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冬に行う土づくり。ダメな土でも復活させるその方法とは
春からのガーデンライフの準備は、まず土づくりから始めましょう。良い土とは? 悪い土はどう復活させる? 樹木医資格を持つ筆者が教えます。

庭の植物たちは冬の間、じっと動かずに厳しい寒さに耐えています。眠っているようにも見えますが、植物たちはやがて来る春に向けて少しずつ準備を進めています。春の訪れとともにぐんぐんと成長していく植物を助けるため、冬には丁寧な土づくりをしましょう。庭の土台づくりがこの1年のガーデンライフをいっそう楽しいものにしてくれるはずです。
良い土づくりの基本
ガーデニングには土が大事!というのはよく聞きますが、実際に土づくりをしようと思ってもわからないことだらけ。まずは土の基本をご説明します。
土は鉱物と有機物からできています。鉱物はその土地によって特徴があるため、地域によって土の性質は異なります。有機物は落ち葉や生物遺体を土壌生物が分解することでつくられます。そこに雨や風が影響を与え、長い時間をかけて今の土の状態ができ上がります。
このように、小さな作用の積み重ねが土の質を決定しているのです。庭の土づくりも同じです。土づくりは一朝一夕には終わりません。長い目で良い土をつくることを目指しましょう。
ガーデニングには土が大事!というのはよく聞きますが、実際に土づくりをしようと思ってもわからないことだらけ。まずは土の基本をご説明します。
土は鉱物と有機物からできています。鉱物はその土地によって特徴があるため、地域によって土の性質は異なります。有機物は落ち葉や生物遺体を土壌生物が分解することでつくられます。そこに雨や風が影響を与え、長い時間をかけて今の土の状態ができ上がります。
このように、小さな作用の積み重ねが土の質を決定しているのです。庭の土づくりも同じです。土づくりは一朝一夕には終わりません。長い目で良い土をつくることを目指しましょう。
それではよく言われる「良い土」というのはどのような土のこと指すのでしょうか。最も大切なのは、「通気性」が良いこと。植物の根は呼吸をしており、酸素を吸って二酸化炭素を出しています。土の間に隙間がなく、新鮮な空気がないと、根が酸欠を起こし、根腐れの原因に。
次に「水はけ」と「水持ち」のバランスが良いこと。全く水を保たずにすぐに乾いてしまう土だと、乾燥により根がダメージを受けてしまいます。反対にいつまでも水が留まってじめじめしている土は、新鮮な空気がなくなり根腐れに。真逆の性質のように思えますが、この2つのバランスはとても大事です。
次に「水はけ」と「水持ち」のバランスが良いこと。全く水を保たずにすぐに乾いてしまう土だと、乾燥により根がダメージを受けてしまいます。反対にいつまでも水が留まってじめじめしている土は、新鮮な空気がなくなり根腐れに。真逆の性質のように思えますが、この2つのバランスはとても大事です。
最後に「保肥性」があること。肥料を与えても、水とともに流れてしまう土だと、植物は吸収することができません。
この3点を満たした土に、豊富な有機物が混じることで、植物にとっての「良い土」が完成します。
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実際に庭の土を良い土に近づけるためには、現在の庭の土の状態を見極める必要があります。
水を含ませた庭の土を手で握ってみましょう。手を開くと土が塊になり、それを指で触るとぱらっと崩れるような土が、水はけと水持ちのバランスが良い土です。粒子の大きさのバランスが良いため、通気性も問題ありません。握ったあとに触っても形が崩れないぐらい硬い土は、水はけと通気性が悪く、握っても塊にならない土は水持ちが悪く、保肥力もない土です。
水を含ませた庭の土を手で握ってみましょう。手を開くと土が塊になり、それを指で触るとぱらっと崩れるような土が、水はけと水持ちのバランスが良い土です。粒子の大きさのバランスが良いため、通気性も問題ありません。握ったあとに触っても形が崩れないぐらい硬い土は、水はけと通気性が悪く、握っても塊にならない土は水持ちが悪く、保肥力もない土です。
有機物の多さは、土の色を目安にします。黒っぽい色をしているものは、有機物が多く含まれており、赤茶色や黄色っぽいものは、有機物量が少ない土です。
これらの方法で庭の土の性質を確認し、欠点を補うような資材を土に混ぜていきましょう。
これらの方法で庭の土の性質を確認し、欠点を補うような資材を土に混ぜていきましょう。
タイプ別対処法1. 水はけ・通気性の悪い土には?
「腐葉土」を混ぜましょう。腐葉土とは広葉樹の落ち葉を腐熟させたもので、よく使われる改良用土です。どこのホームセンターに行っても購入できます。腐葉土は通気性・保水性・保肥性にすぐれ、微生物の働きを活性化するので、土質を良くします。熟成が進んでいない未熟なものは、根を傷める原因となるので、完熟のものを選びましょう。
雨後長く水たまりが残るような土の場合、合わせて「パーライト(改良用土の一種)」も混ぜると良いでしょう。
庭全体の排水が悪すぎる場合は、暗渠(あんきょ)という排水機能を設けることを検討しましょう。地中に水の通り道を作る方法で、上記の土壌改良と合わせて行うと非常に効果的です。
「腐葉土」を混ぜましょう。腐葉土とは広葉樹の落ち葉を腐熟させたもので、よく使われる改良用土です。どこのホームセンターに行っても購入できます。腐葉土は通気性・保水性・保肥性にすぐれ、微生物の働きを活性化するので、土質を良くします。熟成が進んでいない未熟なものは、根を傷める原因となるので、完熟のものを選びましょう。
雨後長く水たまりが残るような土の場合、合わせて「パーライト(改良用土の一種)」も混ぜると良いでしょう。
庭全体の排水が悪すぎる場合は、暗渠(あんきょ)という排水機能を設けることを検討しましょう。地中に水の通り道を作る方法で、上記の土壌改良と合わせて行うと非常に効果的です。
タイプ別対処法2. 水持ち・保肥の悪い土には?
「バーク堆肥」が最適です。バーク堆肥とは、バークチップ(樹皮の薄片)を発酵・乾燥させたものです。バーク堆肥は肥料分があまり含まれていないので、あわせて「元肥(もとごえ)」として肥料を入れましょう。元肥は植え付け時に最初から混ぜておく肥料のことを指し、基本の栄養となります。元肥には油粕やゆっくり効くタイプの固形肥料を選びましょう。
「バーク堆肥」が最適です。バーク堆肥とは、バークチップ(樹皮の薄片)を発酵・乾燥させたものです。バーク堆肥は肥料分があまり含まれていないので、あわせて「元肥(もとごえ)」として肥料を入れましょう。元肥は植え付け時に最初から混ぜておく肥料のことを指し、基本の栄養となります。元肥には油粕やゆっくり効くタイプの固形肥料を選びましょう。
タイプ別対処法3. 有機質の少ない土には?
たっぷりの「腐葉土」を与えましょう。あわせてしっかりと元肥を入れることが大事です。植物は土壌微生物に分解された状態でないと、栄養分を吸収できません。つまり有機物を与えても、すぐに植物は吸収できないため、冬に土づくりを行うことが、春からの成長の大きな助けになります。
たっぷりの「腐葉土」を与えましょう。あわせてしっかりと元肥を入れることが大事です。植物は土壌微生物に分解された状態でないと、栄養分を吸収できません。つまり有機物を与えても、すぐに植物は吸収できないため、冬に土づくりを行うことが、春からの成長の大きな助けになります。
肥料の選び方
ホームセンターに行くと、たくさんの肥料があって、どれが良いのか迷ってしまいますね。肥料は大きく分けて、「液体肥料」と「固形肥料」があります。液体肥料はすぐに植物が吸収できる状態のもので、効き目が早く表れます。人にとっての栄養ドリンクのようなもの。固形肥料は効果がゆっくり長く続くものが多く、土に混ぜて長い間成長を補助するものです。固形肥料は基本的な栄養で、液体肥料は補佐的な肥料と考えましょう。
固形肥料には「化成肥料」と「有機肥料」があります。有機肥料の場合は完熟と書いてあるものを選んでください。熟成が十分でないものは根にダメージを与えるトラブルの原因となります。
ホームセンターに行くと、たくさんの肥料があって、どれが良いのか迷ってしまいますね。肥料は大きく分けて、「液体肥料」と「固形肥料」があります。液体肥料はすぐに植物が吸収できる状態のもので、効き目が早く表れます。人にとっての栄養ドリンクのようなもの。固形肥料は効果がゆっくり長く続くものが多く、土に混ぜて長い間成長を補助するものです。固形肥料は基本的な栄養で、液体肥料は補佐的な肥料と考えましょう。
固形肥料には「化成肥料」と「有機肥料」があります。有機肥料の場合は完熟と書いてあるものを選んでください。熟成が十分でないものは根にダメージを与えるトラブルの原因となります。
この土づくりは、家庭菜園や鉢植え、花壇など全般に当てはめることができるものです。土づくりは大変ですが、やった分だけ植物は応えてくれます。冬の間にしっかりと土をつくり、春からのガーデニングを楽しみましょう。
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