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CAセレクション:Houzzでみつけた理想の北欧の暮らし10選
海外を飛び回る中で身につけた国際感覚を生かし、CA以外の仕事でも活躍する方々が、ハウズで見つけた空間写真から理想の家を考えるシリーズ。第2回はインテリアコーディネート会社に勤務する辻本亜依良さんがセレクトする「理想の北欧の暮らし」編です。
Aira Tsujimoto
2017年2月13日
米系航空会社と日系航空会社のCAを経て、現在はフィンランドの航空会社のCAとして乗務しています。東京在住で、オフの日にはインテリアコーディネート会社で北欧のライフスタイルを紹介しています。趣味は旅行、スノーボード、ピラティス。旅先ではカフェや美術館を巡ったり、ローカルのファーマーズマーケットを散策したりします。
米系航空会社と日系航空会社のCAを経て、現在はフィンランドの航空会社のCAとして乗務しています。東京在住で、オフの日にはインテリアコーディネート会社で北欧のライフスタイルを紹介しています... もっと見る
フィンランドの航空会社でキャビンアテンダント(CA)として毎月3、4回は日本ーヘルシンキ間を往復し、乗務が休みの日にはインテリアコーディネート会社に勤務して、ヨーロッパのインテリアを紹介するという仕事をしています。フィンランド人は、自分らしく正直に生き、今あるモノを大切にし、人とのつながりを楽しみ、サウナで深くリラックスして、自然を愛し、家族との時間と空間を大切にしながら暮らしています。私も彼らのライフスタイルに強く惹かれ、いつか「家族が早く帰りたいと思えるあたたかい家作り」ができたらと思っています。今回は、そんな私の理想が叶いそうなHouzzの北欧インテリアの写真を通じて、フィンランドの日常とインテリアに対する考え方をご紹介します。
緯度が高いフィンランドでは、8月くらいから肌寒くなり始め、再び暖かくなる5月まで、約10ヵ月にわたり長い冬が続きます。「極夜(きょくや)」とよばれる特に寒い時期は、午後3時には暗くなり、朝9時頃にうっすら明るくなる日々。外は暗く寒いので、「せめてお家の中だけはあたたかくして、色彩に囲まれながら生活をしたい! 」と誰もが思っています。そんな気候と風土にあって、家で過ごす時間が長いため、フィンランド人は洋服や化粧品よりもインテリアにお金をかける人たちです。
緯度が高いフィンランドでは、8月くらいから肌寒くなり始め、再び暖かくなる5月まで、約10ヵ月にわたり長い冬が続きます。「極夜(きょくや)」とよばれる特に寒い時期は、午後3時には暗くなり、朝9時頃にうっすら明るくなる日々。外は暗く寒いので、「せめてお家の中だけはあたたかくして、色彩に囲まれながら生活をしたい! 」と誰もが思っています。そんな気候と風土にあって、家で過ごす時間が長いため、フィンランド人は洋服や化粧品よりもインテリアにお金をかける人たちです。
自然のパターンを取り入れる
特に家族と過ごすリビングルームは、赤やオレンジなどの暖色のカーテンや、花柄や草木の柄のクッションカバーを使って部屋をにぎやかにコーディネートします。また、観葉植物を置いたり、白樺や川といった自然のパターンのタペストリーを使うなど、生命力を感じるインテリアを冬の生活に取り入れます。仕上げにキャンドルを灯し暖かい雰囲気をつくりあげます。これは長い冬を過ごすフィンランド人の夏や太陽、植物への憧れが投影されているのでしょう。
特に家族と過ごすリビングルームは、赤やオレンジなどの暖色のカーテンや、花柄や草木の柄のクッションカバーを使って部屋をにぎやかにコーディネートします。また、観葉植物を置いたり、白樺や川といった自然のパターンのタペストリーを使うなど、生命力を感じるインテリアを冬の生活に取り入れます。仕上げにキャンドルを灯し暖かい雰囲気をつくりあげます。これは長い冬を過ごすフィンランド人の夏や太陽、植物への憧れが投影されているのでしょう。
日常をカラフルに
日本人はついつい同じ柄や色で部屋をまとめがちですが、フィンランド人は「柄×柄」が大好き。全く違うテイストの柄と柄を平気でコーディネートします。でもそれが不思議なことに、しっくりきます。
いちばん簡単にトライできるのは、クッションカバーを替えること。フィンランドの家ではたくさんのクッションが使われているので、クッションカバーを替えるだけでも部屋のイメージが一気にぱっと明るくなります。
柄や色があふれているとごちゃごちゃとした感じになるのではないかと心配される方もいるかもしれません。そこで、フィンランド人流の「統一感を作り出すコツ」をご紹介します。
日本人はついつい同じ柄や色で部屋をまとめがちですが、フィンランド人は「柄×柄」が大好き。全く違うテイストの柄と柄を平気でコーディネートします。でもそれが不思議なことに、しっくりきます。
いちばん簡単にトライできるのは、クッションカバーを替えること。フィンランドの家ではたくさんのクッションが使われているので、クッションカバーを替えるだけでも部屋のイメージが一気にぱっと明るくなります。
柄や色があふれているとごちゃごちゃとした感じになるのではないかと心配される方もいるかもしれません。そこで、フィンランド人流の「統一感を作り出すコツ」をご紹介します。
1つめのコツは、部屋のベースの色(壁、ソファー、カーペットなど広範囲に使われている色)とは違う差し色を1色決めて、さまざまなアイテムで繰り返し使うこと。
例えばこの写真では。フィンランド人が冬に好む赤やオレンジ系の色がクッションやアート作品に使われています。ポイント的にちりばめることで部屋に一体感が生まれます。
例えばこの写真では。フィンランド人が冬に好む赤やオレンジ系の色がクッションやアート作品に使われています。ポイント的にちりばめることで部屋に一体感が生まれます。
2つめのコツは同じブランドのテキスタイルを使うこと。同じ柄の色違いをあわせることから始めると、模様替えに失敗しません。
この2つのコツさえつかんでいれば、自宅のリビングが北欧カフェのように演出できます。ただ、フィンランドのクッションカバーはほとんどが50cm×50cmで、日本のサイズの45cm×45cmよりも少し大きめなのでご注意ください。
この2つのコツさえつかんでいれば、自宅のリビングが北欧カフェのように演出できます。ただ、フィンランドのクッションカバーはほとんどが50cm×50cmで、日本のサイズの45cm×45cmよりも少し大きめなのでご注意ください。
テーブルコーディネートを楽しむ
あまり知られてはいませんが、フィンランドの国民一人あたりのコーヒー消費量はなんと世界トップで、フィンランド人にとっての自慢です。コーヒーが大好きなフィンランド人は、緊張をほぐすため、会議もコーヒーを飲みながら進めていきます。彼らにとってコーヒーを飲むことは心のゆとりを保つ方法。デザイン性のあるマグカップで飲むとリラックスタイムを楽しめます。
お家でのコーヒータイムもこだわっています。カップ、ソーサーやお菓子のプレートは、色や柄を活かしてコーディネートをします。無地のプレートと柄のボールを重ねたり、カトラリーと一緒にカラフルなペーパーナプキンを添えたり、テーブルにグリーンをあしらったりして、家でも楽しくコーヒータイムを過ごします。
あまり知られてはいませんが、フィンランドの国民一人あたりのコーヒー消費量はなんと世界トップで、フィンランド人にとっての自慢です。コーヒーが大好きなフィンランド人は、緊張をほぐすため、会議もコーヒーを飲みながら進めていきます。彼らにとってコーヒーを飲むことは心のゆとりを保つ方法。デザイン性のあるマグカップで飲むとリラックスタイムを楽しめます。
お家でのコーヒータイムもこだわっています。カップ、ソーサーやお菓子のプレートは、色や柄を活かしてコーディネートをします。無地のプレートと柄のボールを重ねたり、カトラリーと一緒にカラフルなペーパーナプキンを添えたり、テーブルにグリーンをあしらったりして、家でも楽しくコーヒータイムを過ごします。
こちらはデンマークのブランド〈ソストレーネ グレーネ〉の写真ですが、フィンランドの有名なブランドのテーブルウェアのほとんどが、〈イッタラ〉のようにカラフルな1色づかい(無地)か〈マリメッコ〉のように華やかな柄物のどちらかで、どんなお料理を盛りつけても見栄えがします。和食にも洋食にも合うテーブルウェアのシリーズはいろいろあるので、気に入ったものを数枚揃えておくと重宝します。
また、ジャーやポット、キャンドルなどの高さのあるアイテムを一緒に飾って、テーブル全体を立体的に仕上げるのもポイントです。
また、ジャーやポット、キャンドルなどの高さのあるアイテムを一緒に飾って、テーブル全体を立体的に仕上げるのもポイントです。
光溢れるリビングダイニングで過ごす
日本人は美白のために日傘をさしたり、手袋を使ったり、日陰を好んだりしますが、フィンランド人からすればそんなことはナンセンス! 太陽が恋しい彼らは、2ヵ月しかない夏を慈しみ、太陽に感謝しながら生活しています。
日本人は美白のために日傘をさしたり、手袋を使ったり、日陰を好んだりしますが、フィンランド人からすればそんなことはナンセンス! 太陽が恋しい彼らは、2ヵ月しかない夏を慈しみ、太陽に感謝しながら生活しています。
フィンランド人は、日照時間の少なさが生活や健康に与える影響を懸念しています。日照時間が短すぎるとビタミンDが不足し、自律神経のバランスが崩れてしまいます。疲れやすくなったり、ストレスをかんじたり、気分が落ち込みやすくなるため、スーパーにもビタミンDのサプリメントが売られているほどです。
フィンランドでは、できるだけたっぷりと光を取り込むために、リビングルームは窓を大きくとります。バルコニーを窓で囲い、サンルームのようにすることも。壁を白くして、さらに光の反射を利用している家もたくさん見かけます。
フィンランドでは、できるだけたっぷりと光を取り込むために、リビングルームは窓を大きくとります。バルコニーを窓で囲い、サンルームのようにすることも。壁を白くして、さらに光の反射を利用している家もたくさん見かけます。
家具はデザイナーで選ぶ
フィンランドはエコ先進国でも有名で、あらゆるものを大切に使います。いちど買うと同じものを長く使うことから、家具はデザイン性が高く、さらにシンプルで使いやすさも追求されたものばかりです。こうした家具はタイムレスデザインと呼ばれています。
家で過ごす時間の長いフィンランド人は家具も大好きです。日本人はブランドを選んで家具を買いますが、フィンランド人はアルヴァ・アアルト、エーロ・サーリネン、イルマリ・タピオヴァーラといったデザイナーを決めて家具を買います。代々伝わる100年以上のヴィンテージソファや、初任給で買った椅子を30年たった今でも大切に使っている人もいます。使えば使った分だけ家具との思い出ができ、愛着が湧くようです。
フィンランドはエコ先進国でも有名で、あらゆるものを大切に使います。いちど買うと同じものを長く使うことから、家具はデザイン性が高く、さらにシンプルで使いやすさも追求されたものばかりです。こうした家具はタイムレスデザインと呼ばれています。
家で過ごす時間の長いフィンランド人は家具も大好きです。日本人はブランドを選んで家具を買いますが、フィンランド人はアルヴァ・アアルト、エーロ・サーリネン、イルマリ・タピオヴァーラといったデザイナーを決めて家具を買います。代々伝わる100年以上のヴィンテージソファや、初任給で買った椅子を30年たった今でも大切に使っている人もいます。使えば使った分だけ家具との思い出ができ、愛着が湧くようです。
サウナで心を通わせる
最後にフィンランドといえばサウナをご紹介しないわけにはいきません。どの家にも、ワンルームのマンションにもサウナを設置しています。フィンランド人にとってサウナは生活に必要不可欠です。日本人にとってのお風呂と同じ感覚で裸で入ります。
石のストーブに水をかけてスチームを出すタイプのサウナがほとんどで、自分でスチームの量を調節できます。最近は、この水にアロマウォーターを使用して、香りを楽しみながらリラックスする人もいます。
また、フィンランドでは、「重要な決断は会議ではなくサウナで決定される」と言われています。サウナでは、人は心の鎧を脱ぎ、裸と裸の付き合いをします。だから、サウナで交わされた約束は、契約書や協定よりもしっかりと守らなければならないのだそうです。この伝統的な交渉手法は「サウナ外交」と呼ばれ、在日フィンランド大使館も実践しています。
最後にフィンランドといえばサウナをご紹介しないわけにはいきません。どの家にも、ワンルームのマンションにもサウナを設置しています。フィンランド人にとってサウナは生活に必要不可欠です。日本人にとってのお風呂と同じ感覚で裸で入ります。
石のストーブに水をかけてスチームを出すタイプのサウナがほとんどで、自分でスチームの量を調節できます。最近は、この水にアロマウォーターを使用して、香りを楽しみながらリラックスする人もいます。
また、フィンランドでは、「重要な決断は会議ではなくサウナで決定される」と言われています。サウナでは、人は心の鎧を脱ぎ、裸と裸の付き合いをします。だから、サウナで交わされた約束は、契約書や協定よりもしっかりと守らなければならないのだそうです。この伝統的な交渉手法は「サウナ外交」と呼ばれ、在日フィンランド大使館も実践しています。
大切なモノとともに時を重ねていく贅沢なライフスタイル
「モノを丁寧に大切に使う」というフィンランドの文化が大好きになり、私自身のライフスタイルも次第に変わりつつあります。本当に必要なモノだけを買い、不要になったモノは捨てるのではなく、誰かにあげたり譲ったりするようにしています。また、次に買う家具は10年は使えて、次の世代にも残せるものにしようと決めています。家具を家族の一員のようにとらえ、ともに時を重ねていくことは真の贅沢だと思うようになりました。
Houzzには本当にたくさんの写真があって、好みのインテリアの写真があればすぐにアイデアブックに保存してコレクションすることができるうえ、ブランドや値段もわかります。これからもハウズを使って、私らしい北欧インテリアを追求していきたいと思っています。
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北欧スタイルは好きですか?
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