築50年の団地を、インテリアが映えるワンルームにリノベーション
可動式の収納ユニット、モルタルの床、白い壁。コンパクトな空間に、住まい手夫婦の「好き」が無理なく詰め込まれた住まいです。
杉田真理子
2021年9月23日
10年前に購入した、淀川からほど近いエリアに建つ11階建ての建物の一室で暮らすご夫妻。ペンキを塗ったり壁紙を貼ったりと、お気に入りの住まいをカスタマイズして楽しんできましたが、既存の間取りに限界を感じていました。
「面積は約50㎡で、それほど大きくないスペースが4部屋に区切られていました。壁を抜いてワンルームにしても良いのではと、前から思っていました」と奥さま。結婚10年のタイミングで、ずっと気になっていたリノベーションに思い切って挑戦することになりました。
「面積は約50㎡で、それほど大きくないスペースが4部屋に区切られていました。壁を抜いてワンルームにしても良いのではと、前から思っていました」と奥さま。結婚10年のタイミングで、ずっと気になっていたリノベーションに思い切って挑戦することになりました。
どんなHouzz?
所在地:大阪府大阪市
住まい手:ご夫妻
面積:45.81㎡
設計:HAMADA DESIGN
竣工時期:2019年
写真撮影:笹倉洋平
「単純にリノベーションに興味があって。服を変えるような感覚で、気分を変えてみたいなと思ったんです」
インテリアが大好きな施主夫妻は、リノベーションに踏み切った契機をこう説明します。HAMADA DESIGNの建築家・濱田猛さんとは、元々常連のお店が一緒だったことがきっかけで知り合いました。顔見知りではありましたが、HPを確認後、濱田さんのデザインに純粋に魅力を感じたそうです。あえてフォームで問い合わせをしてから、プロジェクトが始まりました。
所在地:大阪府大阪市
住まい手:ご夫妻
面積:45.81㎡
設計:HAMADA DESIGN
竣工時期:2019年
写真撮影:笹倉洋平
「単純にリノベーションに興味があって。服を変えるような感覚で、気分を変えてみたいなと思ったんです」
インテリアが大好きな施主夫妻は、リノベーションに踏み切った契機をこう説明します。HAMADA DESIGNの建築家・濱田猛さんとは、元々常連のお店が一緒だったことがきっかけで知り合いました。顔見知りではありましたが、HPを確認後、濱田さんのデザインに純粋に魅力を感じたそうです。あえてフォームで問い合わせをしてから、プロジェクトが始まりました。
マンションリノベーションでは、開放感を生み出すためにもワンルームをおすすめすることが多い、という濱田さん。今回の設計提案もワンルームでした。
「ご夫妻はとてもセンスが良く、素敵な小物も元々たくさんありました。モルタルで床を作り、壁は白で、あとは二人の好きなもので空間を埋めて貰えばいい、と思いました」と濱田さんはいいます。
「また、中途半端な4畳半の和室など使い切れてない部屋があって。部屋の広さに対して生かしきれていなかったので、やはり壁はないほうが良いな、と考えました」
「ご夫妻はとてもセンスが良く、素敵な小物も元々たくさんありました。モルタルで床を作り、壁は白で、あとは二人の好きなもので空間を埋めて貰えばいい、と思いました」と濱田さんはいいます。
「また、中途半端な4畳半の和室など使い切れてない部屋があって。部屋の広さに対して生かしきれていなかったので、やはり壁はないほうが良いな、と考えました」
玄関を入ると、左手にベッドルーム、右手に靴の収納スペースがあります。シナベニヤの有孔ボードは、金物を差し込むとカバンや絵を掛けられるので便利です。
玄関から室内へは、低い段差が一つあるのみで、同じモルタル素材がシームレスに繋がっています。キッチン、ダイニング、ベッド、書斎がすべてワンルームに存在しており、シナベニヤでできた間仕切りを配置して、空間をやわらかに仕切る構成となっています。
玄関から室内へは、低い段差が一つあるのみで、同じモルタル素材がシームレスに繋がっています。キッチン、ダイニング、ベッド、書斎がすべてワンルームに存在しており、シナベニヤでできた間仕切りを配置して、空間をやわらかに仕切る構成となっています。
「玄関だからこう、リビングだからこう、というセクション分けはつけていません」と濱田さん。天井までいくと空間を完全に分断してしまうため、高さを調整して抜け感を意識しました。
例えば、1人がキッチンにいる時、もう一人が寝室にいても気配が感じられます。自分の居場所を確保しながら、ゆるやかなつながりが生まれます。
例えば、1人がキッチンにいる時、もう一人が寝室にいても気配が感じられます。自分の居場所を確保しながら、ゆるやかなつながりが生まれます。
寝室の間仕切り壁や、本好きの夫妻のために作った本棚の高さは1.1m。座ると目線が隠れ、立つと目線が合う高さとなっています。
住まい全体に採用したモルタルの床について、奥さまは「私たちにはお洒落すぎるのでは?という心配もしました」と振り返ります。
「でも実際暮らしてみると、冬場の冷えもなく、快適です。この広さだと一部だけモルタルにするのも変なので、思い切って全面モルタルにしたのは、今となってはベストチョイスだったと思います」
「でも実際暮らしてみると、冬場の冷えもなく、快適です。この広さだと一部だけモルタルにするのも変なので、思い切って全面モルタルにしたのは、今となってはベストチョイスだったと思います」
可動式の本棚は4台。キャスターがついているので、配置次第で空間の仕切り方が変わります。4台を全てバラバラにし、テーブルのように使用すれば、大人数のパーティーにも対応できます。
お洒落なご夫妻は、メガネや靴など、置き場所が必要なものをたくさん持っていました。「ものが溢れてくるような状態は避けたかったので、収納はたっぷりと計画しました」と濱田さん。
お洒落なご夫妻は、メガネや靴など、置き場所が必要なものをたくさん持っていました。「ものが溢れてくるような状態は避けたかったので、収納はたっぷりと計画しました」と濱田さん。
キッチンの前にあるアイランドカウンター下には、両側からたっぷり収納できる棚があります。深いブルーのタイルは奥さまが選んだもの。キッチンのアクセントとなっています。
冷蔵庫は元々キッチンの横にありましたが、動かしてボードで隠すことで、すっきりとした印象になりました。
冷蔵庫は元々キッチンの横にありましたが、動かしてボードで隠すことで、すっきりとした印象になりました。
ウェグナーのダイニングテーブル、ひとりがけの椅子など、インテリア好きのご夫妻が元々持っていた家具がシンプルな空間に映えています。「小物は、少しずつ、好きなものを買い揃えるようにしています」とご主人。
片側に寄せるタイプのカーテンは、生地に透け感があり、屋外とのつながりを感じさせてくれます。インテリアの邪魔になりがちなエアコンも、グリーンを選ぶことで逆に部屋のアクセントになりました。
「ワンルームにすることで光や風もたっぷり入り、快適です。後悔は何もありません」とご夫妻。2人の暮らしのリズムに寄り添った住まいとなりました。
片側に寄せるタイプのカーテンは、生地に透け感があり、屋外とのつながりを感じさせてくれます。インテリアの邪魔になりがちなエアコンも、グリーンを選ぶことで逆に部屋のアクセントになりました。
「ワンルームにすることで光や風もたっぷり入り、快適です。後悔は何もありません」とご夫妻。2人の暮らしのリズムに寄り添った住まいとなりました。
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