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シンガポール家具デザイン賞(FDA)ファイナリスト:坂本浩気、マイク・ヘ・レン・ウェイ
新進デザイナーの登竜門であるFDAの最終選考に残った12名の候補のなかから、日本と台湾のファイナリストをご紹介します!
Singapore Furniture Industries Council
2017年3月6日
シンガポール家具産業協議会(SFIC)が毎年主催している家具デザインのコンペ、「シンガポール家具デザイン賞(FDA)」は、国内および国外の新進デザイナーを発掘を目的としており、才能ある若手の登竜門として定評のあるコンペである。また、近年は、家具のメーカーとデザイナーが交流する国際的なチャンスともなっている。
この記事では、今年の最終候補に残った12人のデザイナーの中から2人のプロフィールと作品を紹介する。ファイナリストの作品は、今年のシンガポール/ASEAN国際家具見本市(3月9日〜12日)に展示される。優勝者には、賞金は20万シンガポールドルと、来年の見本市で自分の作品を展示する12㎡の展示ブースが授与される。
この記事では、今年の最終候補に残った12人のデザイナーの中から2人のプロフィールと作品を紹介する。ファイナリストの作品は、今年のシンガポール/ASEAN国際家具見本市(3月9日〜12日)に展示される。優勝者には、賞金は20万シンガポールドルと、来年の見本市で自分の作品を展示する12㎡の展示ブースが授与される。
坂本浩気
東京生まれ。大学では建築学を専攻。今回の家具デザイン(FDA)賞への応募作品が初めて手がけた家具のデザイン。
家具のデザインを始めたきっかけは?
――大学では建築学を専攻しましたが、常に小さなスケールのデザインに関心が向いていました。現在はデザイン業界で仕事をしていないため、FDA賞は私にとってすばらしいデビューの機会です。シンガポール国際家具見本市に来場されるさまざまな方々からフィードバックをいただくのを楽しみにしています。
家具デザインの世界で、あなたにとってのヒーローは? デザインのインスピレーションはどこから得ていますか?
――倉俣史朗さんの作品はどれも、機能的でありながら感情をゆさぶるところがあり、尊敬しています。
東京生まれ。大学では建築学を専攻。今回の家具デザイン(FDA)賞への応募作品が初めて手がけた家具のデザイン。
家具のデザインを始めたきっかけは?
――大学では建築学を専攻しましたが、常に小さなスケールのデザインに関心が向いていました。現在はデザイン業界で仕事をしていないため、FDA賞は私にとってすばらしいデビューの機会です。シンガポール国際家具見本市に来場されるさまざまな方々からフィードバックをいただくのを楽しみにしています。
家具デザインの世界で、あなたにとってのヒーローは? デザインのインスピレーションはどこから得ていますか?
――倉俣史朗さんの作品はどれも、機能的でありながら感情をゆさぶるところがあり、尊敬しています。
応募作品のインスピレーションはどこから得ましたか?
――「空気感」や「透明感」という言葉に常々関心があり、今回は「空気の上に座る」をテーマに椅子を考えたいというところから始めました。空気感を表現する手法についてはまだ模索中ですが、手がかりのひとつとして羊羹の透明な姿が思い浮かびました。羊羹は、空気のような何かを形にするのにぴったりなモチーフでした。
――「空気感」や「透明感」という言葉に常々関心があり、今回は「空気の上に座る」をテーマに椅子を考えたいというところから始めました。空気感を表現する手法についてはまだ模索中ですが、手がかりのひとつとして羊羹の透明な姿が思い浮かびました。羊羹は、空気のような何かを形にするのにぴったりなモチーフでした。
どんなプロセスでデザインを考えていますか? 例えば今回の作品の場合はいかがでしたか?
――羊羹には風景や季節にちなんださまざまな模様や名前があります。《ようかんチェア》は17世紀につくられた日本最古の和菓子の図案集『御蒸菓子図』に描かれていた模様をモチーフとしています。ただし、模様をそのままコピーするのではなく、それぞれの模様がデザインされた意図や歴史的背景を調べ、当時人々が目にしていたであろう風景を想像しながら椅子としてデザインしました。
――羊羹には風景や季節にちなんださまざまな模様や名前があります。《ようかんチェア》は17世紀につくられた日本最古の和菓子の図案集『御蒸菓子図』に描かれていた模様をモチーフとしています。ただし、模様をそのままコピーするのではなく、それぞれの模様がデザインされた意図や歴史的背景を調べ、当時人々が目にしていたであろう風景を想像しながら椅子としてデザインしました。
FDA 2017 ファイナリスト
坂本浩気《ようかんチェア》
日本の伝統的な和菓子である羊羹。空気がぎゅっと集まって色をついたような、神秘的な羊羹の姿から着想してつくられたのが《ようかんチェア》だ。羊羹のもつ色や模様をモチーフとしてデザインした作品である。
坂本浩気《ようかんチェア》
日本の伝統的な和菓子である羊羹。空気がぎゅっと集まって色をついたような、神秘的な羊羹の姿から着想してつくられたのが《ようかんチェア》だ。羊羹のもつ色や模様をモチーフとしてデザインした作品である。
マイク・ヘ・レン・ウェイ
マイク・ヘ(ヘ・レン・ウェイ)は台湾生まれ。アートやプロダクトデザインを学び、〈Acerコンピュータ〉で10年にわたりプロダクトデザイナーとして働いた。現在は〈ピスタッチ・デザイン〉を設立し、シンプルで実用的なライフスタイル・プロダクトのデザインを手がけている。
家具のデザインを始めたきっかけは?
――今までの主な仕事はデジタル機器のデザインでしたが、同時に照明や文具などのライフスタイルプロダクトのデザインも手がけてきました。昨年には、自分のブランドを設立し、いくつかの家具の国際コンペに応募して、家具デザイナーとしてデビューしました。
家具デザインの世界で、あなたにとってのヒーローは? デザインのインスピレーションはどこから得ていますか?
――〈nendo〉の佐藤オオキさんです。創造力が豊かだし、認識と葛藤の間に新しいバランスを見出しながら、デザインの中にある「第四の壁」を常に打ち破っていきます。私もそうありたいと思います!
マイク・ヘ(ヘ・レン・ウェイ)は台湾生まれ。アートやプロダクトデザインを学び、〈Acerコンピュータ〉で10年にわたりプロダクトデザイナーとして働いた。現在は〈ピスタッチ・デザイン〉を設立し、シンプルで実用的なライフスタイル・プロダクトのデザインを手がけている。
家具のデザインを始めたきっかけは?
――今までの主な仕事はデジタル機器のデザインでしたが、同時に照明や文具などのライフスタイルプロダクトのデザインも手がけてきました。昨年には、自分のブランドを設立し、いくつかの家具の国際コンペに応募して、家具デザイナーとしてデビューしました。
家具デザインの世界で、あなたにとってのヒーローは? デザインのインスピレーションはどこから得ていますか?
――〈nendo〉の佐藤オオキさんです。創造力が豊かだし、認識と葛藤の間に新しいバランスを見出しながら、デザインの中にある「第四の壁」を常に打ち破っていきます。私もそうありたいと思います!
初めて商品化された作品について教えてください。
――童話の「ピノキオ」をモチーフにした鉛筆削りは、2011年からアメリカの〈キッカーランド〉で製造されています。鉛筆を削るとピノキオの鼻はどんどん短くなっていきます。
――童話の「ピノキオ」をモチーフにした鉛筆削りは、2011年からアメリカの〈キッカーランド〉で製造されています。鉛筆を削るとピノキオの鼻はどんどん短くなっていきます。
応募作品のインスピレーションはどこから?
――文には、コンマが必要です。コンマは一休みとなります。〈コンマ・スツール/チェア〉は日常の中で一休みを提供してくれる家具です。
矛盾する素材をつかったモダンな彫刻のような形の公共空間用の椅子で、視覚的な魅力があります。近づいていくと、その高さやくつろいだデザインに、ふと寄りかかりたくなる椅子です。
――文には、コンマが必要です。コンマは一休みとなります。〈コンマ・スツール/チェア〉は日常の中で一休みを提供してくれる家具です。
矛盾する素材をつかったモダンな彫刻のような形の公共空間用の椅子で、視覚的な魅力があります。近づいていくと、その高さやくつろいだデザインに、ふと寄りかかりたくなる椅子です。
どんなプロセスでデザインを考えていますか? 例えば今回の作品の場合はいかがでしたか?
――いわゆる古典的な要素に挑戦し、それを解体して新しい概念や意味を見出すのがいつものプロセスです。古典的な要素には人に訴える力がありますが、その先をめざすことで、消費者にもっと効果的に関わることができると思います。
応募作品には、朽ちることのないタイムレスな素材である大理石を使いました。
――いわゆる古典的な要素に挑戦し、それを解体して新しい概念や意味を見出すのがいつものプロセスです。古典的な要素には人に訴える力がありますが、その先をめざすことで、消費者にもっと効果的に関わることができると思います。
応募作品には、朽ちることのないタイムレスな素材である大理石を使いました。
FDA 2017 ファイナリスト
マイク・ヘ・レン・ウェイ《コンマ・スツール/チェア》
公共空間における人のふるまいの研究から、公共空間にある彫刻は機能性をもちうるという気付きから生まれたデザイン。視覚的な魅力があり、近づいていくと、その高さやくつろいだデザインに、ふと寄りかかりたくなる椅子だ。非常に重い素材でつくられているため、動かされにくい。一方、成形フォームでできたシート部分は簡単に取り外せるので、取り替えれば長く使える。どちらの素材もメンテナンスがほとんど不要なため、パブリックファニチャーに向いた素材である。
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マイク・ヘ・レン・ウェイ《コンマ・スツール/チェア》
公共空間における人のふるまいの研究から、公共空間にある彫刻は機能性をもちうるという気付きから生まれたデザイン。視覚的な魅力があり、近づいていくと、その高さやくつろいだデザインに、ふと寄りかかりたくなる椅子だ。非常に重い素材でつくられているため、動かされにくい。一方、成形フォームでできたシート部分は簡単に取り外せるので、取り替えれば長く使える。どちらの素材もメンテナンスがほとんど不要なため、パブリックファニチャーに向いた素材である。
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