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「広く・高く」の要望に機能面でも応えた、吹き抜けとセカンドリビングがある家
外部に対しては閉じながら、内部には吹き抜け、スキップフロア、回遊動線のある、開放的で快適な住まいです。
Houzz Japan
2022年10月21日
Houzz Japan 公式アカウント
国内外を問わず異動の可能性がある、多忙なオーナー夫妻が、家づくりを検討し始めたのが、子どもの就学期が近づいてきた頃のことでした。「この先、別の場所で暮らすことがあったとしても、帰る場所があり、そこが子どもたちの心の拠り所になるような場所になるといい」との考えからでした。
暮らしやすいと思える土地を探すのに3年ほどかかり、ネットで土地を探している時、近所にシーズ・アーキスタディオという設計事務所があるのを見つけました。ホームページで同社の施工事例を見たところ、快適さにこだわっている点、デザインの方向性などが好みにマッチしていたので、家づくりを依頼しました。
暮らしやすいと思える土地を探すのに3年ほどかかり、ネットで土地を探している時、近所にシーズ・アーキスタディオという設計事務所があるのを見つけました。ホームページで同社の施工事例を見たところ、快適さにこだわっている点、デザインの方向性などが好みにマッチしていたので、家づくりを依頼しました。
どんなHouzz ?
住まい手:30代夫婦、長女、次女
所在地:東京都世田谷区
構造:木造3階建て
敷地面積:130.89平方メートル
延床面積:161.34平方メートル
設計: シーズ・アーキスタディオ(白崎泰弘、白崎治代)
施工:内田産業
竣工:2021年12月
土地探しでオーナー夫妻が最も重視したのは、駅から近いことでした。年齢を重ねても楽に生活でき、利便性が良い世田谷区の土地を選びました。家の外壁は、左官仕事の上にジョリパットの吹き付けとガルバリウム鋼板を組み合わせており、モダンな印象です。
「駅から近いと便利ですが、家の前を多くの人が行き来します。そのため防犯計画を考慮しながら、家族の帰宅時には安らぎを感じられるように考えました」とシーズ・アーキスタディオの白崎泰弘さんは話します。
玄関ポーチの正面の壁が、ご家族の出入りを目隠しします。また、敷地と公道の境界には、頑丈なコンクリートの門柱を建てました。目の前の道路が敷地に沿ってクランク状に曲がっているので、通行人に敷地内を横切られないようにするための対策です。この門柱のおかげで、家の前を通る自動車が減速するようになったそうです。
住まい手:30代夫婦、長女、次女
所在地:東京都世田谷区
構造:木造3階建て
敷地面積:130.89平方メートル
延床面積:161.34平方メートル
設計: シーズ・アーキスタディオ(白崎泰弘、白崎治代)
施工:内田産業
竣工:2021年12月
土地探しでオーナー夫妻が最も重視したのは、駅から近いことでした。年齢を重ねても楽に生活でき、利便性が良い世田谷区の土地を選びました。家の外壁は、左官仕事の上にジョリパットの吹き付けとガルバリウム鋼板を組み合わせており、モダンな印象です。
「駅から近いと便利ですが、家の前を多くの人が行き来します。そのため防犯計画を考慮しながら、家族の帰宅時には安らぎを感じられるように考えました」とシーズ・アーキスタディオの白崎泰弘さんは話します。
玄関ポーチの正面の壁が、ご家族の出入りを目隠しします。また、敷地と公道の境界には、頑丈なコンクリートの門柱を建てました。目の前の道路が敷地に沿ってクランク状に曲がっているので、通行人に敷地内を横切られないようにするための対策です。この門柱のおかげで、家の前を通る自動車が減速するようになったそうです。
夕暮れ時、家の内外に明かりがともると、建物の周囲にも温かな光がふわりと広がります。「仕事を終えて最寄り駅から家路につくと、我が家にやさしい明かりがついていてほっとします。とても素敵だなと思いながら、毎日家に帰っています」とオーナーは頬を緩めます。
家を包み込むように明かりがともると周囲も明るくなり、地域に暮らす人びとにも安心感を与えています。「足元が照らされるようになり、安心感が増した」と、ご近所の皆さんから言われることもあるそうです。
家を包み込むように明かりがともると周囲も明るくなり、地域に暮らす人びとにも安心感を与えています。「足元が照らされるようになり、安心感が増した」と、ご近所の皆さんから言われることもあるそうです。
玄関ポーチは駐輪スペースを兼ねています。雨の日に自転車にカバーを掛ける必要がなくなり、雨上がりには傘を乾かす場所としても使えるので便利だとご家族は喜ばれています。
場所柄、建物の前を往来する人が多いため、私有物を見せたくなかったので、広めの玄関ポーチの半分を内部下し、駐輪スペースを確保しました。
玄関ポーチの事例写真をもっと見る
場所柄、建物の前を往来する人が多いため、私有物を見せたくなかったので、広めの玄関ポーチの半分を内部下し、駐輪スペースを確保しました。
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玄関の右手が、小上がりの和室です。玄関土間と和室の段差はベンチのようになっていて、玄関から直接和室に入ることもできます。左の白い扉は、ウォークインクローゼットへと通じます。
「共働きのご夫妻ですから、家事が楽な動線を念頭に置き、家の中心に据えた階段を軸に、回遊できるプランを立てました」と話すのは、シーズ・アーキスタディオを夫の泰弘さんと共同運営する白崎治代さんです。
「共働きのご夫妻ですから、家事が楽な動線を念頭に置き、家の中心に据えた階段を軸に、回遊できるプランを立てました」と話すのは、シーズ・アーキスタディオを夫の泰弘さんと共同運営する白崎治代さんです。
和室の壁の向こう側には、トイレ、洗面室、浴室、ランドリールーム、主寝室、ウォークインクローゼットが、階段を中心に時計回りに配置されており、ぐるりと回遊できます。
例えば、お風呂から上がった時など、廊下を通らずに、洗面所からランドリーを介して主寝室に行けます。
例えば、お風呂から上がった時など、廊下を通らずに、洗面所からランドリーを介して主寝室に行けます。
オーナー夫妻のリクエストは、家族と過ごす時間が長いので、リビングは広くて、天井の高い開放的な空間にして、スキップフロアを作ることでした。1階・2階とも、階段を中心に回遊できます。
こちらのセカンドリビングは、LDKから2段分低くなっています。オーナー夫妻の要望の1つだったスキップフロアを、梁せいを大きくして2段分下げる空間を作ることで叶えました。セカンドリビングは天井が低く、ここにいると巣ごもりするような安心感があります。左側の造作のデスクは、奥さまのワークスペースです。
セカンドリビングと階段、そしてリビングとダイニングの間に設えた造作の棚は、オーナーのお気に入りです。「デザインとして素敵だなと感じながら日々を過ごしています」と目を細めます。お子さんたちがこの場所で遊ぶ姿を眺めるのも楽しいそうです。
こちらのセカンドリビングは、LDKから2段分低くなっています。オーナー夫妻の要望の1つだったスキップフロアを、梁せいを大きくして2段分下げる空間を作ることで叶えました。セカンドリビングは天井が低く、ここにいると巣ごもりするような安心感があります。左側の造作のデスクは、奥さまのワークスペースです。
セカンドリビングと階段、そしてリビングとダイニングの間に設えた造作の棚は、オーナーのお気に入りです。「デザインとして素敵だなと感じながら日々を過ごしています」と目を細めます。お子さんたちがこの場所で遊ぶ姿を眺めるのも楽しいそうです。
リビングは天井を高く取り、吹き抜けにしたので、開放感があります。右の壁、上部の連窓からは明るい光が差し込みます。
左手上部に見えるのが、子供室の吹き抜け側の窓です。オーナー夫妻の意向で、2階のリビングにいても、お子さんたちと会話できるようにプランニングされました。
左手上部に見えるのが、子供室の吹き抜け側の窓です。オーナー夫妻の意向で、2階のリビングにいても、お子さんたちと会話できるようにプランニングされました。
3階の子供室からのリビングを眺め
子供室の真下がセカンドリビングです。「ご夫妻から『広いリビングを』というリクエストがありましたが、ただ広いだけのリビングを作るより、要望の1つでもあったスキップフロアをきっかけに、他の使い方もできるセカンドリビングを提案しました」という治代さん。
1つのスペースの中に、床の段差と天井の高低差を設けて2つの空間を生みだし、性格の異なる空間を連続させています。それをリビング、セカンドリビングと名付け、一緒の空間にいながら違った使い方ができるようにしました。
例えば、誰かがリビングでテレビを見ていたら、誰かは読書の為にセカンドリビングに移動する、というように、ひとつながりの空間を家族でシェアしつつ、互いを干渉しない、ほど良い距離を得られるように考えられています。
子供室の真下がセカンドリビングです。「ご夫妻から『広いリビングを』というリクエストがありましたが、ただ広いだけのリビングを作るより、要望の1つでもあったスキップフロアをきっかけに、他の使い方もできるセカンドリビングを提案しました」という治代さん。
1つのスペースの中に、床の段差と天井の高低差を設けて2つの空間を生みだし、性格の異なる空間を連続させています。それをリビング、セカンドリビングと名付け、一緒の空間にいながら違った使い方ができるようにしました。
例えば、誰かがリビングでテレビを見ていたら、誰かは読書の為にセカンドリビングに移動する、というように、ひとつながりの空間を家族でシェアしつつ、互いを干渉しない、ほど良い距離を得られるように考えられています。
キッチンからはダイニングを一望できます。2階にはLDKを区切る壁がないため、リビングやセカンドリビングにいる家族の気配を感じながら調理できます。
L字型のキッチンは奥さまたっての希望でした。学生時代を米国で過ごし、現地でL字型キッチンに立つことが多かったという奥さま。天板のコーナーに物を置くスペースがたっぷりあるのが、便利で使いやすいと語ります。
GRAFTEKTのキッチンの色を、ダークグレーにしたのは、LDKをラスティックな木をベースに、グレーのアクセントをつけることにしたからです。
L字型のキッチンは奥さまたっての希望でした。学生時代を米国で過ごし、現地でL字型キッチンに立つことが多かったという奥さま。天板のコーナーに物を置くスペースがたっぷりあるのが、便利で使いやすいと語ります。
GRAFTEKTのキッチンの色を、ダークグレーにしたのは、LDKをラスティックな木をベースに、グレーのアクセントをつけることにしたからです。
キッチンの背面にあるカップボードには、食器のほか、電子レンジやコーヒーメーカーをはじめとしたキッチン家電を収納しています。
「キッチンで使う家電が多いので、付属品を含めてすべてここに収納できるのは非常に魅力的です」という奥さま。使った道具を収納して扉を閉めてしまえば、生活感を出さずに暮らせます。
「キッチンで使う家電が多いので、付属品を含めてすべてここに収納できるのは非常に魅力的です」という奥さま。使った道具を収納して扉を閉めてしまえば、生活感を出さずに暮らせます。
3階には子供室のほか、シャワールーム、洗面・トイレがあるので、お子さんが大きくなったら3階だけで朝の身支度がスムーズに行えます。
空調面でも多くの工夫がなされています。夏は大きく跳ね出した軒や庇で日射を遮りつつ、3階の天窓部分に設置した排気用ダクトファンで熱気を逃がし、2階のエアコンで快適になった空気を上部に誘引。子供室のエアコンもリビングの予備空調となります。冬はリビングの床暖房で得た熱をダクトを通じて階下の天井へ送風できます。
ご一家がここに暮らして1年余りになりますが、以前の住まいと比べ、エアコンを使う回数が激減し、安定した心地よさを日々感じているそうです。
空調面でも多くの工夫がなされています。夏は大きく跳ね出した軒や庇で日射を遮りつつ、3階の天窓部分に設置した排気用ダクトファンで熱気を逃がし、2階のエアコンで快適になった空気を上部に誘引。子供室のエアコンもリビングの予備空調となります。冬はリビングの床暖房で得た熱をダクトを通じて階下の天井へ送風できます。
ご一家がここに暮らして1年余りになりますが、以前の住まいと比べ、エアコンを使う回数が激減し、安定した心地よさを日々感じているそうです。
思い通りの家が完成して、白崎夫妻に設計を依頼して良かったと、しみじみと感じているというオーナー夫妻。細かな点にいたるまで配慮が行き届いていた上に、建築家と工務店が、それぞれ独立した立場から中立的な第3者としてサポートしてもらえたことも心強かったと語ります。
「白崎さんご夫妻は、建設途中も現場に頻繁に足を運んで、品質管理に力を注いでくださいました。本当にお願いしてよかったと感謝しています」とオーナーは笑顔で語ります。
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「白崎さんご夫妻は、建設途中も現場に頻繁に足を運んで、品質管理に力を注いでくださいました。本当にお願いしてよかったと感謝しています」とオーナーは笑顔で語ります。
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