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知っておきたい名作家具:ジョージ・ネルソンのスワッグレッグデスク&チェア
1958年に生み出された美しい脚部を持つデスクは、半世紀以上経った今のライフスタイルにもぴったり合う名作デザインです。
Becky Harris
2015年9月26日
スペースをとらないラップトップPCやペーパレスなオフィスの普及により、ジョージ・ネルソンが1958年に発表したスワッグレッグデスクはこれまで以上に機能性を発揮しています。クリーンなラインで部屋をすっきりとした印象にまとめてくれる、軽快なコンパクトなデスクです。
ハーマンミラーが製造販売したこのデスクには、ネルソンが開発した、彫刻的で美しいクローム製レッグがついています。ネルソンは、成形プラスティックのチェアにも同じレッグを使いました。このデスクとチェアを含め、スワッグレッグの家具は数点ありますが、どれもハーマンミラーが製造販売しており、現在も入手可能です。この記事では、インテリアに合わせてスワッグレッグチェアとデスクを活用する方法をご紹介していきます。
ハーマンミラーが製造販売したこのデスクには、ネルソンが開発した、彫刻的で美しいクローム製レッグがついています。ネルソンは、成形プラスティックのチェアにも同じレッグを使いました。このデスクとチェアを含め、スワッグレッグの家具は数点ありますが、どれもハーマンミラーが製造販売しており、現在も入手可能です。この記事では、インテリアに合わせてスワッグレッグチェアとデスクを活用する方法をご紹介していきます。
スワッグデスクには収納はほとんどありませんが、今どきのペーパーレスのオフィスなら問題はなりません。物を書いたり、調べ物をしたり、パソコンを使ったり、図面を描いたりするなら、充分な大きさがあります。棚の上は、iPhoneのドックやスケジュール帳、ちょっとした観葉植物を置いておくスペースになります。
デスクのラインはすっきりとしていますが、支えとなるレッグのカーブと、棚の仕切り板の明るくポップで遊び心のある色が、楽しげな印象をつくりだしています。
デスクの奥には、ケーブルを通す穴もつくってあります。また、手前の部分には鉛筆用の浅い引き出しもあります。
デスクの奥には、ケーブルを通す穴もつくってあります。また、手前の部分には鉛筆用の浅い引き出しもあります。
スワッグレッグデスクという名前は、カーブを描くレッグ部分にちなんでつけられました。ハーマンミラーのウェブサイトによれば、ネルソンは「美しい彫刻のような脚を持った家具を作れないだろうか」と考えたのだそうです。1950年代、曲線的な脚部をつくるのは、たいへんな労力を要する手仕事だったのです。
ネルソンは持ち前のイノベーションを生み出す力を発揮し、金属製の脚部を大量生産する方法を開発すべく実験を重ねました。「スワッグ」とは、金属製チューブに圧力をかけ、テーパリングし、曲線的に成形する方法を指す言葉です。まさに、この脚部の形を生み出す方法のことなのです。
ネルソンは持ち前のイノベーションを生み出す力を発揮し、金属製の脚部を大量生産する方法を開発すべく実験を重ねました。「スワッグ」とは、金属製チューブに圧力をかけ、テーパリングし、曲線的に成形する方法を指す言葉です。まさに、この脚部の形を生み出す方法のことなのです。
軽快な印象のデスクは、ベッドルームにも似合います。この角度から見ると、まるで床から浮かび上がっているかのようにです。
ジョージ・ネルソンの作品はどれもそうですが、このデスクも、彼の同時代の仲間たちの作品、例えばチャールズ&レイ・イームズ夫妻が1951年にデザインしたワイヤーチェアにもよく合います。
チェアといえば、写真に写っている、スワッグレッグデスクによく似た曲線を持つチェアを見て素敵だなと思ったことはありませんか? こちらは、スワッグレッグチェア。1958年にハーマンミラーが発売し、最近、復刻販売を始めたモデルです。
オフィス用のチェアにはもちろんのこと、ダイニングルームやキッチンテーブルの椅子としてもぴったりです。写真の部屋では、ラスティックなテーブルとベンチにモダンなチェアを合わせて、エクレクティックなインテリアになっています。
チェアのフォルムは、曲線的な脚部と、イームズの成形プラスティックの製造プロセスから発想のヒントを得て生み出されました。こちらの空間では、ブロックようなウッドテーブルと曲線のコントラストが際立っています。
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