主役にも引き立て役にもなる洗練された色、黒のインテリア効果
引き締める、引き立てる、安定感を増すなど、多様なインテリア効果をもつ黒。ナチュラルにもゴージャスにも演出でき、アクセントにもベースにもなるおしゃれなこの色の、上手な使い方をマスターしましょう。
カツウラアキツ
2017年9月25日
黒は、スタイリッシュ、シャープ、都会的、洗練など、幅広いイメージをもつ色です。また、喪に服すなど厳かな心情を象徴的に表すこともあり、なじみ深いけれど近寄り難くもある、ブラック。不吉なイメージを暗示することもある色ですが、最近はそれよりもポジティブな側面がさまざまに活用されています。高級感やステータス感も表現し、ファッション界では黒は最高におしゃれでモードな色。今回はそんな黒の上手な使い方のヒントをお伝えします。
色の中でいちばん暗い、光を吸収する無彩色
黒は、白やグレーと同様に、彩度をもたない無彩色。すべての光を反射する白とは逆で、光を吸収し、ほぼ反射もしません。つまり、「黒い光」というものは存在しない、ということになります。ただ、たとえばピアノの塗装のようなつやのある質感の黒はあります。光沢のある黒は「黒光り」などともいわれ、特別にクオリティが高い印象を与えます。
黒は、白やグレーと同様に、彩度をもたない無彩色。すべての光を反射する白とは逆で、光を吸収し、ほぼ反射もしません。つまり、「黒い光」というものは存在しない、ということになります。ただ、たとえばピアノの塗装のようなつやのある質感の黒はあります。光沢のある黒は「黒光り」などともいわれ、特別にクオリティが高い印象を与えます。
質感にも注目。取り入れやすいのはマットブラック
黒は存在感が強いので、憧れはあってもインテリアに取り入れるにはやや勇気がいります。でも最近では建材や塗料のバリエーションも増え、なかでもマットな素材感のブラックが充実。黒のもつ洗練されたイメージは変わらず、ソフトな印象を空間にもたらすため、壁一面に使っても圧迫感を感じにくく、おすすめです。このように質感を変えることで、インテリアに取り入れやすくなります。
黒は存在感が強いので、憧れはあってもインテリアに取り入れるにはやや勇気がいります。でも最近では建材や塗料のバリエーションも増え、なかでもマットな素材感のブラックが充実。黒のもつ洗練されたイメージは変わらず、ソフトな印象を空間にもたらすため、壁一面に使っても圧迫感を感じにくく、おすすめです。このように質感を変えることで、インテリアに取り入れやすくなります。
ブラックボードの壁でコミュニケーション空間を
また、人気のある黒の使い方としては、黒板(ブラックボード、チョークボード)の機能も兼ねた壁があります。取り入れやすいマットな質感とソフトな反射は、ナチュラルなインテリアの壁一面に塗っても違和感を感じさせない魅力があります。黒板塗料の色の中でも、黒は人気色。そこには黒をベースに、カラフルなチョークの色が映えるにぎやかなスペースが生まれます。コミュニケーションもはかれて、家族みんなが楽しめる空間に。子供部屋にも何の抵抗もなく黒の壁をつくることができます。
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白との組み合わせは最強
インテリアに黒を取り入れるなら、いちばん使いやすいのは白とのコンビネーション。写真では、「ベースカラー」の次に面積の大きい「アソートカラー」の部分に黒を使っています。開放感のある白との明度差が最大になるので、黒の量が少なくてもめりはりができ、空間が引き締まります。また、白と黒は同じ無彩色なのでバランスもよく、それほど鮮やかではない色でも引き立てる効果があります。
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近年日本ではストライプ柄の壁紙の人気が高く、多く使われるようになっています。白と黒のコントラストを使った効果は、壁紙のストライプ柄でも感じることができます。写真のようなめりはりのあるストライプは部屋の印象を大きく左右し、はっきりとしたラインは、規律正しさや清潔感といった印象を強めます。
縦ストライプにして縦のラインを強調すれば空間をより高く感じさせますし、横に貼ってボーダーにし、水平ラインを強調すれば、広さや奥行きを感じさせる空間づくりができます。
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キッチンに使って雑多な印象を抑える
キッチンに黒を取り入れるのもおすすめです。暗い色だと油汚れが目立ちそうで敬遠されがちですが、ここでは黒のタイルなど、お手入れが楽なものをチョイスするといいですね。木材の棚やステンレスのワークトップなど、温かみのある素材ともシャープな素材とも相性がよいのも特徴です。
キッチンは、たくさんのツール類や食材が並び、雑然としがちな空間ですが、黒のキッチンはまとまりのない多くの色要素をスマートにまとめ上げる視覚効果があります。目につくキッチンツールの色を多少揃えれば、さらに洗練された空間を演出できます。
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窓枠に使って外の眺めを強調する
大きな窓のある空間はとても素敵です。フィックス窓や大きな窓をつける際、窓枠の色を黒にしてみるのはいかがでしょう。黒は周りのどの色よりも暗いので目立つともいえますが、黒の縁取りを絵を引き締める額のように使うことで視線を集め、外の素晴らしい眺めを意識させることができます。上手に使えば、家の中で最も景色のよいスペースを美しく強調する存在になります。
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部屋の「下の方」に使って安定感を出す
黒がもつ代表的な効果のひとつに「軽重感」があります。軽重感とは、明るい色ほど軽く感じ、暗い色ほど重く感じる効果のこと。黒は色の中で最も暗いため、いちばんどっしりとした重厚感を感じる色となります。このような色は、空間の中でも下の方に置くと安定感が増します。写真では黒革のソファがその役割。革のしっとりとしたつや感もあいまって、さらに高級感のあるインテリア演出に一役買っています。
この効果をあえて逆に使い、暗い色を天井など上部に配すると、ちょっとこもったような印象になり、非日常的な雰囲気の空間になります。ラグジュアリーなレストランやホテルのようなインテリアをつくりたいときは、軽重感を逆転させてみるのも一案です。
黒がもつ代表的な効果のひとつに「軽重感」があります。軽重感とは、明るい色ほど軽く感じ、暗い色ほど重く感じる効果のこと。黒は色の中で最も暗いため、いちばんどっしりとした重厚感を感じる色となります。このような色は、空間の中でも下の方に置くと安定感が増します。写真では黒革のソファがその役割。革のしっとりとしたつや感もあいまって、さらに高級感のあるインテリア演出に一役買っています。
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重たさを感じる黒をソファよりもさらに下へと移動させ、床面を黒にする方法もあります。こうすることで、床面より上のものが、まるで舞台のセットのようにぐっと引き立ってきます。写真では奥行きのある部屋で使用しているため、奥行き感も強調されています。
住宅では黒い床面にする場合は、モルタルの上に黒をペイントしたり、カラーバリエーションの多いリノリウムなどを敷くのもいいでしょう。ペイントはつやが多く含まれる塗料の方が傷がつきにくいですが、生活の中でつく跡はインテリアにいい味付けをしてくれます。あえてつやの少ないタイプを塗って、床面の変化を楽しむのもいいでしょう。
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インテリアの「黒衣」役として
黒は強いイメージの色ですが、文楽や歌舞伎などで黒装束に黒頭巾を着た黒衣の方たちが、前に立つ役者や人形たちを引き立ててるように、黒はインテリアでも黒衣のような存在になれます。
黒はどんな色よりも明度や彩度が低い色です。シックな色を配してもその色味はじゅうぶん引き立ちますし、写真のように明るくクリアなトーンの色を置けば、色がもつポップな雰囲気がいっそう強調され、部屋の雰囲気を明るく楽しく彩ってくれます。
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まずは小物から取り入れてみる
黒は、少量でも視線をインテリアの中で集める存在になります。大きな面積で取り入れるには勇気がいるけれど、モダンなインテリアに憧れている人はまず、写真のような雑貨や花器のような小さなものから揃えてみるのもいいですね。洗練されたインテリアづくりのツールとして、ぜひ黒を取り入れてみてください。
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