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山田守自邸に学ぶ、モダニズム住宅の特徴とは?
日本の近代を代表する建築家のひとりである、山田守。2017年に没後50年を記念して公開された自邸の見どころをご紹介。
Junko Kawakami
2017年4月21日
Freelance since 1999.
東京都港区南青山、表参道の駅からほど近い場所に、日本のモダニズム建築家、山田守(1894年-1966年)の自邸がある。普段は1階はカフェ、2階は貸ギャラリーとして営業している建物だが、2017年春、没後50年を記念する展覧会「建築家・山田守の住宅~没後50周年自邸公開~」が開催され、公開された。この展覧会を企画した建築史家で東京工業大学名誉教授の藤岡洋保先生に、山田守自邸の見どころを案内していただいた。
山田守は1894年に岐阜県に生まれ、東京帝国大学で建築を学んだ。同級生の堀口捨己らとともに「分離派建築会」を立ち上げ、建築の芸術性を目指す一方、逓信省営繕課に入省し、電信電話局を数多く手がけたのち、独立して数多くの公共建築を手がけた。主な作品に《東京中央電信局》(1926年、現存せず)《聖橋》《旧東京厚生年金病院》(1953年、現存せず)《長沢浄水場》(1959年)などがあり、日本における重要なモダニズム建築家のひとりである。
山田守は1894年に岐阜県に生まれ、東京帝国大学で建築を学んだ。同級生の堀口捨己らとともに「分離派建築会」を立ち上げ、建築の芸術性を目指す一方、逓信省営繕課に入省し、電信電話局を数多く手がけたのち、独立して数多くの公共建築を手がけた。主な作品に《東京中央電信局》(1926年、現存せず)《聖橋》《旧東京厚生年金病院》(1953年、現存せず)《長沢浄水場》(1959年)などがあり、日本における重要なモダニズム建築家のひとりである。
写真:東海大学所蔵
山田守の住宅に見られるモダニズムとは?
そもそも建築におけるモダニズムとはどのようなものだろうか。「合理主義を基盤として、抽象的な直線や平面のコンポジションをよしとする建築といえます」と藤岡先生は話す。
「合理主義は理に合うことをよしとする、理性重視の考え方です。理性を働かせれば、うわべの多様性の裏に潜むと考えられる真実を把握できるという思想で、本質的、普遍的なものを重視します。それを建築に向けると、建築は一品生産で極めて多様ともいえますが、合理主義的建築観では、その建築を成り立たせるための必須の要素、普遍的要素があると考えます。その要素を抽出して、それだけで建築を再構成すれば、建築の必須の要素を必ず含むことになりますから、どこに建てても、いつの時代でも有効な建築になるはずだ、というわけです。」
山田守の住宅に見られるモダニズムとは?
そもそも建築におけるモダニズムとはどのようなものだろうか。「合理主義を基盤として、抽象的な直線や平面のコンポジションをよしとする建築といえます」と藤岡先生は話す。
「合理主義は理に合うことをよしとする、理性重視の考え方です。理性を働かせれば、うわべの多様性の裏に潜むと考えられる真実を把握できるという思想で、本質的、普遍的なものを重視します。それを建築に向けると、建築は一品生産で極めて多様ともいえますが、合理主義的建築観では、その建築を成り立たせるための必須の要素、普遍的要素があると考えます。その要素を抽出して、それだけで建築を再構成すれば、建築の必須の要素を必ず含むことになりますから、どこに建てても、いつの時代でも有効な建築になるはずだ、というわけです。」
写真:東海大学所蔵
《山田守自邸》
所在地:東京都港区
住まい手:山田守(竣工当時65歳)、妻、息子4人のうち1人
敷地面積:382㎡
延床面積:約256㎡
構造:鉄筋コンクリート構造
用途:住宅兼事務所
設計:山田守
施工:大木建設
竣工年:1959年
では、モダニズムの特徴は、山田守の自邸にはどのように表れているのだろうか? 竣工当時(1959年)の写真を見てみよう。
「モダニズムの建築は、本質的な要素、必須の要素だけで構成することをよしとしますから、装飾のような付加物は排除すべきものになります。この建物も柱や梁など、必須の要素を中心に組み立てられています。抽象的な要素の構成をよしとする美学を採用しているので、シンプルな面と線の構成でできています。ただし、注目すべきは、自由曲面や曲線をとりいれていることで、それが彼の建築の大きな特徴のひとつです。」と藤岡先生。「モダニズム建築ですが、自由曲線を組み込んでいます。モダニズムの教義に自分の好みを重ねているわけです。」
《山田守自邸》
所在地:東京都港区
住まい手:山田守(竣工当時65歳)、妻、息子4人のうち1人
敷地面積:382㎡
延床面積:約256㎡
構造:鉄筋コンクリート構造
用途:住宅兼事務所
設計:山田守
施工:大木建設
竣工年:1959年
では、モダニズムの特徴は、山田守の自邸にはどのように表れているのだろうか? 竣工当時(1959年)の写真を見てみよう。
「モダニズムの建築は、本質的な要素、必須の要素だけで構成することをよしとしますから、装飾のような付加物は排除すべきものになります。この建物も柱や梁など、必須の要素を中心に組み立てられています。抽象的な要素の構成をよしとする美学を採用しているので、シンプルな面と線の構成でできています。ただし、注目すべきは、自由曲面や曲線をとりいれていることで、それが彼の建築の大きな特徴のひとつです。」と藤岡先生。「モダニズム建築ですが、自由曲線を組み込んでいます。モダニズムの教義に自分の好みを重ねているわけです。」
写真:東海大学所蔵
「軽快さも山田の建築の特徴です。それはまず、薄い軒を張り出すことに見られます。この建物が竣工した時には1階はピロティ(独立柱)が並び(今はカフェが増築されています)、3階の南側はオープンテラスでした。3階のテラスの上に陸屋根があり、その端が大きく張り出した、薄い庇になっています。その中央に細い鉄骨の柱があり、それが大きな屋根を軽々と支えているかのように見えます。また、居住スペースの多くは2階にあり、それが1階の複数の独立柱で持ち上げられています。1階南側の中央に細い鉄骨の独立柱が見えます。その細い柱が、3階の鉄骨柱と同様、その上の主階を軽々と支えているかのように見えるので、見た目の重さが消えます。浮いたように見えるので、軽快な感じが出るのです。建築においては、本当にどうであるかよりも、どう見えるかが大事なのです。このようなレトリックを施すことによって、軽快さ、伸びやかさが感じられます。」
「軽快さも山田の建築の特徴です。それはまず、薄い軒を張り出すことに見られます。この建物が竣工した時には1階はピロティ(独立柱)が並び(今はカフェが増築されています)、3階の南側はオープンテラスでした。3階のテラスの上に陸屋根があり、その端が大きく張り出した、薄い庇になっています。その中央に細い鉄骨の柱があり、それが大きな屋根を軽々と支えているかのように見えます。また、居住スペースの多くは2階にあり、それが1階の複数の独立柱で持ち上げられています。1階南側の中央に細い鉄骨の独立柱が見えます。その細い柱が、3階の鉄骨柱と同様、その上の主階を軽々と支えているかのように見えるので、見た目の重さが消えます。浮いたように見えるので、軽快な感じが出るのです。建築においては、本当にどうであるかよりも、どう見えるかが大事なのです。このようなレトリックを施すことによって、軽快さ、伸びやかさが感じられます。」
平面図:東京家政学院大学 大宮司勝弘
プライベートとパブリックを分ける
この家は当初から自宅兼事務所として計画された。当時山田の事務所は港区内にあり、この家のアトリエや事務所は分室のように使われていた。平面図の赤い部分が家族が住むプライベートな空間、青い部分(1階と3階)はアトリエと事務所があるパブリックな空間だ。各階へは外付けの螺旋階段でアクセスするため、パブリックとプライベートが入り交じることがないし、階段のために使う床面積を抑えられる利点もある。
さて、モダニズムの建築家の自邸だが、主要なリビング空間は二間続きの和室である。「平面図だけを見ると、あたかも、戦前からある二間続きの普通の和風住宅のようです。でもこの階の面積を考えると、また窮屈な感じを避けるためには、これが現実的な選択だったといえますし、彼のセンスを駆使して、すばらしい部屋に仕立て上げています。そのディテールにはさまざまな工夫がしてあります」と藤岡先生。
プライベートとパブリックを分ける
この家は当初から自宅兼事務所として計画された。当時山田の事務所は港区内にあり、この家のアトリエや事務所は分室のように使われていた。平面図の赤い部分が家族が住むプライベートな空間、青い部分(1階と3階)はアトリエと事務所があるパブリックな空間だ。各階へは外付けの螺旋階段でアクセスするため、パブリックとプライベートが入り交じることがないし、階段のために使う床面積を抑えられる利点もある。
さて、モダニズムの建築家の自邸だが、主要なリビング空間は二間続きの和室である。「平面図だけを見ると、あたかも、戦前からある二間続きの普通の和風住宅のようです。でもこの階の面積を考えると、また窮屈な感じを避けるためには、これが現実的な選択だったといえますし、彼のセンスを駆使して、すばらしい部屋に仕立て上げています。そのディテールにはさまざまな工夫がしてあります」と藤岡先生。
写真:山田新治郎
細い線で見せる軽快さ
リビングに入ると感じるのが、鉄筋コンクリート構造とは思えない、空間の軽快さだ。
「この建物は鉄筋コンクリートのラーメン構造(柱・梁で構成された構造形式)ですが、この和室ではその柱を見せないように工夫しています。庭側の開口を大きくとるために二間の和室の両端の壁の中に柱が隠されており、その上に鉄筋コンクリート造の梁がありますが、そのスパンが8.4mあるので、梁が大きくなってしまい、縁側との境の上の壁をふさいでしまいます、それを避けるために、梁の荷重の一部を負担するために、その間に細い柱を入れています。縁側境に見える独立柱です。木の細い柱のように見えますが、実はその中に鉄骨が仕込んであります、さきほど紹介した1階と3階の鉄骨の独立柱と同じものです。その四方を薄い木の板で囲って、あたかも木造のように見せているのです。」と藤岡先生。
細い線で見せる軽快さ
リビングに入ると感じるのが、鉄筋コンクリート構造とは思えない、空間の軽快さだ。
「この建物は鉄筋コンクリートのラーメン構造(柱・梁で構成された構造形式)ですが、この和室ではその柱を見せないように工夫しています。庭側の開口を大きくとるために二間の和室の両端の壁の中に柱が隠されており、その上に鉄筋コンクリート造の梁がありますが、そのスパンが8.4mあるので、梁が大きくなってしまい、縁側との境の上の壁をふさいでしまいます、それを避けるために、梁の荷重の一部を負担するために、その間に細い柱を入れています。縁側境に見える独立柱です。木の細い柱のように見えますが、実はその中に鉄骨が仕込んであります、さきほど紹介した1階と3階の鉄骨の独立柱と同じものです。その四方を薄い木の板で囲って、あたかも木造のように見せているのです。」と藤岡先生。
写真:藤岡洋保
「10畳と8畳の間の鴨居が空中を飛んでいるように見えますが、その高さが35mmしかないので、そのままだと垂れてくるので、鉄筋でそれを吊っています。このような処理をする時に、障子を両側に入れて、それが重なるところにピアノ線を仕込んで、それで鴨居を吊ることが多いのですが、ここでは天井が連続して見えるようにするために、障子ではなく、透明のアクリル板を入れているので、その手が使えません。そこで鉄筋で吊って、それを漆塗りの金属パイプで隠しています。」と藤岡先生。
また、逆梁(梁の下に床スラブを配するやり方)を採用し、その下の階の天井にするなど、無駄を省いた、合理的な構造にしている。山田は、けっして恣意的にデザインしているのではなく、合理性に配慮した、無駄のない設計を心がけていたのである。
「10畳と8畳の間の鴨居が空中を飛んでいるように見えますが、その高さが35mmしかないので、そのままだと垂れてくるので、鉄筋でそれを吊っています。このような処理をする時に、障子を両側に入れて、それが重なるところにピアノ線を仕込んで、それで鴨居を吊ることが多いのですが、ここでは天井が連続して見えるようにするために、障子ではなく、透明のアクリル板を入れているので、その手が使えません。そこで鉄筋で吊って、それを漆塗りの金属パイプで隠しています。」と藤岡先生。
また、逆梁(梁の下に床スラブを配するやり方)を採用し、その下の階の天井にするなど、無駄を省いた、合理的な構造にしている。山田は、けっして恣意的にデザインしているのではなく、合理性に配慮した、無駄のない設計を心がけていたのである。
写真:大宮司勝弘
細いラインへのこだわりは他のところにも見られる。
「この建物の和室に使われている畳は、片方の縁をなくし(片方だけ琉球畳のようにして)、『同じ幅の黒い直線によるコンポジション』として床をデザインしています。幾何学的なな構成で、床の物質性をディヒューズしようとしているともいえましょう。」
そうした細やかな工夫を見てもらうために、今回の展覧会では、会場のあちこちに建築図面が置かれている。「現寸の図面を数多く描いている点からも、山田のこの住宅の細部へのこだわりと思い入れがよくわかります」と藤岡先生。
細いラインへのこだわりは他のところにも見られる。
「この建物の和室に使われている畳は、片方の縁をなくし(片方だけ琉球畳のようにして)、『同じ幅の黒い直線によるコンポジション』として床をデザインしています。幾何学的なな構成で、床の物質性をディヒューズしようとしているともいえましょう。」
そうした細やかな工夫を見てもらうために、今回の展覧会では、会場のあちこちに建築図面が置かれている。「現寸の図面を数多く描いている点からも、山田のこの住宅の細部へのこだわりと思い入れがよくわかります」と藤岡先生。
写真:藤岡洋保
敷地と庭とリビング空間の関係
また、2階のリビング空間と庭との関係性も、開放感をつくりだす鍵となっている。
「メインの居住空間を2階にして開放感を出したのも、非常に理にかなっています。というのも、道路に面していて、隣地がない南西側と南東側に庭をとっているので、より拡がりが感じられます」と藤岡先生。
敷地と庭とリビング空間の関係
また、2階のリビング空間と庭との関係性も、開放感をつくりだす鍵となっている。
「メインの居住空間を2階にして開放感を出したのも、非常に理にかなっています。というのも、道路に面していて、隣地がない南西側と南東側に庭をとっているので、より拡がりが感じられます」と藤岡先生。
写真:東海大学所蔵
「なお、敷地は、もともと平坦で、道路から1mぐらい高くなっていたそうですが、靑山学院側の道路と同じレベルに揃えつつ、東側の隣地の高さに合わせるために、北西側の土をとって南側に盛土して、敷地全体を南東側が高くなるように盛土し、南側を庭にしています。それによって、門から入ったときに、1階の独立柱ごしに庭が望めるように、つまり南に空間が抜けていくようにしているのも見どころです。そうすることによって、2階の居住スペースから庭をより間近に感じられるようにしているわけです。」
写真は竣工時の庭の写真。左側のピロティは後に居室(現在はカフェ)となり、現在は庭には木が生い茂っている。
「なお、敷地は、もともと平坦で、道路から1mぐらい高くなっていたそうですが、靑山学院側の道路と同じレベルに揃えつつ、東側の隣地の高さに合わせるために、北西側の土をとって南側に盛土して、敷地全体を南東側が高くなるように盛土し、南側を庭にしています。それによって、門から入ったときに、1階の独立柱ごしに庭が望めるように、つまり南に空間が抜けていくようにしているのも見どころです。そうすることによって、2階の居住スペースから庭をより間近に感じられるようにしているわけです。」
写真は竣工時の庭の写真。左側のピロティは後に居室(現在はカフェ)となり、現在は庭には木が生い茂っている。
写真:藤岡洋保
ディテールの巧みさ
再び室内に戻ろう。山田のデザインの特徴である曲面や曲線は、ディテールの各所で使われている。ある欄間の小壁に設けられた窓は、自由曲線に竹の斜め格子を入れたデザインだ。
「設計図とは形が違っていますが、自由曲線なので、どれが最善かを決めにくいので、たくさんスケッチを描いて、その中から選んだ形だそうです。」と藤岡先生。
ディテールの巧みさ
再び室内に戻ろう。山田のデザインの特徴である曲面や曲線は、ディテールの各所で使われている。ある欄間の小壁に設けられた窓は、自由曲線に竹の斜め格子を入れたデザインだ。
「設計図とは形が違っていますが、自由曲線なので、どれが最善かを決めにくいので、たくさんスケッチを描いて、その中から選んだ形だそうです。」と藤岡先生。
写真:藤岡洋保
螺旋階段の上部のプリズムガラスを使ったデザインも目を引く。「これは、山田が好んで使った手法です。明かりとりにもなりますし、規則的に複数配置することでデザインの要素として使える。のっぺりした壁にアクセントがつけられるのです」と藤岡先生。
螺旋階段の上部のプリズムガラスを使ったデザインも目を引く。「これは、山田が好んで使った手法です。明かりとりにもなりますし、規則的に複数配置することでデザインの要素として使える。のっぺりした壁にアクセントがつけられるのです」と藤岡先生。
写真:東海大学所蔵
機能的な住宅
さて、1959年といえば、まだエアコンなどの空調は一般家庭には普及していない時代である。となれば、室温管理には通風が非常に重要になる。写真は竣工時の南側の開口だが、すべてスチールサッシの引違いとなっており、広く開け放つことができるようになっていた。
機能的な住宅
さて、1959年といえば、まだエアコンなどの空調は一般家庭には普及していない時代である。となれば、室温管理には通風が非常に重要になる。写真は竣工時の南側の開口だが、すべてスチールサッシの引違いとなっており、広く開け放つことができるようになっていた。
写真:藤岡洋保
また、家の各所にある掃き出し窓により、屋内の風の流れを促している。
一方、キッチンやユーティリティーでは、シンクにディスポーザーをつけたり、壁に収納できるアイロン台を設置するなど、当時としては最新の設備も加えていた。
「コンパクトで機能的なキッチンやアイロン台には、フランクフルト・アム・マインの低所得者向けの工営集合住宅のために、マルガレーテ・シュッテ=リホツキーが1926年に設計した《フランクフルター・キュッへ(フランクフルト・キッチン)》の影響があると思います。山田は1929年に欧米に官費留学しており、近代建築家国際会議(CIAM)に出席するためフランクフルトに行っているので、実物を見ていたことでしょう。山田の建築は、曲面を多用するその美学に目が行きがちですが、機能面でもさまざまな工夫をしていました。美と機能を見事に融合させた建築をつくりだしたことは、もっと見直されていいと思います」と藤岡先生は語った。
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