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スペインの街を一望できるペントハウス
息をのむようなバルセロナの眺めを楽しむことができる、素晴らしいテラスをもつペントハウス。しかし改装前、出入り口には狭い引き戸しかありませんでした。

Isabel Núñez
2023年8月3日
スペイン・バルセロナ市街の素晴らしい景観を楽しめる好立地にありながら、室内からは、ほとんどと言っていいほど、素晴らしい景色を楽しめなかったというこのペントハウス。オーナーのDaria Micu(ダリア・ミク)さんは、リノベーションを依頼したFFWD Arquitectesにこう告げました。「ソファに座って部屋の中を眺めるだけなのはうんざり。もっと街の景色を満喫できるようにしたいです」
どんなHouzz?
住まい手: Daria Micu
所在地:スペイン・バルセロナ
延床面積: 79 平方メートル+27㎡テラス
予算: 約 €150,000
設計:FFWD Arquitectes
写真:David Benito Cortázar
住まい手: Daria Micu
所在地:スペイン・バルセロナ
延床面積: 79 平方メートル+27㎡テラス
予算: 約 €150,000
設計:FFWD Arquitectes
写真:David Benito Cortázar
「リノベーションの一番の目的は、内装を一新して、空間を有効活用することでした」とオーナー。
ビフォー
室内からテラスへの唯一のアクセスは狭いガラスの引き戸のみだったため、まずすべきことは、テラスと室内のつながりを持たせることでした。室内とテラスは2つの独立した空間で、アパートは暗い雰囲気だったといいます。
室内からテラスへの唯一のアクセスは狭いガラスの引き戸のみだったため、まずすべきことは、テラスと室内のつながりを持たせることでした。室内とテラスは2つの独立した空間で、アパートは暗い雰囲気だったといいます。
アフター
2ヵ所の居住スペースをつなげ、明るく光あふれるインテリアを実現するため、FFWD Arquitectesはアパートを全面的に改装することにしました。
また、部屋を増やしたいというオーナーの要望に対し、プロジェクトリーダーのDavid Benito(デービッド・ベニート)さんは、「レイアウトを一新し、空間を広げるだけでなく、新たな空間をつくりました。2つのベッドルームとバスルームという間取りを、3つのベッドルームとフルバスルームとハーフバスルームへ変更しました」と話します。
2ヵ所の居住スペースをつなげ、明るく光あふれるインテリアを実現するため、FFWD Arquitectesはアパートを全面的に改装することにしました。
また、部屋を増やしたいというオーナーの要望に対し、プロジェクトリーダーのDavid Benito(デービッド・ベニート)さんは、「レイアウトを一新し、空間を広げるだけでなく、新たな空間をつくりました。2つのベッドルームとバスルームという間取りを、3つのベッドルームとフルバスルームとハーフバスルームへ変更しました」と話します。
広々とした開放的な空間にすることにより室内は魅力的になり、新たなフォーカルポイントも生まれました。「暖炉を置きたいというオーナーの要望をかなえるため、換気の必要がないChimeneas Magmaのバイオエタノール暖炉を設置しました」とベニートさん。
暖炉はテラスへと続くステップフロアに組み込まれています。ステップフロアを置く場所にもなっています。
暖炉はテラスへと続くステップフロアに組み込まれています。ステップフロアを置く場所にもなっています。
テラスからの眺め
このリノベーションによって、空間の使い方が一変しました。壁によって物理的に隔たれていた内外空間が、連続的したつながりのある空間へと生まれ変わりました。また、外壁に窓を増やしたことで、室内空間のレイアウトに自由が生まれ、リビング、キッチン、ベッドルームを大きな窓の横に配置することができました。
テラスに設けたサンルームは、屋内と屋外をつないでいます。ガラス張りの天井からは、一年中、太陽の光が降り注ぎます。寒い季節には温室として、暖かい季節には風通しの良い快適な空間として機能します。
温室はダイニングも兼ねています。「このアパートで唯一のダイニングです。オーナーがあまりダイニングを使わないということで、あえて室内に置かなかったのです」とベニートさん。
温室はダイニングも兼ねています。「このアパートで唯一のダイニングです。オーナーがあまりダイニングを使わないということで、あえて室内に置かなかったのです」とベニートさん。
「テラスにプライベートな空間をつくり、一年中楽しめるようにすることは、私にとってとても重要なことでした。また、それによってアパートが明るくなり、リビングがより開放的に感じられるようになりました」とミクさんは言います。
ビフォー
現在キッチンとなっているスペースは、以前はあまり活用されていないダイニングルームでした。
現在キッチンとなっているスペースは、以前はあまり活用されていないダイニングルームでした。
アフター
テラスに面してキッチンを配置し、リビングと一体感を持たせています。
テラスに面してキッチンを配置し、リビングと一体感を持たせています。
キッチンからの眺めが良くなり、アパートの奥にあった頃にはなかった窓からの光をふんだんに取り込むことができるようになりました。
「友人を招いたときにもっと広々と空間が使えるように、リビングに開いたキッチンにしたかったんです」とミクさん。「大きな窓でテラスにつながっているキッチンが今は大のお気に入りです。一人でも、ゲストと一緒でも、景色を楽しんだり、おしゃべりしたりしながら料理を楽しめます」
廊下まで伸びるキッチンカウンターは、鍵などを置く棚としても便利です。
「廊下の鏡は実用性が高く、そのまま置きたいとのことでしたので、新しいフラットの雰囲気に合わせて、よりモダンなデザインの鏡を選びました」とベニートさんは話します。
「廊下の鏡は実用性が高く、そのまま置きたいとのことでしたので、新しいフラットの雰囲気に合わせて、よりモダンなデザインの鏡を選びました」とベニートさんは話します。
ビフォー
リノベーション前の玄関。
リノベーション前の玄関。
アフター
見違えるように明るくなった玄関。開放的な中にも、床を張り替えたり、キッチンカウンターを廊下まで延長したりと、細かい配慮で空間の印象がガラリと変わりました。
見違えるように明るくなった玄関。開放的な中にも、床を張り替えたり、キッチンカウンターを廊下まで延長したりと、細かい配慮で空間の印象がガラリと変わりました。
平面図
オーク材の床が美しい廊下が、リビングからプライベートな空間へといざないます。
間取り図や写真の通り、廊下沿いにフルバスルーム、ハーフバスルーム、主寝室、ゲストルームがそれぞれ配置されています。
インテリアは、大胆な色彩とニュートラルで飽きのこない素材を組み合わせました。「オーナーは、明るい色やグリーン系色が好きとのことでしたので、いくつかの場所にグリーンの水性塗料を施し、ベッドルームやバスルームなどには大胆な色を取り入れました」とベニートさん。こうして、「街を楽しむための現代的な隠れ家」が完成したのです。
オーナーは、「壁の質感がもたらす効果が特に気に入っている」とのこと。
オーナーは、「壁の質感がもたらす効果が特に気に入っている」とのこと。
ビフォー
前述の通り、以前のキッチンはテラスから離れた場所にありました。
前述の通り、以前のキッチンはテラスから離れた場所にありました。
アフター
このスペースは現在、ハーフバスルームになっています。
このスペースは現在、ハーフバスルームになっています。
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