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イギリスのインテリア見本市〈デコレックス〉から見えてきた、2018年のインテリアトレンド
雲のフォルムのアイテムから、森のように深いグリーンまで、ロンドンで開催された〈デコレックス〉でHouzzイギリス版編集部が、来年のトレンドを先取りしてきました!
Victoria Harrison
2017年10月16日
モダンクラフト
〈ナオミ・ポール〉による美しい手編みのランプシェードは、シンプルな美しさが目を引きました。伝統工芸がモダンデザインと出会うことで誕生した、上品で洗練されたハイブリッドプロダクトです。
どのランプシェードも、同じ編み目で、すっきりとした形、大胆な色づかいの、伝統的な技術に新鮮なひねりを加えたプロダクトです。また、この素材がシェードを通した光を和らげ、美しく明かりを拡散します。
〈ナオミ・ポール〉による美しい手編みのランプシェードは、シンプルな美しさが目を引きました。伝統工芸がモダンデザインと出会うことで誕生した、上品で洗練されたハイブリッドプロダクトです。
どのランプシェードも、同じ編み目で、すっきりとした形、大胆な色づかいの、伝統的な技術に新鮮なひねりを加えたプロダクトです。また、この素材がシェードを通した光を和らげ、美しく明かりを拡散します。
フォレストグリーンのベルベット
宝石のように輝くエメラルドグリーンから苔むした森を思わせる緑色まで、鮮やかで深みのある緑色のベルベットは、会場のいたるところで見かけました。
ダークグリーンの静かな流行はここしばらく続いていましたが、今年の〈デコレックス〉ではダークグリーンという色とベルベットという素材の組み合わせは「マスト」な組み合わせになっていました。アールデコスタイルの復活も、この流行に拍車をかけているようです。写真の〈エイミー・サマーヴィル〉のブースでは、中間から暗めの色合いの木や、ごく少量のゴールドのアクセントと組み合わされたフォレストグリーンのベルベットに、1930年代の雰囲気がはっきりと感じられました。
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雲の形
大理石、石などさまざまな素材で作られたスリムなサイドテーブルは、〈トム・フォークナー〉のブースでひときわ目立っていたもの。天板は自由に漂う「雲」の形で、テーブルごとに高さや大きさが違うところが、職人の仕事を思わせます。
複数のメタル素材がミックスされているのも興味深い点です。ここ数シーズンは、カッパー(銅)、真鍮、ゴールドなどのメタル素材が繰り返しトレンドに登場していましたが、今シーズンは、複数のデザイナーが、その3つすべてを組み合わせて使っていました。
大理石、石などさまざまな素材で作られたスリムなサイドテーブルは、〈トム・フォークナー〉のブースでひときわ目立っていたもの。天板は自由に漂う「雲」の形で、テーブルごとに高さや大きさが違うところが、職人の仕事を思わせます。
複数のメタル素材がミックスされているのも興味深い点です。ここ数シーズンは、カッパー(銅)、真鍮、ゴールドなどのメタル素材が繰り返しトレンドに登場していましたが、今シーズンは、複数のデザイナーが、その3つすべてを組み合わせて使っていました。
バック・トゥー・80年代
エイティーズの影響を受けたデザインは、新しいトレンドではありませんが、ここ数シーズン、存在感を増してきています。〈ブルーベルグレー〉の大胆で美しいブースを見ると、まさに旬を迎えつつある感じがします。
マラケシュ旧市街への旅にインスパイアされたという、ソファのファブリックの抽象的デザインは、蛍光ピンクの抽象的な形と柔らかなパステルトーンを組み合わせており、これまでの〈ブルーベルグレー〉の伝統的な花柄模様とは大きく様変わりしています。1980年代風の抽象的なグラフィックスに、現代的なひねりを加えたデザインです。
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ラフな質感のベルベット
〈Sofa.com〉のブースのあちこちに置かれた質感が豊かなベルベットのソファは、前シーズンまでのスタンダードな滑らかなベルベットのソファとは一線を画しています。ふと撫でたくなるような生地は、触り心地も以前より格段によくなっています。
ベルベットが波に乗り、こうした質感の豊かなアイテムが登場しているものの、実際に市場にでたときには、すぐに人気が出るのかどうか、興味深いところです。
〈Sofa.com〉のブースのあちこちに置かれた質感が豊かなベルベットのソファは、前シーズンまでのスタンダードな滑らかなベルベットのソファとは一線を画しています。ふと撫でたくなるような生地は、触り心地も以前より格段によくなっています。
ベルベットが波に乗り、こうした質感の豊かなアイテムが登場しているものの、実際に市場にでたときには、すぐに人気が出るのかどうか、興味深いところです。
素敵な葉のモチーフ
インドアグリーンは、ここ数シーズン、すさまじい勢いで私たちのインテリアに進出してきています。結果として、植物の葉にインスパイアされたファブリックや壁紙が登場するのは当然の成り行きといったところ。〈バーナビー・ゲイツ〉のブースに展示されていたこの美しいアイビーの壁紙も、そんな1例です。トロピカルな植物や葉のトレンドとは距離を置き、控えめなアイビーの美しさを静かに主張しています。
屋内と屋外の境界を曖昧にすべくデザインされた色の組み合わせは、生い茂る森の中のような雰囲気をつくりだします。。
インドアグリーンは、ここ数シーズン、すさまじい勢いで私たちのインテリアに進出してきています。結果として、植物の葉にインスパイアされたファブリックや壁紙が登場するのは当然の成り行きといったところ。〈バーナビー・ゲイツ〉のブースに展示されていたこの美しいアイビーの壁紙も、そんな1例です。トロピカルな植物や葉のトレンドとは距離を置き、控えめなアイビーの美しさを静かに主張しています。
屋内と屋外の境界を曖昧にすべくデザインされた色の組み合わせは、生い茂る森の中のような雰囲気をつくりだします。。
アールデコ
会場の中心にあるシーティングエリアは、まるでアールデコの黄金時代に迷い込んだかのよう。ベルベットのクラブチェアから金色の読書灯まで、きらびやかで贅沢な当時の雰囲気をつくりだしていました。
〈エイミー・サマーヴィル〉のベルベットのクラブチェア、白と黒の市松模様の床、カーブを描く金色の読書灯は、すべて純粋なアールデコスタイルですが、すっきりとしたラインとシンプルな形は、現代のインテリアに置いても違和感がないはずです。
アールデコの特徴は、深みのある色、贅沢な素材、手の込んだ職人仕事。写真のシーティングエリアは、インテリアの流行がほぼ一周して、アールデコの豪華な時代に戻ったことを示しています。
会場の中心にあるシーティングエリアは、まるでアールデコの黄金時代に迷い込んだかのよう。ベルベットのクラブチェアから金色の読書灯まで、きらびやかで贅沢な当時の雰囲気をつくりだしていました。
〈エイミー・サマーヴィル〉のベルベットのクラブチェア、白と黒の市松模様の床、カーブを描く金色の読書灯は、すべて純粋なアールデコスタイルですが、すっきりとしたラインとシンプルな形は、現代のインテリアに置いても違和感がないはずです。
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吸音パネル
〈アン・キーロ・クイン〉が手がけた、特大のフェルト製壁掛けインスタレーションは、アート作品のように見えるが、実は美しくデザインされた吸音パネル(住宅や商業施設内で音を小さくするためのもの)です。クリーム色のフェルトでできた花びらを何千枚も使って作ったオーガニックな形と細かな模様は、機能一辺倒の吸音パネルとは別次元の芸術性を感じさせます。
カスタムメイド用のプロダクトではありますが、アートとデザインの境目を行き来する作品としても面白い存在です。
〈アン・キーロ・クイン〉が手がけた、特大のフェルト製壁掛けインスタレーションは、アート作品のように見えるが、実は美しくデザインされた吸音パネル(住宅や商業施設内で音を小さくするためのもの)です。クリーム色のフェルトでできた花びらを何千枚も使って作ったオーガニックな形と細かな模様は、機能一辺倒の吸音パネルとは別次元の芸術性を感じさせます。
カスタムメイド用のプロダクトではありますが、アートとデザインの境目を行き来する作品としても面白い存在です。
フィラメント電球の新しい使い方
あえてフィラメントを見せる電球は数年前から登場しており、浸透しきっているという声もあるでしょう。確かに、最近はおしゃれなコーヒーショップのカウンターでは必ずというほど使われています。
でも〈ベンチマーク〉のブースに展示されていた、メタリックなペンダントライトは、帽子みたいなシェードがついていて、。素っ気なくなりがちなインダストリアルな電球よりも、洗練されたスタイルが感じられました。
教えてHouzz
どのトレンドが気になりましたか?
こちらもあわせて秋冬に活躍させたいインテリア色、オリーブグリーンの使い方
初心者でも簡単、今すぐインテリアを秋本番モードにスイッチするアイデア11
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