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建築家と一緒につくった、趣味と暮らしを楽しむ家族のための家
壁面いっぱいの本棚や、本格的なしつらえでありながらモダンな茶室を備えた、多趣味な家族のための住まいです。
杉田真理子
2021年7月21日
兵庫県に建つ、3人家族のための住宅です。多趣味な施主夫妻は家づくりにあたって、多くの蔵書を収納できる壁一面の本棚や、お茶が趣味であるご夫妻のための本格的な茶室を設けることを希望されていました。
どんなHouzz?
所在地:兵庫県西宮市
住まい手:ご夫妻と子供1人
敷地面積:132.38㎡
建築面積:83.38㎡
延床面積:133.71㎡
構造:木造在来工法地上2階建て
設計:有限会社ミサオケンチクラボ
施工:株式会社越智工務店
竣工時期:2020年4月
「賃貸ではなく自分の家を建ててみたい」という想いがずっとあったという施主夫妻。住宅展示場にも何度か足を運びましたが、「既製品を組み合わせたパズルのような感じで、あまりしっくりこなかった」と当時を振り返ります。
建築家に依頼するという選択肢については、「値段も高く、ハードルが高い」という印象を勝手に持っていた、と振り返る施主夫妻。「でも、住宅メーカーの家にするなら、戸建てでなくともマンションで良いのでは、という思いもあって。せっかくなので後悔しないように…と、建築事務所も探してみることにしました」
所在地:兵庫県西宮市
住まい手:ご夫妻と子供1人
敷地面積:132.38㎡
建築面積:83.38㎡
延床面積:133.71㎡
構造:木造在来工法地上2階建て
設計:有限会社ミサオケンチクラボ
施工:株式会社越智工務店
竣工時期:2020年4月
「賃貸ではなく自分の家を建ててみたい」という想いがずっとあったという施主夫妻。住宅展示場にも何度か足を運びましたが、「既製品を組み合わせたパズルのような感じで、あまりしっくりこなかった」と当時を振り返ります。
建築家に依頼するという選択肢については、「値段も高く、ハードルが高い」という印象を勝手に持っていた、と振り返る施主夫妻。「でも、住宅メーカーの家にするなら、戸建てでなくともマンションで良いのでは、という思いもあって。せっかくなので後悔しないように…と、建築事務所も探してみることにしました」
建築設計事務所をインターネットで探す中で、有限会社ミサオケンチクラボの三竿創さん・佐喜子さんを発見。相談に行ったところ、二人がとても親身に話を聞いてくれたのが印象的だった、と施主夫妻は言います。
「建築家はハードルが高くない、という雰囲気を、お二人が作ってくれました。気になっていた金額も、予算の範囲内で納められるよう提案してもらえて。過去の事例も案内してくれ、彼らのこだわりを聞くことで、安心できましたね」
Houzzで建築家を探す
「建築家はハードルが高くない、という雰囲気を、お二人が作ってくれました。気になっていた金額も、予算の範囲内で納められるよう提案してもらえて。過去の事例も案内してくれ、彼らのこだわりを聞くことで、安心できましたね」
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土地選びの助言も含めて、ミサオケンチクラボに家づくりを依頼することにした施主夫妻。「趣味が楽しめる家にしたい」というご希望がありました。「釣りが好きなので、1m級の太刀魚を捌けるキッチンや、漫画や本が好きなので、67m分の本を並べられる本棚が必要など、要望が具体的にありましたね」と、三竿夫妻は笑いながら当時を振り返ります。
土地探しには2年かかりましたが、最終的に眺望の良い閑静な立地を見つけ、家づくりが本格的にスタートしました。
土地探しには2年かかりましたが、最終的に眺望の良い閑静な立地を見つけ、家づくりが本格的にスタートしました。
お茶人であるお父様の影響で、お茶がご趣味だという奥さま。今回の家づくりでは、本格的な茶室をつくることが要望としてありました。
規定の様式があり、細かな寸法が決まっている茶室の設計は、三竿夫妻にとっても初めてでした。奥さまのお父さまのアドバイスを得たり、茶室の施工に慣れている工務店さんと協力したりながら、設計から施工監理までを行っていきました。
規定の様式があり、細かな寸法が決まっている茶室の設計は、三竿夫妻にとっても初めてでした。奥さまのお父さまのアドバイスを得たり、茶室の施工に慣れている工務店さんと協力したりながら、設計から施工監理までを行っていきました。
この家の茶室には、オーソドックスな要素だけでなく、モダンな要素も取り入れられています。本式では入れない間接照明も、下り天井の段差を利用して忍ばせました。円窓や、横に長く配された窓のデザインは、奥さまのアイデアが元になっています。
8つの茶室から学ぶ。「茶の湯空間」づくりのヒント
8つの茶室から学ぶ。「茶の湯空間」づくりのヒント
1階から2階に上がる階段の途中には、1.4mの高さの納戸があります。ここは、部屋面積に換算されない小屋裏収納となっており、2階建でも十分な収納スペースを確保するために設けました。現在は、子供の遊び場所にもなっています。
階段を登ると、広々としたリビングダイニングが広がっています。
小上がりになっているバルコニーへの扉を開け放つと、外部空間も家の一部となり開放的な雰囲気です。バルコニーには、ハンモックを吊るしてリラックスできるほか、景色も見渡せます。
小上がりになっているバルコニーへの扉を開け放つと、外部空間も家の一部となり開放的な雰囲気です。バルコニーには、ハンモックを吊るしてリラックスできるほか、景色も見渡せます。
魚を捌いたり、大好きなカレーづくりのスパイスを並べたりと、すっきりとしていながら本格的な使用に耐えうるキッチン。お気に入りのタイルを貼ったり、趣味の食器をまとめられるよう、収納も計算しました。
ダイニングルームからさらに奥に進むと、段差をひとつ挟んでリビングルームがあります。天井の低い茶室の真上にあるため、床が一段、ダイニングよりも低めに設定されています。
「段差や小上がりが好きで、家中バリアフリーならぬバリアアリーなのですが(笑)、天井高の変化などがあり、仕切りがなくともエリアが区切れるのがとても良いなと思います」とご主人。
リビングは、扉を閉めると隔離した空間になるので、シアタールームとして使用する計画もあります。
「段差や小上がりが好きで、家中バリアフリーならぬバリアアリーなのですが(笑)、天井高の変化などがあり、仕切りがなくともエリアが区切れるのがとても良いなと思います」とご主人。
リビングは、扉を閉めると隔離した空間になるので、シアタールームとして使用する計画もあります。
壁一面に広がった本棚には豊富な蔵書がすっぽり収まっており、まるで図書館の一角のようです。ダイニングルームからは、70m高く床が設置されています。左手には、子供部屋への入り口があります。
本棚に合わせて造作されたダイニングテーブルは2.4mのゆったりした大きさ。10人まで着席することができます。
本棚に合わせて造作されたダイニングテーブルは2.4mのゆったりした大きさ。10人まで着席することができます。
本棚とダイニングテーブルの間にはカウンターがあり、ワークスペースとなっています。コロナ以前の設計ではありますが、結果としてリモートワークにもぴったりな仕様となっています。
2階建でありながら、中央に納戸がついているため2.5階の高さがある外観。ガルバリウム鋼板を使った綺麗なプロポーションです。北の道路側には窓を設けないことでプライバシーを確保しました。
「茶室も本棚も希望通りで、毎日楽しく暮らしています」と施主夫妻。家族の好きなこと、大切にしていることが、丁寧に汲み取られた家となりました。
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「茶室も本棚も希望通りで、毎日楽しく暮らしています」と施主夫妻。家族の好きなこと、大切にしていることが、丁寧に汲み取られた家となりました。
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