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窓から山と海を望む、自然と快適に共存する暮らし。神戸に建つ13の住まい
兵庫県南部に位置する神戸市。Houzzでみつけた神戸市内に建つ住まいの事例を、手がけた専門家の解説とともにご紹介します。

港町・神戸。六甲山をはじめとする山々や、美しい河川も流れる自然豊かな街であり、その景色の美しさから観光都市としても人気です。
そんな神戸市に建つ住まいの特徴について、専門家の方々にお話を伺ってみると、以下のような特徴がみえてきました。
それでは13の実例について詳しくみていきましょう。
写真をクリックすると、それぞれの事例の写真をもっとみることができ、手がけた専門家の詳細もチェックできます。
そんな神戸市に建つ住まいの特徴について、専門家の方々にお話を伺ってみると、以下のような特徴がみえてきました。
- 瀬戸内海・六甲山系に囲まれているため傾斜地が多く、その特徴を活かした住まいが多い
- 山や海を望めるなど、景勝地に建つ住まいが多く、眺望を意識した窓の配置がなされている
- 大阪や京都に比べ夏は涼しく、冬は暖かいため、内外の境が曖昧な住まいが多い
それでは13の実例について詳しくみていきましょう。
写真をクリックすると、それぞれの事例の写真をもっとみることができ、手がけた専門家の詳細もチェックできます。
Branch Haus 丘の上に建つ家
最初にご紹介するのは、seki.designが手がけたこちらの住まい。“Branch Haus”という名前は、建物が枝状に別れていることから銘打たれています。
「枝状に分かれた理由は、敷地の長手方向と、視界が拡がる南北方向という2つの軸にしたがって設計した結果です。住まいの中心となるのは、“へ”の字のかたちをしたアトリエ(1F)とLDK(2F)です。長時間を過ごすことになる場所ですから、ふとした時に景色を楽しめる位置にと考え、加えて海を見渡せる真南方向へ開口部を設けました」と話すのは、石憲明さん。
最初にご紹介するのは、seki.designが手がけたこちらの住まい。“Branch Haus”という名前は、建物が枝状に別れていることから銘打たれています。
「枝状に分かれた理由は、敷地の長手方向と、視界が拡がる南北方向という2つの軸にしたがって設計した結果です。住まいの中心となるのは、“へ”の字のかたちをしたアトリエ(1F)とLDK(2F)です。長時間を過ごすことになる場所ですから、ふとした時に景色を楽しめる位置にと考え、加えて海を見渡せる真南方向へ開口部を設けました」と話すのは、石憲明さん。
「とくに2階のLDKからの眺めは絶景です。クライアントからも『窓を開放する方角を変えるだけで、こんなにも景色が変わるなんて!』との声が。建て替え前は、海はちらっと見える程度で、向かいの建物の屋根を見ながら生活していたそうです」
また、敷地の形状から東西に長く、かつ入口が東端であることから動線が長くなってしまいそうだったものの、中央に配置された広いLDKとアトリエを介して東西に移動するプランによって、動線を短くすることもできたのだそう。「長い廊下も必要がなくなり、空間も効率よく活用できたと思います」
また、敷地の形状から東西に長く、かつ入口が東端であることから動線が長くなってしまいそうだったものの、中央に配置された広いLDKとアトリエを介して東西に移動するプランによって、動線を短くすることもできたのだそう。「長い廊下も必要がなくなり、空間も効率よく活用できたと思います」
風空の舎
続いては、Studio tanpopo-gumiが手がけたこちらの住まい。斜面地に建っているため、崖に対する安全性の確保や法的な高さ規制をクリアするために“接合工法”を採用し、山型フレームが連続する象徴的な空間が展開する建物となっています。
坂口弘樹さんは、「ご家族の趣味、日々の過ごし方など生活スタイルのヒアリングを繰り返し、“趣味を楽しみながら、日々の暮らしも心地良く”を形にした住宅です」と話します。
「懐かしさのある和の趣きを取入れ、影・暗がりなど陰影をデザインすることで、建て込んだ住宅地の中にありながら、美しい光を意識できる豊かな空間をご提案しました」
続いては、Studio tanpopo-gumiが手がけたこちらの住まい。斜面地に建っているため、崖に対する安全性の確保や法的な高さ規制をクリアするために“接合工法”を採用し、山型フレームが連続する象徴的な空間が展開する建物となっています。
坂口弘樹さんは、「ご家族の趣味、日々の過ごし方など生活スタイルのヒアリングを繰り返し、“趣味を楽しみながら、日々の暮らしも心地良く”を形にした住宅です」と話します。
「懐かしさのある和の趣きを取入れ、影・暗がりなど陰影をデザインすることで、建て込んだ住宅地の中にありながら、美しい光を意識できる豊かな空間をご提案しました」
打ち合わせを重ねた結果、2階の居間は床座スタイルに。その結果、視線が空へと抜ける、テラス越しに明石海峡大橋が望めるなどのメリットもあり、今では落ち着ける家族の居場所となっているそうです。
坂口さんは神戸について「瀬戸内海・六甲山系に囲まれた斜面地が多いエリアです。六甲山系の南側においては、遠くからも海を望め、気候が良ければ大阪湾を一望することもできる眺望の良さが何よりの特徴と思います」と坂口さんは話します。
坂口さんは神戸について「瀬戸内海・六甲山系に囲まれた斜面地が多いエリアです。六甲山系の南側においては、遠くからも海を望め、気候が良ければ大阪湾を一望することもできる眺望の良さが何よりの特徴と思います」と坂口さんは話します。
土間と吹抜けが空間を繋げる家
2つの箱をずらして重ねたようなモダンな外観のこちらの住まいは、WHALE HOUSEが手がけたもの。個性的なデザインは、“モダンでありながら落着きのある過ごしやすい家にしたい」というオーナーからのご要望を反映させた結果だそう。
黒田知宏さんは、「1階と2階をずらして重ねる事で生まれたのは、玄関前の軒下空間であったり、リビング・ダイニングの大きな窓の上部の空間です。この軒は夏場の日差しは遮蔽し、冬場の日差しは室内に取り込める最適な寸法となっており、パッシブデザインを活かした快適な住環境を生み出しています」と話します。
2つの箱をずらして重ねたようなモダンな外観のこちらの住まいは、WHALE HOUSEが手がけたもの。個性的なデザインは、“モダンでありながら落着きのある過ごしやすい家にしたい」というオーナーからのご要望を反映させた結果だそう。
黒田知宏さんは、「1階と2階をずらして重ねる事で生まれたのは、玄関前の軒下空間であったり、リビング・ダイニングの大きな窓の上部の空間です。この軒は夏場の日差しは遮蔽し、冬場の日差しは室内に取り込める最適な寸法となっており、パッシブデザインを活かした快適な住環境を生み出しています」と話します。
玄関から繋がる土間リビングは、自転車好きのオーナーが、休日に自転車のメンテナンスを家族が集まるリビングで行えるようにと、黒田さんが提案したのだそう。
「土間リビングはSE構法の特性を活かし、大きな吹抜けにすることで更に大空間に見せることができます。室内だけれど、屋外のような使い方も可能な土間空間は、弊社のコンセプトでもある“ウチデナニスル”のひとつの形です」
「土間リビングはSE構法の特性を活かし、大きな吹抜けにすることで更に大空間に見せることができます。室内だけれど、屋外のような使い方も可能な土間空間は、弊社のコンセプトでもある“ウチデナニスル”のひとつの形です」
2階リビングから海を望む天然石の尖がり屋根としっくい壁の家
続いては、モスハウス田端が手がけたこちらの住まい。2階の高さから海を見下ろせるロケーションを活かし、LDKが2階に配置されています。
「南北に細長く限られた敷地面積の中、できる限り家族の過ごす場所を広くとりたいというのがご要望のひとつでした。勾配天井や吹き抜けといったたての空間をうまく使うことで、実際の面積以上に空間の広がりが感じられるようになっています」と話すのは、田端広子さんです。
続いては、モスハウス田端が手がけたこちらの住まい。2階の高さから海を見下ろせるロケーションを活かし、LDKが2階に配置されています。
「南北に細長く限られた敷地面積の中、できる限り家族の過ごす場所を広くとりたいというのがご要望のひとつでした。勾配天井や吹き抜けといったたての空間をうまく使うことで、実際の面積以上に空間の広がりが感じられるようになっています」と話すのは、田端広子さんです。
また、オーナーの一番の要望は、“家族の健康のために、体に悪いものは使わない家づくりをしたい”ということだったと、田端さんは振り返ります。
「日頃から化学物質を極力排除した家づくりをモットーとする“無添加住宅”を手がけていますので、その点は問題ありませんでした。内装だけでなく、キッチンやお風呂にいたるまでの全てを厳選した安全な材料、天然石や米のりを使った集成材でつくっています」
美容師として活躍するオーナーご夫妻は美意識も高く、デザインにもこだわりを持っていたそう。天然素材の持ち味を生かしながら、使う面積や見せ方を工夫することで、視覚的にも心地よい住まいが実現しました。
「日頃から化学物質を極力排除した家づくりをモットーとする“無添加住宅”を手がけていますので、その点は問題ありませんでした。内装だけでなく、キッチンやお風呂にいたるまでの全てを厳選した安全な材料、天然石や米のりを使った集成材でつくっています」
美容師として活躍するオーナーご夫妻は美意識も高く、デザインにもこだわりを持っていたそう。天然素材の持ち味を生かしながら、使う面積や見せ方を工夫することで、視覚的にも心地よい住まいが実現しました。
妙法寺の家
須磨区妙法寺に建つこちらの住まいを手がけたのは、福田建築工房。福田浩明さんは、「家の中央に座って休憩できるほどの幅の広い階段を作り、踊り場をワークスペースとして利用し、そしてここにできる吹き抜けを通しました。1、2階を一体の空間にすることで、面積を抑えながらもゆとりのある広さを確保しています」と振り返ります。
須磨区妙法寺に建つこちらの住まいを手がけたのは、福田建築工房。福田浩明さんは、「家の中央に座って休憩できるほどの幅の広い階段を作り、踊り場をワークスペースとして利用し、そしてここにできる吹き抜けを通しました。1、2階を一体の空間にすることで、面積を抑えながらもゆとりのある広さを確保しています」と振り返ります。
写真のスペースは、ご主人の音楽室。遮音シートで包み漆喰と杉板で仕上げることで、快適な音響空間を実現しています。
「弊社では仕上に漆喰をよく使用します。ホームページをご覧になったクライアントから漆喰をふんだんに使った居心地の良い住まいを作りたいとの要望があったので、室内は砂入りの土佐漆喰、外壁にはそとん壁の木鏝摺りとし、床、造作にも無垢の木材を使用、全体を自然素材でまとめています」
「弊社では仕上に漆喰をよく使用します。ホームページをご覧になったクライアントから漆喰をふんだんに使った居心地の良い住まいを作りたいとの要望があったので、室内は砂入りの土佐漆喰、外壁にはそとん壁の木鏝摺りとし、床、造作にも無垢の木材を使用、全体を自然素材でまとめています」
登り梁の家
続いては、田中洋平建築設計事務所が手がけたこちらの住まい。オーナーは大工の棟梁でしたが、施工には関わっておらず、施工を担当したのはオーナーの弟子にあたる職人が行なったそう。
「和風で木を多用した家というのがほぼ唯一の希望で、それ以外は逆に提案してほしいというご希望でした」と振り返るのは、設計を担当した田中洋平さん。「和を基本としつつも、外壁は焼杉、LDKの開口部は木製サッシを、内装は床にナラの無垢材、壁は珪藻土壁等を提案しました」
続いては、田中洋平建築設計事務所が手がけたこちらの住まい。オーナーは大工の棟梁でしたが、施工には関わっておらず、施工を担当したのはオーナーの弟子にあたる職人が行なったそう。
「和風で木を多用した家というのがほぼ唯一の希望で、それ以外は逆に提案してほしいというご希望でした」と振り返るのは、設計を担当した田中洋平さん。「和を基本としつつも、外壁は焼杉、LDKの開口部は木製サッシを、内装は床にナラの無垢材、壁は珪藻土壁等を提案しました」
LDK上部の梁は、通常は柱で支えるところが、梁と梁の接合のみで成立されています。オーナーが以前に寺社建築で見たことがあるという形状を参考に、何度も構造検討を行ったのだそう。さらに、梁と梁の接合も、大工のかんな技術の精度のみに頼り、金物は使われていないといいます。
「庭に繋がる開口部も全て引き込めるようにして、開放的なLDKとなりました。軒もそんな家の雰囲気に合わせて、樋は設けず、約1.2mの軒先にして、ゆったりとした家の外観となりました」
「庭に繋がる開口部も全て引き込めるようにして、開放的なLDKとなりました。軒もそんな家の雰囲気に合わせて、樋は設けず、約1.2mの軒先にして、ゆったりとした家の外観となりました」
垂カベ/腰カベ
閑静な住宅地に建つこちらの住まいを手がけたのは、y+M design office。「新しく造成された住宅地にありがちな敷地区画の中に閉じた空間づくりではなく、プランニング自体が周辺の均質な住環境の見え方を調和するような空間づくりを心がけました」と吉本英正さんは振り返ります。
「外観に現れる帯状の壁(垂れ壁と腰壁)は室内まで連続しており、LDKと各個室やビルトインガレージ、中庭の領域を作っています。また垂れ壁と腰壁の位置をずらす事で、それぞれの部屋の領域を曖昧にし、各部屋が緩やかにつながるようにしました」
閑静な住宅地に建つこちらの住まいを手がけたのは、y+M design office。「新しく造成された住宅地にありがちな敷地区画の中に閉じた空間づくりではなく、プランニング自体が周辺の均質な住環境の見え方を調和するような空間づくりを心がけました」と吉本英正さんは振り返ります。
「外観に現れる帯状の壁(垂れ壁と腰壁)は室内まで連続しており、LDKと各個室やビルトインガレージ、中庭の領域を作っています。また垂れ壁と腰壁の位置をずらす事で、それぞれの部屋の領域を曖昧にし、各部屋が緩やかにつながるようにしました」
また、以前はハウスメーカーの建売住宅に住んでいたというオーナーからは、「シンプルでかっこいいけれど、ここにしかない外観と、外部からのプライバシーを確保しつつ開放的で明るい部屋にしたい」という要望があったそう。
「色をモノトーンの落ち着いたグレーとし、凹凸のある構成で変化をもたせながらシンプルな外観としました。周辺建物の配置や窓位置を考慮し、ガラスとステンレスパネルを使った開口部とすることでプライバシーを守りつつ、外部と中庭から光と風を取り入れることで、すべての居室が明るく開放的な住宅になりました」
「色をモノトーンの落ち着いたグレーとし、凹凸のある構成で変化をもたせながらシンプルな外観としました。周辺建物の配置や窓位置を考慮し、ガラスとステンレスパネルを使った開口部とすることでプライバシーを守りつつ、外部と中庭から光と風を取り入れることで、すべての居室が明るく開放的な住宅になりました」
木の家と 好きな家具と
続いては、パルステージが手がけたこちらの住まい。「クライアントからの“木をふんだんに使いたい”という要望に対し、細やかな造作を得意とする大工が作業し、木が美しくみえるデザインを心掛けました」と話すのは、河本貴將さんです。
続いては、パルステージが手がけたこちらの住まい。「クライアントからの“木をふんだんに使いたい”という要望に対し、細やかな造作を得意とする大工が作業し、木が美しくみえるデザインを心掛けました」と話すのは、河本貴將さんです。
プロジェクトは、オーナーと土地探しをするところからスタートしたそう。この敷地を検討した際、オーナーからは「明るい空間を実現できるなら、この敷地で進めたい」と言われたといいます。
「空間は採光面も配慮し、吹抜けを通して光が入るようにし、明るいLDKになるようにしました。また、お子様が家に帰って、靴を脱ぎ、服をかけ、手を洗い、LDKへ入るという、導線も意識したプランとなっています」
「空間は採光面も配慮し、吹抜けを通して光が入るようにし、明るいLDKになるようにしました。また、お子様が家に帰って、靴を脱ぎ、服をかけ、手を洗い、LDKへ入るという、導線も意識したプランとなっています」
彫刻家の家
草屋根が印象的なこちらの住まいは、YURI DESIGNが手がけたもの。住まい手はスポーツマンで芸術家のご家族です。
前田由利さんは、「四方を集合住宅に囲まれている敷地のため、外に閉じ、中庭に開放するという計画に。ほぼ平屋だが、S字型の大きな屋根をかけたリビングルームの吹き抜けに面して子供室のために2階の床を作り、そこから出たバルコニーから草屋根に登ることができます」と話します。
草屋根が印象的なこちらの住まいは、YURI DESIGNが手がけたもの。住まい手はスポーツマンで芸術家のご家族です。
前田由利さんは、「四方を集合住宅に囲まれている敷地のため、外に閉じ、中庭に開放するという計画に。ほぼ平屋だが、S字型の大きな屋根をかけたリビングルームの吹き抜けに面して子供室のために2階の床を作り、そこから出たバルコニーから草屋根に登ることができます」と話します。
リビングルームから中庭に向けてつけた庇を支える丸柱は、あたかも林のように、中庭のシンボルツリーと調和するようにつくられています。キッチンやリビングの収納、階段下の机、サッシもすべて呼吸する無垢の木で造られており、耐久性や断熱性能も確保。奥に進むほどプライバシーが高まる平面計画となっています。
「表面積が大きいので、家のどこにいても光や風がよく入ります。草屋根は、断熱性能が高く、屋根裏空間を作らなくても暑くないため屋根裏はありません。天井の風景がそのまま屋根の形になっていて、内と外が同じ、裏表のないデザインとなっています」
「表面積が大きいので、家のどこにいても光や風がよく入ります。草屋根は、断熱性能が高く、屋根裏空間を作らなくても暑くないため屋根裏はありません。天井の風景がそのまま屋根の形になっていて、内と外が同じ、裏表のないデザインとなっています」
波打つ介護住宅
身体を自由に動かすことのできない被介護者の息子さんのためにつくられたこちらの住まい。手がけたのはグランデザイン一級建築士事務所です。
「住空間の環境は、あらゆる性能である一定の高い水準を上回るよう設計を進めていました。しかし、やらなくてはならないことは、そのようなことだけではないと我々の心が設計を終わらせようとはしませんでした」と振り返るのは、高宮透さん。
身体を自由に動かすことのできない被介護者の息子さんのためにつくられたこちらの住まい。手がけたのはグランデザイン一級建築士事務所です。
「住空間の環境は、あらゆる性能である一定の高い水準を上回るよう設計を進めていました。しかし、やらなくてはならないことは、そのようなことだけではないと我々の心が設計を終わらせようとはしませんでした」と振り返るのは、高宮透さん。
「バリアフリー、室内の温度環境の安定、新鮮な空気環境、耐震性能に関する設計は当然重要なことであり当たり前にやらなくてはならない業務です。しかし建築士が最も考えなくてはならないことは、その状況に最適な建築空間の創造。ジャンルを問わずクリエイトすることが好きであった息子さんの住む場所として、彼の意識を刺激する空間を提案し実現させました」
ベッドで天井を見上げることの多い息子さんに楽しんでもらおうと、高宮さんが提案したのは、漆喰で波打つ天井。窓からの光で陰影が季節や時間ごとに変化し、天井の表情を豊かにします。「海原のように、砂漠のように、洞窟のように移ろう天井を見ながら、刺激を受けてほしいという想いを込めて提案しました」
ベッドで天井を見上げることの多い息子さんに楽しんでもらおうと、高宮さんが提案したのは、漆喰で波打つ天井。窓からの光で陰影が季節や時間ごとに変化し、天井の表情を豊かにします。「海原のように、砂漠のように、洞窟のように移ろう天井を見ながら、刺激を受けてほしいという想いを込めて提案しました」
SIMPLE STYLE
RIPAROが手がけたのは、シンプルな外観のこちらの住まい。土地は道路に面した北側が向かいの家から見下ろされる状態だったため、視線を遮る工夫が必要だったと、髙濱洋文さんは振り返ります。
「そこで、北側には窓をつくらないことにしました。さらに、道路や向いの家からの視線をカットした北側は、限りなくシンプルに。玄関ドアすら正面からは見えません。道路と反対側に屋根勾配をつけ、樋も見せていません。キューブの組み合わせとモノトーンの色彩で極力シンプルにまとめ、木造らしくない外観としました」と髙濱さん。
RIPAROが手がけたのは、シンプルな外観のこちらの住まい。土地は道路に面した北側が向かいの家から見下ろされる状態だったため、視線を遮る工夫が必要だったと、髙濱洋文さんは振り返ります。
「そこで、北側には窓をつくらないことにしました。さらに、道路や向いの家からの視線をカットした北側は、限りなくシンプルに。玄関ドアすら正面からは見えません。道路と反対側に屋根勾配をつけ、樋も見せていません。キューブの組み合わせとモノトーンの色彩で極力シンプルにまとめ、木造らしくない外観としました」と髙濱さん。
もともとオーナーは、「眺めのいい場所に、眺望を楽しめる家を建てたい」と希望していたため、LDKは2階に配置。窓のない北面に対し、リビングの南面は、テラスに面してほぼ窓にするという設計となっています。
「網戸などで視界を邪魔しないように3連の大きなFIX窓とすることで景色と一体感を持たせ、さらに内装も極力色数を抑えてより眺めが引き立つモダンな明るい空間となっています」
「網戸などで視界を邪魔しないように3連の大きなFIX窓とすることで景色と一体感を持たせ、さらに内装も極力色数を抑えてより眺めが引き立つモダンな明るい空間となっています」
本と暮らす家
株式会社ファウンテンが手がけたのは、1万冊以上の本をコレクションするオーナーの“本と暮らす”住まい。
「1万冊以上の本という重要な資産をどのように整理し収容すべきかと、“モノ”としての視点だけで考えるのではなく、生活シーンの中で本がどのような役割を果たすべきかという“ライフスタイル”という視点で考えました」と話すのは、田口剛章さんです。
「知性の塊とも言える大量の蔵書は、クライアントの個性そのもの。そこで常に本と触れ合い、いつでも、どこでも心地良く読書ができる空間をつくりました」
株式会社ファウンテンが手がけたのは、1万冊以上の本をコレクションするオーナーの“本と暮らす”住まい。
「1万冊以上の本という重要な資産をどのように整理し収容すべきかと、“モノ”としての視点だけで考えるのではなく、生活シーンの中で本がどのような役割を果たすべきかという“ライフスタイル”という視点で考えました」と話すのは、田口剛章さんです。
「知性の塊とも言える大量の蔵書は、クライアントの個性そのもの。そこで常に本と触れ合い、いつでも、どこでも心地良く読書ができる空間をつくりました」
2階吹き抜けのリビングは、壁一面が本棚。どこでも読書ができるように背もたれや腰掛けにもなる床段差を設け、肌触りの良いスプーンカット加工の無垢フローリングが敷かれています。2階廊下の手すりは、吹き抜けに面して足を投げ出して読書ができるようデザインされているそう。
「3層をつなぐ階段も、壁面すべてを本棚としました。本と触れ合う機会を増やし、手に取った本をその場に座って読みたくなるように蹴込板をなくした明るく開放的な空間としています」
「3層をつなぐ階段も、壁面すべてを本棚としました。本と触れ合う機会を増やし、手に取った本をその場に座って読みたくなるように蹴込板をなくした明るく開放的な空間としています」
塩屋の戸建リノベーション
最後にご紹介するのは、垂水区塩屋町に建つこちらの住まい。手がけたのはienowaです。
住まい手は、アパレルショップを経営する40代のご夫妻と、2人のお子さん。服の数が多いので、玄関から入ってすぐの一室を丸ごと大きなウォークインクローゼットにし、帰宅後はウォークインクローゼットで服を着替え、そのまま隣接する洗面所で手を洗ってLDKへ、という生活動線を意識したプランとなっています。
最後にご紹介するのは、垂水区塩屋町に建つこちらの住まい。手がけたのはienowaです。
住まい手は、アパレルショップを経営する40代のご夫妻と、2人のお子さん。服の数が多いので、玄関から入ってすぐの一室を丸ごと大きなウォークインクローゼットにし、帰宅後はウォークインクローゼットで服を着替え、そのまま隣接する洗面所で手を洗ってLDKへ、という生活動線を意識したプランとなっています。
中尾朱美さんは、「LDKをなるべく広くしたいとのご要望があったので、構造上動かすことができない階段だけを残して、LDK部分を大きく取れるように間取りを変更し、扉を開けると家中を回遊できるプランをご提案しました」と話します。
「南側に面したリビングには気持ちのいい太陽光が入り、風通しもいいので、小さなお子様と共に心地よい時間を過ごすことができます。北側のダイニングは壁面の素材を変えることで、同じ空間ながらも適度なゾーニングを施しました」
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「南側に面したリビングには気持ちのいい太陽光が入り、風通しもいいので、小さなお子様と共に心地よい時間を過ごすことができます。北側のダイニングは壁面の素材を変えることで、同じ空間ながらも適度なゾーニングを施しました」
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