のレトロスタイルの冷蔵庫といったディテールの特徴も際立ったキッチンです。
最も多く見られるバックスプラッシュは、カウンターの上から吊り戸棚や換気扇の下の部分一面に、タイルやパネルを貼るタイプ。機能的でもあり、キッチンのちょっとしたアクセントにもなります。
こちらのバックスプラッシュは一枚のパネル。モダンですっきりしているのがパネルタイプの特徴です。コンテンポラリースタイルに対照的なファームハウスシンク、そしてオレンジ色のレトロスタイルの冷蔵庫といったディテールの特徴も際立ったキッチンです。
バックスプラッシュの上にオープン棚を一枚取り付ければ、こだわりのキッチン用品や食器のディスプレイ兼収納になり、さらに自分らしさを表現することができます。黄色の壁と、淡い緑のモザイクタイルのバックスプラッシュの色合いが優しいハーモニーのキッチンです。
こちらのバックスプラッシュは、カウンターと同じストーンを使っている例。シンプルに、かつ一体感を出したいときにおすすめのスタイルです。
天井まで壁一面に
シンクやコンロまわりなど、汚れやすい場所だけではなく、壁全体にタイルを貼るケースも。ここまでの範囲に貼ると、かなりインパクトの強いアクセントウォールにもなります。深みのある落ち着いたブルーのモザイクタイルと、自然な風合いのウッドキャビネットの組み合わせがとても素敵ですね。
シンクやコンロまわりなど、汚れやすい場所だけではなく、壁全体にタイルを貼るケースも。ここまでの範囲に貼ると、かなりインパクトの強いアクセントウォールにもなります。深みのある落ち着いたブルーのモザイクタイルと、自然な風合いのウッドキャビネットの組み合わせがとても素敵ですね。
必要な場所だけ
最小限、必要な部分だけを保護する簡単バックスプラッシュです。カウンターのすぐ上の、一番汚れやすい部分だけに貼られたカラータイルが、とてもチャーミング。
最小限、必要な部分だけを保護する簡単バックスプラッシュです。カウンターのすぐ上の、一番汚れやすい部分だけに貼られたカラータイルが、とてもチャーミング。
コンロとカウンターの後ろの小さな面積にちょこっと入れたモザイクタイルのバックスプラッシュが、このコンパクトなキッチンの可愛らしいアクセントになっています。
こちらも部分的なバックスプラッシュの一例。コンロの裏側だけをカウンターと同じストーンで統一しています。
次に、さまざまなバックスプラッシュの扱い方をご紹介します。
次に、さまざまなバックスプラッシュの扱い方をご紹介します。
シンプルな白でさりげないアクセントに
一番の人気は真っ白なバックスプラッシュかもしれません。明るく清潔感があって、さりげないキッチンの背景としては最も使いやすい色です。しかし、白といっても素材によって表情も大きく変わってきます。同じ白いタイルでもマットタイプや光沢のあるグロスタイプで違いますし、タイルのレイアウト、目地の色で特徴をもたせることも可能です。
こちらのキッチンでは、落ち着いたマットな質感のタイルが食器や調理道具の個性的な背景に。目地の色を濃くしていることで、互い違いに並べられた白いタイルがひとつひとつ強調され、動きを感じるパターンをつくり上げています。
一番の人気は真っ白なバックスプラッシュかもしれません。明るく清潔感があって、さりげないキッチンの背景としては最も使いやすい色です。しかし、白といっても素材によって表情も大きく変わってきます。同じ白いタイルでもマットタイプや光沢のあるグロスタイプで違いますし、タイルのレイアウト、目地の色で特徴をもたせることも可能です。
こちらのキッチンでは、落ち着いたマットな質感のタイルが食器や調理道具の個性的な背景に。目地の色を濃くしていることで、互い違いに並べられた白いタイルがひとつひとつ強調され、動きを感じるパターンをつくり上げています。
反対にグロスタイプのタイルは光を反射させ、それによって空間をより明るく、そして広く感じさせてくれる効果があります。
無難と思いがちな白ですが、このように並べ方や質感のことを考えながら、十分に個性を出すこともできるのです。また、ちょっとポイント的に何かを加えたいと思った時には、ボーダーを入れてみてはいかがでしょう。こちらのキッチンではキャビネットと似た濃い色のボーダーをつけたことで、全体がキュッと引き締まったように感じられます。
無難と思いがちな白ですが、このように並べ方や質感のことを考えながら、十分に個性を出すこともできるのです。また、ちょっとポイント的に何かを加えたいと思った時には、ボーダーを入れてみてはいかがでしょう。こちらのキッチンではキャビネットと似た濃い色のボーダーをつけたことで、全体がキュッと引き締まったように感じられます。
真っ白でも、レリーフが入っていたり、質感のあるタイルもキッチンの表情を大きく変えます。さりげないレリーフタイルがこちらのキッチンのエレガントなアクセントになっていますね。
海外では大理石など、天然石を使ったバックスプラッシュもよく見られます。とくにマーブルはスケール感のあるデザインが特徴で高級感もあり、人気のある素材のひとつです。クラシックなイメージを持つマーブルですが、あえてモダンなキッチンで使うことで、ユニークな模様がさらに強調されています。
印象的なフォーカルポイントをつくる
オープンキッチンではどうしてもキッチンの奥の壁が目立ってしまうことが多いのではないでしょうか。ここを「見せる」ことを意識し、あえてインパクトのあるフォーカルポイントにしてみてはいかがでしょう。
このキッチンでは、深みのあるグリーンのタイルがまさにインパクトの強いフォーカルポイントになっています。同時に、どこかホッとさせてくれるようなナチュラルな風合いのあるキッチンですね。
オープンキッチンではどうしてもキッチンの奥の壁が目立ってしまうことが多いのではないでしょうか。ここを「見せる」ことを意識し、あえてインパクトのあるフォーカルポイントにしてみてはいかがでしょう。
このキッチンでは、深みのあるグリーンのタイルがまさにインパクトの強いフォーカルポイントになっています。同時に、どこかホッとさせてくれるようなナチュラルな風合いのあるキッチンですね。
衝撃的とも言える真っ赤なバックスプラッシュ! ひんやりとクールな質感のステンレスのキャビネットと、温かみというよりも火のような熱さが感じられる真っ赤なタイルのコントラストがなんとも言えず印象的です。ホットとクールのバランスが素晴らしいキッチンです。
ヴィヴィッドな黄色のバックスプラッシュは、シンプルモダンなキッチンにちょっとしたスパイスを加える存在。こちらもやはり、ひんやりしたクールなキッチンに鮮やかなアクセントカラーが温かみを加えています。
さりげないアクセントに
フォーカルポイントはインパクトが強いものでなければいけないとは限りません。ここでは真っ白なキッチンの中、互い違いに貼られたグレーのタイルが、洗練された、静かなアクセントになっています。
フォーカルポイントはインパクトが強いものでなければいけないとは限りません。ここでは真っ白なキッチンの中、互い違いに貼られたグレーのタイルが、洗練された、静かなアクセントになっています。
タイルでパターンを楽しむ
次に、同系色、または異なった色のタイルを組み合わせた「動き」のあるバックスプラッシュを見てみましょう。
ブルーのグラデーションをランダムに並べて貼ったバックスプラッシュは、まるで海の表面のように、光の反射でキラキラと輝いています。
次に、同系色、または異なった色のタイルを組み合わせた「動き」のあるバックスプラッシュを見てみましょう。
ブルーのグラデーションをランダムに並べて貼ったバックスプラッシュは、まるで海の表面のように、光の反射でキラキラと輝いています。
好きなタイルや色があれば、まず最初にバックスプラッシュを決めてからカウンターや家具を決めていくのもひとつのやり方です。
「今日はこのネックレスを」とアクセサリーを決めてから、それを引き立てる洋服を選ぶのと同じですね。バックスプラッシュをキッチンの「ジュエリー」として考えてもよいのではないでしょうか。このオレンジとレッドのモザイクタイルのバックスプラッシュを見て、そう思いました。
「今日はこのネックレスを」とアクセサリーを決めてから、それを引き立てる洋服を選ぶのと同じですね。バックスプラッシュをキッチンの「ジュエリー」として考えてもよいのではないでしょうか。このオレンジとレッドのモザイクタイルのバックスプラッシュを見て、そう思いました。
キャビネットの色とコーディネートされたデザインタイルのバックスプラッシュ。イギリスのコテージ風の温もりあふれるキッチンです。
こちらはとても特徴のある、一枚一枚違ったデザインのタイルをパッチワークのように並べたバックスプラッシュ。スペインやモロッコでつくられる、カラフルなタイルのひとつの楽しみ方です。
ステンレスのバックスプラッシュ
シンプルでモダン、そしてお手入れがしやすいのが、ステンレスのバックスプラッシュ。業務用キッチンでよく使われているため、ややハードで冷たいイメージがありますが、このようにストーンのカウンターや優しい風合いのウッドキャビネットと組み合わせれば、まったく違った、温かみのあるキッチンになります。
シンプルでモダン、そしてお手入れがしやすいのが、ステンレスのバックスプラッシュ。業務用キッチンでよく使われているため、ややハードで冷たいイメージがありますが、このようにストーンのカウンターや優しい風合いのウッドキャビネットと組み合わせれば、まったく違った、温かみのあるキッチンになります。
天然素材を活かすナチュラルスタイル
最後に、わが家もそうですが、あえてタイルやパネルを貼らない「そのまま」のイメージのバックスプラッシュも人気があるようです。建売だったわが家では、すでにあったパネル式のバックスプラッシュの上からそのままレンガタイルを貼り、汚れが拭き取りやすいグロスの白いペンキで塗りました。誰にでもできる簡単DIYですよ。
こちらはコンクリートブロックを白く塗った壁。自然な質感ならではの優しい風合いにあふれたキッチンです。
最後に、わが家もそうですが、あえてタイルやパネルを貼らない「そのまま」のイメージのバックスプラッシュも人気があるようです。建売だったわが家では、すでにあったパネル式のバックスプラッシュの上からそのままレンガタイルを貼り、汚れが拭き取りやすいグロスの白いペンキで塗りました。誰にでもできる簡単DIYですよ。
こちらはコンクリートブロックを白く塗った壁。自然な質感ならではの優しい風合いにあふれたキッチンです。
レンガをそのままむき出しにしても素敵です。業務用のガスレンジや換気扇と組み合わせても格好良いですね。
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