今も続く「ブルータリズム建築」の影響とは?
20世紀なかばに大きな議論を巻き起こしたブルータリズム建築。モダニズムの中で生まれたコンクリートによる力強い建築表現は、今の建築にも影響を与え続けています。
Janet Dunn
2017年10月4日
1950年代から1970年代にかけて隆盛したブルータリズム建築は、近現代においてとくに賛否両論の激しく分かれる建築ムーブメントのひとつだ。ブルータリズムという名称には粗野なイメージがあるが、実際には、ユートピア的な社会ヴィジョンと革新的な素材使いにもとづく、複雑で精巧なデザインの流派であった。ブルータリスト建築家たちの抱いた理想と挑戦は、いまも世界各地の建築のなかに、その影響を見ることができる。
インダストリアルなデザインが再流行している現在、ブルータリズム人気も再燃しているようだ。今回は、そんなブルータリズムについて取り上げ、ブルータリズムスタイルを最良のかたちで取り入れた、オーストラリアの住宅を見ていこう。
インダストリアルなデザインが再流行している現在、ブルータリズム人気も再燃しているようだ。今回は、そんなブルータリズムについて取り上げ、ブルータリズムスタイルを最良のかたちで取り入れた、オーストラリアの住宅を見ていこう。
ブルータリズムの誕生
20世紀前半は、建築界が大きく変化した時代だった。世界の出来事や、文化的な変化、急速な技術進歩が、「形態は機能に従う」をスローガンとする戦後モダニズムを推し進めていった。ブルータリズムはモダニズムの一派だと考えられているが、それ自体の歴史的意味を考えてみる価値がある。
フランス語で「むき出しのコンクリート」を意味するベトン・ブリュットに由来する名称は、誤解を招くことも多い。ブルータリズムのいちばんの特徴でもある「むき出しの」コンクリートは、オーセンティックな質感のある、大胆でシンプルな構造形態から、当時人気が高まっている素材だった。
20世紀前半は、建築界が大きく変化した時代だった。世界の出来事や、文化的な変化、急速な技術進歩が、「形態は機能に従う」をスローガンとする戦後モダニズムを推し進めていった。ブルータリズムはモダニズムの一派だと考えられているが、それ自体の歴史的意味を考えてみる価値がある。
フランス語で「むき出しのコンクリート」を意味するベトン・ブリュットに由来する名称は、誤解を招くことも多い。ブルータリズムのいちばんの特徴でもある「むき出しの」コンクリートは、オーセンティックな質感のある、大胆でシンプルな構造形態から、当時人気が高まっている素材だった。
ル・コルビュジエとブルータリズム
大胆不敵で一筋縄ではいかず、好き嫌いの激しく分かれる天才ル・コルビュジエだが、彼はブルータリズムの草分け的存在でもあった。生涯にわたり追求し続けたコンクリートの可能性、とくに枠の板目のついた「ベトン・ブリュット」と、進歩的な社会思想とを融合させている。
第二次大戦で破壊されてしまった市街の再生のためには、低コストで建てられる都市住宅や公共建築が求められていた。ル・コルビュジエが構想していたのは、「空中歩道」を用い、高いコミュニティ意識をつくり出す大規模な総合住宅地計画だった。彼は、装飾や過去の様式を用いない、明晰なモダニズム建築を推進していた。
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第二次大戦で破壊されてしまった市街の再生のためには、低コストで建てられる都市住宅や公共建築が求められていた。ル・コルビュジエが構想していたのは、「空中歩道」を用い、高いコミュニティ意識をつくり出す大規模な総合住宅地計画だった。彼は、装飾や過去の様式を用いない、明晰なモダニズム建築を推進していた。
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イギリスの建築史家バーナバス・カルダーは、ブルータリズムを賛美する文章のなかで「世界じゅうの建築家が、新たに選択肢に加わった素晴らしく自由な手法に刺激され……住むコンクリート芸術とも言うべきル・コルビュジエの建築に魅了された」と、述べている。この時代の重要な建築家には、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、フランク・ロイド・ライト、マルセル・ブロイヤー、ポール・ルドルフ、ルイス・カーン(上の写真。学生とともに)らが挙げられる。
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アメリカの建築家、ルイス・カーンは、ブルータリズムとインターナショナル・スタイルの要素を融合させている。彼の哲学は、ル・コルビュジエとよく似たものであった。建築には、都市計画を主導する役割があり、地域コミュニティと家族生活に役立つべきものだと考えていた。彼はフィラデルフィアの戦後復興に関わっており、公共・民間のプロジェクトを手がけたが、そのいくつかは現在も残っている。
1962年、カーンはカリフォルニア州サンディエゴにソーク生物医学研究所を設計した(写真)。その優美さと雄大な景観から、アメリカ有数の名建築に数えられている。
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ブルータリスト建築の定義とは
コンクリートは、ブルータリズムに限られた素材ではなく、ほかのモダニズム建築でも用いられている。ブルータリズムのコンクリートに特徴的なのは、打ったまま、木枠の跡や溝が残ったままで、「きれいに」仕上げられていないことだ。
力強い形状、繰り返し、立方体や幾何学的デザイン、頑健な素材感、コンクリートのフィン、細長い窓、強い水平・垂直ラインのなかに切り込む斜めのライン――そういった要素が、ブルータリズムの特色だ。装飾のないコンクリートの外観は、しばしば要塞のような印象を与える。建設技術が進み、鉄筋コンクリート柱で支えたり、カンティレバーで突き出すことで、デッキなどの平面を宙に浮かせることもできるようになった。そのため、上階のほうがボリュームが大きく見えることもある。
コンクリートは、ブルータリズムに限られた素材ではなく、ほかのモダニズム建築でも用いられている。ブルータリズムのコンクリートに特徴的なのは、打ったまま、木枠の跡や溝が残ったままで、「きれいに」仕上げられていないことだ。
力強い形状、繰り返し、立方体や幾何学的デザイン、頑健な素材感、コンクリートのフィン、細長い窓、強い水平・垂直ラインのなかに切り込む斜めのライン――そういった要素が、ブルータリズムの特色だ。装飾のないコンクリートの外観は、しばしば要塞のような印象を与える。建設技術が進み、鉄筋コンクリート柱で支えたり、カンティレバーで突き出すことで、デッキなどの平面を宙に浮かせることもできるようになった。そのため、上階のほうがボリュームが大きく見えることもある。
そして、なにより素材と機能を重視するのがブルータリズムである。水道管や配線、貯水タンクといったユーティリティ設備を隠さずそのまま見せることも多い。筋肉質な構造と、とくにコルビュジエが魅了された打ち放しコンクリートのように、素材の「ありのまま」の不完全な姿が見られる。
興味深いことに、早くからル・コルビュジエの建築に批判的だった人物のひとりに、シュールレアリスムのアーティスト、サルバドール・ダリがいる。ダリはこれらの建物を「世界でもっとも醜く、もっとも受け入れがたい建築」と呼んだ。
興味深いことに、早くからル・コルビュジエの建築に批判的だった人物のひとりに、シュールレアリスムのアーティスト、サルバドール・ダリがいる。ダリはこれらの建物を「世界でもっとも醜く、もっとも受け入れがたい建築」と呼んだ。
英国のブルータリズム
戦後イギリスでブルータリズムが推進された理由には、不況の影響が挙げられる。低コストの設計・建設によって、住宅プロジェクトや公共建築が次々とつくられていった。審美的な面では、コンクリートの持つ実直な彫刻的性質と、インダストリアルな印象を生かした設計になっている。
ブルータリズムが理想とした社会ヴィジョンが見過ごされ、廃れていくにつれ、建築物も急速に劣化が進んでいった。また、湿気が多く暗いイギリスの気候に素材を適応させていなかったため、水分とサビで外壁に縞模様がつき、薄汚れた要塞のような外観に変貌してしまった。いくつかは取り壊されたが、人々の惜しむ声は少なかった。
戦後イギリスでブルータリズムが推進された理由には、不況の影響が挙げられる。低コストの設計・建設によって、住宅プロジェクトや公共建築が次々とつくられていった。審美的な面では、コンクリートの持つ実直な彫刻的性質と、インダストリアルな印象を生かした設計になっている。
ブルータリズムが理想とした社会ヴィジョンが見過ごされ、廃れていくにつれ、建築物も急速に劣化が進んでいった。また、湿気が多く暗いイギリスの気候に素材を適応させていなかったため、水分とサビで外壁に縞模様がつき、薄汚れた要塞のような外観に変貌してしまった。いくつかは取り壊されたが、人々の惜しむ声は少なかった。
当初からブルータリズムには賛否両論あったが、イギリスでは激しい非難の的になった。とくに、デニス・ラスダンが設計し1976年に竣工したロンドンのロイヤル・ナショナル・シアター(写真)への批判は大きかった。
チャールズ皇太子はこの建物について「誰にも文句を言われずにロンドンのど真ん中に原子力発電所を建てるならうまい方法だ」と言っている。一方、詩人のサー・ジョン・ベッチェマンはラスダンに惜しみない称賛を贈り、「あなたの四角い劇場が淡い青空に浮かび、セント・ポール大聖堂が南にのぞくようすを目にして、喜びに息をのんだ」と述べている。
チャールズ皇太子はこの建物について「誰にも文句を言われずにロンドンのど真ん中に原子力発電所を建てるならうまい方法だ」と言っている。一方、詩人のサー・ジョン・ベッチェマンはラスダンに惜しみない称賛を贈り、「あなたの四角い劇場が淡い青空に浮かび、セント・ポール大聖堂が南にのぞくようすを目にして、喜びに息をのんだ」と述べている。
戦時中の空爆で破壊された街につくられ、その後も取り壊されずに残っているのが、ロンドンのバービカン・エステートだ。建築事務所〈チェンバリン・パウエル&ボン〉が設計し、1969年に竣工した。2001年には指定建造物グレードⅡ(重要文化財級に相当)に登録されている。
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現在ではとても人気のあるアパートメントとなっており、一戸あたり数百万ポンドのものもある。建築家のピアス・ゴフはバービカンを「完璧に完成された、とてつもなくパワフルで3次元的な街が、美しい緑の広場や池の景観を取り囲んでいる」と描写する。写真家のアントン・ロドリゲスが、光がふんだんに差し込む明るくシンプルな室内空間を撮影している。
オーストラリアの初期ブルータリズム
オーストラリアにおける初期のブルータリスト建築は、行政のオフィスビル、ホール、大学キャンパス、図書館、文化施設など、おもに公共建築であった。
その後、ブルータリズムは住宅デザインにも影響を及ぼすようになった。本人はそう呼ばれることをひどく嫌っていたが、有名建築家のハリー・サイドラーは、ブルータリスト建築家として知られていた。母親のために建てたローズ・サイドラー邸(写真)は、彼がオーストラリアで初めて手掛けたプロジェクトだ。モダニズム建築への理解が進んでいなかったオーストラリアの郊外では、この家はセンセーションを巻き起こし、建設現場ではそのためにいくつか問題も起きたようだ。
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その後、サイドラーと妻のペネロピ(同じく建築家)は、キラーラに自宅を設計して40年以上住み続けた。こちらはブルータリズム建築の最たる例と認められる建物で、ブルータリズム建築ファンなら一度は訪れる価値がある場所だ。柱と壁には木目のテクスチャーが残る打ち放しコンクリートを使っており、床は石、天井は木だ。
わずかな期間だが明るく輝いたブルータリズムの星と言えるのが、ブルガリアからオーストラリアに亡命したイワン・イワノフだ。パースでもっとも有名な建築家として知られるイワノフは、この町でいくつも優れた住宅を手掛け、ブルータリズムを紹介する人物となった。
なかでもとくに素晴らしいのが、1976年に建てられたマーサラ邸、別名「ダニエラのディスコハウス」である(写真は〈レッド・イメージズ・ファイン・フォグラフィー〉による)。コンクリートブロックや未来的な金属パネルが使われ、ディスコのようにライトアップされたダンスフロアのある変わった住宅だ。多くのブルータリズム住宅と同じく、当初は正当に評価されなかったが、現在は西オーストラリア州の歴史的建造物に指定されている。2005年、オーナーのマーク・エサートンさんとクリス・ビアさん、建築事務所〈ドナルドソン・アンド・ウォーン〉によって修復がおこなわれ、住宅遺産保存に関する賞をいくつも受賞した。
なかでもとくに素晴らしいのが、1976年に建てられたマーサラ邸、別名「ダニエラのディスコハウス」である(写真は〈レッド・イメージズ・ファイン・フォグラフィー〉による)。コンクリートブロックや未来的な金属パネルが使われ、ディスコのようにライトアップされたダンスフロアのある変わった住宅だ。多くのブルータリズム住宅と同じく、当初は正当に評価されなかったが、現在は西オーストラリア州の歴史的建造物に指定されている。2005年、オーナーのマーク・エサートンさんとクリス・ビアさん、建築事務所〈ドナルドソン・アンド・ウォーン〉によって修復がおこなわれ、住宅遺産保存に関する賞をいくつも受賞した。
現在まで続くブルータリズムの影響
西オーストラリア州、マーガレットリバーにあるこちらの住宅も、スケールと荘厳なたたずまい、強い水平ライン、むき出しのコンクリートを生かした表現などを受け継いでいる。インド洋を望む細長い窓を除けば、大きなコンクリート壁の平面を損なうような無駄な装飾はまったくない。ブルータリズムが今世紀の建築精神で翻案されている見事な例だろう。
西オーストラリア州、マーガレットリバーにあるこちらの住宅も、スケールと荘厳なたたずまい、強い水平ライン、むき出しのコンクリートを生かした表現などを受け継いでいる。インド洋を望む細長い窓を除けば、大きなコンクリート壁の平面を損なうような無駄な装飾はまったくない。ブルータリズムが今世紀の建築精神で翻案されている見事な例だろう。
こちらは、コンクリートへの賛歌とも言えるような、ブルータリズムらしい特徴がよく現れたメルボルンの住宅。大部分は仕上げを施していない打ち放しコンクリート壁が道路に面し、多くのブルータリスト建築に共通する「要塞」の要素を感じさせる。インテリアにも打ち放しコンクリートがふんだんに使われている。ファサードそのものより、目的に合わせてファサードのなかで建物がどう機能するかを重視する、「内側から外へ」というブルータリズムのコンセプトに沿った内省的な家である。
こちらはふたりの建築家、クリントン・マレーとポリー・ハービソンが手掛けた住宅。何十年も前にル・コルビュジエが試みたように、打ち放しコンクリートによる構造の可能性と効果を限界まで引き出した建築である。コンクリートブロックが、積み重なり、折れ曲がり、覆いかぶさり、カンティレバーで突き出して躯体を形づくり、水平に伸びる窓が力強いラインを強調している。バルモラルにあるこちらの住宅は、2015年、ナショナル・アーキテクチャー・アワードとNSWアーキテクチャー・アワードの両方で住宅建築賞(新築部門)を受賞している。
〈カースティン・トンプソン・アーキテクツ〉が手掛けた「ハンギング・ロックの家」も賞に輝いた住宅で、メルボルンの北、ゴムノキに囲まれた自然保護地区内に建っている。おもにプレキャストコンクリートを用いた、ブルータリスト的な素材づかいだ。オーナーがブルータリストスタイルが大好きなだけでなく、この地域では厳格な森林火災対策が求められるため、コンクリートはふたつの条件を満たすぴったりの選択肢となった。コンクリートの持つ、熱や音響の特性、耐久性、防火性には、このような利点もあるのだ。
この住宅は、2014年ナショナル・アーキテクチャー・アワードのロビン・ボイド賞を受賞している。ボイド自身も、キャンベラで初のブルータリスト建築となったチャーチル・ハウスを設計している。
この住宅は、2014年ナショナル・アーキテクチャー・アワードのロビン・ボイド賞を受賞している。ボイド自身も、キャンベラで初のブルータリスト建築となったチャーチル・ハウスを設計している。
ル・コルビュジエが掲げた公共のためのマニフェストの実践ということではなく、ひとつの建築コンセプトとして、ブルータリズムの人気は大きく再燃している。インダストリアルなデザインや、ユーティリティ設備を露出させたコンクリート構造も増えているし、不完全さのある本物の素材を良しとする傾向が高まっている。
短くもドラマチックな全盛期にはあまり重要視されなかったブルータリズムだが、評価が見直されており、ファンクラブや、文化遺産条例、出版物などによって、建築史における重要性が認められてきている。世界のブルータリズムを概観するなら、ピーター・チャドウィックの『This Brutal World(未訳)』をおすすめしたい。
教えてHouzz
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