色の使い方の基本:ベースカラーのアシスタント、自由に使える「アソートカラー」
基本とされるインテリアの色の配分で、部屋全体の約1/4を占めるサブの色、アソートカラー。そのはたらきと使い方について解説します。
カツウラアキツ
2017年2月28日
インテリアの中では、ベースカラーの次に面積の大きな部分を指す「アソートカラー」。どの部分をアソートカラーと捉えていいのか、いまひとつわかりづらいという声もよく聞きますが、実はアソートカラーは、インテリアのカラー配分の中でもいちばん自由度が高く、教科書通りに捉えなくてもよい部分といえます。ベースとアクセントの仲立ちとなる、アソートカラーの基本的な機能やいろいろな使用例を知ることから始めましょう。
基本のインテリアカラー配分をおさらい
まずはアソートカラーとは何かを把握するために、簡単なおさらいを。ベースカラーの記事でも最初に取り上げましたが、インテリアカラーには3つの構成要素があります。
1. ベースカラー(基調色)
面積の大きな床、壁、天井などの色で、全体の約70%を占めます。
2. アソートカラー(従属色)
大きめの家具やカーペット、カーテンなど全体の約25%を占める色です。
3. アクセントカラー(強調色)
雑貨やクッションなど部屋の約5%の分量を占める色です。
この3つの色の割合が、バランスのよい比率とされています。
こちらもあわせて
色の使い方の基本:インテリアの基調となる「ベースカラー」をもっと知ろう
まずはアソートカラーとは何かを把握するために、簡単なおさらいを。ベースカラーの記事でも最初に取り上げましたが、インテリアカラーには3つの構成要素があります。
1. ベースカラー(基調色)
面積の大きな床、壁、天井などの色で、全体の約70%を占めます。
2. アソートカラー(従属色)
大きめの家具やカーペット、カーテンなど全体の約25%を占める色です。
3. アクセントカラー(強調色)
雑貨やクッションなど部屋の約5%の分量を占める色です。
この3つの色の割合が、バランスのよい比率とされています。
こちらもあわせて
色の使い方の基本:インテリアの基調となる「ベースカラー」をもっと知ろう
ベースでもアクセントでもない部分が、アソートカラー
ベースカラーやアクセントカラーは比較的なじみがあるけれど、アソートカラーに関しては、どこからどこまでを指すのかわかりにくいとよくいわれます。
写真の子供部屋で説明します。ベースカラーとなるのはペールピンクの天井と壁と、ピンクのニュアンスを感じるナチュラルな木の床です。濃いピンクの椅子とグリーンのラグマット、鮮やかな色の雑貨類はアクセントカラー。アソートカラーに該当するのはそれ以外の、天井の梁やベッド、デスクなど、ホワイトを使っている部分になります。
25%という比率にとらわれず、ベースカラーの天井と壁と床、アクセントカラーに該当するクッションや雑貨類を除く「それ以外」だと考えると、意外と見分けやすいと思いませんか?
ベースカラーやアクセントカラーは比較的なじみがあるけれど、アソートカラーに関しては、どこからどこまでを指すのかわかりにくいとよくいわれます。
写真の子供部屋で説明します。ベースカラーとなるのはペールピンクの天井と壁と、ピンクのニュアンスを感じるナチュラルな木の床です。濃いピンクの椅子とグリーンのラグマット、鮮やかな色の雑貨類はアクセントカラー。アソートカラーに該当するのはそれ以外の、天井の梁やベッド、デスクなど、ホワイトを使っている部分になります。
25%という比率にとらわれず、ベースカラーの天井と壁と床、アクセントカラーに該当するクッションや雑貨類を除く「それ以外」だと考えると、意外と見分けやすいと思いませんか?
ベースカラーを補完するサブカラー
アソートカラーは「サブカラー」とも呼ばれており、インテリアの基調となるベースカラーを補完する色と定義されています。補完と聞くと難しく感じますが、要するに、ベースカラーのアシスタントのような役割の構成要素だということ。ベースカラーの次に大きい面積を占める部分なので、このはたらきは理解しやすいと思います。
では次に、ベースカラーに対してアソートカラーがどんなはたらき方をするか、2つの代表的な例をご紹介します。
アソートカラーは「サブカラー」とも呼ばれており、インテリアの基調となるベースカラーを補完する色と定義されています。補完と聞くと難しく感じますが、要するに、ベースカラーのアシスタントのような役割の構成要素だということ。ベースカラーの次に大きい面積を占める部分なので、このはたらきは理解しやすいと思います。
では次に、ベースカラーに対してアソートカラーがどんなはたらき方をするか、2つの代表的な例をご紹介します。
アソートカラーのはたらき
- ベースカラーと同系色で統一感を強める
- ベースカラーと対照的な色でインパクトを出す
ベースカラーとアソートカラーがインパクトの強い組み合わせの場合は、空間の面積の大きな部分を占めるだけに、その空間で過ごしても疲れないよう、どこかに無彩色やニュートラルトーンの部分を残し、「抜け」をつくっておきましょう。写真の例ではオフホワイトとブラウンのカーペットのアソートカラーが印象を和らげ、全体をバランスよく見せています。
アソートカラーは複数でOK。その際のポイントは
実際のインテリアでは、ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーの3色だけですべてを構成するのは難しいものです。なかでもアソートカラーは用途が違うものの集まりなので、色が複数になるのは当然ともいえます。
写真の例でアソートカラーに該当するのは、旅行鞄で仕切られたチェスト、手前のテーブルやその下に敷かれたラグなど。使われている色は茶色、赤、緑、オレンジやネイビーなどさまざまですが、落ち着いた趣のあるトーンで統一されています。ここでアソートカラーが茶色だけだったら、明るい色のベースカラーに対して明度差のほうが目立ち、ナチュラルさが失われてしまったかもしれません。トーンを揃えた色を複数合わせたことで、インテリアに深みや広がりも加わっています。
このように、アソートカラーが複数ある場合は、同じようなトーンで揃えることがポイントです。「アソートカラーはこの色を使わなければ」とがんじがらめになる必要はなく、複数色ある場合は逆にそのハーモニーを活かして、楽しんでみましょう。
こちらもあわせて
色の使い方の基本:「トーン」って何だろう?
実際のインテリアでは、ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーの3色だけですべてを構成するのは難しいものです。なかでもアソートカラーは用途が違うものの集まりなので、色が複数になるのは当然ともいえます。
写真の例でアソートカラーに該当するのは、旅行鞄で仕切られたチェスト、手前のテーブルやその下に敷かれたラグなど。使われている色は茶色、赤、緑、オレンジやネイビーなどさまざまですが、落ち着いた趣のあるトーンで統一されています。ここでアソートカラーが茶色だけだったら、明るい色のベースカラーに対して明度差のほうが目立ち、ナチュラルさが失われてしまったかもしれません。トーンを揃えた色を複数合わせたことで、インテリアに深みや広がりも加わっています。
このように、アソートカラーが複数ある場合は、同じようなトーンで揃えることがポイントです。「アソートカラーはこの色を使わなければ」とがんじがらめになる必要はなく、複数色ある場合は逆にそのハーモニーを活かして、楽しんでみましょう。
こちらもあわせて
色の使い方の基本:「トーン」って何だろう?
アソートカラーが活きるおすすめの場所は
アソートカラーは、一般的に大きめの家具、カーテン、カーペット、ドア、建具などに使う色とされていますが、もちろんすべての部屋にこれらのアイテムがあるわけではありません。セオリー通りではなくても、その空間にあるものでカラーコーディネートができればOKです。
アソートカラーは、一般的に大きめの家具、カーテン、カーペット、ドア、建具などに使う色とされていますが、もちろんすべての部屋にこれらのアイテムがあるわけではありません。セオリー通りではなくても、その空間にあるものでカラーコーディネートができればOKです。
- キッチン収納の面材やキッチンパネル
- 巾木や腰壁、廻り縁など
こちらもあわせて
インテリアに欠かせない脇役、壁と床をつなぐ部材「巾木」
- 階段スペース
階段の踏み台自体や蹴込み部分に色を取り入れるのもおすすめです。特に垂直部分で目につきやすい蹴込みは、手軽にペイントで色を変えることのできる場所です。少し気分を変えたいけれど、天井や壁、床などのベースカラーを変えたり、家具やカーテンなどを買い替えるほどではないという場合、階段スペースのある程度の面積を占める色を変えるのは、インテリアをリフレッシュするよい方法です。
- 用途目的をもつ壁面
「用途目的をもった」というのは、たとえば「黒板になる壁」や「マグネットがつく壁」「マジックで書いて消せる壁」など、コミュニケーションツールとして使う壁を指します。特におしゃれなインテリアツールとして取り入れる人が多い、黒板になる壁は、一般的に黒やダークグレーなどの濃い色が多いのが特徴です。小さめの壁一面にこうした機能をもたせると、空間を引き締めるアソートカラーとなるでしょう。ベースカラーとは一線を画す存在の壁です。
自由度の高い部分だからこそ
どんな印象の空間にしたいのか決めたら、イメージをつくる基盤となるベースカラーと、ベースカラーとの組み合わせが重要となるアソートカラーをどの部分で構成するか考え、色のコーディネートを考えてみましょう。アソートカラーの選び方で、ユニークなバランスが生まれます。あまりルールにとらわれることなく楽しみながら、皆さんの家ならではの使い方をぜひ試してみてください。
こちらもあわせて
色の使い方の基本:隣り合う色で印象が変わる色の対比効果
色の使い方の基本:色の明度と彩度が空間にもたらす効果を知ろう
色のインテリア効果:洗練された印象で、他の色を引き立てる「グレー」
色のインテリア効果:エネルギーが湧き上がる生命の色「赤」
色に関する質問募集中!
住まいの色の使い方について知りたいことがあれば、コメント欄で教えてください!
どんな印象の空間にしたいのか決めたら、イメージをつくる基盤となるベースカラーと、ベースカラーとの組み合わせが重要となるアソートカラーをどの部分で構成するか考え、色のコーディネートを考えてみましょう。アソートカラーの選び方で、ユニークなバランスが生まれます。あまりルールにとらわれることなく楽しみながら、皆さんの家ならではの使い方をぜひ試してみてください。
こちらもあわせて
色の使い方の基本:隣り合う色で印象が変わる色の対比効果
色の使い方の基本:色の明度と彩度が空間にもたらす効果を知ろう
色のインテリア効果:洗練された印象で、他の色を引き立てる「グレー」
色のインテリア効果:エネルギーが湧き上がる生命の色「赤」
色に関する質問募集中!
住まいの色の使い方について知りたいことがあれば、コメント欄で教えてください!
おすすめの記事
インテリア
カラーマイスターが教えるインテリアのつくり方!部屋別記事まとめ
住宅や店舗、職場環境のカラープランニングなどを手がけるカラーマイスターが、インテリアの色使いについてアドバイスしてきたシリーズ。これまでご紹介した記事を、部屋別にまとめてお届けします。
続きを読む
インテリア
インテリアの色と照明の光の色の関係
文/カツウラアキツ
壁の色を選ぶ際は、昼間の自然光だけでなく、夜の照明に照らされたときの見え方を意識することも大切です。電球色、昼白色、昼光色の照明が、空間のベースカラーにもたらす影響を知っておきましょう。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
建築家兼インテリアデザイナーが教える、曲線と色を使いこなす方法
ストライプ、薄紫の天井、そしてアーチが溢れる内装。伝統ある家を改装するにあたって、デザイナーが使った効果的なアクセントをご紹介します。
続きを読む
トレンド
2023年のトレンドカラーは深紅色!インテリアにどう取り入れる?
パントン社の2023年トレンド色は「Viva Magenta(ビバ・マゼンタ)」に決定。Houzzの専門家にインテリアに取り入れる方法を聞きました。
続きを読む
寝室の記事
カラーベッドリネンで楽しむ寝室のインテリア
シーツや掛け布団等、ベッドリネンの色といえば清潔感のある白が王道ですが、最近ではいろいろな色・柄のものが増えています。カラーベッドリネンを取り入れて、季節感のある寝室インテリアを楽しんでみませんか?
続きを読む
インテリア
秋冬に活躍させたいインテリアの色、オリーブグリーンの使い方
さまざまなトーンのグリーンがある中で、秋冬らしいグリーンといえばオリーブグリーン。そのバリエーションと、インテリアに取り入れる際のおすすめ配色をご紹介します。
続きを読む
トレンド
欧州見本市で見つけた2023年のトレンドを、日本の住まいに取り入れる方法
文/あみむらまゆみ
ついにカラフルな色が戻って来ました!インテリアデザイナーの網村眞弓さんが、最新トレンドを日本の住まいに応用するヒントを紹介します。
続きを読む
六畳と四畳半それにキッチンお風呂トイレですが、奥の六畳の和室の鶯色の土壁がまだきれいです。
四畳半の畳の部屋だけ白の壁、と紺色のアクセントクロスにしようと思いましたが、奥の鶯色の土壁と全く違う雰囲気になってしまいます。
何か良い方法はありませんでしょうか⁇
Kumiko Tsuchiya様、コメントをありがとうございます^^ 鶯色の土壁がある和室だなんて素敵ですね!
さて、四畳半のお部屋の白の壁と紺色のアクセントクロスですが、いわゆる「綺麗な真っ白」「スキっとした紺色」だとメリハリがあり少しシャープさが際立つ印象に感じてしまう可能性がありますね。そこで、もし色をある程度調整できそうでしたら、白も紺も黄ぐすんでいる穏やかなトーンのものを選ぶと良いでしょう。
自然界のものはどんなきれいな色でもくすみがあったり、深みを感じます。鶯色の土壁も自然のものが原料となっているので、「くすみ」をポイントにこの2部屋に共通点をもたせると馴染みよくなるのではないかと思います。
もし色をあまり選べない場合は、白の代わりに白に近い明るめのニュートラルカラー(ベージュやグレージュ系の色)をあわせるだけでも馴染みやすくなりますよ^^