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衣替えの季節、クローゼットスペースを見直そう! ウォールクローゼット編
クローゼットのプランニングや活用に役立つ、扉の種類、中のスペースの有効なレイアウトについてのアドバイス。今回は、壁一面のウォールクローゼットにフォーカスしてご紹介します。
ブラッキン・ヘザー
2015年5月30日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
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毎年この時期になると、みなさんも衣替えでお忙しくなるのでは。洋服の整理をしたり、クリーニングに出したり。衣替えをちょっとでも簡単に、そして楽しくするために欲しいのが充実したクローゼットです。この機会に、そんなクローゼットスペースをそろそろ見直してみませんか?
クローゼットにもさまざまな種類がありますが、自分が何を持っているかひと目でパッと把握でき、最も見やすいのが壁一面の「ウォールクローゼット」です。扉を開ければそこには洋服がずらりと一列に。英語では「リーチ・イン・クローゼット」とも言いますが、その名の通り、手を伸ばせば簡単に中の洋服を取り出すことができます。今回はそんなウォールクローゼットに注目し、そのさまざまなスタイル、そして使い勝手のよい収納方法について考えてみましょう。
クローゼットにもさまざまな種類がありますが、自分が何を持っているかひと目でパッと把握でき、最も見やすいのが壁一面の「ウォールクローゼット」です。扉を開ければそこには洋服がずらりと一列に。英語では「リーチ・イン・クローゼット」とも言いますが、その名の通り、手を伸ばせば簡単に中の洋服を取り出すことができます。今回はそんなウォールクローゼットに注目し、そのさまざまなスタイル、そして使い勝手のよい収納方法について考えてみましょう。
寝室の壁一面にウォールクローゼットを設けることができるのなら、とてもラッキーなことです。寝室のウォールクローゼットの大きなメリットは、明るく開放的なスペースで洋服選びができ、選びながらその場で着替えができること。そこが、小さなウォークインクローゼットとの一番の違いでもあります。
一般的に、クローゼットの奥行きは60cmあれば十分ハンガーもかけられますが、日本の住宅ではそれよりも奥行きの深い、押し入れサイズのクローゼットもよく見かけます。お布団もクローゼットに収納する場合に必要とされる奥行きです。このようなクローゼットの場合、ハンガーパイプを中央ではなく、手前から30cmほどの位置に取り付けると、洋服の出し入れが簡単になります。奥にはスペースがかなり余るため、棚などを設置して季節外の衣類や、使用頻度が低いものを収納し、手前と奥とのスペースを有効に使い分けるとよいでしょう。
一般的に、クローゼットの奥行きは60cmあれば十分ハンガーもかけられますが、日本の住宅ではそれよりも奥行きの深い、押し入れサイズのクローゼットもよく見かけます。お布団もクローゼットに収納する場合に必要とされる奥行きです。このようなクローゼットの場合、ハンガーパイプを中央ではなく、手前から30cmほどの位置に取り付けると、洋服の出し入れが簡単になります。奥にはスペースがかなり余るため、棚などを設置して季節外の衣類や、使用頻度が低いものを収納し、手前と奥とのスペースを有効に使い分けるとよいでしょう。
壁一面に造るウォールクローゼットは扉の数が多くなるため、その分コストもかかりますが、色や素材にこだわって選べば、インテリアの素敵なアクセントにもなります。
扉のタイプは主に3種類あります。
開き戸タイプ
開き戸タイプはシンプルでとてもきれいなデザインです。扉がパートごとに分かれているため、必要な部分だけを開けて使うことができるのがメリット。特注であってもシステム収納であっても、持ち物の量やどのように収納したいかによって、パーツを組み合わせて造ることができます。
扉のタイプは主に3種類あります。
開き戸タイプ
開き戸タイプはシンプルでとてもきれいなデザインです。扉がパートごとに分かれているため、必要な部分だけを開けて使うことができるのがメリット。特注であってもシステム収納であっても、持ち物の量やどのように収納したいかによって、パーツを組み合わせて造ることができます。
折れ戸タイプ
折れ戸タイプは全開できるため、中身全体をひと目で見渡すことができます。大きなアイテムも収納するのであれば、このタイプがおすすめです。
開き戸タイプと違って、折れ戸タイプのクローゼットは中がひとつの空間になっているため、ニーズに合わせて好きなようにレイアウトができます。オーダーメイドやセミオーダーで、棚やハンガーパイプ、引き出しを造り付けるのもひとつの方法です。または衣装ケースやクローゼット用収納用品を使って、自分で工夫することも簡単です。
折れ戸タイプは全開できるため、中身全体をひと目で見渡すことができます。大きなアイテムも収納するのであれば、このタイプがおすすめです。
開き戸タイプと違って、折れ戸タイプのクローゼットは中がひとつの空間になっているため、ニーズに合わせて好きなようにレイアウトができます。オーダーメイドやセミオーダーで、棚やハンガーパイプ、引き出しを造り付けるのもひとつの方法です。または衣装ケースやクローゼット用収納用品を使って、自分で工夫することも簡単です。
引き戸タイプ
限られた空間の中でおすすめなのが、引き戸タイプです。折れ戸のように全開はできませんが、折れ戸と同様、中の空間を自由に工夫することが可能です。引き戸の場合は、扉を開けたときに見えるスペースごとに用途を分けると使いやすくなります。たとえば扉が2枚の場合は、夫婦で左右に分けたり、1人で使うなら、右がハンガー収納で左がたたんだ服の収納、あるいは右がスーツで左がカジュアルな服、など。両方を何度も開け閉めしなくてもよく、片側で済むように洋服の入れ方を工夫するのが、上手な収納のコツです。
限られた空間の中でおすすめなのが、引き戸タイプです。折れ戸のように全開はできませんが、折れ戸と同様、中の空間を自由に工夫することが可能です。引き戸の場合は、扉を開けたときに見えるスペースごとに用途を分けると使いやすくなります。たとえば扉が2枚の場合は、夫婦で左右に分けたり、1人で使うなら、右がハンガー収納で左がたたんだ服の収納、あるいは右がスーツで左がカジュアルな服、など。両方を何度も開け閉めしなくてもよく、片側で済むように洋服の入れ方を工夫するのが、上手な収納のコツです。
3枚扉であれば、さらに開口部が広くなります。この場合、中は3パートに分けて使いましょう。真ん中の部分に、下着やTシャツなど使用頻度の高いアイテムや、ベルトやスカーフのような小物類を入れれば、どちら側から開いても必ず出し入れができて便利です。
扉以外に、カーテンをかけるという選択肢もあります。カーテンを使ったクローゼットは出し入れが簡単で、お部屋がソフトな印象になります。季節やインテリアのテーマに合わせて楽しく演出もできる、フレキシブルな方法です。子ども部屋など、将来的に使い方が変わりそうなお部屋にもおすすめです。
カーテンを使うと、狭い空間には大きなメリットがあります。扉をつけると奥行きが取れない場所などでも、カーテンならハンガーのギリギリのところから吊るすことも可能なので、若干スペースの節約もできます。中身がこれだけきれいに整頓されていれば、開けっ放しでもいいくらいですね。通気性も抜群です。
お部屋の形に合わせて造れるのがオーダーメイドのクローゼット。天井が斜めになっている部分や、邪魔になりがちな梁なども、デザインに組み込んでしまえば気にならなくなります。写真のお部屋の天井の斜めの部分も、木目を生かしたオープン棚にしたことで、よいアクセントになっています。ここにお気に入りのバッグを見せて収納したり、本やオブジェを飾ると楽しそうです。
基本的に壁面に設けるウォールクローゼットですが、写真のように空間と空間の間に壁のように造って、間仕切りにすることもできます。こちらは寝室とバスルームの間仕切りになっていますね。2人で使う子ども部屋や、オープンプランの住まい、広い寝室の一部を書斎に使いたいという方にはおすすめのアイデアです。この場合、天井まで仕切ってしまうと、光をさえぎったり、お部屋が狭く感じてしまうこともあるので、高さは途中までにするのがポイント。オープンな雰囲気を残すのが大切です。
真っ白のお部屋の中、クローゼットの白く塗られた扉の木のパネルが温かみのあるさりげないアクセントになっていて素敵です。
真っ白のお部屋の中、クローゼットの白く塗られた扉の木のパネルが温かみのあるさりげないアクセントになっていて素敵です。
ウォールクローゼットのもうひとつのよいところは、扉の一部を鏡にできること。全身鏡は、身支度には欠かせませんよね。鏡があることで、お部屋も広く、明るく感じさせることもできます。
次に、クローゼットの中について考えてみましょう。どれだけ外観が素敵でも、開けたらびっくり…といった状態では困りますよね。クローゼットのレイアウトをプランする際にいくつか考えるべき重要なポイントを、ここでご紹介します。
1. かける洋服はどれくらいありますか?
今かかっている洋服の寸法を測ってみましょう。今お持ちの洋服をすべて収めたいのであれば、同じかそれ以上の長さのハンガーパイプを、新しいクローゼットにも入れる必要があります。
2. たたむ洋服はどれくらいありますか?
たたんだ状態のボリュームから、引き出しがいくつ必要なのか、棚板に並べたい場合はどれくらいの幅が必要なのか、計算してみてください。
次に、クローゼットの中について考えてみましょう。どれだけ外観が素敵でも、開けたらびっくり…といった状態では困りますよね。クローゼットのレイアウトをプランする際にいくつか考えるべき重要なポイントを、ここでご紹介します。
1. かける洋服はどれくらいありますか?
今かかっている洋服の寸法を測ってみましょう。今お持ちの洋服をすべて収めたいのであれば、同じかそれ以上の長さのハンガーパイプを、新しいクローゼットにも入れる必要があります。
2. たたむ洋服はどれくらいありますか?
たたんだ状態のボリュームから、引き出しがいくつ必要なのか、棚板に並べたい場合はどれくらいの幅が必要なのか、計算してみてください。
3. 小物はどのように収納したいですか?
ベルトやネクタイは丸めて引き出しに入れますか、それともかけますか? アクセサリーは引き出しに入れますか、それともジュエリーボックスに入れて棚に置きますか? ハンカチは何枚ありますか? 細かい物は、実は意外と忘れられがちです。忘れてしまってクローゼットの外に収納場所を考えなければならなくなる失敗を避けるため、小物もすべてしっかりとプランニングの中に入れておきましょう。
4. 最後に、洋服以外に入れるものはありますか?
予備の毛布やベッドリネンなど、寝室で使う他のものをクローゼットに入れる場合もあります。
以上の条件をベースに、ハンガーパイプの長さ、棚や引き出しの量や寸法を決めていくとよいでしょう。
ベルトやネクタイは丸めて引き出しに入れますか、それともかけますか? アクセサリーは引き出しに入れますか、それともジュエリーボックスに入れて棚に置きますか? ハンカチは何枚ありますか? 細かい物は、実は意外と忘れられがちです。忘れてしまってクローゼットの外に収納場所を考えなければならなくなる失敗を避けるため、小物もすべてしっかりとプランニングの中に入れておきましょう。
4. 最後に、洋服以外に入れるものはありますか?
予備の毛布やベッドリネンなど、寝室で使う他のものをクローゼットに入れる場合もあります。
以上の条件をベースに、ハンガーパイプの長さ、棚や引き出しの量や寸法を決めていくとよいでしょう。
量が把握できた段階で、空間をどのように使うか考えてみてください。
丈の短い服が多ければ、ハンガーパイプを上下に取り付けるのもひとつの方法です。それによってかけられる容量が一気に倍になるので、うれしい話ですよね。この場合、上のパイプは約2mの高さに取り付けるとよいです。
写真は、パイプを上下に取り付け、さらに真ん中に下着や小物も収納できそうな引き出しがあるクローゼット。引き出しの分、上のパイプは通常よりやや高めの位置に取り付けなければなりませんが、高さが気にならなければぜひ活用してみたいアイデアです。
丈の短い服が多ければ、ハンガーパイプを上下に取り付けるのもひとつの方法です。それによってかけられる容量が一気に倍になるので、うれしい話ですよね。この場合、上のパイプは約2mの高さに取り付けるとよいです。
写真は、パイプを上下に取り付け、さらに真ん中に下着や小物も収納できそうな引き出しがあるクローゼット。引き出しの分、上のパイプは通常よりやや高めの位置に取り付けなければなりませんが、高さが気にならなければぜひ活用してみたいアイデアです。
ハンガーが上にあり、その下に引き出しや収納ケース、または棚が設置されているのが一般的なクローゼットだと思います。こちらはその逆の発想。丈の短い洋服ばかりなので、ハンガーは低い位置に。そしてその上に棚板が取り付けられています。
これならしゃがんだり、腰を曲げることが一切なく、洋服の出し入れができそうですね。収納は、腰から目線までの位置がもっとも使いやすい高さだと言われています。ちょうどその高さに下着やTシャツなど、使用頻度が最も高いものを収めると、使い勝手もかなり違ってくると思います。
これならしゃがんだり、腰を曲げることが一切なく、洋服の出し入れができそうですね。収納は、腰から目線までの位置がもっとも使いやすい高さだと言われています。ちょうどその高さに下着やTシャツなど、使用頻度が最も高いものを収めると、使い勝手もかなり違ってくると思います。
市販の収納用品もぜひ活躍させましょう。下着をかごに入れれば、洗濯物をたたむ時にかごごと取り出して、ベッドでたたみながらしまうことができ、ひと手間省けます。実際、私もそうしてみて分かりました。
小物入れやハンガーラックなど、さまざまなグッズを上手に使って、写真のような機能的なクローゼットをご自分なりに組み立ててみましょう。
丈の長さを揃えたり、種類や色ごとに分けたり、入れ方もぜひ工夫してみてください。見た目がきれいだけではなく、何がどこにあるかすぐ分かるようになります。
また、ハンガーも同じもので揃えると、見た目がよくなるだけではなく、洋服の出し入れも楽になりますよ。私はいつもクリーニング屋さんから戻ってきた服を、すぐに木製ハンガーにかけ直しています。同じものを使うことで、洋服やハンガーがからまず、そして見た目もすっきり。整理整頓されたきれいなクローゼットは見ていて気持ちがよく、そんなクローゼットの中から取り出して着る洋服は、着ていて一段と気持ちよく感じるはずです。
小物入れやハンガーラックなど、さまざまなグッズを上手に使って、写真のような機能的なクローゼットをご自分なりに組み立ててみましょう。
丈の長さを揃えたり、種類や色ごとに分けたり、入れ方もぜひ工夫してみてください。見た目がきれいだけではなく、何がどこにあるかすぐ分かるようになります。
また、ハンガーも同じもので揃えると、見た目がよくなるだけではなく、洋服の出し入れも楽になりますよ。私はいつもクリーニング屋さんから戻ってきた服を、すぐに木製ハンガーにかけ直しています。同じものを使うことで、洋服やハンガーがからまず、そして見た目もすっきり。整理整頓されたきれいなクローゼットは見ていて気持ちがよく、そんなクローゼットの中から取り出して着る洋服は、着ていて一段と気持ちよく感じるはずです。
ご自分のスタイルにぴったり合った、機能的で充実したクローゼットを持つことは、日々の洋服選びだけではなく、年に2回の衣替えを素早くするためにも、とても大切です。効率のよい、素敵なクローゼットを目指して、今よりさらにレベルアップしたスペースのプランを考えてみてはいかがでしょうか。
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