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世界が注目するJapanブランドの照明。ミラノサローネ凱旋展で見た灯りの可能性
今年60周年記念だったミラノサローネ国際家具見本市。その晩餐会を飾ったのは、日本人アーティストによるコラボレーションでした。今秋、東京でもその夢の共演が実現しました。

藤井繁子|Fujii Vivien Shigeko
2022年12月19日
藤井繁子・住生活ジャーナリスト。
Journalist of House and Life
Consultant for Japanese housing market and industry
I have been working for 30years in Japanese housing industry as the editor in chief 「HOUSING」, the most popular monthly magazine for consumer, the chief researcher of RECRUIT Housing Laboratory and a journalist/consultant.
藤井繁子・住生活ジャーナリスト。
Journalist of House and Life
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日本の照明ブランドAmbientec(アンビエンテック)社が、2022年10月28日から30日の3日間に東京で開催した〈DISSECT〉展/ DESIGNART TOKYO 2022 。ミラノ在住のプラントアーティスト・川本諭氏を迎えた植物とランプのインスタレーションで、今までに無い灯りの魅力を見ることができました。
(クレジット入り以外の写真はAmbientec提供)
〈DISSECT〉展が開催されたのは南青山のLIGHT BOX STUDIO AOYAMA。川本諭氏によるプラントアートがAmbientecのポータブルランプと共に2階建の空間を飾りました。写真は1階の展示空間。
「1階はグリーンが建物を侵食してゆくような、植物の活力を感じてもらえる空間、2階では、敢えて‘枯れ’の美しさを表現しました」(川本氏)。
〈DISSECT〉展が開催されたのは南青山のLIGHT BOX STUDIO AOYAMA。川本諭氏によるプラントアートがAmbientecのポータブルランプと共に2階建の空間を飾りました。写真は1階の展示空間。
「1階はグリーンが建物を侵食してゆくような、植物の活力を感じてもらえる空間、2階では、敢えて‘枯れ’の美しさを表現しました」(川本氏)。
2階の展示空間
川本氏のインスタレーションで感銘したのは、この瞬間の美しさに、”時の流れ”も感じられたこと。自然の摂理が表現され、植物が生きている事を実感できるものでした。
花のように灯るコードレスランプ
プラントアートの中に散りばめられていたのが、Ambientecのランプ。2009年設立の同社は、防水型充電式LEDモジュールを独自開発し、コードレスのポータブルランプを世界に発表してきました。
川本氏のインスタレーションで感銘したのは、この瞬間の美しさに、”時の流れ”も感じられたこと。自然の摂理が表現され、植物が生きている事を実感できるものでした。
花のように灯るコードレスランプ
プラントアートの中に散りばめられていたのが、Ambientecのランプ。2009年設立の同社は、防水型充電式LEDモジュールを独自開発し、コードレスのポータブルランプを世界に発表してきました。
『Xtal』(designer:小関隆一/2015年発売)
展示にあるように、ポータブルランプは場所を選ばずに使えるのが利点。このクリスタルランプも防水なので、バスルームに持ち込めばカットガラスの光が放射線状に輝き、ラグジュアリーなバスタイムを愉しむことができそうです。
展示にあるように、ポータブルランプは場所を選ばずに使えるのが利点。このクリスタルランプも防水なので、バスルームに持ち込めばカットガラスの光が放射線状に輝き、ラグジュアリーなバスタイムを愉しむことができそうです。
『SAMBA-M』(designer:倉俣史朗/2021年発売)
昼間の消灯時は透明なワイングラスのオブジェとして。夜は、赤ワインを注ぐように光を灯すと、テーブルやベッドサイドで寛ぎの時間を演出してくれるでしょう。
昼間の消灯時は透明なワイングラスのオブジェとして。夜は、赤ワインを注ぐように光を灯すと、テーブルやベッドサイドで寛ぎの時間を演出してくれるでしょう。
©Salone del Mobile.Milano_Luca Fiammenghi
こちらは、今年6月に開催されたミラノサローネ晩餐会の写真です。場所は、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「最後の晩餐」で有名なサンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会のルーフトップ。ミラノサローネのために特別許可された場所での晩餐会でした。田村奈穂氏デザインのランプ「TURN+」が共に飾られた、川本氏のグリーンセッティングは、日本では食卓に鉢物を飾ることが少ないだけに、新鮮なアレンジです。
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このコラボを再現した東京で、更に驚かされたのは、ワイルドな植物に覆われたテーブルに、倒れたランプ。
宴が終わり、時が経った様子を植物の成長で表現するなんて!単純に再現するのではなく、ミラノから東京へと時空を越えたプレゼンテーションを見せてくれました。
宴が終わり、時が経った様子を植物の成長で表現するなんて!単純に再現するのではなく、ミラノから東京へと時空を越えたプレゼンテーションを見せてくれました。
暮らしを灯すポータブルランプ
屋外のテーブルに置かれ雨に濡れた『TURN+』。水滴で揺らぐ灯にも趣きがあります。Ambientecの前身が水中ライトのメーカーであったことから、精密防水や長時間の充電式バッテリーなどの高い性能が強みです。
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「Cachalot」(designer:松山祥樹/2022年発売)
フランス語でマッコウクジラという意味の「Cachalot(カシャロ)」。デザイナー松山祥樹が、その雄大で柔らかに泳ぐ姿をランプで表現。純度の高いアクリルで特殊成形され、ガラスのような透明感で柔らかな曲線が実現されました。
この作品によってAmbientecと松山祥樹氏は、「アーキプロダクツ・デザインアワード」(イタリア11月23日発表)を受賞しています。
フランス語でマッコウクジラという意味の「Cachalot(カシャロ)」。デザイナー松山祥樹が、その雄大で柔らかに泳ぐ姿をランプで表現。純度の高いアクリルで特殊成形され、ガラスのような透明感で柔らかな曲線が実現されました。
この作品によってAmbientecと松山祥樹氏は、「アーキプロダクツ・デザインアワード」(イタリア11月23日発表)を受賞しています。
「hymn」(designer:吉添裕人/2021年発売)
一見クラッシックなランプに見えた「hymn(ヒム)」。よく見ると、キャンドルの炎がプログラミングで再現されています。揺らいだり止まったりと、消灯する時には瞬きながら消えてゆく。その繊細な日本人らしいデザインに感動しました。これをキャンプのテントに持ち込んだら、素敵な夜になりそうです。
照明もパーソナルに
今回の〈DISSECT〉展で感じたのは、コードレスでポータブルになった灯りの可能性です。屋内外の様々なシーンで、その時々の気分に合わせて光量も調節できる。照明もパーソナルに使うものとなっていました。
一見クラッシックなランプに見えた「hymn(ヒム)」。よく見ると、キャンドルの炎がプログラミングで再現されています。揺らいだり止まったりと、消灯する時には瞬きながら消えてゆく。その繊細な日本人らしいデザインに感動しました。これをキャンプのテントに持ち込んだら、素敵な夜になりそうです。
照明もパーソナルに
今回の〈DISSECT〉展で感じたのは、コードレスでポータブルになった灯りの可能性です。屋内外の様々なシーンで、その時々の気分に合わせて光量も調節できる。照明もパーソナルに使うものとなっていました。
『TURN CRAFT 』(designer:田村奈穂/2022年発売)
『TURN』のスペシャルエディションが11月26日に日本で先行発売されました。CRAFTという名の通り、手縫いレザーや真鍮・ステンレスの特殊加工、全て職人の手作業で作られています。使い込むほどに艶が増し経年変化を愉しめるランプとなります。
『TURN』のスペシャルエディションが11月26日に日本で先行発売されました。CRAFTという名の通り、手縫いレザーや真鍮・ステンレスの特殊加工、全て職人の手作業で作られています。使い込むほどに艶が増し経年変化を愉しめるランプとなります。
今回の〈DISSECT〉展をディレクションした『TURN』シリーズのデザイナー田村奈穂氏
現在はNYを拠点に、世界で活躍中の田村氏がデザインした「TURN CRAFT」は、ミラノの晩餐会で採用された『TURN+』と共に、金属の素材感を大切にし、触れることで愛着が深まってゆくようなランプです。
田村氏は照明をデザインする際、
「光によって、希望を与えることができるように」考えていると話してくれました。
こんな風にテーブルで灯すと、日常の食卓が上質な空間ににグレードアップしそうです。
現在はNYを拠点に、世界で活躍中の田村氏がデザインした「TURN CRAFT」は、ミラノの晩餐会で採用された『TURN+』と共に、金属の素材感を大切にし、触れることで愛着が深まってゆくようなランプです。
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