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カンディンスキーの絵画から着想した、円形のモダニズム庭園
ランドスケープアーキテクトであるロバート・ロイストンが最後に遺した庭が今年、公開されました。円が描かれた絵画からインスピレーションを得たそのデザインをご覧ください。

Colin Flavin
2020年8月22日
2007年、ブレント・ハリスは、米サンフランシスコのランドスケープデザイン事務所、ロイストン、ハナモト、アリー&アビー(RHAA)に電話をかけました。カリフォルニア州パームスプリングスにある、自身の土地の庭の設計を、ランドスケープアーキテクトのロバート・ロイストンに依頼するためです。ハリスの土地は、建築学的に重要なミッドセンチュリーモダン建築が建つ場所にありました。
当時89歳だったロイストンは、1958年に共同設立した会社から18年前に引退していましたが、同社の主任であったJCミラーが、その申し出を断ることはありませんでした。
現在、「ヘファリン&ベケット・ガーデン」と呼ばれているこの庭は、ロイストンの輝かしいキャリアの最後を飾るプロジェクトとなりました。ロイストンの死後、ミラーによって2011年に完成しています。今年2月の「パームスプリングス・モダニズムウィーク」中、初めて一般公開されました。
当時89歳だったロイストンは、1958年に共同設立した会社から18年前に引退していましたが、同社の主任であったJCミラーが、その申し出を断ることはありませんでした。
現在、「ヘファリン&ベケット・ガーデン」と呼ばれているこの庭は、ロイストンの輝かしいキャリアの最後を飾るプロジェクトとなりました。ロイストンの死後、ミラーによって2011年に完成しています。今年2月の「パームスプリングス・モダニズムウィーク」中、初めて一般公開されました。
サンジャシント山脈を背景にしたブレント・ハリスの庭園 Photo by Millicent Harvey
待ち続ける価値があったプロジェクト
パームスプリングスの依頼についてミラーがロイストンに告げると、すでに引退していた彼は「なんとかできるかもしれない」と苦笑したそうです。
のちにロイストンは、「この庭こそ、私が待ち望んでいたものだ」とミラーにいいました。ミラーによれば、過去のデザインアイデアを再検討するチャンスだと感じたロイストンは、このプロジェクトに大きな関心を寄せたようです。巨大なプロジェクトであるとともに、カーブした母屋の形状は、ロイストンが愛してやまなかった円形の庭園の形状を引き立てるものでした。
ミラーは、ロイストンと共に設計できる機会に飛びつきました。カリフォルニア州ミルバレーにあるロイストンの自宅を訪ねてスケッチを確認し、現地を実際に見るため、ロイストンと共に砂漠の町パームスプリングスを訪れました。しかし、依頼を受けて1年もしないうちに、ロイストンは図面と植物の選定を終えることなく、この世を去ってしまいました。
ロイストンがプロジェクトの完成を見ることはありませんでしたが、最終的なデザインはロイストンの功績であるとミラーは考えています。ハードスケープ(構造物)の素材、そして植物や樹木を選ぶ判断がミラーに託されたとき、ミラーにはロイストンが意図していたことが理解できていたのです。
ミラーはのちにヴァリエ・デザイン・アソシエイツにパートナーとして加わりましたが、RHAAに在籍している間に、ロイストンと2人で基本計画を完成させていました。ミラーはヴァリエ・デザイン・アソシエイツで図面を完成させ、工事を手配し、その後の庭園管理を監督するよう依頼されました。
待ち続ける価値があったプロジェクト
パームスプリングスの依頼についてミラーがロイストンに告げると、すでに引退していた彼は「なんとかできるかもしれない」と苦笑したそうです。
のちにロイストンは、「この庭こそ、私が待ち望んでいたものだ」とミラーにいいました。ミラーによれば、過去のデザインアイデアを再検討するチャンスだと感じたロイストンは、このプロジェクトに大きな関心を寄せたようです。巨大なプロジェクトであるとともに、カーブした母屋の形状は、ロイストンが愛してやまなかった円形の庭園の形状を引き立てるものでした。
ミラーは、ロイストンと共に設計できる機会に飛びつきました。カリフォルニア州ミルバレーにあるロイストンの自宅を訪ねてスケッチを確認し、現地を実際に見るため、ロイストンと共に砂漠の町パームスプリングスを訪れました。しかし、依頼を受けて1年もしないうちに、ロイストンは図面と植物の選定を終えることなく、この世を去ってしまいました。
ロイストンがプロジェクトの完成を見ることはありませんでしたが、最終的なデザインはロイストンの功績であるとミラーは考えています。ハードスケープ(構造物)の素材、そして植物や樹木を選ぶ判断がミラーに託されたとき、ミラーにはロイストンが意図していたことが理解できていたのです。
ミラーはのちにヴァリエ・デザイン・アソシエイツにパートナーとして加わりましたが、RHAAに在籍している間に、ロイストンと2人で基本計画を完成させていました。ミラーはヴァリエ・デザイン・アソシエイツで図面を完成させ、工事を手配し、その後の庭園管理を監督するよう依頼されました。
ミラーによる著書『Robert Royston』の表紙
ミラーはロイストンの仕事に深く敬意を払い、RHAAでの最後のプロジェクトでロイストンと協働しました。また、机の下の箱に保管されていた素晴らしい図面も含め、数十年にわたるロイストンの作品を整理・保存する上でも、ミラーはRHAAを支えたのです。
ミラーのロイストンへの関心は、ルーベン・M・レイニーと共同執筆した、1937年〜2007年のロイストンの仕事について書いたモノグラフィー『Robert Royston』という形で実を結びました。
ミラーはロイストンの仕事に深く敬意を払い、RHAAでの最後のプロジェクトでロイストンと協働しました。また、机の下の箱に保管されていた素晴らしい図面も含め、数十年にわたるロイストンの作品を整理・保存する上でも、ミラーはRHAAを支えたのです。
ミラーのロイストンへの関心は、ルーベン・M・レイニーと共同執筆した、1937年〜2007年のロイストンの仕事について書いたモノグラフィー『Robert Royston』という形で実を結びました。
1960年代後半、会社で仕事中のロバート・ロイストン。写真:JCミラーコレクション
ランドスケープデザインへのモダニストのアプローチ
1930年代、ロイストンやダン・カイリー、ガレット・エクボ、ジェームズ・ローズといったランドスケープアーキテクトたちが、左右対称という古典的な型にはまったやり方を否定し、伝統的なランドスケープデザインのあり方に異を唱え始めました。代わりに、近代建築や芸術とランドスケープとのつながりを探求し、強化することを目指したのです。
ロイストンは、個人庭園や公園の設計で名をあげました。第二次世界大戦で従軍したことから、戦後、サンフランシスコ湾岸地域での大規模な開発について鋭い意識を向けており、人口増加に対応するため公園をつくるよう主張しました。
公衆のニーズを慎重に調べ、さまざまな活動のために公園のデザインを“ゾーン分け”しました。自然発生的な遊びのための多目的エリアを取り入れることも多かったそうです。また、公園デザインのエリアを線引きするために、パビリオンやトレリスの設置についても慎重に検討したといいます。
「現代美術をランドスケープデザインに溶け込ませることはできるが、その形態は常に人間の使用目的に慎重に適応させる必要がある」とロイストンは考えていました。画家ワシリー・カンディンスキーに触発されたロイストンは、有機的な形状の芝生、舗装エリア、プールをデザインに取り入れ、庭に遊び心ある有機的な雰囲気を添えました。
その一例が、水遊びプールです。子どもが安全であることを親が感じる必要があると考え、真ん中、つまり親の手がもっとも届きにくい部分が一番浅くなるよう設計されています。
ランドスケープデザインへのモダニストのアプローチ
1930年代、ロイストンやダン・カイリー、ガレット・エクボ、ジェームズ・ローズといったランドスケープアーキテクトたちが、左右対称という古典的な型にはまったやり方を否定し、伝統的なランドスケープデザインのあり方に異を唱え始めました。代わりに、近代建築や芸術とランドスケープとのつながりを探求し、強化することを目指したのです。
ロイストンは、個人庭園や公園の設計で名をあげました。第二次世界大戦で従軍したことから、戦後、サンフランシスコ湾岸地域での大規模な開発について鋭い意識を向けており、人口増加に対応するため公園をつくるよう主張しました。
公衆のニーズを慎重に調べ、さまざまな活動のために公園のデザインを“ゾーン分け”しました。自然発生的な遊びのための多目的エリアを取り入れることも多かったそうです。また、公園デザインのエリアを線引きするために、パビリオンやトレリスの設置についても慎重に検討したといいます。
「現代美術をランドスケープデザインに溶け込ませることはできるが、その形態は常に人間の使用目的に慎重に適応させる必要がある」とロイストンは考えていました。画家ワシリー・カンディンスキーに触発されたロイストンは、有機的な形状の芝生、舗装エリア、プールをデザインに取り入れ、庭に遊び心ある有機的な雰囲気を添えました。
その一例が、水遊びプールです。子どもが安全であることを親が感じる必要があると考え、真ん中、つまり親の手がもっとも届きにくい部分が一番浅くなるよう設計されています。
JCミラーによる敷地計画
1つのランドスケープで結ばれた2つの家
複雑な都市プロジェクトの設計において経験豊かなロイストンでしたが、この庭園の設計には多くの課題がありました。
この土地には二軒の特徴的な家が隣りあう区画に建っており、これらを合わせて1つの流れをもつスペースにすることが求められました。
南側の区画にあるのは、1961年にサンディエゴの建築家、リチャード・ジョージ・ウィーラーが設計した、ヘファリンハウスとして知られる湾曲した大きな家。2ヶ所の増築は、著名な建築家アルバート・フレイによるものです。北区画にある小さな家は、ロサンゼルスにある円筒状のキャピトル・レコードビルなど、大規模な都市プロジェクトで知られるウェルトン・ベケット・アンド・アソシエイツが1957年に設計したものです。
著書の中でミラーは、設計作業を始める前にロイストンと一緒に現地を訪れた際の様子を語っています。
ロイストンは、砂漠とサンジャシント山脈を遠くに望む景色をとても気に入ったといいます。ミラーによると、ロイストンはそれまでパームスプリングスには行ったことがなく、砂漠の庭園を設計した経験はほとんどなかったそうです。
所有するミッドセンチュリーハウスの作庭を、本物のミッドセンチュリーモダンのランドスケープアーキテクトに頼みたかったクライアントにとって、このことは重要ではありませんでした。数少ない存命のミッドセンチュリーの巨匠の1人として、ロイストンが選ばれたのは当然といえるでしょう。
「荒野のダイヤモンド」、建築家アルバート・フレイの自邸
1つのランドスケープで結ばれた2つの家
複雑な都市プロジェクトの設計において経験豊かなロイストンでしたが、この庭園の設計には多くの課題がありました。
この土地には二軒の特徴的な家が隣りあう区画に建っており、これらを合わせて1つの流れをもつスペースにすることが求められました。
南側の区画にあるのは、1961年にサンディエゴの建築家、リチャード・ジョージ・ウィーラーが設計した、ヘファリンハウスとして知られる湾曲した大きな家。2ヶ所の増築は、著名な建築家アルバート・フレイによるものです。北区画にある小さな家は、ロサンゼルスにある円筒状のキャピトル・レコードビルなど、大規模な都市プロジェクトで知られるウェルトン・ベケット・アンド・アソシエイツが1957年に設計したものです。
著書の中でミラーは、設計作業を始める前にロイストンと一緒に現地を訪れた際の様子を語っています。
ロイストンは、砂漠とサンジャシント山脈を遠くに望む景色をとても気に入ったといいます。ミラーによると、ロイストンはそれまでパームスプリングスには行ったことがなく、砂漠の庭園を設計した経験はほとんどなかったそうです。
所有するミッドセンチュリーハウスの作庭を、本物のミッドセンチュリーモダンのランドスケープアーキテクトに頼みたかったクライアントにとって、このことは重要ではありませんでした。数少ない存命のミッドセンチュリーの巨匠の1人として、ロイストンが選ばれたのは当然といえるでしょう。
「荒野のダイヤモンド」、建築家アルバート・フレイの自邸
ワシリー・カンディンスキー作「Several Circles」。ソロモン・R・グッゲンハイム美術館コレクションより
ミラーとロイストンの初期の設計打ち合わせで、ロイストンはカンディンスキーの画集を取り出して『Several Circles』(いくつかの円)というタイトルの絵を指し、「これが私たちの庭だ」といいました。絵は大きな円と多数の小さな円で構成されています。
ロイストンはここからインスピレーションを得て、大きな円形のスイミングプールと小さな円形のジャグジーやプランター、さらには個々の舗装からなる構成を思いついたのです。
ミラーとロイストンの初期の設計打ち合わせで、ロイストンはカンディンスキーの画集を取り出して『Several Circles』(いくつかの円)というタイトルの絵を指し、「これが私たちの庭だ」といいました。絵は大きな円と多数の小さな円で構成されています。
ロイストンはここからインスピレーションを得て、大きな円形のスイミングプールと小さな円形のジャグジーやプランター、さらには個々の舗装からなる構成を思いついたのです。
ヘファリンハウスのプールと庭の模型 Photo by Jennifer Loring
「コンセプトを具体化するため、伝統的な模型を実際に作ることをロイストンは主張した」とミラーはいいます。
ロイストンは模型が大好きでした。クライアントがデザインを理解する上で役立ち、全体的なビジョンを保ちながら、プロジェクトを進めやすいからです。
89歳のロイストンは、プロジェクトを最後まで見届けられない可能性を悟っており、模型によって彼のビジョンを残そうとしたのかもしれない、とミラーは考えています。
「コンセプトを具体化するため、伝統的な模型を実際に作ることをロイストンは主張した」とミラーはいいます。
ロイストンは模型が大好きでした。クライアントがデザインを理解する上で役立ち、全体的なビジョンを保ちながら、プロジェクトを進めやすいからです。
89歳のロイストンは、プロジェクトを最後まで見届けられない可能性を悟っており、模型によって彼のビジョンを残そうとしたのかもしれない、とミラーは考えています。
道路からの眺め。ロイストンの砂漠庭園が前方に見える Photo by Millicent Harvey
自然の砂漠とミッドセンチュリーガーデンとの出会い
ロイストンが意図したのは、“砂漠を家に取り入れる”こと、そして家が砂漠に囲まれていることを感じられるようにすることでした。石壁や生垣で敷地境界をはっきりさせる案を否定し、代わりに“道路への贈り物”とロイストンが呼んだ、砂漠の庭園を通り沿いに配置し、人々の目を楽しませると同時に、家へのバッファーゾーンにもなるようにしたのです。
自然の砂漠とミッドセンチュリーガーデンとの出会い
ロイストンが意図したのは、“砂漠を家に取り入れる”こと、そして家が砂漠に囲まれていることを感じられるようにすることでした。石壁や生垣で敷地境界をはっきりさせる案を否定し、代わりに“道路への贈り物”とロイストンが呼んだ、砂漠の庭園を通り沿いに配置し、人々の目を楽しませると同時に、家へのバッファーゾーンにもなるようにしたのです。
道路からの眺め。ヘファリンハウスと、アプローチや私道を縁取る砂漠庭園 Photo by Millicent Harvey
ロイストンは外側ゾーン用に200トン以上の巨石を運び込み、原生植物や樹木を使って砂漠の環境を造りました。
ロイストンは外側ゾーン用に200トン以上の巨石を運び込み、原生植物や樹木を使って砂漠の環境を造りました。
JCミラーによる敷地計画図。フラビン・アーキテクツにより図面を重ね合わせられたもの
ミラーが造った庭園の敷地計画図には、ロイストンが4つの異なるエリアに分けた庭のゾーニングを示す注釈が付けられています。左のヘファリンハウスと右のベケットハウスの双方を、クライアントが所有しています。
ミラーが造った庭園の敷地計画図には、ロイストンが4つの異なるエリアに分けた庭のゾーニングを示す注釈が付けられています。左のヘファリンハウスと右のベケットハウスの双方を、クライアントが所有しています。
ヘファリンハウス外観 Photo by Millicent Harvey
ロイストンは外側のゾーンと家の中のプライベートなゾーンの間に、中間ゾーンを設計しました。中間ゾーンは、頑丈でありながら視線を遮らない金属フェンスと引き込みゲートによって外側ゾーンから分けられています。フェンスが描く円弧の中心は、この敷地に新しく造った円形プールの中央に位置しており、この古い価値ある家の形状と新たな庭とを見事に結びつけています。
道路の公共スペースと家の内側の間にある中間ゾーンには、屋根付きの駐車場と、家の正面玄関に続くエントランスポーチがあります。このエリアには植物が密集して植えられ、既存の植生ができるかぎり維持されています。
砂漠の中に建てられたジョン・ロートナーの有機的建築
ロイストンは外側のゾーンと家の中のプライベートなゾーンの間に、中間ゾーンを設計しました。中間ゾーンは、頑丈でありながら視線を遮らない金属フェンスと引き込みゲートによって外側ゾーンから分けられています。フェンスが描く円弧の中心は、この敷地に新しく造った円形プールの中央に位置しており、この古い価値ある家の形状と新たな庭とを見事に結びつけています。
道路の公共スペースと家の内側の間にある中間ゾーンには、屋根付きの駐車場と、家の正面玄関に続くエントランスポーチがあります。このエリアには植物が密集して植えられ、既存の植生ができるかぎり維持されています。
砂漠の中に建てられたジョン・ロートナーの有機的建築
Photo by Millicent Harvey
家の裏側にある庭の一番奥まった部分を、ロイストンは“オアシスゾーン”と呼びました。ヘファリンハウスの凹面形状がバッファーとなり、ここにはプールやジャグジー、戸外で食事するためのパティオといった、最もプライベートなエリアが配置されています。
家の裏側にある庭の一番奥まった部分を、ロイストンは“オアシスゾーン”と呼びました。ヘファリンハウスの凹面形状がバッファーとなり、ここにはプールやジャグジー、戸外で食事するためのパティオといった、最もプライベートなエリアが配置されています。
図:フラビン・アーキテクツ
この断面のダイアグラムは、ヘファリンハウスや密生した植栽がある中間ゾーンと外側ゾーンが、どのように内側のオアシスゾーンのバッファーとなっているのかを示しています。
この断面のダイアグラムは、ヘファリンハウスや密生した植栽がある中間ゾーンと外側ゾーンが、どのように内側のオアシスゾーンのバッファーとなっているのかを示しています。
Photo by Colin Flavin
プールの円形は、ヘファリンハウスの湾曲した屋根の張り出しを反映しています。
プールの円形は、ヘファリンハウスの湾曲した屋根の張り出しを反映しています。
裏庭の湾曲した壁 Photo by Millicent Harvey
ロイストンは、庭の後ろ側の壁を敷地境界線に沿わせず、円弧の中心点がプールの中央にくるようにカーブさせた壁として設計しました。これによってロイストンが嫌った要塞のような雰囲気をなくし、壁と敷地境界線の間に、木々が成長して山の素晴らしい景色との中間に背景を形成する余地も残しています。
ロイストンは、庭の後ろ側の壁を敷地境界線に沿わせず、円弧の中心点がプールの中央にくるようにカーブさせた壁として設計しました。これによってロイストンが嫌った要塞のような雰囲気をなくし、壁と敷地境界線の間に、木々が成長して山の素晴らしい景色との中間に背景を形成する余地も残しています。
Photo by Millicent Harvey
手前に見えるのは、ラウンジチェアと円形プランターが置かれた寝室のテラス。湾曲したコンクリートブロック壁の後ろには、ベッドルームの浴室専用に設けられた屋外テラスがあります。
手前に見えるのは、ラウンジチェアと円形プランターが置かれた寝室のテラス。湾曲したコンクリートブロック壁の後ろには、ベッドルームの浴室専用に設けられた屋外テラスがあります。
Photo by Colin Flavin
ウェルトン・ベケット・アンド・アソシエイツによって設計された、家の裏手にあるラッププールは、庭の中で存在感を出すために立ち上がりを持たせています。プールの壁にゲストが腰かけることもでき、パーティー中に誰かがプールに落ちる心配も少なくなります。
ウェルトン・ベケット・アンド・アソシエイツによって設計された、家の裏手にあるラッププールは、庭の中で存在感を出すために立ち上がりを持たせています。プールの壁にゲストが腰かけることもでき、パーティー中に誰かがプールに落ちる心配も少なくなります。
Photo by Colin Flavin
プールの中心を焦点として、湾曲したコンクリートベンチ、通路、植栽スペースという形で、庭がプールからテラスにかけて高くなっていきます。
主張しすぎない芝生部分は、ロイストンの典型的なデザイン要素といえるでしょう。有機的な形状に並べた縁石で左側の低い芝生部分を区切っており、そこがゴルフのパット練習場になっています。縁石が高くなっているので、打ち損ねたゴルフボールもそこで止まります。
プールの中心を焦点として、湾曲したコンクリートベンチ、通路、植栽スペースという形で、庭がプールからテラスにかけて高くなっていきます。
主張しすぎない芝生部分は、ロイストンの典型的なデザイン要素といえるでしょう。有機的な形状に並べた縁石で左側の低い芝生部分を区切っており、そこがゴルフのパット練習場になっています。縁石が高くなっているので、打ち損ねたゴルフボールもそこで止まります。
Photo by Colin Flavin
落ち着いて座ることができるエリアの境界を定めるのは、木材とステンレスのスクリーン。有機的な形態をした芝生の縁と生い茂る柑橘類の木々によって、この風景が完成しています。
落ち着いて座ることができるエリアの境界を定めるのは、木材とステンレスのスクリーン。有機的な形態をした芝生の縁と生い茂る柑橘類の木々によって、この風景が完成しています。
Photo by Colin Flavin
プライバシーを守るスクリーンが、屋外のシャワーエリアを仕切っています。
プライバシーを守るスクリーンが、屋外のシャワーエリアを仕切っています。
Photo by Colin Flavin
ロイストンがヘファリンハウスの古い庭から、敷石の残骸を見つけたときのことを、ミラーは回想します。ミラー自身のクリエイティブなアイデアで、カンディンスキーの『Several Circles』を彷彿とさせる配置にし、その敷石を置きました。ロイストンが喜ぶことは間違いありません。
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ロイストンがヘファリンハウスの古い庭から、敷石の残骸を見つけたときのことを、ミラーは回想します。ミラー自身のクリエイティブなアイデアで、カンディンスキーの『Several Circles』を彷彿とさせる配置にし、その敷石を置きました。ロイストンが喜ぶことは間違いありません。
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