Houzzでみつけた居心地のよい平屋特集【Part 2】
これまでさまざまなお宅を取材してきた、Houzzツアー(お宅訪問)シリーズ。その中から、快適で居心地のよい平屋をご紹介した記事を、まとめてお届けします。
Houzz Japan
2022年2月28日
Houzz Japan 公式アカウント
Houzzウェブマガジンに掲載した“Houzzツアー(お宅訪問)”の中でも、平屋住宅をご紹介した記事は根強い人気を誇っています。前回の平屋住宅特集【Part 1】に続き、【Part 2】も、どうぞお楽しみください。【Part1】はこちらからお読みいただけます。
*それぞれの写真をクリックすると、同じ平屋住宅の他の写真もみられます。
*それぞれの写真をクリックすると、同じ平屋住宅の他の写真もみられます。
高齢の母娘が暮らす、コンパクトなのに開放的な平屋
大きなパラソルを広げたような屋根が印象的なこちらの平屋は、千葉県東金市の、広大な畑地の中央に建っています。住まい手は、60歳代の女性オーナーと、90歳になるお母様、そして愛猫の小梅ちゃん。定年退職を目前にしたオーナーが、築40年以上の自宅の建て替えをきっかけに、家づくりがスタートしました。
「せっかくの新築なので、ハウスメーカーで建てる注文住宅ではなく、地元の建築家、それも女性目線が欲しかったので、どうしても建築家夫妻にお願いしたかった」というオーナー。インターネットで検索し、職場近くにあるSmart Runningを見つけ、すぐに依頼を決めたといいます。
大きなパラソルを広げたような屋根が印象的なこちらの平屋は、千葉県東金市の、広大な畑地の中央に建っています。住まい手は、60歳代の女性オーナーと、90歳になるお母様、そして愛猫の小梅ちゃん。定年退職を目前にしたオーナーが、築40年以上の自宅の建て替えをきっかけに、家づくりがスタートしました。
「せっかくの新築なので、ハウスメーカーで建てる注文住宅ではなく、地元の建築家、それも女性目線が欲しかったので、どうしても建築家夫妻にお願いしたかった」というオーナー。インターネットで検索し、職場近くにあるSmart Runningを見つけ、すぐに依頼を決めたといいます。
オーナーのご要望は、季節や時間による採光の変化を楽しめるよう庇を長くし、できるだけシンプルな建物で、メンテナンスがしやすく、屋内から外を見渡せる家、というもの。そのため、ピラミッド型の方形屋根の軒を深くして、耐久性に優れたガルバリウム鋼板を縦ハゼ葺きとしています。
建物の延床面積が30坪未満とは思えないほど、室内が広く感じられるのは、建具にも細かい心配りがされているから。部屋の仕切りの框戸の木製枠は、視線の妨げにならないように、 見付60mmと通常より細くされていたり、寝室のガラス窓の障子の下部も、床の上に出ていないので、より外の景色が多く取り込めたりと、随所にこだわりが見られます。
詳しい記事はこちらから:高齢の母娘が愛猫と仲良く暮らす、シェアハウスのような家
詳しい記事はこちらから:高齢の母娘が愛猫と仲良く暮らす、シェアハウスのような家
みかん畑の中に建つ、シンプルモダンな平屋住宅
こちらは、長崎県大村市の住まい。小高い丘陵地のみかん畑の一部を宅地に転用して建てられた平屋住宅です。
「モダンでシンプルな家をつくりたい」と考えだ30代の男性オーナーは、まずネットで“モダン住宅”と検索してみたところ、Houzzのモダン住宅関連の特集記事にたどりついたそう。依頼する建築家もHouzzを使って検索し、アトリエスクエア1級建築士事務所が手がけた事例を気に入ったことをきっかけに、設計を依頼することに決めたといいます。
Houzzで建築家を検索する
こちらは、長崎県大村市の住まい。小高い丘陵地のみかん畑の一部を宅地に転用して建てられた平屋住宅です。
「モダンでシンプルな家をつくりたい」と考えだ30代の男性オーナーは、まずネットで“モダン住宅”と検索してみたところ、Houzzのモダン住宅関連の特集記事にたどりついたそう。依頼する建築家もHouzzを使って検索し、アトリエスクエア1級建築士事務所が手がけた事例を気に入ったことをきっかけに、設計を依頼することに決めたといいます。
Houzzで建築家を検索する
(写真:オーナー提供)
リビングは、オーナーが以前宿泊したという、京都の星野リゾートにあった板張りの天井と大きな開口にインスパイアされ実現したもの。天井は、“源平”と呼ばれるスギの赤みがかった部分と白っぽい部分が混ざった板が、バランスよく張られています。
リビングは、オーナーが以前宿泊したという、京都の星野リゾートにあった板張りの天井と大きな開口にインスパイアされ実現したもの。天井は、“源平”と呼ばれるスギの赤みがかった部分と白っぽい部分が混ざった板が、バランスよく張られています。
設計当初、オーナーは、景色をより多く取り込むために「L字型の家がよい」と考えていましたが、アトリエスクエア1級建築士事務所の大場浩一郎さんが導き出した、南側だけに大開口があるシンプルな四角型に、「一番重要な景色を綺麗に残してくれて、とても満足しています」と語ります。リビングからは、庭のモモの木が絵画のように楽しめます。
詳しい記事はこちらから:丘の上に佇む、シンプルモダンな平屋の住まい
詳しい記事はこちらから:丘の上に佇む、シンプルモダンな平屋の住まい
伝統工法を採用し、地域の人々とつくり上げた平屋住宅
続いてご紹介するのは、三重県志摩市の住まい。賢島と英虞(あご)湾をのぞむ高台に広がる、約2800坪の森の中に溶け込む、木組み・土壁・“石場建て”の伝統構法で建てられた平屋住宅です。
まるでジャングルのようだった土地を購入したオーナーご夫妻は、地元で伝統工法を代々受け継いできた職人さんの指導のもと、竹の伐採から、地固め・土壁・たたき土間づくりにいたるまで、ご家族やご友人らの力を借りて、自ら作業されたといいます。
続いてご紹介するのは、三重県志摩市の住まい。賢島と英虞(あご)湾をのぞむ高台に広がる、約2800坪の森の中に溶け込む、木組み・土壁・“石場建て”の伝統構法で建てられた平屋住宅です。
まるでジャングルのようだった土地を購入したオーナーご夫妻は、地元で伝統工法を代々受け継いできた職人さんの指導のもと、竹の伐採から、地固め・土壁・たたき土間づくりにいたるまで、ご家族やご友人らの力を借りて、自ら作業されたといいます。
この住まいは、コンクリートの基礎ではなく、自然の石の上に建っています。これは“石場建て”といわれる耐震性能に優れた構法で、中世・近世の社寺仏閣の建造物で多く採用されていました。こうした昔ながらの後方で、地元の資材を活用し、地域の職人や住人達と共同で、ご夫妻は家づくりを進めていったといいます。
石場建てを得意とする専門家のリストをみる
石場建てを得意とする専門家のリストをみる
設計を担当したのは、m5_architecte一級建築士事務所の六浦基晴さん。「家を次世代に引き継いで欲しいので、造り付けを避け、引き算による空間設計を心がけました」と六浦さんは話します。
障子を貼った建具の奥には布団が収納されていますが、この建具は折りたたみ式になっており、間仕切りとしても利用可能。住まいにはこのようなミニマルなアイデアが、さまざまな部分に採用されています。
詳しい記事はこちらから:伊勢志摩の木と土と石で建てた、森の中に佇む家
障子を貼った建具の奥には布団が収納されていますが、この建具は折りたたみ式になっており、間仕切りとしても利用可能。住まいにはこのようなミニマルなアイデアが、さまざまな部分に採用されています。
詳しい記事はこちらから:伊勢志摩の木と土と石で建てた、森の中に佇む家
モチーフはオーナーの大好物! ユニークなクロワッサン型の平屋住宅
最後にご紹介するのは、静岡県御殿場市の住まい。オーナーが毎朝食べているクロワッサンをモチーフに建てられた、南に向かって開口し、太陽の光がたっぷりと差し込む「くの字型」の平屋住宅です。
設計を担当したのは、HAPTIC HOUSEの長尾隆行さん。15年ほど前に開催された長尾さん主催のイベントに、オーナーの奥様が参加して以来の知り合いで、人柄も感性も合うことがわかっていたので、お任せしたのだといいます。
最後にご紹介するのは、静岡県御殿場市の住まい。オーナーが毎朝食べているクロワッサンをモチーフに建てられた、南に向かって開口し、太陽の光がたっぷりと差し込む「くの字型」の平屋住宅です。
設計を担当したのは、HAPTIC HOUSEの長尾隆行さん。15年ほど前に開催された長尾さん主催のイベントに、オーナーの奥様が参加して以来の知り合いで、人柄も感性も合うことがわかっていたので、お任せしたのだといいます。
「玄関を開けると家の中が丸見えになってしまうのが少しだけ気がかりだった」という奥様。実際には、玄関を開けてすぐの三和土と、リビングとを分けるマツの格子と、スプーンカットで仕上げられた丸い柱がほどよい目隠しになり、暮らし始めるとあまり気にならなかったそう。
画像右手奥はキッチン。キッチンの奥にはパントリー、その先には家事室、寝室、子ども部屋、浴室など、プライベートな空間が廊下に沿って続きます。
画像右手奥はキッチン。キッチンの奥にはパントリー、その先には家事室、寝室、子ども部屋、浴室など、プライベートな空間が廊下に沿って続きます。
リビングの正面、クロワッサン型の中央部にあたるのは、ティールーム。ご両親の別荘にあったイギリス調のインテリアでコーディネートされたティールームは、中学生時代をイギリスのパブリックスクールで過ごしたオーナーにとって、もっとも居心地のいい空間なのだといいます。
詳しい記事はこちらから:静岡県御殿場の森の中に佇むクロワッサン型の平屋住宅
平屋の写真をもっとみる
詳しい記事はこちらから:静岡県御殿場の森の中に佇むクロワッサン型の平屋住宅
平屋の写真をもっとみる
おすすめの記事
Houzzツアー (お宅紹介)
軽井沢の究極の隠れ家。地元の土と木でつくった心地のよい別荘
長野と近隣の木や素材をふんだんに使った、地産地消の住まい。まるで森のような空気感を醸し出しています。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
親子の暮らしを穏やかに包み込む、自然素材が心地よい住まい
文/田中祥子
生活に必要な機能が緩やかにつながる間取りを、一つの大きな屋根の下に。建築材料と設備の面がしっかり考えられたデザインは、親子2人の穏やかな暮らしを支えています。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
自分たちの「好き」を詰め込んだ、大阪の建築家の自邸
文/杉田真理子
旅先で集めたアートや小物、ワインなど、夫婦の「好き」が詰まった建築家の自邸。光が差し込む内部の土間の吹き抜けには高さ4mの木もあり、家にいながら自然を感じられる空間となっています。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
個室を作らず余白を楽しむ。住まい手とともに成長する家
文/杉田真理子
京都・岩倉の豊かな景観を満喫しながら、将来のライフスタイルや家族構成の変化にも対応してくれる、可変性のある住まいです。
続きを読む
Houzzがきっかけの家(国内)
杉と漆喰に包まれた健康的な家。回遊空間に愛猫も大喜び!
Houzzで見つけた建築家に設計を依頼。アイデアを出し合いながら、想像以上に満足のいく家ができました。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
複数世代が生活し、この地で年齢を重ねていくために裏庭に建てられた「付属居住ユニット」
娘の住宅の敷地内に建てられた新しい建物。ミニマリスト風でありつつ温かみのある空間と、美しいプライベートな庭を母親に提供します。
続きを読む
Houzzがきっかけの家(海外)
広々と暮らせるカリフォルニアの家
1組の夫婦と1人の建築家がHouzzを通じてつながり、「大きいことが常に良いわけではない」ことを証明するような、無駄のない、緑にあふれた家を建てました。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
美しい木立と海の眺めを見渡す、自然と調和したキューブの家
地形から導き出された、自然に抱かれた建築。大胆でモダンなフォルムでありながら、周囲の木立や海の眺めを存分に楽しめる、自然と調和した極上の住宅です。
続きを読む
Houzzがきっかけの家(国内)
崖の上のショーケースのよう! 驚きと感動が広がる南葉山のシーサイドハウス
文/小川のぞみ
東京在住のオーナー夫妻が、週末の別荘として建てた「非日常」がテーマの家。若くて伸び盛りだと感じた建築家にHouzzで出会い、期待以上の住まいが完成しました。
続きを読む
上下の移動が無い平屋は、個人的には「建具を解放すれば一室空間になる間取り」が好きです。