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陶芸界のスター、ジョナサン・アドラーの魅力
3年前にはユニクロ・UTのTシャツデザインも手がけ、日本でも知名度の高いジョナサン・アドラー。陶芸家、インテリア・デザイナーとして、90年代からインテリア界デザインの最前線を走り続ける彼の個性と魅力に迫ります!
杉田真理子
2017年1月9日
素敵な空間つくりには欠かせないインテリア小物たち。ソファやテーブルといった大型家具に比べて、単体で脚光を浴びることの少ない小物ですが、そんな小物の世界をシュールに遊び続けている天才がいます。その名もジョナサン・アドラー。現在ニューヨークを中心に、世界中で活躍するスター陶芸家・インテリアデザイナーです。
ニューヨークを騒がせる陶芸家、ジョナサン・アドラー
デザイナーとして、インテリア関連のTVのパーソナリティとして、幅広く活躍するアドラー。そのキャリアは、陶芸からはじまりました。小学生の頃、夏のキャンプで陶芸を体験したアドラーは、その魅力にとりつかれます。ブラウン大学に進学したものの、他の美術大学に入り浸って陶芸にいそしみます。しかし、そのまま陶芸の道を極めるには至らず、自信を失って陶芸の道からはずれ、一旦は一般企業に就職します。
デザイナーとして、インテリア関連のTVのパーソナリティとして、幅広く活躍するアドラー。そのキャリアは、陶芸からはじまりました。小学生の頃、夏のキャンプで陶芸を体験したアドラーは、その魅力にとりつかれます。ブラウン大学に進学したものの、他の美術大学に入り浸って陶芸にいそしみます。しかし、そのまま陶芸の道を極めるには至らず、自信を失って陶芸の道からはずれ、一旦は一般企業に就職します。
その後、自分の才能を信じてアドラーが陶芸の世界に復帰しなかったら、ニューヨークのインテリアデザイン界は今頃もっとつまらないものになっていたかもしれません。最初の大きな成功は1993年。ニューヨークで陶芸コレクションを発表し、その後、販売された白と黒のストライプ食器がブレークしたことがきっかけで、彼は一躍脚光を浴びました。その後ソーホーに自分のブランドショップを立ち上げたアドラーは、現在では世界各国に店舗を展開しています。
ミッドセンチュリーモダンからポップアートまで、インスピレーションの元は様々
アドラーの陶芸作品のデザインに見られるカラフルな色使いと遊び心は、ひと目で彼のものだとわかるほど。シュールな遊び心に満ちたデザインには、こんなアイディアがあったのか!と唸らせられます。大学でアートヒストリーと記号論を専攻したアドラーは、ポップアートやヒップホップ、ファッションから抽象芸術まで幅広い分野からインスピレーションを得ました。そのため彼が生み出すアイテムは、ミッドセンチュリーデザインであったり、ブランクーシの抽象芸術に影響を受けていたり、常にテイストが変わります。
アドラーの陶芸作品のデザインに見られるカラフルな色使いと遊び心は、ひと目で彼のものだとわかるほど。シュールな遊び心に満ちたデザインには、こんなアイディアがあったのか!と唸らせられます。大学でアートヒストリーと記号論を専攻したアドラーは、ポップアートやヒップホップ、ファッションから抽象芸術まで幅広い分野からインスピレーションを得ました。そのため彼が生み出すアイテムは、ミッドセンチュリーデザインであったり、ブランクーシの抽象芸術に影響を受けていたり、常にテイストが変わります。
人間や動物の身体をモチーフに、一点一点がシュール
フラワーベースやオブジェのほか、キャンドルスタンドや文鎮など、アドラーは多くのアイテムを発表しています。その中で彼特有のデザインが光るのは、人間の顔をかたどった小物や、動物の曲線美を強調したオブジェなど、「身体」からインスピレーションをうけたアイテム。リアリスティックにではなく、あくまでも遊び心満載でコミカルに、身体の一部をデザインにも融合させます。
フラワーベースやオブジェのほか、キャンドルスタンドや文鎮など、アドラーは多くのアイテムを発表しています。その中で彼特有のデザインが光るのは、人間の顔をかたどった小物や、動物の曲線美を強調したオブジェなど、「身体」からインスピレーションをうけたアイテム。リアリスティックにではなく、あくまでも遊び心満載でコミカルに、身体の一部をデザインにも融合させます。
指のOKサインをそのまま象った文鎮や、鉄棒にぶら下がった手のように見えるキッチン用具など、思わずくすりと笑ってしまうデザインを、アドラーは本気で作ります。身体の一部分を使うという斬新なアイデアと、有機的な曲線美があいまって、置くだけでカラフルで遊び心満載のアドラーワールドを作り出してくれるのです。
イエロー、ゴールド、オレンジ大好き!
ゴールドのアイテムを好んでデザインするアドラーは、インテリアのベースカラーとしては敬遠されがちなオレンジやイエローを大胆に使うこともためらいません。たとえばこの写真のように、ブルーで統一したシンプルな空間に、潔く鮮やかなイエローのカーテンをひく、そんな突拍子もない組み合わせを軽々としてみせます。アドラーワールドに慣れ親しめば、きっとあなたもイエローやオレンジを多用したくなるはずです!
ゴールドのアイテムを好んでデザインするアドラーは、インテリアのベースカラーとしては敬遠されがちなオレンジやイエローを大胆に使うこともためらいません。たとえばこの写真のように、ブルーで統一したシンプルな空間に、潔く鮮やかなイエローのカーテンをひく、そんな突拍子もない組み合わせを軽々としてみせます。アドラーワールドに慣れ親しめば、きっとあなたもイエローやオレンジを多用したくなるはずです!
こちらは幾何学模様のカーペットにビビットなイエローを使用したアドラーのコーディネート。人の顔をしたゴールドの植木鉢に、オレンジのテーブルランプも投入して、イエロー、ゴールド、オレンジを上手く生かした世界観を生み出しています。
シェルフやテーブル上のデコレーションは得意分野
陶芸などのインテリア小物の魅力は、置かれる場所や、その組み合わせによって大きく左右します。アドラーはその点を、誰よりも理解していました。自身のデザインしたアイテムを、その部屋のスタイルに合わせて巧みに組みあわせ、有機的な統一感を作り出します。組み合わせ、置く角度、配色など、すべてが計算されたひとつのアート作品のような仕上がりに、思わずため息がでてしまうほど。
陶芸などのインテリア小物の魅力は、置かれる場所や、その組み合わせによって大きく左右します。アドラーはその点を、誰よりも理解していました。自身のデザインしたアイテムを、その部屋のスタイルに合わせて巧みに組みあわせ、有機的な統一感を作り出します。組み合わせ、置く角度、配色など、すべてが計算されたひとつのアート作品のような仕上がりに、思わずため息がでてしまうほど。
カトラリーも充実
こちらは鳥の形をしたオブジェに、同じくゴールドのカトラリーを合わせたテーブルデコレーション。アドラーはカトラリーもデザインしており、得意のゴールドを多用したシリーズに加え、べっこうなど、すこし変わった素材を導入したアイテムも発表しています。クラシカルでシンプルだけれどどこかひねりの利いたテーブルスタイルは、アドラーの得意分野のひとつです。
こちらは鳥の形をしたオブジェに、同じくゴールドのカトラリーを合わせたテーブルデコレーション。アドラーはカトラリーもデザインしており、得意のゴールドを多用したシリーズに加え、べっこうなど、すこし変わった素材を導入したアイテムも発表しています。クラシカルでシンプルだけれどどこかひねりの利いたテーブルスタイルは、アドラーの得意分野のひとつです。
椅子など家具のデザインも
先述のように、「陶芸家」としてキャリアをスタートさせたアドラーですが、そのデザインは椅子などのより大きなアイテムにも発展しました。写真の《イングマールチェア》は、スカンジナビアテイストのフォルムに、エレガントなゴールドの脚、座面には贅沢にファーを利用して、クラシックモダンな仕上がりとなっています。シンプルでどんなテイストの部屋にも似合うけれど、細部にこだわった個性もある…… そんなアドラーのデザインは、フラワーベースであろうと椅子であろうと変わりません。
先述のように、「陶芸家」としてキャリアをスタートさせたアドラーですが、そのデザインは椅子などのより大きなアイテムにも発展しました。写真の《イングマールチェア》は、スカンジナビアテイストのフォルムに、エレガントなゴールドの脚、座面には贅沢にファーを利用して、クラシックモダンな仕上がりとなっています。シンプルでどんなテイストの部屋にも似合うけれど、細部にこだわった個性もある…… そんなアドラーのデザインは、フラワーベースであろうと椅子であろうと変わりません。
トータルコーディネートは、アドラーの世界感炸裂
一点一点のアイテムデザインだけでなく、トータルコーディネートからもアドラーの世界を楽しんでみましょう。人の手の形をあしらった斬新なオブジェに、アドラーらしいゴールドを多用した家具たち。大ぶりの照明でゴージャスかつダイナミックに仕上がった空間に、挿し色のターコイズブルーが光ります。巧みなアクセントカラー使いもアドラーならでは。彼のデザインはぜひ、単体アイテムではなくトータルコーディネートの中でチェックしてみてください。
一点一点のアイテムデザインだけでなく、トータルコーディネートからもアドラーの世界を楽しんでみましょう。人の手の形をあしらった斬新なオブジェに、アドラーらしいゴールドを多用した家具たち。大ぶりの照明でゴージャスかつダイナミックに仕上がった空間に、挿し色のターコイズブルーが光ります。巧みなアクセントカラー使いもアドラーならでは。彼のデザインはぜひ、単体アイテムではなくトータルコーディネートの中でチェックしてみてください。
人生をささげた陶芸を皮切りに、照明や椅子などのデザイン、ひいてはデザイン関連のTV番組での活躍まで、自身の才能を幅広く楽しむアドラーの魅力を、みなさんもぜひ楽しんでください。個性的でひねりのきいたアドラーワールドに、一度足を踏み入れたらそのとりこになること間違いなしです。
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