一級建築士事務所 暮らしと建築社

駒ヶ根市S邸

駒ヶ根市S邸

概要
敷地は駒ヶ根市の西部、天竜川の河岸段丘の一番上、伊那谷から中央アルプスと市内を見渡せる場所にあります。周辺には畑が広がり背後には森、恵まれた周辺環境の中にあります。

平面計画
平面計画は傾斜地に合わせて地面と水平に広がるシンプルな平屋の切妻屋根をベースにしています。西側に広がる中央アルプスの雄大な眺望を取り込むことを主題にし、同時に西側のデメリットである日射のコントロール、南面に面する道路・隣地住宅からの視線を制御するために長方形の間取りから45度振れた正方形のデッキを切り取っています。切り取ったデッキにはリビング、ダイニングが接しデッキにより2つの空間が生まれています。このデッキを中心としたLDKをメインに子供の為の空間を隣接して配しています。子供部屋は当初1室とし成長とともに区切れるようにし扉のみ設置。また共用の図書室を設け勉強や作業で篭れる空間もつくっています。視線と日射のコントロールを目的に袖壁・庇を効果的に配置しています。配置計画時に敷地内の各所からの眺望を確認し、中央アルプスが一望できる位置にデッキを配置しています。

構造計画
構造は木造の在来工法を用いながらもチューブ状の大屋根空間構成を実現しています。個室群の上部にも大屋根をかけることで一体感のある空間を実現し、広がりのある構成としています。
シンプルな家型をした断面構成が連続し、登梁が連続する構成になっています。天井にはカラマツ材を貼り木質の柔らかい大空間をつくっています。屋根裏を利用した2階にはロフトを設け予備室兼倉庫としています。屋根の棟の長編方向には鉄骨材のバットレスを入れることで壁面をなくした構造計画となっています。

設備・その他
外壁はカラマツ板下見板貼りです。地元産のカラマツ材を使用し平屋形状とし庇を出すことでメンテナンスしやすい構成としています。同時に周辺環境にあう塗装色を選定しています。
ストーブは地元駒ヶ根市のファイヤーサイドのアンコール。シンプルにコンクリート平板との組み合わせています。
 サッシは南面・西面には眺望を優先した大きさを確保し、アルミ樹脂複合サッシのlow-eガラスを採用し性能を確保しています。

キッチンとダイニングテーブル、洗面家具は飯島町のHUMPさんのもの。キッチンは対面型ですが半分個室のように区切られて天井が低くなっており、キッチンは立つとLDKが見渡せる場所にあります。一角に家事デスクも設け南からの採光も確保しています。キッチンコーナーは約6mの幅があり機能的にまとめられています。


デッキは室内と同じレベルに設け室内の延長として使う想定をしています。敷地の高低差によりデッキが浮く為、デッキが景色を切り取ります。中央アルプスが一望できると同時に周囲の視線も気にせずに過ごすことのできるようにしています。近景、中景、遠景とダイナミックに広がる景色が目の前にひろがり、非日常的な贅沢な景色をみて生活できる特別な敷地だと思います。
 敷地の特徴に素直に従い、周辺の景色や方位に配慮しながらも雄大な景色に素直に開いた建築だと考えています。


駒ヶ根市S邸

所在地 長野県駒ヶ根市
主要用途 住宅
竣工年 2018年

設計・監理 暮らしと建築社
   担当/須永次郎 須永理葉
構造 木下洋介構造設計室
   担当/木下洋介
施工 有限会社新井建築
   
敷地面積 936m2
建築面積 186.31m2
延床面積 191.24m2
階数   地上2階 
設計期間 2016年12月~2017年8月
施工期間 2017年10月~2018年4月
写真撮影  上田宏
プロジェクトの竣工年/制作年: 2018
プロジェクトの費用: 3,000万円以上5,000万円未満