一級建築士事務所 暮らしと建築社

中川村O邸

敷地は古くからの集落にあり、両親の暮らす築90年以上の母家の一角に建っていた納屋や旧住まいを解体し新しく住宅を「建設する計画。日本庭園や塀などは母家に敬意を払い極力活かし、佇まいは母家に合わせつつも現代的な暮らしと性能を確保している。

 高性能な断熱性能を求め、極力エネルギーを使わない暮らしをしたいという要望に対してコンパクトなワンルーム空間を提案している。若いご夫婦のため、将来的な変化をどのように設定するかがポイントであり、将来的に受け継ぐ母家の建築も維持するために極力コンパクトで無駄のない構成としている。平面計画はロの字方の回遊プランとして、キッチンとダイニング、コア収納は固定として、その他は自由に可変できる仕組みとした。収納あるコアを大きな屋根が包み込むような空間構成としている。

外装は南側に大きな庇のある空間に袖壁を設置して周囲からの視線を遮る構成としている。また母家のメインアクセスに面する壁面には犬走のある庇下空間を設置して、通路と直接的な関係になりすぎないようにバッファーを設けた構成としている。母家の庇が深く陰影のある日本建築に対して、平滑な現代建築に違和感を出さず、連続した一体感を持つ為に庇下の空間が大きな役割を果たしている。

 外壁には県産材のカラマツ、床材には県産材の栗材を使用している。室内からの印象は明るい無垢のカラマツの外壁が室内と連続して見える。一方外壁は黒の板金として母家との連続性の中で目立たないボリュームになるように配慮している。

中川村O邸
竣工:2021年3月
建築面積107.03m2
延床面積80.65m2
Ua値:0.28 / 60.4GJ/年
Low-eトリプルガラス 熱交換換気扇 エアコンによる冷暖房
施工:(有)新井建築
設計:暮らしと建築社 須永次郎 須永理葉
撮影:上田宏
プロジェクトの竣工年/制作年: 2021
国: 日本